JPH06217659A - ボタンの染色体観察法 - Google Patents
ボタンの染色体観察法Info
- Publication number
- JPH06217659A JPH06217659A JP3121293A JP3121293A JPH06217659A JP H06217659 A JPH06217659 A JP H06217659A JP 3121293 A JP3121293 A JP 3121293A JP 3121293 A JP3121293 A JP 3121293A JP H06217659 A JPH06217659 A JP H06217659A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chromosome
- observing
- button
- peony
- cotyledon
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ボタンの染色体を観察する試料として、染色
体の変異のない新鮮な根端細胞を供試し、これを観察す
ることにより核型分析や育種技術の基礎資料の作成に寄
与することを目的とする。 【構成】 ボタン種子から摘出した胚の子葉部を培養す
るにあたり、MS培地にショ糖2%、植物ホルモンとし
てのオ−キシンとサイトカイニンとをそれぞれ等量(2
〜4ppm)づつ添加した培地を用い、光照射下で培養
することにより、カルスを経由せずに直接子葉部から不
定根を誘導させ、これを観察試料として染色体を観察す
るようにしたものである。
体の変異のない新鮮な根端細胞を供試し、これを観察す
ることにより核型分析や育種技術の基礎資料の作成に寄
与することを目的とする。 【構成】 ボタン種子から摘出した胚の子葉部を培養す
るにあたり、MS培地にショ糖2%、植物ホルモンとし
てのオ−キシンとサイトカイニンとをそれぞれ等量(2
〜4ppm)づつ添加した培地を用い、光照射下で培養
することにより、カルスを経由せずに直接子葉部から不
定根を誘導させ、これを観察試料として染色体を観察す
るようにしたものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボタンの染色体観察法
に係り、詳しくは、ボタンの染色体を観察するにあた
り、ボタン種子から摘出した胚の子葉部を培養すること
により、カルスを経ずに直接誘導させた新鮮な不定根を
観察試料として、染色体を観察するようにしたボタンの
染色体観察法に関するものである。
に係り、詳しくは、ボタンの染色体を観察するにあた
り、ボタン種子から摘出した胚の子葉部を培養すること
により、カルスを経ずに直接誘導させた新鮮な不定根を
観察試料として、染色体を観察するようにしたボタンの
染色体観察法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本来、植物の染色体を観察して、種間の
系統分類学的な類縁関係や系統分化の様相を解明するた
めに核型分析を行なったり、あるいは植物の遺伝子を人
工的に変えて利用価値の高い品種に改良するための育種
技術の基礎資料を作成したりする場合、染色体の観察試
料として根端細胞が供試されている。
系統分類学的な類縁関係や系統分化の様相を解明するた
めに核型分析を行なったり、あるいは植物の遺伝子を人
工的に変えて利用価値の高い品種に改良するための育種
技術の基礎資料を作成したりする場合、染色体の観察試
料として根端細胞が供試されている。
【0003】ところが、ボタンの場合は、シャクヤクを
台木として接木することによって繁殖させる場合が多
く、また、自根が発根したとしても、これを新鮮な状態
で供試するのは極めて困難である。このため、カルスを
観察試料とした例もみられるが、カルスはもともと染色
体レベルでの変異が多く誘導されることが知られている
ことから、ボタンにおける核型分析の研究は余り進んで
いない。そこで、ボタンの染色体を観察するための試料
として、組織培養により新鮮な根端細胞を得ることも考
えられたが、実際上、培養苗からの発根は極めて困難で
あることが確認された。このため、ボタンにおけるバイ
オ苗化も進んでいないのが実状である。
台木として接木することによって繁殖させる場合が多
く、また、自根が発根したとしても、これを新鮮な状態
で供試するのは極めて困難である。このため、カルスを
観察試料とした例もみられるが、カルスはもともと染色
体レベルでの変異が多く誘導されることが知られている
ことから、ボタンにおける核型分析の研究は余り進んで
いない。そこで、ボタンの染色体を観察するための試料
として、組織培養により新鮮な根端細胞を得ることも考
えられたが、実際上、培養苗からの発根は極めて困難で
あることが確認された。このため、ボタンにおけるバイ
オ苗化も進んでいないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
実状に鑑み、種々実験と研究を重ねた結果、ボタンの染
色体の観察に供試する試料としては、新鮮な根端細胞の
みが得られればよいとの認識に達し、この認識に基づい
て、ボタン種子から摘出した胚の子葉部を培養すること
により、不定根を誘導させ、この不定根を観察試料とし
て染色体を観察するようにしたボタンの染色体観察法を
提供することを課題とするものである。
実状に鑑み、種々実験と研究を重ねた結果、ボタンの染
色体の観察に供試する試料としては、新鮮な根端細胞の
みが得られればよいとの認識に達し、この認識に基づい
て、ボタン種子から摘出した胚の子葉部を培養すること
により、不定根を誘導させ、この不定根を観察試料とし
て染色体を観察するようにしたボタンの染色体観察法を
提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明が採用した技術手段は、ボタン種子の胚を摘
出し、子葉部を不定根誘導培地に置床し、これを光照射
下で培養することによりカルスを経由せずに不定根を誘
導させ、この不定根を観察試料として染色体を観察する
ことを特徴とするものである。
め、本発明が採用した技術手段は、ボタン種子の胚を摘
出し、子葉部を不定根誘導培地に置床し、これを光照射
下で培養することによりカルスを経由せずに不定根を誘
導させ、この不定根を観察試料として染色体を観察する
ことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】したがって、本発明によれば、後述する実験結
果から明らかなように、光照射下において、オ−キシン
とサイトカイニンをそれぞれ等量(2〜4ppm)づつ
添加した培地で、ボタン種子から摘出した胚の子葉部を
培養すると数体の不定根が得られる。しかも、この不定
根はカルスを経由せずに直接子葉部から発根したので、
染色体の変異はない。このため、ボタン染色体の観察試
料として新鮮な根端細胞を供試することができ、核型分
析や育種技術の基礎資料の作成に寄与することができ
る。
果から明らかなように、光照射下において、オ−キシン
とサイトカイニンをそれぞれ等量(2〜4ppm)づつ
添加した培地で、ボタン種子から摘出した胚の子葉部を
培養すると数体の不定根が得られる。しかも、この不定
根はカルスを経由せずに直接子葉部から発根したので、
染色体の変異はない。このため、ボタン染色体の観察試
料として新鮮な根端細胞を供試することができ、核型分
析や育種技術の基礎資料の作成に寄与することができ
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を実験例に基づいて詳
細に説明する。先ず、ボタン種子から摘出した胚の子葉
部を培養するための不定根誘導培地として、MS培地を
用い、この培地にショ糖2%、植物ホルモンとしてのオ
−キシンとサイトカイニンとをそれぞれ等量づつ添加し
て培地を調合した。この場合、オ−キシンはとしてはN
AAを用い、サイトカイニンとしてはBAを用い、それ
ぞれ2〜4ppm添加した。次に、上記培地に子葉部を
置床し、暗黒下と光照射下で培養したところ、表1およ
び表2に示す実験結果が得られた。
細に説明する。先ず、ボタン種子から摘出した胚の子葉
部を培養するための不定根誘導培地として、MS培地を
用い、この培地にショ糖2%、植物ホルモンとしてのオ
−キシンとサイトカイニンとをそれぞれ等量づつ添加し
て培地を調合した。この場合、オ−キシンはとしてはN
AAを用い、サイトカイニンとしてはBAを用い、それ
ぞれ2〜4ppm添加した。次に、上記培地に子葉部を
置床し、暗黒下と光照射下で培養したところ、表1およ
び表2に示す実験結果が得られた。
【表1】
【表2】
【0008】すなわち、表1は暗黒下で2ケ月間培養し
た場合の実験結果を示すものであるが、NAAとBAと
をそれぞれ等量(2〜4ppm)づつ添加した培地で培
養しても、カルスが誘導されたのみで発根はみられなか
った。これに対し、表2は光照射下で2ケ月間培養した
場合の実験結果を示すものであって、NAAとBAとを
それぞれ等量(2〜4ppm)づつ添加した培地で培養
した場合に限り、子葉部から数本の不定根が得られた。
この不定根は、表2からも明らかなように、カルスを経
由せずに直接子葉部から生じているので、染色体の変異
はない。
た場合の実験結果を示すものであるが、NAAとBAと
をそれぞれ等量(2〜4ppm)づつ添加した培地で培
養しても、カルスが誘導されたのみで発根はみられなか
った。これに対し、表2は光照射下で2ケ月間培養した
場合の実験結果を示すものであって、NAAとBAとを
それぞれ等量(2〜4ppm)づつ添加した培地で培養
した場合に限り、子葉部から数本の不定根が得られた。
この不定根は、表2からも明らかなように、カルスを経
由せずに直接子葉部から生じているので、染色体の変異
はない。
【0009】したがって、上記表2の実験結果から得ら
れた不定根を染色体の観察に供試すれば、種間の系統分
類学的な類縁関係や系統分化の様相を解明する手段とし
て行なわれる核型分析がボタンの場合でも可能となり、
遺伝質を人工的に変えて利用価値の高い品種を改良する
ための育種技術の基礎資料も信頼性の高いものを作成す
ることができる。
れた不定根を染色体の観察に供試すれば、種間の系統分
類学的な類縁関係や系統分化の様相を解明する手段とし
て行なわれる核型分析がボタンの場合でも可能となり、
遺伝質を人工的に変えて利用価値の高い品種を改良する
ための育種技術の基礎資料も信頼性の高いものを作成す
ることができる。
【0010】
【発明の効果】これを要するに本発明は、ボタン種子の
胚を摘出し、子葉部を不定根誘導培地に置床し、これを
光照射下で培養することによりカルスを経由せずに不定
根を誘導させ、この不定根を観察試料として染色体を観
察するようにしたものであるから、ボタンの染色体を観
察する試料として、染色体の変異のない新鮮な根端細胞
を供試することができ、したがって、核型分析や育種技
術の基礎資料の作成に寄与することができる極めて有用
な効果を奏する。
胚を摘出し、子葉部を不定根誘導培地に置床し、これを
光照射下で培養することによりカルスを経由せずに不定
根を誘導させ、この不定根を観察試料として染色体を観
察するようにしたものであるから、ボタンの染色体を観
察する試料として、染色体の変異のない新鮮な根端細胞
を供試することができ、したがって、核型分析や育種技
術の基礎資料の作成に寄与することができる極めて有用
な効果を奏する。
Claims (1)
- 【請求項1】ボタン種子の胚を摘出し、子葉部を不定根
誘導培地に置床し、これを光照射下で培養することによ
りカルスを経由せずに不定根を誘導させ、この不定根を
観察試料として染色体を観察することを特徴とするボタ
ンの染色体観察法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3121293A JPH06217659A (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | ボタンの染色体観察法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3121293A JPH06217659A (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | ボタンの染色体観察法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06217659A true JPH06217659A (ja) | 1994-08-09 |
Family
ID=12325131
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3121293A Pending JPH06217659A (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | ボタンの染色体観察法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06217659A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0621477A3 (en) * | 1993-03-23 | 1995-11-22 | Konan Inc | Method for obtaining a quantitative representation of the cellular morphology of a biological tissue. |
CN102934611A (zh) * | 2012-10-23 | 2013-02-20 | 河南科技大学 | 一种从牡丹种子中取胚接种方法 |
CN104255490A (zh) * | 2014-09-16 | 2015-01-07 | 郎溪庆林生态特色农业观光园有限公司 | 一种牡丹组培快速繁育方法 |
CN104996304A (zh) * | 2015-08-24 | 2015-10-28 | 扬州大学 | 一种通过芍药叶片诱导愈伤组织分化的培养基及培养方法 |
CN105123517A (zh) * | 2015-08-25 | 2015-12-09 | 扬州大学 | 芍药叶片组织培养直接成芽的培养基及培养方法 |
CN109220810A (zh) * | 2018-11-19 | 2019-01-18 | 武汉市农业科学院 | 一种无菌条件下牡丹胚高效生根的方法 |
CN110476807A (zh) * | 2019-07-31 | 2019-11-22 | 河南科技大学 | 一种建立油用牡丹‘凤丹’成熟种胚无菌培养体系的方法 |
-
1993
- 1993-01-27 JP JP3121293A patent/JPH06217659A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0621477A3 (en) * | 1993-03-23 | 1995-11-22 | Konan Inc | Method for obtaining a quantitative representation of the cellular morphology of a biological tissue. |
CN102934611A (zh) * | 2012-10-23 | 2013-02-20 | 河南科技大学 | 一种从牡丹种子中取胚接种方法 |
CN104255490A (zh) * | 2014-09-16 | 2015-01-07 | 郎溪庆林生态特色农业观光园有限公司 | 一种牡丹组培快速繁育方法 |
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