JPH06217787A - オキサゾピロロキノリンに結合する抗体およびその使用法 - Google Patents

オキサゾピロロキノリンに結合する抗体およびその使用法

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JPH06217787A
JPH06217787A JP982893A JP982893A JPH06217787A JP H06217787 A JPH06217787 A JP H06217787A JP 982893 A JP982893 A JP 982893A JP 982893 A JP982893 A JP 982893A JP H06217787 A JPH06217787 A JP H06217787A
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opq
antibody
pqq
oxazopyrroloquinoline
monoclonal antibody
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JP982893A
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Hiroshi Narita
宏史 成田
Emi Morishita
恵美 森下
Sadaji Uragami
貞治 浦上
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Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】オキサゾピロロキノリンに結合する新規な抗体
を用いたオキサゾピロロキノリンおよびピロロキノリン
キノンの測定法。 【効果】血液や各組織等の検体中の微量に存在するオキ
サゾピロロキノリンおよびピロロキノリンキノンを、簡
便にしかも正確に分別定量することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オキサゾピロロキノリ
ン(以下OPQ とも記す)に結合することを特徴とする新
規な抗体および該抗体を使用するオキサゾピロロキノリ
ンおよびピロロキノリンキノンの測定方法に関する。本
発明のオキサゾピロロキノリンに結合する抗体を用いる
ことにより、動物・植物などの生体試料中のオキサゾピ
ロロキノリンおよびピロロキノリンキノンの測定が可能
となり、その成果は基礎医学、臨床医学の領域に対して
非常に重要な貢献をもたらす。
【0002】オキサゾピロロキノリン類(2,8,10−トリ
カルボキシ−1H−オキサゾ[4,5 −h ]−ピロロ[2,3
−f ]キノリンおよびその5 位置換化合物の総称、以下
OPQ類と記す)は、アルドース還元酵素阻害活性(特開
平3-294228、特開平4-91025公報)、免疫賦活活性(特
開平4-59727 公報)、肝障害抑制活性(特開平4-59728
公報)などが報告されており、今後医薬品として開発し
得る重要な物質である。なお、ピロロキノリンキノン
(4,5 −ジヒドロ−4,5 −ジオキソ−1H−ピロロ[2,3
−f ]キノリン−2,7,9 −トリカルボン酸、以下PQQ と
記す)は1979年にメタノール資化性細菌のメタノール脱
水素酵素の補酵素として見いだされた化合物であり、新
しいタイプのビタミンとして注目を集めている。このPQ
Q はグリシンなどのアミノ酸あるいはメチルアミンと反
応させることにより容易にOPQ にすることができる(特
開平3-294281公報)。
【0003】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】生体試
料中に含まれているOPQ あるいはPQQ を測定する方法と
しては、これらを生体試料中から抽出・精製し、液体ク
ロマトグラフィーなどによって測定する方法がある。し
かしながら、従来の方法は検出感度が低く、さらに不純
物による影響を受けやすいなど問題があり、いまだ実用
し得る方法はない。そこで生体試料中のOPQ あるいはPQ
Q を再現よく高感度で測定できる方法の開発が望まれて
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によればOPQ に特
異的に結合する抗体および該抗体を用いたOPQ あるいは
PQQ の簡便かつ高感度な免疫測定法が提供される。本発
明のOPQ に結合するモノクローナル抗体は、以下に示す
ように既に確立されている方法により得ることができ
る。
【0005】OPQ を水溶性カルボジイミドなどを用いて
ヘモシアミンなどの高分子担体に結合させハプテン抗原
を作製し、その10〜100 μg を完全フロイントアジュバ
ントなどとの懸濁液としてマウスあるいはラットに腹腔
内投与する。不完全フロイントアジュバントを用いて2
〜4 週間毎に1 〜数回追加免疫を行った後、最終免疫と
してハプテン抗原の生理食塩水溶液を腹腔内投与する。
最終免疫の3 〜4 日後に脾臓を摘出し、その脾臓細胞と
ミエローマ細胞を融合させ、ハイブリドーマを得る。ミ
エローマ細胞として、マウスではSP-2、NS-1、P3-U1 、
ラットではY3.Ag1.2.3などが使用される。ハイブリドー
マは、前記の細胞融合処理後の細胞を通常のハイブリド
ーマ選択培地(HAT 培地:ヒポキサンチン、アミノプテ
リンおよびチミジンを含む培地)で培養することによっ
て得られる。
【0006】すなわち、脾臓細胞はHAT 培地中では増殖
不可能であり、ミエローマ細胞はヒボキサンチン−グア
ニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT )欠
損株であるためアミノプテリンを含むHAT 培地中では生
育できない。従って、脾臓細胞からのHGPRT 遺伝子を導
入され、HAT 培地中で生育できた細胞がハイブリドーマ
である。目的の抗体を産生するハイブリドーマを酵素免
疫測定法(EIA 、後述)により選択後、限界希釈法によ
り単一クローン化を行い、増殖および抗体の産生能にお
いて安定した株を確立する。
【0007】このようにして得られた本発明のモノクロ
ーナル抗体産生ハイブリドーマは、通常の培地で継代培
養でき、液体窒素中で容易に長期間の保存が可能であ
る。なお、抗体の精製は、硫酸アンモニウムなどによる
塩析、DEAEセルロースなどを用いるカラムクロマトグラ
フィー、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィー
などの一般的な蛋白質の単離・精製方法を用いて行われ
る。
【0008】このようにして得られた本発明のOPQ に結
合する抗体はOPQ に強い結合能を有するものであり、本
抗体を用いた酵素免疫測定法(EIA )、蛍光免疫測定法
(FIA )または放射線免疫測定法(RIA )を行うことに
より微量のOPQ を特異的にかつ正確に測定することが可
能となる。また、前述したように、PQQ は容易にOPQに
変換し得ることから、試料中のPQQ を前処理によりOPQ
化することによりPQQの測定も可能である。
【0009】なお、生体試料中に含まれるPQQ をOPQ に
変換するためには、生体試料にグリシン、セリン、トリ
プトファン、プロリン、スレオニン、チロシンおよびメ
チルアミンのうち少なくとも1 種を添加し、PQQ と反応
させることが必要であるが、これらの中にOPQ 化への変
換率および反応時間の点から特にグリシンが好ましい。
反応pHとしては、添加する化合物により異なるが、グリ
シンの場合はpH6 〜10が好ましい。又、この反応には酸
素が必須であることから、添加後振とうなどの操作が必
要である。
【0010】本発明のOPQ に結合する抗体を用いたOPQ
の測定には、例えば「酵素免疫測定法」(第2 版、石川
英治他著、医学書院、1982年)などに記載されている公
知の方法を用いることができる。ここではEIA に基づく
競合法について簡単に説明する。なお、RIA 、FIA にお
いても、EIA と同様な原理によるものである。
【0011】競合EIA 法では、特異抗体を固相化抗原と
の反応に先立ち遊離抗原(標準または検体)と反応させ
ることにより、もしくは特異抗体と固相化抗原との反応
時に遊離抗原を共存させることにより、特異抗体と固相
化抗原との反応が遊離抗原の用量依存的に阻害される。
ここで、固相化抗原に結合した特異抗体を測定する必要
があるが、その方法としては、酵素標識した特異抗体を
用いて酵素活性として測定する方法と、酵素標識した二
次抗体を用いて酵素活性として測定する方法がある。こ
のいずれの場合においても酵素活性は、固相化抗原に結
合している抗体量を反映している。検体中の抗原量は、
既知濃度の標準遊離抗原を用いて作成した検量線から算
出することができる。
【0012】抗体を標識する酵素としては、ペルオキシ
ダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファタ
ーゼ、グルコースオキシダーゼなどがあり、これらの酵
素を「単クローン性抗体」(岩崎辰夫他著、講談社サイ
エンティフィク、1984)「酵素免疫測定法」(第2 版、
石川英治他著、医学書院、1982年)等に記載されている
方法で抗体に標識することができる。特異抗体を標識せ
ず標識二次抗体を用いる場合は、アルカリフォスファタ
ーゼ標識の抗マウス免疫グロブリンG 抗血清(カッペル
社)などの市販されている二次抗体を用いることができ
る。また感度を上げるためにAvidin Biotinylated enzy
me Complex (ABC )法、Peroxidase-Anti Peroxidase
(PAP )法なども使用される。一方、固相の支持体とし
ては、シリコン、ナイロン、プラスチック、ビーズ、マ
イクロプレートもしくは試験管などが使用される。ま
た、本発明のOPQ に結合する抗体は、組織、血液、尿な
どからのOPQ の分離・精製にも使用することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。 実施例1 OPQ に結合するモノクローナル抗体の作製 (1)抗原の調製 OPQ は低分子物質であるため、免疫に先立ちOPQ のハプ
テン化を行った。OPQを水溶性カルボジイミド(1−エ
チル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド、同仁化学社製、以下EDC と記す)を用いてカコ貝
ヘモシアニン(KLH )に結合させ、OPQ −KLH を得た。
この製法を以下に記す。
【0014】0.15M NaCl含有10mMリン酸緩衝液(pH7.4
)(以下PBS と記す)で透析したKLH 溶液(10mg/mL
・PBS 、pH7.4 )1.0 mLとOPQ 溶液(1mg/mL・PBS 、 p
H7.4)1.0 mLを混合し、これに30mgのEDC を加え、攪拌
しながら室温で5 時間、さらに4 ℃で一晩反応させた。
この反応液をPBS に対して3 日間透析した。
【0015】(2)免疫脾臓細胞の調製 6 〜8 週令の雌BALB/cマウスの腹腔内にOPQ −KLH 100
μg と完全フロイントアジュバント(Freund's complet
e adjuvant、Difco 社製)とのエマルジョンを投与し
た。2 週間後、OPQ −KLH 100 μg と不完全フロイント
アジュバント(Freund's imcomplete adjuvant、Difco
社製)とのエマルションを腹腔内に投与し、さらに2 週
間後OPQ −KLH 100 μg を含むPBS を腹腔内に投与し
た。その3 日後にマウスを屠殺し、脾臓を摘出してこれ
をほぐし、RPMI−1640培地(GIBCO 社製、L −グルタミ
ン0.3g/mL、25mM HEPES含有)にピルビン酸ナトリウム
0.11g/mL, 炭酸水素ナトリウム 2g /mL, 結晶ペニシ
リンGカリウム1 万単位/mL,ストレプトマイシン 10mg
/mLを加えた培地(以下、RPMI−1640培地と記す)に
懸濁した後、脾臓細胞を遠心分離で回収した。
【0016】(3)細胞融合とHAT 選択 (2)で調製した脾臓細胞と15%ウシ胎仔血清添加RPMI
-1640 培地(以下、15%FBS RPMI−1640培地と記す)で
培養した対数増殖期のマウスミエローマ細胞NS-1を5 :
1 の比率になるように混合し、RPMI−1640培地で2 回洗
浄した。遠心分離により細胞を回収し、細胞ペレットに
平均分子量1500の50%ポリエチレングリコール溶液(ベ
ーリンガー・マンハイム山之内社製)1.0 mLを1 分かけ
て徐々に添加し、その後1 分間静置した。さらに20mLの
RPMI−1640培地を10分かけて添加し、細胞液を希釈した
後、遠心分離により細胞を回収した。この細胞を40mLの
15%FBS 添加RPMI−1640培地に懸濁し、96穴プレート4
枚に分注し、湿度100 %、炭酸ガス5 %、37℃で培養を
開始した。培養開始の翌日、HAT 培地(4 ×10-7Mアミ
ノプテリン、1.6 ×10-5M チミジンおよび1 ×10-4M ヒ
ポキサンチンを含む15%FBS 添加RPMI−1640培地)を各
ウェルに100 μL 添加し、以後2 ないし3 日毎に半量の
培地を新たなHAT 培地と交換し、培養を続けた。その結
果、ほとんどすべてのウェル(1116個)でハイブリドー
マの増殖が認められた。
【0017】(4)抗体産生ハイブリドーマの取得 OPQ に結合する抗体を産生するハイブリドーマのスクリ
ーニングは、EDC を用いてウシ血清アルブミン(BSA )
にOPQ を結合させたOPQ −BSA を固相抗原としたEIA に
より行った。すなわち、OPQ −BSA をプレートに吸着さ
せた後、プレートをPBS で3 回洗浄した。各ウェルに1
%BSA を含むPBS 溶液(以下BSA −PBSと記す)を200
μL 添加し37℃で1 時間吸着させ、蛋白質の非特異的吸
着が起こらないように各ウェルを完全にブロックし、さ
らにプレートをPBS で3 回洗浄した。各ウェルに前記
(3)で得られたハイブリドーマの培養上清液50μL を
添加し、37℃で1 時間抗原抗体反応を行った。このプレ
ートをPBS で1 回、0.05% Tween 20 (Bio-Rad 社製、
EIA grade )含有PBS (以下Tween20-PBS と記す)で5
回、さらにPBS で1 回洗浄し、未反応の抗体を除去し
た。
【0018】次に、各ウェルにTween20 −PBS で1000倍
に希釈したアルカリフォスファターゼ標識ヤギ抗マウス
免疫グロブリンG抗血清(カッペル社製)を50μL 添加
し、37℃で1 時間反応させ、PBS で1 回、Tween20-PBS
で5 回、PBS で1 回洗浄し、次いで各ウェルに基質であ
るρ−ニトロフェニルリン酸を1mg/mL含むジエタノール
アミン緩衝液(10%ジエタノールアミン、0.5mM MgC
l2 、pH 9.8)を100 μL添加し、室温で1 時間から数時
間反応させ、マイクロプレートリーダー Model3550(B
io-Rad 社製)を用いて反応液の405nm における吸光度
を測定し、固相抗原と結合した抗体を検出した。その結
果OPQ −BSA に対する抗体産生陽性ウェルは12個のみで
あった。
【0019】(5)ハイブリドーマのクローニング 抗体産生陽性ウェル12個のうち特にOPQ −BSA に対する
抗体活性の高かった1ウェルについて、限界希釈法によ
りクローニングを行った。増殖培地として15%FBS 添加
RPMI−1640培地に増殖因子としてORIGEN(IGEN社製)を
10%になるように添加したものを用いた。なお、抗体産
生細胞のスクリーニングは上記(4 )と同様のEIA を行
い、陽性クローンを再度クローニングすることによりOP
Q に対するモノクローナル抗体産生細胞OPQ-22を樹立し
た。
【0020】(6)モノクローナル抗体の免疫グロブリ
ンのサブクラスの決定 モノクローナル抗体産生細胞OPQ-22が培養上清液中に分
泌するモノクローナル抗体について、その免疫グロブリ
ンのサブクラスを、マウスモノクローナル抗体アイソタ
イピングキット(アマーシャム社製)を用いて調べた。
モノクローナル抗体はIgG1であり、軽鎖はκであった。
【0021】(7)モノクローナル抗体の精製 BALB/Cマウスに腹水癌を誘導するために0.5 mLのプリス
タンを腹腔内投与し、投与3 〜10日後に前記(5 )で得
られた1 ×107 個のモノクローナル抗体産生細胞OPQ-22
を腹腔内に移植した。約2 週間後に腹水を採取し、50%
飽和硫酸アンモニウム塩析により粗モノクローナル抗体
を得た。この粗抗体はさらにアフィスタープロテインA
(クラボウ社製)を用いて純化し、PBS に対して透析
後、4 ℃で保存した。腹水1 mLあたり約5mg の精製抗体
(OPQmAb22)を得た。
【0022】実施例2 固相をOPQ-BSA としたOPQmAb22の競合EIA (1)OPQmAb22のOPQ に対する結合 固相抗原をOPQ −BSA とし、OPQmAb22の抗原抗体反応に
対するOPQ の阻害効果を競合EIA 法を用いて検討した。
OPQ −BSA を固相化したELISA 用マイクロプレート(ヌ
ンク社製)の各ウェルに2nM 、20nM、200nM 、2 μM お
よび20μM のOPQ 溶液を50μm とOPQmAb22(80μg /mL
BSA−PBS )を50μl 添加し、37℃で1時間反応を行っ
た以外は、実施例1の(4)と同様の操作を行った。
【0023】アルカリフォスファターゼの基質を添加し
たのち1時間経過後の反応液の405nm における吸光度を
表1に示す。OPQ 無添加での405nm における吸光度を10
0 %、OPQmAb22無添加での吸光度を0 %とした場合の50
%の吸光度を与えるOPQ 濃度をIC50値で示した。なお、
一般的にこのIC50値は、抗体の遊離抗原に対する親和性
が高いほど低値となる。OPQmAb22の固相への結合は、OP
Q の濃度に依存して阻害され、OPQmAb22はOPQ に結合す
ることが明かとなった。
【0024】
【表1】 表1 OPQ終濃度 405nmにおける吸光度 0 0.883 1nM 0.778 10nM 0.619 100nM 0.234 1μM 0.113 10μM 0.098 IC50 25nM
【0025】 (2)OPQmAb22のPQQ その他化合物に対する結合特異性 OPQmAb22の結合特異性を調べるために、遊離抗原とし
て、PQQ およびトリヒドロキシフェニルアラニン、ジヒ
ドロキシフェニルアラニン、トリヒドロキシベンゼン、
ビタミンB2 、ビタミンC、ビタミンK3 を用い競合EI
A 法により検討した。なお、各遊離抗原のうち、ビタミ
ンK3 はBSA −PBS で希釈したが他の化合物はすべてPB
S で希釈した。競合EIA は上記(1)の方法で行った。
その結果、PQQ のIC50値は、960nM であったが、他の化
合物のIC50値は100 μM 以上であった。OPQmAb22は、OP
Q に対して強い親和性を示すものの、これらの化合物に
対しては親和性を示さなかった。
【0026】実施例3 固相をOPQ-BSA としたOPQmAb22の競合EIA 実施例2の
(2)の結果から、OPQmAb22は、OPQ に比べてPQQ でそ
の親和性が低いことから、固相をPQQ-BSA とすることに
より、競合EIA の高感度化を試みた。なお、PQQ-BSA は
OPQ のかわりにPQQ を用い、KLH のかわりにBSA を用い
た以外は実施例1の(1)のOPQ-KLH と同様にして作製
した。なお、固相抗原PQQ-BSA 濃度は、遊離抗原を加え
ない場合に表1と同程度の発色を与える濃度である5 μ
g /mLとした。
【0027】(1)OPQmAb22のOPQ に対する親和性 固相をPQQ-BSA とした以外は、実施例2の(1)と同様
にして、PQQ-BSA とOPQmAb22の抗原抗体反応に対するOP
Q の阻害活性を調べた。なお、反応時間は1 時間とし
た。結果を表2に示す。
【0028】
【表2】 表2 OPQ終濃度 405nmにおける吸光度 0 0.894 1nM 0.764 10nM 0.307 100nM 0.105 1μM 0.104 10μM 0.094 IC50 4.5nM この場合IC50は4.5nM であり、固相抗原をOPQ-BSA から
PQQ-BSA に変換することによりOPQ の測定感度を数倍上
げることが出来た。
【0029】 (2)OPQmAb22のOPQ 類およびPQQ に対する親和性 OPQmAb22のOPQ 類およびPQQ に対する親和性を検討する
ために、実施例3の(1 )と同様の固相にOPQ-BSA を用
いた競合EIA を行い、IC50値の比較を行った。なお、各
種OPQ 類の希釈はPBS を用いて行った。化1にOPQ 類の
構造式、表3に結果を示す。
【0030】
【化1】 (Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示
し、該アルキル基は水酸基、カルボキシル基、メルカプ
ト基、カルバモイル基、ヒドロキシフェニル基、グアニ
ジノ基、イミダゾリル基またはメチルメルカプト基によ
って置換されていてもよい。)
【0031】化1で示されるOPQ類には、具体的に例
えば以下のものが存在する。OPQ( R=H )、ヒドロ
キシメチルOPQ( R=CH2OH )、メチルOPQ( R=
CH3)、2−カルバモイルエチルOPQ( R=CH2CH2CON
H2 )、2−カルボキシエチルOPQ( R=CH2CH2COO
H)、1−メチルエチルOPQ( R=CH(CH3)2)、4−
ヒドロキシフェニルメチルOPQ( R=CH2C6H4OH )、
2−メチルプロピルOPQ( R=CH2CH(CH3)2 )、2−
メチルチオエチルOPQ( R=CH2CH2SCH3)、ベンジル
OPQ( R=CH2-C6H5)、1−メチルプロピルOPQ
( R=CH(CH3)CH2CH 3 )。
【0032】
【表3】 表3 OPQ類 IC50(nM) OPQ 2.7 ヒドロキシメチルOPQ 26 メチルOPQ 30 2−カルバモイルエチルOPQ 72 2−カルボキシエチルOPQ 78 1−メチルエチルOPQ 100 4−ヒドロキシフェニルメチルOPQ 180 2−メチルプロピルOPQ 190 2−メチルチオエチルOPQ 240 ベンジルOPQ 310 1−メチルプロピルOPQ 480 PQQ 190
【0033】OPQ のIC50値は約3nM 、OPQ 類のIC50値は
約20〜500nM であり、OPQmAb22は、OPQ 以外のOPQ 類に
比べて、OPQ に対して10〜150 倍の親和性を示した。ま
た、PQQ のIC50値は190nM であり、OPQmAbは固相として
PQQ-BSA を用いた場合においてもOPQ-BSA を用いた場合
と同様、PQQ に比べてOPQ に対して高い親和性を示し
た。
【0034】実施例4 グリシン添加PQQ (OPQ 化)のOPQmAbとの親和性 PQQ は、グリシン、セリン、スレオニン、トリプトファ
ン、プロリン、チロシンおよびモノメチルアミンのいず
れかと酸素存在下で反応させることにより容易にOPQ 化
することが出来ることから、PQQ をグリシン添加により
OPQ に変換し、競合EIA による阻害活性を調べた。
【0035】10mMグリシン緩衝液(pH9.9 )中で50μM
のPQQ を50℃で1 、2 あるいは4 時間反応させ、その反
応液をPBS で1/5 (PQQ 濃度で10μM 相当)、1/50(PQ
Q 濃度で1μM 相当)、1/500 (PQQ 濃度で100nM 相
当)、1/5000(PQQ 濃度で10nM相当)、1/50000 (PQQ
濃度で1nM 相当)に希釈し、競合EIA を検討した。な
お、グリシン無添加のPQQ およびOPQ も同時に検討し
た。結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】PQQ にグリシンを添加し OPQ化することに
より、IC50値はPQQ のみの場合に比べて大幅に低下し、
反応時間 4時間の場合3.3nM となった。この値は、 OPQ
のIC 50値(3.0nM) にほぼ近似しており、PQQ はグリシン
を添加しOPQ 化することにより、本競合 EIAを用いて感
度よく測定することができることが明らかとなった。つ
まり、試料をそのまま測定、あるいは、試料中へグリシ
ンを添加 (前処理により PQQを OPQ化する) した後測定
することにより、試料中の OPQおよび PQQをの分別測定
が可能となった。
【0038】実施例5 ウシ胎児血清中 (FBS)の OPQおよびPQQ の定量 (1)OPQ の添加回収およびFBS 中のOPQ 含量 FBS にOPQ を無添加あるいは5 、10、20nMとなるように
加えた後、サンプル 1mL当り1M HClO4を0.25mL添加し1
0,000rpm で10分間遠心分離し上清液を得た。さらに、
この上清液を1M KOHを用いて中和し、4 ℃で一晩保存し
た後、再度10,000rpm で10分間遠心分離し、上清液(抽
出液)を得た。この抽出液に含まれる OPQ量を実施例3
と同様にして、本競合EIA を用いて測定した。結果を表
5に示す。
【0039】
【表5】 表5 (1) (2) (2)−(1) 添加OPQ 量濃度(nM) 測定OPQ 濃度(nM) △OPQ (nM) 0 5.9 5.9 5 10.7 5.7 10 18.9 8.9 20 28.2 8.2
【0040】測定されたOPQ 濃度(2) と加えたOPQ 濃度
(1) の差( (2)−(1) 、△OPQ )は本来FBS 中に存在し
ていたOPQ の濃度を示すが、この値が外から加えたOPQ
量の違いに依存せずほぼ一定値を示すことから、OPQ の
添加回収はほぼ完全に行われており、かつFBS 中には、
OPQ が約7.2nM (4 点の平均値)含まれていることが示
された。
【0041】(2)FBS 中のPQQ 含量 (1)で得られたOPQ の無添加の抽出液に、20mMのグリ
シン緩衝液(pH9.9 )を同量加え、50℃で4 時間反応さ
せ、その反応液について、実施例3と同様にして本競合
EIA を利用してOPQ 量を測定したところFBS 中に含まれ
るOPQ 量は10nMであった。(1)の結果よりFBS に含ま
れるOPQ 量は7.2nM であることからFBS中に含まれるPQQ
量は2.8nM と算出された。
【0042】
【発明の効果】本発明により、オキサゾピロロキノリン
に結合する新規なモノクローナル抗体およびこの抗体を
使用して免疫測定することにより、たとえば、血液およ
び各組織などの検体中の微量のオキサゾピロロキノリン
あるいはピロロキノリンキノンを簡便にしかも正確に測
定することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキサゾピロロキノリンに結合すること
    を特徴とするモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 オキサゾピロロキノリンに結合するモノ
    クローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
  3. 【請求項3】 オキサゾピロロキノリンに結合するモノ
    クローナル抗体を使用するオキサゾピロロキノリンの測
    定方法。
  4. 【請求項4】 ピロロキノリンキノンを測定するにあた
    り、ピロロキノリンキノンを化学的にオキサゾピロロキ
    ノリンとし、このオキサゾピロロキノリンをオキサゾピ
    ロロキノリンに結合するモノクローナル抗体を用いて測
    定することを特徴とするピロロキノリンキノンの測定方
    法。
JP982893A 1993-01-25 1993-01-25 オキサゾピロロキノリンに結合する抗体およびその使用法 Pending JPH06217787A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3739334A4 (en) * 2018-01-12 2021-09-22 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. METHOD OF ANALYSIS

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