JPH06217709A - 生殖可能時期前後の雌のウシ科動物のためのラクトパミン - Google Patents
生殖可能時期前後の雌のウシ科動物のためのラクトパミンInfo
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- JPH06217709A JPH06217709A JP5319435A JP31943593A JPH06217709A JP H06217709 A JPH06217709 A JP H06217709A JP 5319435 A JP5319435 A JP 5319435A JP 31943593 A JP31943593 A JP 31943593A JP H06217709 A JPH06217709 A JP H06217709A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 メスのウシ科動物の乳汁産生能力を高める方
法を提供する。 【構成】 メスのウシ科動物に、効果的な量の活性成分
を、最初の妊娠前の乳腺のアロメトリックな成長期の間
に与えることからなり、この活性成分が、ラクトパミン
あるいはその生理学的に許容し得る塩である方法。
法を提供する。 【構成】 メスのウシ科動物に、効果的な量の活性成分
を、最初の妊娠前の乳腺のアロメトリックな成長期の間
に与えることからなり、この活性成分が、ラクトパミン
あるいはその生理学的に許容し得る塩である方法。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、雌のウシ科動物の乳汁
産生能力を増加させる方法に関する。さらに詳細には、
本発明は、最初の妊娠前における乳腺のアロメトリック
な成長期に効果的な量の活性成分を投与することによっ
て、雌のウシ科動物の乳汁産生能力を増加させる方法に
関する。この活性成分は、１−（４−ヒドロキシフェニ
ル）−２−（１−メチル−３−（４−ヒドロキシフェニ
ル）プロピルアミノ）エタノールあるいはその生理学的
に許容し得る塩である。
産生能力を増加させる方法に関する。さらに詳細には、
本発明は、最初の妊娠前における乳腺のアロメトリック
な成長期に効果的な量の活性成分を投与することによっ
て、雌のウシ科動物の乳汁産生能力を増加させる方法に
関する。この活性成分は、１−（４−ヒドロキシフェニ
ル）−２−（１−メチル−３−（４−ヒドロキシフェニ
ル）プロピルアミノ）エタノールあるいはその生理学的
に許容し得る塩である。
【０００２】
【従来技術と発明が解決すべき課題】乳汁の産生を最大
にするように雌のウシ科動物を飼育することについて
は、非常に関心が持たれている。これは、乳腺の機能的
な乳汁分泌部位である実質組織が、かなりの割合で生殖
が可能となる時の前に発達するからである。実質組織の
発達を促進するための研究がすすめられている。驚いた
ことに、生殖が可能となる時前の期間において飼料の消
費が増えると、成長速度を早め、より早く生殖が可能と
なる時を迎えるが、乳汁産生量は減少する。
にするように雌のウシ科動物を飼育することについて
は、非常に関心が持たれている。これは、乳腺の機能的
な乳汁分泌部位である実質組織が、かなりの割合で生殖
が可能となる時の前に発達するからである。実質組織の
発達を促進するための研究がすすめられている。驚いた
ことに、生殖が可能となる時前の期間において飼料の消
費が増えると、成長速度を早め、より早く生殖が可能と
なる時を迎えるが、乳汁産生量は減少する。
【０００３】
【課題を解決するための手段】生殖が可能となる時期ま
たはその近くの雌のウシ科動物を処置する方法であっ
て、結果として、該動物の実質細胞が増加し、最終的な
乳汁産性能力が増加する方法が発見された。この方法
は、１−（４−ヒドロキシフェニル）−２−（１−メチ
ル−３−（４−ヒドロキシフェニル）プロピルアミノ）
エタノールあるいはその生理学的に許容し得る塩を投与
することである。
たはその近くの雌のウシ科動物を処置する方法であっ
て、結果として、該動物の実質細胞が増加し、最終的な
乳汁産性能力が増加する方法が発見された。この方法
は、１−（４−ヒドロキシフェニル）−２−（１−メチ
ル−３−（４−ヒドロキシフェニル）プロピルアミノ）
エタノールあるいはその生理学的に許容し得る塩を投与
することである。
【０００４】本発明において用いられる活性な薬剤は、
１−（４−ヒドロキシフェニル）−２−（１−メチル−
３−（４−ヒドロキシフェニル）プロピルアミノ）エタ
ノールあるいはその生理学的に許容し得る塩である。こ
の化合物は、以下の式を有する。
１−（４−ヒドロキシフェニル）−２−（１−メチル−
３−（４−ヒドロキシフェニル）プロピルアミノ）エタ
ノールあるいはその生理学的に許容し得る塩である。こ
の化合物は、以下の式を有する。
【化１】 この化合物は、「ラクトパミン」というＵＳＡＮ名で知
られている。この化合物は２つの不斉炭素を有してい
る。本発明では、いずれの異性体も用いられ得る。しか
し、好ましくは、この化合物は、異性体の混合物として
用いられる。塩酸塩は、好ましい塩である。
られている。この化合物は２つの不斉炭素を有してい
る。本発明では、いずれの異性体も用いられ得る。しか
し、好ましくは、この化合物は、異性体の混合物として
用いられる。塩酸塩は、好ましい塩である。
【０００５】本発明で用いられる化合物は、Ｕ．Ｓ．
４，６９０，９５１に記載されており、この文献に記載
の内容は本明細書の一部を構成する。
４，６９０，９５１に記載されており、この文献に記載
の内容は本明細書の一部を構成する。
【０００６】乳腺の発達は、複雑なプロセスである。こ
のことに関する総説は、１９９２年４月６日発行のFeed
stuffs、１２、１３、および１７ページに記載されてい
る。要約すると、生まれたすぐ後から、生殖が可能とな
る時のいくらか後まで、乳腺の成長は、「アロメトリッ
クな」速度で起こる。すなわち、その動物の一般的な成
長（「イソメリック」）より大きな割合である。Acta.
Agr. Scand., 28, 41-46 (1978)を参照のこと。このア
ロメトリックな成長期の間、実質組織および小管上皮組
織の両方、および脂肪パッドが成長する。前２つの組織
から、実際に乳汁を分泌する組織が後に形成され、脂肪
パッド中では、実質組織が固定される。続く乳汁産生
は、このアロメトリックな成長期における実質組織の成
長を増加させ、そして、脂肪パッドの成長を最小限にす
ることによって、最大になる。
のことに関する総説は、１９９２年４月６日発行のFeed
stuffs、１２、１３、および１７ページに記載されてい
る。要約すると、生まれたすぐ後から、生殖が可能とな
る時のいくらか後まで、乳腺の成長は、「アロメトリッ
クな」速度で起こる。すなわち、その動物の一般的な成
長（「イソメリック」）より大きな割合である。Acta.
Agr. Scand., 28, 41-46 (1978)を参照のこと。このア
ロメトリックな成長期の間、実質組織および小管上皮組
織の両方、および脂肪パッドが成長する。前２つの組織
から、実際に乳汁を分泌する組織が後に形成され、脂肪
パッド中では、実質組織が固定される。続く乳汁産生
は、このアロメトリックな成長期における実質組織の成
長を増加させ、そして、脂肪パッドの成長を最小限にす
ることによって、最大になる。
【０００７】高い乳汁産生能は、牛乳が売り物の乳目的
として使われている品種にとって、望ましい。高い乳汁
産性能はまた、子ウシに授乳させるための品種にとって
も望ましい。子ウシは栄養物として乳汁を多く供給さ
れ、離乳期までにはより体重が増す。
として使われている品種にとって、望ましい。高い乳汁
産性能はまた、子ウシに授乳させるための品種にとって
も望ましい。子ウシは栄養物として乳汁を多く供給さ
れ、離乳期までにはより体重が増す。
【０００８】本発明では、活性な薬剤（活性成分）が、
最初の妊娠前における乳腺のアロメトリックな成長期
に、雌のウシ科動物に投与される。それぞれの種につい
て、生殖が可能となる時に到達して繁殖ができる年齢は
知られている。Bos taurusの雌は、一般的に、「大人」
の３分の２の大きさになったとき、繁殖のために生殖が
可能となる時を迎える。これは、４月齢から１４月齢の
時におこる。羊およびヤギでは、生殖が可能となる時期
は、部分的に大きさ、および季節によってのみ制御され
る。一般的に、これらの種では、その成熟した大きさの
４０から７０パーセントに達したときに生殖が可能とな
る時期になる。これは、一般的には、５から１０月齢で
到達する。しかし、もし晩秋に必要な大きさに達したと
きには、サイクルは、一年遅れ得る。バッファローは、
１から３年齢で生殖が可能となる時を迎える。さらに、
これらの種によっての違いに加え、特殊な品種の間でも
さらに相違があり、さらに管理方法によっても異なる。
いずれの動物個体においても、生殖可能な時期に達した
かどうかは、発情期の挙動の様子の観察あるいは動物管
理科学の分野において当業者に知られている方法、特に
血液サンプル中のプロゲステロンの分析により決定され
得る。
最初の妊娠前における乳腺のアロメトリックな成長期
に、雌のウシ科動物に投与される。それぞれの種につい
て、生殖が可能となる時に到達して繁殖ができる年齢は
知られている。Bos taurusの雌は、一般的に、「大人」
の３分の２の大きさになったとき、繁殖のために生殖が
可能となる時を迎える。これは、４月齢から１４月齢の
時におこる。羊およびヤギでは、生殖が可能となる時期
は、部分的に大きさ、および季節によってのみ制御され
る。一般的に、これらの種では、その成熟した大きさの
４０から７０パーセントに達したときに生殖が可能とな
る時期になる。これは、一般的には、５から１０月齢で
到達する。しかし、もし晩秋に必要な大きさに達したと
きには、サイクルは、一年遅れ得る。バッファローは、
１から３年齢で生殖が可能となる時を迎える。さらに、
これらの種によっての違いに加え、特殊な品種の間でも
さらに相違があり、さらに管理方法によっても異なる。
いずれの動物個体においても、生殖可能な時期に達した
かどうかは、発情期の挙動の様子の観察あるいは動物管
理科学の分野において当業者に知られている方法、特に
血液サンプル中のプロゲステロンの分析により決定され
得る。
【０００９】好ましい態様では、本発明の活性な薬剤
は、アロメトリックな成長期の後期に投与される。この
時期は、生殖可能な時（最初の発情期）の前の時期を含
み、そして初期の生殖可能な時を含み得る。しかし、生
殖可能な時期の間に、アロメトリックな成長期は、次第
にイソメリック期に変わっていき、そして、乳腺の発達
を有利なように変える機会は、減っていく。従って、特
に好ましい方法では、本発明の活性な薬剤は、生殖可能
な時期を迎える前の期間に投与される。この期間の長さ
は、処置される特定のウシ科動物によって異なる。ウシ
科動物が、Bos taurusの場合、この期間は、一般的に生
殖可能な時期の前２ヵ月から４ヵ月である。
は、アロメトリックな成長期の後期に投与される。この
時期は、生殖可能な時（最初の発情期）の前の時期を含
み、そして初期の生殖可能な時を含み得る。しかし、生
殖可能な時期の間に、アロメトリックな成長期は、次第
にイソメリック期に変わっていき、そして、乳腺の発達
を有利なように変える機会は、減っていく。従って、特
に好ましい方法では、本発明の活性な薬剤は、生殖可能
な時期を迎える前の期間に投与される。この期間の長さ
は、処置される特定のウシ科動物によって異なる。ウシ
科動物が、Bos taurusの場合、この期間は、一般的に生
殖可能な時期の前２ヵ月から４ヵ月である。
【００１０】Bos 属のなかで、本発明は、ホルスタイン
種、ジャージー種、ガーンジー種、ブラウンスイス種、
エアシャー種、フリージャン種、ダッチレッドおよびホ
ワイト種、デーニッシュレッド種およびノルマンド種な
どの乳牛に用いられ得る。本発明は、アンガス種、ヘレ
フォード種、キャニーナ（Chianina）種、ペンズギャー
（Penzgauer）種、レッドアンガス種、ポルド（Polle
d）ヘレフォード種、デボン種、サウスデボン種、サン
タガートルーディス種、ギャロウエー種、メインアンジ
ュー種、ブランガス種、ブラマ種、ゲルビー（Gelbvie
h）種、シャロレー種、およびリムザン種、ならびに交
配した種などの肉牛に用いられ得る。さらに、シンメン
タール種およびショートホーン種などの品種は、乳牛お
よび肉牛の両方として用いる。本発明は、ヤギ、羊、お
よびバッファローなどの他のウシ科のメスにも用いられ
得る。
種、ジャージー種、ガーンジー種、ブラウンスイス種、
エアシャー種、フリージャン種、ダッチレッドおよびホ
ワイト種、デーニッシュレッド種およびノルマンド種な
どの乳牛に用いられ得る。本発明は、アンガス種、ヘレ
フォード種、キャニーナ（Chianina）種、ペンズギャー
（Penzgauer）種、レッドアンガス種、ポルド（Polle
d）ヘレフォード種、デボン種、サウスデボン種、サン
タガートルーディス種、ギャロウエー種、メインアンジ
ュー種、ブランガス種、ブラマ種、ゲルビー（Gelbvie
h）種、シャロレー種、およびリムザン種、ならびに交
配した種などの肉牛に用いられ得る。さらに、シンメン
タール種およびショートホーン種などの品種は、乳牛お
よび肉牛の両方として用いる。本発明は、ヤギ、羊、お
よびバッファローなどの他のウシ科のメスにも用いられ
得る。
【００１１】本発明の活性な薬剤は、いずれの方法によ
っても投与され得る。この化合物は、完全飼料の一部と
して、トップドレス（topdress）として、補助剤とし
て、あるいは飲料水に入れて、経口的に投与され得る。
この化合物は、生理学的に許容され得る担体と結合させ
て、処置される動物に注入され得る。この化合物は、イ
ンプラントとして処方され、皮膚の下に挿入され得る。
そのインプラントから、活性な薬剤がある期間送達され
る。もっとも好ましい送達方法は、飼料中から経口的に
行なうことである。このような目的のために、効果的な
量の活性な薬剤が、該薬剤を５から２００ｐｐｍの濃
度、そして好ましくは、２０から１２５ｐｐｍの濃度で
含む飼料から与えられる。
っても投与され得る。この化合物は、完全飼料の一部と
して、トップドレス（topdress）として、補助剤とし
て、あるいは飲料水に入れて、経口的に投与され得る。
この化合物は、生理学的に許容され得る担体と結合させ
て、処置される動物に注入され得る。この化合物は、イ
ンプラントとして処方され、皮膚の下に挿入され得る。
そのインプラントから、活性な薬剤がある期間送達され
る。もっとも好ましい送達方法は、飼料中から経口的に
行なうことである。このような目的のために、効果的な
量の活性な薬剤が、該薬剤を５から２００ｐｐｍの濃
度、そして好ましくは、２０から１２５ｐｐｍの濃度で
含む飼料から与えられる。
【００１２】本発明は、以下の実施例で例示される。
【実施例】４０頭の生殖可能な時期前のホルスタインの
雌ウシをこの実験で用いた。実験開始時の平均体重およ
び年齢は、約２４９ｋｇおよび２４４日齢（８ヵ月）で
あった。雌ウシを体重および年齢に従ってペアにし、コ
ントロールか実験の処置用として印を付けた。雌ウシ
は、４つの畜舎で飼った。実験用の処置は、ラクトパミ
ンを乾燥物にして食飼の８０ｐｐｍ与えることであっ
た。処置の期間は、７０日間であった。
雌ウシをこの実験で用いた。実験開始時の平均体重およ
び年齢は、約２４９ｋｇおよび２４４日齢（８ヵ月）で
あった。雌ウシを体重および年齢に従ってペアにし、コ
ントロールか実験の処置用として印を付けた。雌ウシ
は、４つの畜舎で飼った。実験用の処置は、ラクトパミ
ンを乾燥物にして食飼の８０ｐｐｍ与えることであっ
た。処置の期間は、７０日間であった。
【００１３】雌ウシに毎日、完全混合飼料を無制限に与
えた。この飼料は、乾燥物として全体に対する％で示す
と、完全混合飼料としてコーンサイレージ（２１．１
％）、アルファルファサイレージ（１５％）、および補
助剤（６０％）からなり、トップドレス（３．９％）が
加えられている。補助剤（ＣＡ−９５）およびトップド
レス（ＤＡ−７４）の組成物は、以下の表１に示すとお
りである。ラクトパミンを含むプレミックス（組成物、
以下の表２）を十分な量のＤＡ−７４に加え、１ｋｇの
トップドレスあたり１８４．７ｍｇのラクトパミンを含
ませた。ラクトパミンを含まない同一のトップドレス
は、コントロールの雌ウシに与えた。トップドレスの量
は、全飼料の量の８０ｐｐｍのラクトパミンを与えるも
のであった。混合飼料は、１日に１回与えた。飼料を与
える直前に、前日の飼料から、食べ残した量を測定し
た。飼料を与えた直後に、必要量のトップドレスを新し
い飼料に加え、そして飼料のかいば桶中で混合した。
えた。この飼料は、乾燥物として全体に対する％で示す
と、完全混合飼料としてコーンサイレージ（２１．１
％）、アルファルファサイレージ（１５％）、および補
助剤（６０％）からなり、トップドレス（３．９％）が
加えられている。補助剤（ＣＡ−９５）およびトップド
レス（ＤＡ−７４）の組成物は、以下の表１に示すとお
りである。ラクトパミンを含むプレミックス（組成物、
以下の表２）を十分な量のＤＡ−７４に加え、１ｋｇの
トップドレスあたり１８４．７ｍｇのラクトパミンを含
ませた。ラクトパミンを含まない同一のトップドレス
は、コントロールの雌ウシに与えた。トップドレスの量
は、全飼料の量の８０ｐｐｍのラクトパミンを与えるも
のであった。混合飼料は、１日に１回与えた。飼料を与
える直前に、前日の飼料から、食べ残した量を測定し
た。飼料を与えた直後に、必要量のトップドレスを新し
い飼料に加え、そして飼料のかいば桶中で混合した。
【表１】 Ａ．補助剤（ＣＡ−９５）およびトップドレス（ＤＡ−７４）の組成物（％） 材料 ＣＡ−９５ ＤＡ−７４ 挽いたコーン、イエロー ６３．０ ２０．０ ダイズミール（溶媒抽出） １０．０ ２５．０ サトウキビ糖密 １０．０ ２．５ 蒸留用の乾燥穀類 ９．０ トウモロコシの穂軸 ３８．０ ミートミール ４．６ オーツ、挽いたもの １１．０ 動物油脂 ２．０ ミネラル／ビタミン ２．８ １．１ 塩 ０．６ ０．４
【表２】 Ｂ．ラクトパミンを含むプレミックスの組成物 材料％ ラクトパミン塩酸塩 挽いたトウモロコシの穂軸 ロット＃１ １０ ９０ ロット＃２ ５ ９５
【００１４】雌ウシの体重を実験の初日から測定し、７
０日の処置の間、７日間ずつの間をおいて続けた。実験
の開始時と最後の体重は、２回の体重測定の平均であっ
た。肩甲骨間の高さを、実験の開始時と最後に測定し
た。
０日の処置の間、７日間ずつの間をおいて続けた。実験
の開始時と最後の体重は、２回の体重測定の平均であっ
た。肩甲骨間の高さを、実験の開始時と最後に測定し
た。
【００１５】実験の最後に、雌ウシを安楽死させ、そし
て乳腺および卵巣を取り出した。中央および側面の提靱
帯ならびに余分な皮を取りのぞいて、乳腺を調整した。
調整した乳腺の重さを測定し、切開した。まず、皮およ
び乳首を取りのぞいた。次に、腺の背の表面の外側の組
織（ほとんど筋膜）を除去した。残りの乳房の組織を腺
および脂肪パッドの前方および側面部分から物理的に分
離した。上方の乳房のリンパ節も同様に除去した。次に
腺を右半分と左半分とにわけ、重さを測った。
て乳腺および卵巣を取り出した。中央および側面の提靱
帯ならびに余分な皮を取りのぞいて、乳腺を調整した。
調整した乳腺の重さを測定し、切開した。まず、皮およ
び乳首を取りのぞいた。次に、腺の背の表面の外側の組
織（ほとんど筋膜）を除去した。残りの乳房の組織を腺
および脂肪パッドの前方および側面部分から物理的に分
離した。上方の乳房のリンパ節も同様に除去した。次に
腺を右半分と左半分とにわけ、重さを測った。
【００１６】３６頭の雌ウシから得られた右半分の乳腺
を解剖して、実質組織と非実質組織とに分けた。それぞ
れの成分の重さを測定し、組織部分の水分を、オーブン
で１００℃、２４時間乾燥させることによって、分析
し、脂質をエーテル抽出することで分析し、タンパク質
をケルダール法で分析した。
を解剖して、実質組織と非実質組織とに分けた。それぞ
れの成分の重さを測定し、組織部分の水分を、オーブン
で１００℃、２４時間乾燥させることによって、分析
し、脂質をエーテル抽出することで分析し、タンパク質
をケルダール法で分析した。
【００１７】結果 雌ウシの状態を表３に示す。体重増加は、ラクトパミン
を与えた雌ウシの方が、０．１３ｋｇ／ｄ多かった（ｐ
＜０．０７）。ＡＤＧの違いは、処置したほうが多く、
経時的に縮小する。２８、４２、および５６日後の、コ
ントロールの雌ウシと処置した雌ウシとの間のＡＤＧの
違いは、それぞれ０．３５、０．２０、および０．１７
ｋｇ／ｄであった。処置した方の乾燥物摂取量は、１ｋ
ｇの増加あたりに必要な飼料が８．３％減少する（Ｐ＜
０．０６）程で、同様であった。直後の屍体の重さある
いは内臓（dressing）のパーセンテージの処置間におけ
る違いはほとんどなかった。
を与えた雌ウシの方が、０．１３ｋｇ／ｄ多かった（ｐ
＜０．０７）。ＡＤＧの違いは、処置したほうが多く、
経時的に縮小する。２８、４２、および５６日後の、コ
ントロールの雌ウシと処置した雌ウシとの間のＡＤＧの
違いは、それぞれ０．３５、０．２０、および０．１７
ｋｇ／ｄであった。処置した方の乾燥物摂取量は、１ｋ
ｇの増加あたりに必要な飼料が８．３％減少する（Ｐ＜
０．０６）程で、同様であった。直後の屍体の重さある
いは内臓（dressing）のパーセンテージの処置間におけ
る違いはほとんどなかった。
【表３】 成長の状態 コントロール ラクトハ゜ミン コントロールからみた Ｐ＜ハ゜ーセント変化 増加、kg/d 1.42 1.55 (+9.2) 0.07 飼料/増加 6.83 6.26 (-8.3) 0.06 乾燥物摂取量、kg 9.7 9.6 (-1.0) 0.87 直後の屍体、kg 188.6 193.9 (+2.8) 0.18 内臓のハ゜ーセンテーシ゛ 54.2 54 (-0.4) 0.77
【００１８】乳腺の重さおよびその組織の型を表４に示
す。コントロールの雌ウシ由来の全乳腺の重さは、ラク
トパミンを与えた雌ウシのそれより、７．９％多かっ
た。乳腺の調整した重さは、処置間で統計的に有為な違
いはなかった。同様に、それぞれの組織の型の実際の重
さの違いおよび全乳腺からみた組織型のパーセンテージ
の割合の違いは、処置間で統計的に有為な差はなかっ
た。しかし、ラクトパミンを与えた雌ウシ由来の乳腺
は、コントロールの雌ウシの乳腺よりわずかに少なかっ
た（４．７％）が、実質組織をわずかに多く（３．１
％）含み、非実質組織は少なかった（１１．８％）。
す。コントロールの雌ウシ由来の全乳腺の重さは、ラク
トパミンを与えた雌ウシのそれより、７．９％多かっ
た。乳腺の調整した重さは、処置間で統計的に有為な違
いはなかった。同様に、それぞれの組織の型の実際の重
さの違いおよび全乳腺からみた組織型のパーセンテージ
の割合の違いは、処置間で統計的に有為な差はなかっ
た。しかし、ラクトパミンを与えた雌ウシ由来の乳腺
は、コントロールの雌ウシの乳腺よりわずかに少なかっ
た（４．７％）が、実質組織をわずかに多く（３．１
％）含み、非実質組織は少なかった（１１．８％）。
【表４】 乳腺ならびに乳腺中の実質組織および脂肪の重さ コントロール ラクトハ゜ミン コントロールからみた Ｐ＜ハ゜ーセント変化 全重さ、g 3508 3231 (-7.9) 0.14 調整した重さ、g 2285 2177 (-4.7) 0.39 体重に体する乳腺の％ 0.66 0.61 (-7.6) 0.19 右の乳腺の重さ、g 1134.75 1082.1 (-4.6) 0.39 実質組織、g 554 571 (+3.1) 0.8 非実質組織、g 574.7 506.9 (-11.8) 0.22 乳腺に対する 48.6 52.9 (+8.8) 0.31 実質組織の％ 乳腺に対する 50.9 47.1 (-7.5) 0.39 非実質組織の％
【００１９】いったん分離した組織型のタンパク質、脂
質、灰分、および水分含量を分析した（表５）。ラクト
パミンを与えた雌ウシの乳腺由来の実質組織は、コント
ロールの雌ウシと比較した場合、脂質の含量のパーセン
テージが低く（Ｐ＜０．０１）、タンパク質（Ｐ＜０．
０６）、水分（Ｐ＜０．０１）、および灰分（Ｐ＜０．
０１）のパーセンテージが高かった。ラクトパミンを与
えた雌ウシの乳腺中の非実質組織の重さは、１１．８％
も低かった（Ｐ＞０．２）が、非実質組織の化学的組成
に違いはなかった。
質、灰分、および水分含量を分析した（表５）。ラクト
パミンを与えた雌ウシの乳腺由来の実質組織は、コント
ロールの雌ウシと比較した場合、脂質の含量のパーセン
テージが低く（Ｐ＜０．０１）、タンパク質（Ｐ＜０．
０６）、水分（Ｐ＜０．０１）、および灰分（Ｐ＜０．
０１）のパーセンテージが高かった。ラクトパミンを与
えた雌ウシの乳腺中の非実質組織の重さは、１１．８％
も低かった（Ｐ＞０．２）が、非実質組織の化学的組成
に違いはなかった。
【表５】 乳腺由来の実質組織および非実質組織の化学的組成 コントロール ラクトハ゜ミン コントロールからみた Ｐ＜ハ゜ーセント変化 実質組織、g 554 571 (+3.1) 0.8 実質組織、脂質％ 54.5 47.8 (-12.3) 0.01 実質組織、タンハ゜ク質％ 6.46 6.99 (+8.2) 0.06 実質組織、水分％ 37.9 43.7 (+15.3) 0.01 実質組織、灰分％ 0.43 0.52 (+20.9) 0.01 非実質組織、g 574.7 506.9 (-11.8) 0.22 非実質組織、脂質％ 80.4 79.1 (-1.6) 0.28 非実質組織、タンハ゜ク質％ 2.64 2.59 (-1.9) 0.8 非実質組織、水分％ 16.1 17.5 (+8.7) 0.27 非実質組織、灰分％ 0.15 0.11 (-26.7) 0.42
【００２０】雌ウシの乳腺由来の実質組織および非実質
組織のタンパク質、脂質、灰分、および水分の実際の重
さを表６に示す。実質組織あるいは非実質組織のいずれ
も化学的成分について処理間で統計的に有為な違いはな
かった。
組織のタンパク質、脂質、灰分、および水分の実際の重
さを表６に示す。実質組織あるいは非実質組織のいずれ
も化学的成分について処理間で統計的に有為な違いはな
かった。
【表６】 乳腺由来の実質組織および非実質組織の化学的成分の重さ コントロール ラクトハ゜ミン コントロールからみた Ｐ＜ハ゜ーセント変化 実質組織、g 554 571 (+3.1) 0.8 実質組織、タンハ゜ク質、g 36 40.2 (+11.7) 0.38 実質組織、脂質、g 302.4 272.3 (-10.0) 0.26 実質組織、水分、g 209.4 249.4 (+19.1) 0.26 実質組織、灰分、g 2.4 3.0 (+25.0) 0.19 非実質組織、g 574.7 506.9 (-11.8) 0.22 非実質組織、タンハ゜ク質、g 14.8 12.8 (-13.5) 0.41 非実質組織、脂質、g 461.5 401 (-13.1) 0.15 非実質組織、水分、ｇ ９３．２ ８８．９
（−４．６） ０．７３ 非実質組織、灰分、ｇ ０．９ ０．６
（−３３．３） ０．３４
（−４．６） ０．７３ 非実質組織、灰分、ｇ ０．９ ０．６
（−３３．３） ０．３４
【００２１】全乳腺のタンパク質、脂質、灰分、および
水分のパーセンテージおよび重さを表７に示す。ラクト
パミンを与えた雌ウシ由来の乳腺は、パーセンテージに
して、タンパク質（Ｐ＜０．０７）および水分（Ｐ＜
０．０３）が多く、脂質（Ｐ＜０．０４）が少なかっ
た。ラクトパミンを与えると、乳腺中の全脂質が減少し
た（Ｐ＜０．０３）が、タンパク質、灰分、および水分
への影響は、統計学的に有為なほどではなかった。
水分のパーセンテージおよび重さを表７に示す。ラクト
パミンを与えた雌ウシ由来の乳腺は、パーセンテージに
して、タンパク質（Ｐ＜０．０７）および水分（Ｐ＜
０．０３）が多く、脂質（Ｐ＜０．０４）が少なかっ
た。ラクトパミンを与えると、乳腺中の全脂質が減少し
た（Ｐ＜０．０３）が、タンパク質、灰分、および水分
への影響は、統計学的に有為なほどではなかった。
【表７】 乳腺の化学的成分のパーセンテージおよび重さ コントロール ラクトハ゜ミン コントロールからみた Ｐ＜ハ゜ーセント変化 全乳腺、％ タンパク質 4.47 4.93 (+10.3) 0.07 脂質 67.5 62.5 (-7.4) 0.04 水分 26.5 31.4 (+18.5) 0.03 灰分 0.29 0.33 (+13.8) 0.38 全乳腺、ｇ タンパク質 50.8 53 (+4.3) 0.61 脂質 763.9 673.2 (-11.9) 0.03 水分 302.6 338.2 (+11.8) 0.31 灰分 3.3 3.6 (+9.1) 0.67
【００２２】要約すると、ラクトパミンを与えた雌ウシ
は、コントロールの雌ウシより体重の増加が大きかった
（１．５５対１．４２ｋｇ／ｄ）が、パーセントにし
て、コントロールの雌ウシより、ラクトパミンを与えた
雌ウシの乳腺の実質組織の脂質含量は少なく（Ｐ＜０．
０１）、タンパク質は多かった（Ｐ＞０．０６）。非実
質組織の脂質含量へのラクトパミンの影響はなかった。
これらのデータより、ラクトパミンは、生殖可能な時前
のおよび近くの雌ウシに与えるのに有用である。すなわ
ち、通常のような脂質の貯蔵の増加なしに体重を増加さ
せ、そして通常は脂質の貯蔵を伴う体重増加によって起
こるような乳腺の発達をさせるのに有用である。
は、コントロールの雌ウシより体重の増加が大きかった
（１．５５対１．４２ｋｇ／ｄ）が、パーセントにし
て、コントロールの雌ウシより、ラクトパミンを与えた
雌ウシの乳腺の実質組織の脂質含量は少なく（Ｐ＜０．
０１）、タンパク質は多かった（Ｐ＞０．０６）。非実
質組織の脂質含量へのラクトパミンの影響はなかった。
これらのデータより、ラクトパミンは、生殖可能な時前
のおよび近くの雌ウシに与えるのに有用である。すなわ
ち、通常のような脂質の貯蔵の増加なしに体重を増加さ
せ、そして通常は脂質の貯蔵を伴う体重増加によって起
こるような乳腺の発達をさせるのに有用である。
【００２３】
【発明の効果】生殖可能な時期前あるいは近くの雌のウ
シ科動物にラクトパミンを与えると、乳腺の発達が促進
される。
シ科動物にラクトパミンを与えると、乳腺の発達が促進
される。
Claims (3)
- 【請求項１】 雌のウシ科動物の乳汁産生能力を増加さ
せる方法であって、最初の妊娠前における乳腺のアロメ
トリックな成長期の該動物に、活性成分として１−（４
−ヒドロキシフェニル）−２−（１−メチル−３−（４
−ヒドロキシフェニル）プロピルアミノ）エタノールあ
るいはその生理学的に許容し得る塩を投与することから
なる方法。 - 【請求項２】 前記活性成分を、５から２００ｐｐｍの
該活性成分を含む完全飼料の形で経口的に投与する、請
求項１に記載の方法。 - 【請求項３】 最初の妊娠前における乳腺のアロメトリ
ックな成長期にある雌のウシ科動物に与えるのに適切な
動物用飼料であって、１−（４−ヒドロキシフェニル）
−２−（１−メチル−３−（４−ヒドロキシフェニル）
プロピルアミノ）エタノールあるいはその生理学的に許
容し得る塩を含む飼料。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US07/994,034 US5308870A (en) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | Ractopamine for pre-and peripubertal female bovidae |
| US994034 | 1992-12-21 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06217709A true JPH06217709A (ja) | 1994-08-09 |
Family
ID=25540226
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5319435A Withdrawn JPH06217709A (ja) | 1992-12-21 | 1993-12-20 | 生殖可能時期前後の雌のウシ科動物のためのラクトパミン |
Country Status (26)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5308870A (ja) |
| EP (1) | EP0604141B1 (ja) |
| JP (1) | JPH06217709A (ja) |
| KR (1) | KR940013510A (ja) |
| CN (1) | CN1056510C (ja) |
| AT (1) | ATE153221T1 (ja) |
| AU (1) | AU671873B2 (ja) |
| CA (1) | CA2111900C (ja) |
| CZ (1) | CZ284324B6 (ja) |
| DE (1) | DE69310882T2 (ja) |
| DK (1) | DK0604141T3 (ja) |
| ES (1) | ES2103438T3 (ja) |
| FI (1) | FI935729A (ja) |
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| IL (1) | IL108045A (ja) |
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| NZ (1) | NZ250464A (ja) |
| PH (1) | PH30169A (ja) |
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| RO (1) | RO112085B1 (ja) |
| RU (1) | RU2113223C1 (ja) |
| TW (1) | TW250433B (ja) |
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007507226A (ja) * | 2003-10-07 | 2007-03-29 | イーライ リリー アンド カンパニー | ラクトパミンの液状製剤 |
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|---|---|---|---|---|
| WO2009034237A1 (fr) * | 2007-09-10 | 2009-03-19 | France Telecom | Procede et systeme d'organisation de reunion par messages electroniques |
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|---|---|---|---|---|
| US690951A (en) * | 1901-07-22 | 1902-01-14 | John Hess | Method of manufacturing lace-paper pail covers or circulars. |
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| ZA868891B (en) * | 1985-11-27 | 1988-07-27 | Lilly Co Eli | Use of phenethanol amines to improve fat content of sow's milk |
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-
1993
- 1993-12-15 TW TW082110657A patent/TW250433B/zh active
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- 1993-12-16 NO NO934654A patent/NO304059B1/no not_active IP Right Cessation
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- 1993-12-17 EP EP93310256A patent/EP0604141B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1993-12-17 DE DE69310882T patent/DE69310882T2/de not_active Expired - Fee Related
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- 1993-12-20 CN CN93112762A patent/CN1056510C/zh not_active Expired - Fee Related
-
1997
- 1997-07-16 GR GR970401764T patent/GR3024114T3/el unknown
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007507226A (ja) * | 2003-10-07 | 2007-03-29 | イーライ リリー アンド カンパニー | ラクトパミンの液状製剤 |
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| JPH0370460B2 (ja) |
Legal Events
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|---|---|---|---|
| A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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