JPH0621781Y2 - 車両のインスツルメントとモニターの配置構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は油圧操作される産業用車両のインスツルメント
とモニターの改良した配置構造に関し、更に詳しくは運
転室の床面スペースを広くとれるようにすると同時に運
転者が容易にモニターを見ることができるようにした車
両のインスツルメントとモニターの改良した配置構造に
関する。

（従来技術） 産業用の車両では運転室内のインスツルメントパネルに
モニターを設けているのが通常である。これを第５図で
示すと、運転室１内にはシート２が設けられており、シ
ート２の右側あるいは左側にインスツルメントパネル３
が設けられている。インスツルメントパネル３の前方に
は該インスツルメントパネル３と一体にモニター４が設
けられている。

上記従来構造のインスツルメントパネル３は、シート２
の真横に設けられているため、運転者が簡単にインスツ
ルメントパネル３のスイッチ類を操作できるので便利で
ある。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、従来構造のモニター４はシート２の真横に配
置されたインスツルメントパネル３中に設けられている
ので、モニター４を読み取る時に運転者が横を向くこと
になり、前方の注意が散漫となって安全上好ましくなか
った。

又、車両の操作上、運転者がシート２を前方へずらせて
座ると、相対的にモニター４の位置が後方へずれること
なり、このような時にはモニター４を読み取るのに運転
者は体をひねる等の不自然な姿勢を強いられるものとな
って一層安全上好ましくないものとなる。これを解消さ
せるためには、インスツルメントパネル３をシート２よ
りも前方へ配置すればよいが、そうすると、操作性が悪
化したり、あるいは運転室１の下窓５の視界を制限して
しまうおそれがあった。

一方、床上に配置された計器箱の上面を前下がりとし、
この上面に計器を配置した計器箱において、計器を運転
者の目視方向に向けて傾けた構造の計器箱も公知であ
る。（実開昭５１−１０９７４６号公報参照） ところが、この公知の計器を傾けて配置した構造による
と、計器箱が床上に配置されているため、床面のスペー
スが狭くなる上、計器箱の上面を前下がりに傾斜させな
ければ運転者の視界を狭めてしまうものとなってしま
う。

そこで本考案の目的は、上記各欠点を改善し、床面スペ
ースを狭めることがなく、更には運転者の視界を狭める
こともなく、そして運転性を損なわないで読み取りを容
易としたインスツルメントとモニターの配置構造を提供
せんとするにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案の特徴とすることろは、車両を操作するスイッチ
類を設けたインスツルメントパネルと車両の状態を表示
するモニターとを運転室内に配置した油圧操作の産業用
車両において、シートの側方にインスツルメントパネル
を配置し、シートの前方側部の運転室の内壁に前記イン
スツルメントパネルと分離して別体にモニターを配置
し、該モニターの表示面がシート上方の運転者の目視位
置へ向かうように垂直方向及びシートの前後方向に傾け
てなるところにある。

（実施例） 以下、図によって本考案の一実施例を説明する。

第１，２図を参照して、運転室１１内に設けられたシー
ト１２の側部にはインスツルメントパネル１３が設けら
れている。インスツルメントパネル１３よりも前方側部
にはモニター１４が別体に設けられている。モニター１
４はインスツルメントパネル１３とは分離れた位置の運
転室１１の内壁１５に設けられる。内壁１５は運転室１
１のインナーパネル自体であってもよいが、インナーパ
ネルは通常薄い板金となっているので強度上問題が生ず
るおそれがあるので、この実施例では別個に補強桟を設
け、この補強桟を内壁１５としている。従って、インナ
ーパネルが強度上問題なければインナーパネル自体を内
壁１５としてもよい。モニターの表示面１４Ａには燃料
量や冷却水温度等の必要な事項が表示される。

第３，４図をも参照して、モニター１４はモニター本体
１６及びその前面の表示板１７と枠体１８とからなり、
それぞれ運転室１１の内壁１５に固定されている。枠体
１８は合成樹脂の成形品で構成されており、モニター本
体１６及び表示板１７を覆って設けられ、表示板１７に
対向する部分は透明な窓１９となっている。枠体１８の
上縁はシール２０を介して内壁１５に圧接され、下縁は
ネジ２１によって内壁１５に固定されている。

表示板１７は表示事項毎に段階的に区分されている。段
部Ｓの方向（第１図）は傾斜しており、その方向が運転
者の目視位置Ｐへ向かうものとなっている。モニター１
４は運転者の前方側部の下側に設けられているので、表
示板１７が内壁１５と平行であれば運転者がモニター１
４を読み取ることが困難となるので、表示板１７は運転
者の目視位置Ｐへ向かって傾いている。この実施例では
表示板１７は垂直方向に対して角度α，前後方向に対し
てβだけ目視位置Ｂへ向かって傾斜している。この、角
度α、βはモニター１４の位置と運転者の目視位置Ｐと
の関係で定められる。

本考案は以上のように構成されているので、運転者が前
方を注視しながらでもモニターの読み取りが可能とな
る。

尚、上記は本考案の一実施例であり、本考案は上記実施
例に限定されるものではない。例えば、モニターの設定
位置は運転室の左右の内壁であって、運転者よりも前方
にインスツルメントパネルから離されて設置されるもの
であればよい。

（考案の効果） 上記のように構成されかつ使用される本考案の効果を挙
げると次のとおりである。

運転者が前方を注視しながらでもモニターの読み取りが
可能となり、運転の安全性が向上する。

表示板が傾いているので読み取りが一層簡単となる。

インスツルメントパネルとモニターとが分離されて別体
として設置され、モニターが運転室側部内壁に設けられ
ているので、運転室の床面を狭めることがなく、更に運
転室内のシートの設置位置をレイアウトする場合の制約
が少なくなり、居住性が向上する。

枠体とシールとで表示板を覆う構成としたものでは、外
観がよくなる上、防水性、防塵性が向上して機器の耐久
性がよくなる。

表示板が表示事項毎に段階的になって傾斜しているもの
では、モニターの厚みを一定とできるので、モニターの
取付けスペースを増大させることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す運転室の概略断面図、
第２図は本考案の一実施例からなるモニターの斜視図、
第３図は第２図のＡ−Ａ断面図、第４図は第２図のＡ−
Ａ断面図、第５図は従来のモニターを示す運転室の概略
断面図である。 １１：運転室、１２：シート、１３：インスツルメント
パネル、１４：モニター、１４Ａ：表示面、１５：内
壁、１７：表示板、Ｐ：目視位置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両を操作するスイッチ類を設けたインス
   ツルメントパネルと車両の状態を表示するモニターとを
   運転室内に配置した油圧操作の産業用車両において、シ
   ートの側方にインスツルメントパネルを配置し、シート
   の前方側部の運転室の内壁に前記インスツルメントパネ
   ルと分離して別体にモニターを配置し、該モニターの表
   示面がシート上方の運転者の目視位置へ向かうように垂
   直方向及びシートの前後方向に傾けてなることを特徴と
   する車両のインスツルメントとモニターの配置構造。