JPH0621726Y2 - サーマルヘッド記録装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、サーマルヘッドを用いた記録装置に関し、特
にサーマルヘッドをプラテン上の記録紙に所定の加圧力
で接触させるサーマルヘッド加圧機構に関する。

〔従来の技術〕

従来この種装置のサーマルヘッド加圧機構としては、一
般的に以下の構成があった。

サーマルヘッドをプラテン上の記録紙に接離可能に支持
したヘッド支持部材と、上記ヘッド支持部材に接続する
とともに上記記録紙への接触方向に付勢力を付与する弾
性部材を備えていた。さらに上記弾性部材の付勢力の強
度を調整する調圧機構を備えていた。

上記構成の作用は、弾性部材の付勢力によりヘッド支持
部材をプラテン方向に回動させるとともに、上記ヘッド
支持部材に保持されているサーマルヘッドが、プラテン
上の記録紙に接触する。このときサーマルヘッドは、上
記弾性部材により加圧力を付勢されている。また調圧機
構により弾性部材の付勢力を調整し、サーマルヘッドの
加圧力を変化させていた。

〔考案が解決するための問題点〕

上記装置においては、サーマルヘッドを保持しているヘ
ッド支持部材に直接弾性部材を接続しているため、上記
サーマルヘッドに歪み、捩じれ等が発生し、サーマルヘ
ッドにたわみが生じる場合があった。このためプラテン
上の記録紙に正しく接触せず、正確な記録を行うことが
できない場合があった。さらにサーマルヘッドの電力供
給導線に断線が発生してしまう恐れがあった。

また弾性部材の付勢力を調整する調圧機構を必要とする
ため、構成が複雑であった。

本考案は、上記欠点を解決するためになされたものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案においては、サーマルヘッドをその表面側に支持
するとともにその背面側に所定の間隔を隔てて折り返さ
れて形成された第１の係合部材を備えたヘッド支持部材
と、上記ヘッド支持部材の背面と上記第１の係合部材と
の間に架け渡され、所定の範囲がネジ切りされ複数の加
圧ボスを移動可能に保持した支持軸と、上記支持軸を保
持する立ち上がり部とプレート部を有する支持軸保持部
材と、上記支持軸保持部材および上記ヘッド支持部材を
回転可能に支持する規準軸と、上記支持軸保持部材の上
記プレート部に係合し、このプレート部を上下動させる
カムローラと、このカムローラを回動するレバーと、上
記支持軸保持部材の上記プレート部を常時下方に付勢す
るスプリングを有したサーマルヘッド記録装置を構成す
る。

〔作用〕

レバーが回動し、カムローラを介して支持軸保持部材が
プレート部がスプリングの付勢力に抗して上昇した時、
上記支持軸保持部材が規準軸を中心としてサーマルヘッ
ドをプラテンから遠ざける方向に変位させ、上記支持軸
保持部材の立ち上がり部に保持された支持軸が、サーマ
ルヘッド支持部材の第１の係合部材に当接してヘッド支
持部材およびこれにとりつけられた上記サーマルヘッド
が上記プラテンから離間する。

レバーが回動し、カムローラのプレート部への接触を解
除した時、プレート部を含む支持軸保持部材がスプリン
グの付勢力により、サーマルヘッドをプラテンに接触さ
せる方向に変位し、これに取り付けられた支持軸もまた
同様に変位し、複数の加圧ボスがヘッド支持部材の背面
に当接して表面側に取り付けられたサーマルヘッドが上
記プラテンに接触する。

〔実施例〕

本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

第１図は、本考案の一実施例の概要構成である概要構成
説明図、第２図は、第１図の側面図である。

まず第１図を参照して本考案一実施例の構成を説明す
る。

図において、１はサーマルヘッド、１２はヘッド支持部
材、１３は第１の係合部材、２はプラテン、３はサーマ
ルヘッド加圧部、３１、３２は軸保持部材、３１１、３
２１はプレート、３１２、３２２は立ち上がり部、３３
は支持軸、３３１は加圧ボス、３４は規準軸、４はレバ
ー、４１、４２はカムローラ、４３はレバー軸、５はス
プリング、５１はスプリング受け部材、６は記録紙であ
る。

サーマルヘッド１は、プラテン２上を移動する記録紙６
に接触可能なように、ヘッド支持部材１２の表面側に密
着されて取り付けられている。ヘッド支持部材１２は、
その両端下端部が筐体（図示せず）に固定された規準軸
３４に可動可能に貫通されて支持されている。このヘッ
ド支持部材１２の長手方向のほぼ中央位置には、その背
面側に所定距離離間されて折り返された第１の係合部材
１３が形成されている。

ヘッド支持部材１２の背面とこの支持部材１２に取り付
けられた第１の係合部材１３との間に支持軸３３が、架
け渡されている。この支持軸３３は、所定範囲に渡って
ネジ切りされており、複数個の加圧ボス３３１がその長
手方向に移動可能なように保持されており、さらにその
両端部がそれぞれ軸保持部材３１、３２の立ち上がり部
３１２、３２２に取り付けられている。

一対の軸保持部材３１、３２は、それぞれプレート３１
１、３２１とこのプレート３１１、３２１の後方両端部
においてそれぞれ上方に延びる一対の立ち上がり部３１
２、３２２を有している。これらの一対の立ち上がり部
に支持軸３３が取り付けられ、一対の立ち上がり部３１
２、３２２の両立ち上がり部の所定位置に規準軸３４が
貫通されている。

このようにこの装置は、規準軸３４に対して一対の軸保
持部材３１、３２とこれらに取り付けられた支持軸３３
が回動可能であるとともに、さらにサーマルヘッド１を
保持するヘッド支持部材１２もまたこの規準軸３４に回
動可能に保持されている。

さらに、これらの軸保持部材３１、３２のそれぞれのプ
レート３１１、３２１の前方部は、図示していない筐体
に回動可能に支持されたレバー４を有するレバー軸４３
の所定位置に取り付けられた一対のカムローラ４１、４
２にそれぞれ係合している。そして、これらのカムロー
ラ４１、４２の係合する面の反対面には、それぞれプレ
ート３１１、３２１を下方に付勢するスプリング５が設
けられている。ここで５１は、筐体の一部であるスプリ
ング受け部材である。

これらのカムローラ４１、４２は、同一の構成を有して
おり、カムローラ４１のみを示した第２図に示すよう
に、円筒形のローラの周縁部４１１を一部切り欠いた平
面部４１２を有している。

このカムローラ４１が矢印ａ方向にレバー４により回転
すると、その周縁部４１１により軸保持部材３１のプレ
ート３１１が矢印ｃ方向に上昇する。カムローラ４１
が、矢印ｂ方向に回転し、その平面部４１２がプレート
３１１に係合することにより、軸保持部材３１が矢印ｄ
方向に下降する。

まずサーマルヘッド１が、プラテン２から離間する動作
を第２図を参照して説明する。

レバー４をａ方向に回転させると、レバー軸４３もまた
ａ方向に回動する。このレバー軸４３に取り付けられて
いるカムローラ対４１、４２もまたそれぞれａ方向に回
転し、カムローラ４１、４２の周縁部４１１、４２１が
軸保持部材３１、３２のそれぞれのプレート３１１、３
２１に係合し、スプリング５の付勢力に抗してそれぞれ
の軸保持部材３１、３２を規準軸３４を中心として矢印
ｅ方向に変位させる。従って、一対の軸保持部材３１、
３２の立ち上がり部３１２、３２２間に架け渡されてい
る支持軸３３もまた、矢印ｅ方向に規準軸３４を中心と
する半径上を変位する。支持軸３３の矢印ｅ方向の変位
にともない、まずヘッド支持部材１２の背面側に所定距
離だけ離れて折り返されて形成されている第１の係合部
材１３に当接され、さらに支持軸３３が変位することに
よりこの第１の係合部材１３を介してヘッド支持部材１
２を矢印ｅ方向に変位させ、サーマルヘッド１をプラテ
ン２から離間させることができる。

サーマルヘッド１をプラテン２に接触させる場合には、
レバー４を矢印ｂ方向に押し下げ、レバー軸４３に取り
付けられているカムローラ４１、４２を回転させ、それ
らの平面部４１２、４２２を対応する軸保持部材３１、
３２のプレート３１１、３２１の下面に所定間隔を有す
る位置まで回転させればよい。この状態、すなわちサー
マルヘッド１がプラテン２に接触している状態において
は、スプリング５によりそれぞれの軸保持部材３１、３
２がそのプレート３１１、３２１を介し、規準軸３４を
中心として矢印ｄ方向に回動され、それにともなって支
持軸３３が矢印ｆ方向に変位して、その保持する加圧ボ
ス３３１がヘッド支持部材１２の背面に当接してサーマ
ルヘッド１をプラテン２に接触させるとともに、それぞ
れの軸保持部材３１、３２はスプリング５より常に所定
の付勢力でプレート３１１、３２１を付勢しているた
め、加圧ボス３３１は常に所定の押圧力でサーマルヘッ
ド１をプラテン２に接触させる。

ところで、この装置は先にも説明したようにネジ切りを
施し、複数の加圧ボス３３１を変位可能に構成している
ので加圧ボス３３１を最適な位置に保持することが可能
である。

〔効果〕

本考案は、以上の構成により、サーマルヘッドのプラテ
ンへの接離動作時、サーマルヘッドに余分な加圧を付勢
することがなく、サーマルヘッドの歪みあるいは捩じれ
を防止することができる。

また均一な加圧力でサーマルヘッドをプラテン上に接触
させることができ、一定濃度の記録を行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例である斜視図、第２図は、
第１図の側面図である。 １…サーマルヘッド、１２…ヘッド支持部材 １３…第１の係合部材、２…プラテン、 ３…サーマルヘッド加圧部、４…レバー、 ４１…カムローラ、５…スプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プラテン上を移動する記録紙にサーマルヘ
   ッドを用いて記録を行うサーマルヘッド記録装置におい
   て、 上記サーマルヘッドをその表面側に支持するとともに、
   その背面側に所定の間隔を隔てて折り返されて形成され
   た第１の係合部材を備えたヘッド支持部材と、 上記ヘッド支持部材の背面と上記第１の係合部材との間
   に架け渡され、所定の範囲がネジ切りされ、複数の加圧
   ボスを移動可能に保持した支持軸と、 上記支持軸を保持する立ち上がり部とプレート部を有す
   る支持軸保持部材と、 上記支持軸保持部材および上記ヘッド支持部材を回転可
   能に支持する規準軸と、 上記支持軸保持部材の上記プレート部に係合し、このプ
   レート部を上下動させるカムローラと、 このカムローラを回動するレバーと、 上記支持軸保持部材の上記プレート部を常時下方に付勢
   するスプリングを有し、 上記レバーの作用により、上記カムローラを介して上記
   支持軸保持部材の上記プレート部が上記スプリングの付
   勢力に抗して上昇した時、上記支持軸保持部材が規準軸
   を中心として上記サーマルヘッドを上記プラテンから遠
   ざける方向に変位させ、上記支持軸保持部材の上記立ち
   上がり部に保持された支持軸が、上記サーマルヘッド支
   持部材の第１の係合部材に当接して上記ヘッド支持部材
   およびこれにとりつけられた上記サーマルヘッドを上記
   プラテンから離間させ、 上記レバーの作用により上記カムローラの上記プレート
   部への作用を解除した時、上記プレート部を含む上記支
   持軸保持部材が上記スプリングの付勢力により、上記サ
   ーマルヘッドを上記プラテンに接触させる方向に変位
   し、これに取り付けられた支持軸もまた同様に変位し、
   上記複数の加圧ボスが上記ヘッド支持部材の背面に当接
   して上記表面側に取り付けられたサーマルヘッドを上記
   プラテンに接触させてなるサーマルヘッド記録装置。