JPH06217586A - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

誘導電動機の制御装置

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JPH06217586A
JPH06217586A JP50A JP452793A JPH06217586A JP H06217586 A JPH06217586 A JP H06217586A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 452793 A JP452793 A JP 452793A JP H06217586 A JPH06217586 A JP H06217586A
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JP
Japan
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frequency
slip
slip frequency
induction motor
maximum
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JP50A
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English (en)
Inventor
Toshiro Hasebe
寿郎 長谷部
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘導電動機のロータバーの温度変化に対して
高速特性が変化しないようにする。 【構成】 この発明の誘導電動機の制御装置は、基準す
べり周波数設定手段によって基準すべり周波数設定値を
与え、最大すべり周波数設定手段によって最大すべり周
波数設定値を与え、可変電圧可変周波数によりV/f一
定制御を行なっている期間の基準すべり周波数設定値に
対するすべり補正量をすべり補正量算出手段によって算
出する。そして、最大すべり周波数設定値補正手段によ
り、最大すべり周波数設定値を基準すべり周波数設定値
で除した値をすべり補正量に乗じて最大すべり周波数設
定値に加算して最大すべり周波数を補正し、この補正さ
れた最大すべり周波数によって、誘導電動機の周波数、
電流を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば電気車などに
使用される可変電圧可変周波数インバータ電源によって
駆動される誘導電動機を制御するための制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば電気車に使用される可変電
圧可変周波数インバータ(以下、VVVFインバータと
称する)電源により駆動される誘導電動機を制御する制
御装置として、図4に示す構成のものが知られている。
この従来の誘導電動機の制御装置は、限流値を設定する
限流値テーブル1、基準すべり周波数を設定する基準す
べり周波数テーブル2、最大すべり周波数を設定する最
大すべり周波数テーブル3を備え、周波数に対して所定
の電圧を発生させるためにあらかじめ設定された変調率
を設定する変調率パターン発生器5、誘導電動機4に電
流を供給するためのVVVFインバータ6から構成され
ている。
【0003】このような従来の誘導電動機の制御装置で
は、誘導電動機4の代表的な制御モードとして、図5の
特性図に示すように、i)定トルク領域、ii)定出力領
域、iii )定すべり領域の3つに分類される。
【0004】そして、i)の定トルク領域では、ノッチ
指令などによって起動が開始されると、限流値ICL、基
準すべり周波数fs0、および最大すべり周波数fsmaxの
各値が各テーブル1,2,3から準備され、誘導電動機
4のロータ回転数に対応する周波数fr に対して基準す
べり周波数fs0を加えた基本周波数fを出力し、この基
本周波数fに対応する変調率γが変調率パターン発生器
5によって出力され、VVVFインバータ6より周波数
fとそれに対応する電圧Vが発生し、誘導電動機4に供
給される。このときの誘導電動機4のトルクTは、
【0005】
【数1】 で表わされるので、V/fが一定の変調率γを出力して
いる領域では、図5の定トルク領域に示すようにすべり
周波数fs が一定値であれば、一定のトルクとなる。
【0006】また、誘導電動機4の回路定数、特に2次
抵抗r2 ′が基準すべり周波数fs0を算出した条件と同
一であれば、所定の限流値ICLが誘導電動機4に流れる
ことになるが、誘導電動機4のロータバーの温度が変化
すると、2次抵抗r2 ′が変化し、その分だけ電流値が
変化するために、限流値ICLと実際に流れる電流値Im
の差ΔIをとり、これに係数KI を乗じてすべり補正量
Δfs を作り、これを基準すべり周波数fs0に加えるこ
とによって所定の限流値ICLとなるように制御を行な
う。
【0007】次に、変調率γが1となり、誘導電動機電
圧が一定となった後の定出力領域および定すべり領域の
動作を説明する。誘導電動機器4の電圧が一定となった
後、さらに周波数fが増大し、回転数Nを上げていく過
程で周波数fの増加に伴うインピーダンスの増加によっ
て、すべり周波数fs 一定では電流が減少してしまうた
め、すべり周波数補正量Δfs が増大し、限流値ICLを
保つように制御が行なわれる。この場合、電圧が一定で
電流が一定となるため、ほぼ定出力となり、また、誘導
電動機4の出力Pは、
【0008】
【数2】 で表せるため、すべりsは一定値であればよくて、すべ
り周波数fs は速度に比例した値となる。したがって、
すべり周波数fs は、
【0009】
【数3】 と表すことができ、また、電圧Vが一定であるために、
トルクTは、(1)式より、
【0010】
【数4】 となり、速度に反比例してトルクTが減少する。これが
図5の定出力領域である。
【0011】さらに速度が上昇し、すべり周波数fs が
増大し、最大すべり周波数fsmaxの値までになると、す
べり補正量Δfs による補正が停止され、それ以上の速
度では、fs =fsmaxで運転される。この領域が定すべ
り領域と呼ばれるもので、このときのトルクTは、
(1)式より、すべり周波数fs 一定、電圧V一定とし
て表され、
【0012】
【数5】 となり、回転数の2乗に反比例してトルクTが減少す
る。以上が力行中の動作であるが、回生中においては、
周波数f=fr +(fs0+Δfs )であったのが、f=
fr −(fs0+Δfs )となるのみであり、他の動作は
同一である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の誘導電動機の制御装置では、最大すべり周波数f
smaxが固定されていたために、誘導電動機のロータバー
の温度変化によって同一電流となるすべり周波数が大き
く変化し、定出力領域からfsmaxで制限される定すべり
領域への切り替わり点が大きく変動してしまい、次のよ
うな問題点があった。
【0014】図6および図7を使用してその変動の様子
を説明すると、まず、計画値の一例として定トルク領域
終端周波数を50Hz、定出力領域終端周波数を100H
z、特性計画上のロータバー温度を115℃、定トルク
領域での計画すべり周波数を2Hz、ロータバーの温度抵
抗係数を0.00186(1/K)とすると、このと
き、定出力領域終端周波数でのすべり周波数は、(3)
式より、
【0015】
【数6】fs =2Hz×(100Hz/50Hz)=4Hz であるために、最大すべり周波数fsmaxは4Hzとな
る。これらの計画上の値は、図6および図7に実線で示
してある。次に、ロータバーの温度が200℃となった
場合を考えると、2次抵抗r2 ′は、115℃の時に比
べて、
【0016】
【数7】1+0.00186×(200℃−115℃)
=1.1581倍 となる。したがって、定トルク領域においては、誘導電
動機の比例推移により、 2Hz×1.1581=2.3162Hz で同一限流値となる。この値で定トルク終端周波数50
Hzまで加速し、その後、定出力領域ですべり周波数が増
加していくが、最大すべり周波数fsmaxの4Hzとなる周
波数fは、(3)式より、次のようになる。
【0017】
【数8】 f=50Hz×(4Hz/2.3162Hz)=86.3Hz
【0018】したがって、周波数86.3Hz以上の高速
領域では、定すべり領域となるため、例えば、100Hz
でのトルクは、(4)式と(5)式との差により約14
%低下してしまい、図6の斜線で示した部分だけ所定の
高速性能が得られなくなるという問題点があった。また
逆に、ロータバーの温度が20℃となった場合を考える
と、2次抵抗r2 ′は115℃の時に比べて、
【0019】
【数9】1+0.00186×(20℃−115℃)=
0.8233倍 となる。したがって、定トルク領域においては、誘導電
動機の比例推移により、
【0020】
【数10】2Hz×0.8233=1.6466Hz で同一限流値となる。この値で定トルク終端周波数まで
加速した後、定出力領域ですべり周波数が増加していく
が、最大すべり周波数fsmaxの4Hzとなる周波数は
(3)式より、次のようになる。
【0021】
【数11】 f=50Hz×(4Hz/1.6466Hz)=121.5Hz
【0022】したがって、ロータバーの温度が計画値よ
り高い場合とは逆に、高速でのトルクが大きくなる。と
ころが、通常の誘導電動機の設計は、小形、軽量化を図
るために定出力領域終端周波数での運転トルクに対する
停動トルクの割合を1.2倍程度に設定している。そこ
で、いま、100Hzでのトルクを100kg mとすると、
停動トルクは120kg mとなる。この状態で定出力領域
を前述の121.5Hzまで伸ばすと、121.5Hzでの
停動トルクは、(5)式で同様に計算されるため、
【0023】
【数12】 120kg m×(100Hz/121.5Hz)2 =81.3kg m となり、また、121.5Hzでの所要トルクは、
【0024】
【数13】 100kg m×(100Hz/121.5Hz)=82.3kg m となり、停動トルクを上回ってしまい、図7に示すよう
に失速の恐れがあるという問題点があった。
【0025】この発明は、このような従来の問題点に鑑
みなされたもので、最大すべり周波数fsmaxを適宜に補
正することにより、ロータバーの温度が変化しても、全
速度域で同一の性能が得られる誘導電動機の制御装置を
提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、可変
電圧可変周波数(VVVF)インバータにより誘導電動
機を駆動する誘導電動機の制御装置において、基準すべ
り周波数設定値を与える基準すべり周波数設定手段と、
最大すべり周波数設定値を与える最大すべり周波数設定
手段と、可変電圧可変周波数によりV/f一定制御を行
なっている期間の基準すべり周波数設定値に対するすべ
り補正量を算出するすべり補正量算出手段と、最大すべ
り周波数設定値を基準すべり周波数設定値で除した値を
すべり補正量に乗じて最大すべり周波数設定値に加算し
て最大すべり周波数を補正する最大すべり周波数設定値
補正手段とを備えたものである。
【0027】請求項2の発明は、上記誘導電動機の制御
装置において、さらに、すべり補正量算出手段が算出す
るすべり補正量をV/f一定制御を行なっている期間の
間平均するすべり補正量平均手段を設け、すべり補正量
平均手段の求めるすべり補正量平均値を最大すべり周波
数設定値補正手段が用いるすべり補正量とするものであ
る。
【0028】請求項3の発明は、可変電圧可変周波数
(VVVF)インバータにより誘導電動機を駆動する誘
導電動機の制御装置において、可変電圧可変周波数によ
りV/f一定制御を行なっている期間および電圧が一定
となった後、電流を一定に制御する定出力領域にわたる
範囲の基準すべり周波数パターンを出力する基準すべり
周波数パターン発生手段と、最大すべり周波数設定値を
与える最大すべり周波数設定手段と、基準すべり周波数
パターン発生手段が発生する基準すべり周波数パターン
に対するすべり補正量を算出するすべり補正量算出手段
と、最大すべり周波数設定値にすべり補正量を加算して
最大すべり周波数設定値を補正する最大すべり周波数補
正手段とを備えたものである。
【0029】請求項4の発明は、可変電圧可変周波数
(VVVF)インバータにより誘導電動機を駆動する誘
導電動機の制御装置において、可変電圧可変周波数によ
りV/f一定制御を行なった後、電圧および電流を一定
に制御する定出力領域の終端周波数を設定する終端周波
数設定手段と、あらかじめ誘導電動機として考えられる
範囲で大きい値として最大すべり周波数を設定する最大
すべり周波数設定手段と、インバータ出力周波数が定出
力領域の終端周波数になった時のすべり周波数を最大す
べり周波数に再設定する最大すべり周波数補正手段とを
備えたものである。
【0030】
【作用】請求項1の発明の誘導電動機の制御装置では、
基準すべり周波数設定手段によって基準すべり周波数設
定値を与え、最大すべり周波数設定手段によって最大す
べり周波数設定値を与え、可変電圧可変周波数によりV
/f一定制御を行なっている期間の基準すべり周波数設
定値に対するすべり補正量をすべり補正量算出手段によ
って算出する。そして、最大すべり周波数設定値補正手
段により、最大すべり周波数設定値を基準すべり周波数
設定値で除した値をすべり補正量に乗じて最大すべり周
波数設定値に加算して最大すべり周波数を補正し、この
補正された最大すべり周波数によって、誘導電動機の周
波数、電流を制御する。
【0031】請求項2の発明の誘導電動機の制御装置で
は、上記誘導電動機の制御装置において、すべり補正量
平均手段によって、すべり補正量算出手段の算出したす
べり補正量をV/f一定制御を行なっている期間の間平
均し、最大すべり周波数設定値補正手段がこのすべり補
正量平均値を使用して最大すべり周波数を補正し、この
補正された最大すべり周波数によって、誘導電動機の周
波数、電流を制御する。
【0032】請求項3の発明の誘導電動機の制御装置で
は、可変電圧可変周波数によりV/f一定制御を行なっ
ている期間および電圧が一定となった後、電流を一定に
制御する定出力領域にわたる範囲の基準すべり周波数パ
ターンを基準すべり周波数パターン発生手段によって出
力し、最大すべり周波数設定手段によって最大すべり周
波数設定値を与え、すべり補正量算出手段によって基準
すべり周波数パターンに対するすべり補正量を算出す
る。そして、最大すべり周波数設定値補正手段が最大す
べり周波数設定値にすべり補正量を加算して最大すべり
周波数設定値を補正し、この補正された最大すべり周波
数によって、誘導電動機の周波数、電流を制御する。
【0033】請求項4の発明の誘導電動機の制御装置で
は、可変電圧可変周波数によりV/f一定制御を行なっ
た後、電圧および電流を一定に制御する定出力領域の終
端周波数を終端周波数設定手段によって設定し、あらか
じめ誘導電動機として考えられる範囲で大きい値として
最大すべり周波数を最大すべり周波数設定手段によって
設定し、さらに、最大すべり周波数補正手段によってイ
ンバータ出力周波数が定出力領域の終端周波数になった
時のすべり周波数を最大すべり周波数に再設定し、この
再設定された最大すべり周波数によって、誘導電動機の
周波数、電流を制御する。
【0034】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。
【0035】図1は請求項1および請求項2の発明の誘
導電動機の制御装置の一実施例の回路を示しており、限
流値を設定する限流値テーブル1、基準すべり周波数を
設定する基準すべり周波数テーブル2、最大すべり周波
数を設定する最大すべり周波数テーブル3を備えてお
り、また、周波数に対して所定の電圧を発生させるため
にあらかじめ設定された変調率を設定する変調率パター
ン発生器5、誘導電動機4に電力を供給する可変電圧可
変周波数インバータ6を備えている。
【0036】また、限流値テーブル1からの限流値ICL
と誘導電動機4の入力電流Im との偏差ΔIに基づいて
得られるすべり補正量Δfs を取り込んで、VVVF期
間中、すなわち変調率制御を行なっている間の平均化を
行ない、すべり補正量平均値Δfsav を出力するすべり
補正量平均値算出器7、このVVVF期間中のすべり補
正量の平均値Δfsav を次のVVVF期間になるまでの
間ホールドするホールド回路8、最大すべり周波数テー
ブル3から出力される最大すべり周波数fsmaxを基準す
べり周波数テーブル2から出力される基準すべり周波数
fs0で除算する除算器9、この除算器9によって得られ
た値にホールド回路8にホールドされている値Δfs0を
乗算して最大すべり周波数補正量Δfsmaxを出力する乗
算器10、この最大すべり周波数補正量Δfsmaxを最大
すべり周波数テーブル3からの最大すべり周波数fsmax
に加算して補正された最大すべり周波数fsmax′を出力
する加算器11を備えている。
【0037】さらに、補正後のすべり周波数fs ′と補
正後の最大すべり周波数fsmax′との小さい方を出力す
る比較器12、この比較器12の出力をすべり周波数f
s として誘導電動機4の周波数fr と力行時には加算
し、回生時には減算し、その出力をインバータ周波数f
とする加算器13を備えている。次に、上記構成の誘導
電動機の制御装置の動作について説明する。
【0038】ノッチ指令に対して、該当する限流値ICL
を限流値テーブル1から出力し、基準すべり周波数fs0
を基準すべり周波数テーブル2から出力し、最大すべり
周波数fsmaxを最大すべり周波数テーブル3から出力す
る。また、基準すべり周波数および最大すべり周波数を
設定した誘導電動機4のロータバーの基準温度をθ0 、
ロータバーの温度抵抗係数をαとする。
【0039】そこで、誘導電動機4がそれまでの運転に
よりロータバーの温度がθとなっていたとすれば、この
とき、θ0 とθの差分で2次抵抗値r2 ′が基準値に対
して変化し、テーブル期間中のすべり周波数fs が基準
すべり周波数fs0に対して変化する。その変化量Δfs
は、
【0040】
【数14】 Δfs =fs0×(θ−θ0 )×α …(6) で表される。この値は、ロータバーの温度が一定であれ
ば、VVVF期間中は変化しないが、加速中や減速中の
過度変動分を取り除くため、すべり補正量平均値算出器
7によってVVVF期間中の平均化を行なってΔfsav
を求め、VVVF期間が終了した時点で、次のVVVF
までホールド回路9によってこのすべり補正量平均値Δ
fsav をホールドする。
【0041】さらに、除算器9において、最大すべり周
波数設定値fsmaxを基準すべり周波数fs で除した値を
算出し、乗算器10においてすべり補正量平均値Δfsa
v と乗算して最大すべり周波数補正量Δfsmaxを作りだ
し、これを加算器11において最大すべり周波数fsmax
と加算し、補正された最大すべり周波数fsmax′を出力
する。以上の動作を式で表現すると、次のようになる。
すなわち、
【0042】
【数15】 となる。ところで、ロータバー温度がθの時、θ0 で設
定したのと同一の特性を得るためのfsmax″は、
【0043】
【数16】 fsmax″=fsmax×{1+(θ−θ0 )×α} …(8) となり、(7)式=(8)式となるために、ロータバー
の温度が変わっても同一の性能を得ることが可能とな
る。
【0044】図2は請求項3の発明の誘導電動機の制御
装置の実施例の回路構成を示しており、限流値を設定す
る限流値テーブル1、VVVF領域から定出力領域にわ
たる基準ロータバー温度に対するすべり周波数のパター
ンを発生する基準すべり周波数パターン発生器14、最
大すべり周波数を設定する最大すべり周波数テーブル3
を備えており、また、周波数に対して所定の電圧を発生
させるためにあらかじめ設定された変調率を設定する変
調率パターン発生器5、誘導電動機4に電力を供給する
可変電圧可変周波数インバータ6を備えている。
【0045】基準すべり周波数パターン発生器14は、
VVVF領域終端周波数以上のすべり周波数は誘導電動
機4が基準ロータバー温度で定出力が得られるような値
に設定されており、VVVF領域終端周波数をfe 、そ
のときのすべり周波数をfs0e とすると、おおむね次の
式に従う。
【0046】
【数17】
【0047】この実施例の誘導電動機の制御装置はま
た、すべり補正量Δfs を取り込み、過渡変動分を取り
除いた修正すべり補正量Δfs ′を出力するローパスフ
ィルタ15、最大すべり周波数テーブル3からの最大す
べり周波数設定値fsmaxに対して修正すべり補正量Δf
s ′を加算して補正された最大すべり周波数fsmax′を
出力する加算器16を備えている。次に、上記構成の誘
導電動機の制御装置の動作について説明する。
【0048】基準すべり周波数パターン発生器14は誘
導電動機4のロータバーが基準温度θ0 における値で設
定されている。したがって、ロータバー温度が基準温度
と異なる温度θになった場合には、すべり補正量Δfs
は上述の(6)式のようになる。しかしながら、このす
べり補正量には過渡変動によるゆらぎが含まれている可
能性があるので、ローパスフィルタ15によってそのゆ
らぎを取り除き、加算器16において、リアルタイムで
最大すべり周波数fsmaxに加算し、補正された最大すべ
り周波数fsmax′を得る。こうして得られる補正された
最大すべり周波数fsmax′は、
【0049】
【数18】 fsmax′=fsmax+fs0×(θ−θ0 )×α …(10) となる。ここで、定出力領域では、基準すべり周波数f
s0が上記の(9)式で定義されているため、(10)式
に代入すると、
【0050】
【数19】 となる。ところで、基準ロータバー温度θ0 における定
出力領域終端周波数fp0と最大すべり周波数fsmaxとの
関係は、上述の(3)式より、
【0051】
【数20】 であるため、(10′)式のfにこの(11)式のfp0
を代入すると、
【0052】
【数21】 となる。
【0053】ところで、この(12)式は上述の(8)
式と同じであり、ロータバー基準温度がθの場合の最大
すべり周波数fsmaxと同一になることから、基準すべり
周波数fs とすべり補正量Δfs とを加算して得られ
る、電流偏差により補正された基準すべり周波数fs ′
が(12)式で示された値以上になったときにすべり補
正が停止され、基準温度での計画特性と同一の性能を得
ることができるようになる。
【0054】図3は請求項4の発明の誘導電動機の制御
装置の一実施例の回路構成を示しており、図1の実施例
と同じく、限流値を設定する限流値テーブル1、基準す
べり周波数を設定する基準すべり周波数テーブル2、最
大すべり周波数を設定する最大すべり周波数テーブル3
を備えており、また、周波数に対して所定の電圧を発生
させるためにあらかじめ設定された変調率を設定する変
調率パターン発生器5、誘導電動機4に電力を供給する
可変電圧可変周波数インバータ6を備えている。
【0055】さらに、定出力領域終端周波数fp0を設定
する定出力領域終端周波数設定テーブル17、電流偏差
による補正後のすべり周波数fs ′を取り込み、過渡変
動分を取り除くローパスフィルタ18、このローパスフ
ィルタ18を通った補正後のすべり周波数fs ′を指定
期間ホールドするホールド回路19、定出力領域終端周
波数fp0とインバータ周波数fを取り込み、 fp0≦fの場合には、ホールド回路19へセット信号 fp0>fの場合には、ホールド回路19へリセット信号 を与える判別器20を備えている。次に、上記構成の誘
導電動機の制御装置の動作について説明する。
【0056】定トルク領域から定出力領域までの制御動
作については、従来と同じ動作を行なう。ここで、イン
バータ周波数fが定出力領域終端周波数fp0以下では、
判別器20がリセット信号を出力しているために、ホー
ルド回路19はホールド動作をせずに、ローパスフィル
タ18を通した補正後のすべり周波数fs ′を出力して
いる。これに対して、最大すべり周波数fsmaxは誘導電
動機4のロータバーとして考えられる最大温度を基準に
設定されているために、fsmaxを補正後のすべり周波数
fs ′と比較し、小さい方を選択すると、通常は、補正
後のすべり周波数fs ′を出力し、この値によって周波
数、電流の制御が行なわれる。
【0057】しかしながら、fp0≦fとなった時点で、
判別器20よりセット信号が出力され、次のリセット信
号が判別器20より出力されるまでの間、ホールド回路
19でf=fp0となった時点の補正後のすべり周波数f
s ′が保持される(この周波数fs ′をfsh′と呼
ぶ)。そこで、最大すべり周波数fsmaxと保持されたす
べり周波数fsh′とを比較すると、通常、fsh′の方が
小さいので、比較器出力はfsh′となり、周波数がfp0
を超えて上昇していく過程では、fs ′>fsh′となる
ために、fsh′が比較器より出力され、定すべり制御と
なる。
【0058】ここで、定すべり制御開始の周波数は定出
力領域終端周波数fp0で固定されており、さらに最大す
べり周波数として誘導電動機4が運転されている時点の
補正後のすべり周波数fs ′を使用しているため、基準
温度での計画特性と同一の特性が得られる。
【0059】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
基準すべり周波数設定手段によって基準すべり周波数設
定値を与え、最大すべり周波数設定手段によって最大す
べり周波数設定値を与え、可変電圧可変周波数によりV
/f一定制御を行なっている期間の基準すべり周波数設
定値に対するすべり補正量をすべり補正量算出手段によ
って算出し、最大すべり周波数設定値補正手段により、
最大すべり周波数設定値を基準すべり周波数設定値で除
した値をすべり補正量に乗じて最大すべり周波数設定値
に加算して最大すべり周波数を補正し、この補正された
最大すべり周波数によって誘導電動機の周波数、電流を
制御するようにしているので、ロータバーの温度が変化
してすべり特性が変化しても、全速度域で計画通りの特
性が得られ、高温時に高速特性が低下したり、低温時に
誘導電動機が失速する恐れをなくすことができる。
【0060】請求項2の発明によれば、すべり補正量平
均手段によって、すべり補正量算出手段の算出したすべ
り補正量をV/f一定制御を行なっている期間の間平均
し、最大すべり周波数設定値補正手段がこのすべり補正
量平均値を使用して最大すべり周波数を補正し、この補
正された最大すべり周波数によって誘導電動機の周波
数、電流を制御するようにしているので、制御の安定性
を向上させることができる。
【0061】請求項3の発明によれば、可変電圧可変周
波数によりV/f一定制御を行なっている期間および電
圧が一定となった後、電流を一定に制御する定出力領域
にわたる範囲の基準すべり周波数パターンを基準すべり
周波数パターン発生手段によって出力し、最大すべり周
波数設定手段によって最大すべり周波数設定値を与え、
すべり補正量算出手段によって基準すべり周波数パター
ンに対するすべり補正量を算出し、最大すべり周波数設
定値補正手段が最大すべり周波数設定値にすべり補正量
を加算して最大すべり周波数設定値を補正し、この補正
された最大すべり周波数によって誘導電動機の周波数、
電流を制御するようにしているので、ロータバーの温度
が変化してすべり特性が変化しても、全速度域で計画通
りの特性が得られ、高温時に高速特性が低下したり、低
温時に誘導電動機が失速する恐れをなくすことができ
る。
【0062】請求項4の発明によれば、可変電圧可変周
波数によりV/f一定制御を行なった後、電圧および電
流を一定に制御する定出力領域の終端周波数を終端周波
数設定手段によって設定し、あらかじめ誘導電動機とし
て考えられる範囲で大きい値として最大すべり周波数を
最大すべり周波数設定手段によって設定し、さらに、最
大すべり周波数補正手段によってインバータ出力周波数
が定出力領域の終端周波数になった時のすべり周波数を
最大すべり周波数に再設定し、この再設定された最大す
べり周波数によって誘導電動機の周波数、電流を制御す
るようにしているので、ロータバーの温度が変化してす
べり特性が変化しても、全速度域で計画通りの特性が得
られ、高温時に高速特性が低下したり、低温時に誘導電
動機が失速する恐れをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1および請求項2の発明の一実施例の回
路ブロック図。
【図2】請求項3の発明の一実施例の回路ブロック図。
【図3】請求項4の発明の一実施例の回路ブロック図。
【図4】従来例の回路ブロック図。
【図5】一般的な誘導電動機の基本特性パターンを示す
グラフ。
【図6】従来例において、誘導電動機のロータバー温度
が基準温度よりも高い場合の特性変化を示す説明図。
【図7】従来例において、誘導電動機のロータバー温度
が基準温度よりも低い場合の特性変化を示す説明図。
【符号の説明】
1 限流値 2 基準すべり周波数テーブル 3 最大すべり周波数テーブル 4 誘導電動機 5 変調率パターン発生器 6 可変電圧可変周波数インバータ 7 すべり補正量平均値算出器 8 ホールド回路 9 除算器 10 乗算器 11 加算器 12 比較器 13 加算器 14 基準すべり周波数パターン発生器 15 ローパスフィルタ 16 加算器 17 定出力領域終端周波数設定テーブル 18 ローパスフィルタ 19 ホールド回路 20 判別器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変電圧可変周波数(VVVF)インバ
    ータにより誘導電動機を駆動する誘導電動機の制御装置
    において、 基準すべり周波数設定値を与える基準すべり周波数設定
    手段と、 最大すべり周波数設定値を与える最大すべり周波数設定
    手段と、 可変電圧可変周波数によりV/f一定制御を行なってい
    る期間の基準すべり周波数設定値に対するすべり補正量
    を算出するすべり補正量算出手段と、 前記最大すべり周波数設定値を前記基準すべり周波数設
    定値で除した値を前記すべり補正量に乗じて前記最大す
    べり周波数設定値に加算して最大すべり周波数を補正す
    る最大すべり周波数設定値補正手段とを備えて成る誘導
    電動機の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の誘導電動機の制御装置
    において、さらに、前記すべり補正量算出手段が算出す
    るすべり補正量をV/f一定制御を行なっている期間の
    間平均するすべり補正量平均手段を設け、前記すべり補
    正量平均手段の求めるすべり補正量平均値を前記最大す
    べり周波数設定値補正手段が用いるすべり補正量とする
    ことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  3. 【請求項3】 可変電圧可変周波数(VVVF)インバ
    ータにより誘導電動機を駆動する誘導電動機の制御装置
    において、 可変電圧可変周波数によりV/f一定制御を行なってい
    る期間および電圧が一定となった後、電流を一定に制御
    する定出力領域にわたる範囲の基準すべり周波数パター
    ンを出力する基準すべり周波数パターン発生手段と、 最大すべり周波数設定値を与える最大すべり周波数設定
    手段と、 前記基準すべり周波数パターン発生手段が発生する基準
    すべり周波数パターンに対するすべり補正量を算出する
    すべり補正量算出手段と、 前記最大すべり周波数設定値に前記すべり補正量を加算
    して最大すべり周波数設定値を補正する最大すべり周波
    数補正手段とを備えて成る誘導電動機の制御装置。
  4. 【請求項4】 可変電圧可変周波数(VVVF)インバ
    ータにより誘導電動機を駆動する誘導電動機の制御装置
    において、 可変電圧可変周波数によりV/f一定制御を行なった
    後、電圧および電流を一定に制御する定出力領域の終端
    周波数を設定する終端周波数設定手段と、 あらかじめ誘導電動機として考えられる範囲で大きい値
    として最大すべり周波数を設定する最大すべり周波数設
    定手段と、 インバータ出力周波数が前記定出力領域の終端周波数に
    なった時のすべり周波数を前記最大すべり周波数に再設
    定する最大すべり周波数補正手段とを備えて成る誘導電
    動機の制御装置。
JP50A 1993-01-14 1993-01-14 誘導電動機の制御装置 Pending JPH06217586A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008199716A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Hitachi Ltd 車両駆動装置及びそれに用いられる電子回路装置
CN108448996A (zh) * 2018-03-26 2018-08-24 浙江德欧电气技术有限公司 一种高精度可调的伺服电机的控制方法

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