JPH062163A - ほうろう用ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents

ほうろう用ステンレス鋼の製造方法

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JPH062163A
JPH062163A JP15804292A JP15804292A JPH062163A JP H062163 A JPH062163 A JP H062163A JP 15804292 A JP15804292 A JP 15804292A JP 15804292 A JP15804292 A JP 15804292A JP H062163 A JPH062163 A JP H062163A
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Yoshinobu Kakimoto
嘉信 柿本
Yuji Sone
雄二 曽根
Takeshi Azuma
毅 東
Nobutaka Yugawa
信孝 湯川
Masakazu Akamatsu
雅一 赤松
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JFE Steel Corp
Takara Standard Co Ltd
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Kawasaki Steel Corp
Takara Standard Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンレス鋼に対してほうろうとの高い密着
性を容易且つ確実に付与することを可能とする。 【構成】 ステンレス鋼を熱処理してほうろう用ステン
レス鋼を製造するほうろう用ステンレス鋼の製造方法に
おいて、ステンレス鋼(鋼帯、鋼板)の表面を、表面粗
さRa が1.0μm 〜3.0μm の範囲となるように調
整した後、該ステンレス鋼を、650℃〜1,100℃
で、且つ露点が−30℃〜−5℃の非酸化性ガス雰囲気
中で処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ほうろうに対して高い
密着性を有するほうろう用ステンレス鋼を製造すること
ができる、ほうろう用ステンレス鋼の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼を下地金属とするほうろうの
密着性は、例えば表面をサンドブラストした下地金属を
加熱処理することにより、その中の成分が酸化されて表
面酸化物が形成されるため、該表面酸化物と、釉薬が熱
処理されてできるガラス質層とが化学的に結合すること
により生じる。
【0003】ところが、下地金属がステンレス鋼である
場合は、サンドブラスト処理のみではガラス質層との密
着性が不十分であるため、通常はステンレス鋼の表面に
極めて薄い中間層を形成する方法が採用されている。そ
の具体的な方法としては、化学的な方法にクロメート処
理、化学発色法又はめっき等があり、又、物理的方法に
各種雰囲気の下で行う熱処理がある。これら中間層形成
方法の中でも、特に熱処理法がほうろうの密着性に効果
的であることが知られている。
【0004】ところで、これまでのほうろう製品の製造
では、鋼の成形加工が終わった後、その成形品に対して
サンドブラスト→水洗→化成処理等の前処理を行ってい
るが、この一連の前処理の中に雰囲気コントロールによ
る熱処理をも採用した前処理を下地がステンレス鋼の成
形品に対しても適用することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
処理をステンレス鋼の成形品に適用する場合、バッチ処
理炉又は連続処理炉のいずれを採用するにせよ、成形品
を雰囲気中で熱処理し、該成形品に十分なほうろうとの
密着性を与えることは物理的に極めて困難であり、仮に
十分な密着性が得られるとしても、長時間を要する等に
より経済的に大きな負担となるという問題がある。
【0006】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、ステンレス鋼に対してほうろうとの
高い密着性を容易且つ確実に付与することができる、ほ
うろう用ステンレス鋼板の製造方法を提供することを課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ステンレス鋼
を熱処理してほうろう用ステンレス鋼を製造するほうろ
う用ステンレス鋼の製造方法において、ステンレス鋼の
表面を、表面粗さRaが1.0μm 〜3.0μm の範囲
となるように調整した後、該ステンレス鋼を、650℃
〜1,100℃で、且つ露点が−30℃〜−5℃の非酸
化性ガス雰囲気中で処理することにより、前記課題を達
成したものである。
【0008】
【作用】前述した如く、ステンレス鋼は軟鋼と異なり、
その表面の不働体化被膜を有するため、ほうろう掛けし
た場合には、軟鋼では一部溶出した鉄分がその表面に酸
化膜を作ることにより、それが中間層となってほうろう
との密着性が確保されるのに対し、ステンレス鋼ではこ
の溶出現象が起こり難いために十分なほうろうとの密着
性を得ることができない。
【0009】本発明者等は、ステンレス鋼の成形品につ
いてほうろうの密着性を向上させるべく種々検討した結
果、成形加工前の素材の段階で熱処理して酸化膜を生成
させておくことが作業効率の上からも有効であり、又、
その酸化膜はステンレス鋼を低酸化性雰囲気の下で処理
して極薄で緻密な膜とすることにより優れたほうろう密
着性を発現することを知見した。
【0010】本発明は、上記知見によりなされたもので
あり、ステンレス鋼の表面を、表面粗さRa が1.0μ
m 〜3.0μm の範囲となるように調整した後、該ステ
ンレス鋼を、650℃〜1,100℃で、且つ露点が−
30℃〜−5℃の非酸化性ガス雰囲気中で処理すること
を特徴とするものである。なお、本発明において、ステ
ンレス鋼には、連続形状の鋼帯及び所定の寸法形状の鋼
板が含まれる。
【0011】以下、本発明の具体的構成を、ステンレス
鋼の冷間圧延鋼帯を対象とする場合の例について詳細に
説明する。
【0012】ステンレス鋼帯の表面は、予め表面粗さR
a が1.0μm 〜3.0μm の範囲になるように調整さ
れる。このRa は、中心線平均粗さであり、粗さ曲線か
らその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、こ
の抜取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸と
し、粗さ曲線をy =f (x )で示したとき、次の(1)
式によって求められる値をマイクロメートル(μm )で
表したものである。
【0013】
【数1】
【0014】Ra <1.0μm の場合は、表面の凹凸か
らなる溝が小さ過ぎることから、ほうろうが溝に喰い込
む効果が減少するためにほうろう密着性が低下し、又、
Ra>3.0μm の場合は、ほうろう焼成後の肌のきめ
が粗くなるため外観が悪い上に、外力を受けた際、局部
的に集中応力を受けることになるため、ほうろうが剥れ
易くなる。
【0015】酸化処理前の表面粗さRa が、1.0μm
≦Ra ≦3.0μm の場合に十分なほうろう密着性が得
られることを図1に示す。この図1は、横軸が対数目盛
で表した表面粗さRa 、縦軸がほうろう後のエリクセン
値である。同図には、露点が−15℃の非酸化性ガス雰
囲気中、900℃で120秒間処理した場合の結果が示
してあり、エリクセン値6.0mm以上が合格である。
【0016】この表面粗さの調整は、例えばステンレス
鋼の冷間圧延鋼帯では冷間仕上圧延時に、表面に微細な
凹凸を付したワークロールを用いてステンレス鋼帯に転
写させることにより行うことができる。なお、表面粗さ
の調整は、サンドブラスト法等の他の方法を採用するこ
ともできる。
【0017】上記の如く表面粗さを調整した冷延ステレ
ンス鋼帯を、連続光輝焼鈍ラインに通板しながら加熱処
理する。この焼鈍炉の雰囲気は、露点が−30℃〜−5
℃間の非酸化性ガスで形成されており、炉の温度は65
0℃〜1,100℃とする。
【0018】ここで、非酸化性ガスとは、水素ガス、窒
素ガス、アルゴン等の不活性ガス等を挙げることができ
る。これら非酸化性ガスは混合使用してもよく、又単独
使用してもよい。
【0019】図2は、ほうろう密着性と、露点及び炉温
度との関係を示したものである。図2中斜線部は、2分
以内で十分なほうろう密着性が得られる極めて有効な処
理範囲である。又、四角形領域を超える外側の条件で
は、ほうろう密着性は不十分であった。
【0020】このように、雰囲気ガスの露点が−30°
未満でも、又、−5℃を超える場合でも、ほうろう密着
性は不十分であり、又、雰囲気ガスが650℃未満で
も、又、1,100℃を超える場合でも、同様に密着性
は不十分であった。
【0021】本発明方法により上記条件の連続焼鈍炉で
処理する場合の熱処理時間としては、30秒〜120秒
間とすることが好ましい。その理由は、酸化被膜が異常
に厚くなるとほうろうとの密着性が悪くなったり、又、
ほうろうに気泡やピットが発生して外観品質を著しく損
なったりする恐れがあるからである。
【0022】又、上記熱処理はバッチ式で行うこともで
きる。バッチ炉で処理する場合はステンレス鋼帯をルー
ズに巻いて装入する。その際の熱処理時間はガス置換後
昇温し、所定温度での保持時間は最長でも15分までと
することが好ましい。
【0023】又、本発明方法が適用可能なステンレス鋼
としては、SUS304L等のオーステナイト系ステン
レス鋼、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼及
び2相ステンレス鋼を挙げることができる。特に、上記
オーステナイト系ステンレス鋼の場合は、C≦0.03
0%の低炭素材が好ましく、この場合の他の成分として
はSi ≦1.00%、Mn ≦2.00%、S≦0.03
0%、P<0.040%、Ni 16.00〜15.00
%、Cr 16.00〜25.00%を挙げることがで
き、更にこれら成分に、例えばCu =4.00%、Mo
≦4.00等を添加してもよい。
【0024】
【実施例】以下、本発明に係る一実施例について詳細に
説明する。
【0025】0.8mm板厚のステンレス鋼帯(SUS3
04L)を、冷間圧延する際の仕上圧延時に、表面が凹
凸に荒らされたワークロールで圧延することにより、鋼
帯の表面に上記凹凸形状を転写させて表面粗さRa 1.
5μm に調整すると共に、続いて連続光輝焼鈍ラインに
通板し、一部をシートカットした板をバッチ型加熱炉で
加熱処理した。
【0026】表1に上記熱処理を条件を変えて行った結
果を示した。なお、表1には、比較のために従来法によ
る結果をも併記した。なお、ほうろうの密着性は、エリ
クセン試験で評価した。又、バッチ型加熱炉の他に連続
光輝焼鈍炉でもほぼ同様の条件の下で熱処理を行った
が、エリクセン値Er は合格値の6.0mmを超えてお
り、バッチ型との間にはほとんど差はなかった。
【0027】
【表1】
【0028】上記表1より、本発明方法によれば、極め
て短時間で従来法と同程度又はそれ以上のほうろう性密
着性を得ることができた。従って、本発明方法により製
造した素材を用いて成形加工した場合には、ほうろう焼
成前に簡単な汚れ除去を行うだけで、成形後のサンドブ
ラスト等による表面荒らしや、長時間を要する熱処理が
不要となり、ほうろう掛け工程が大幅に短縮することが
できる。しかも、ほうろうの密着性を大幅に改善するこ
とができると共に、品質の均一性をも向上することがで
きる。
【0029】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に示したものに限られるもの
でなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
る。
【0030】例えば、熱処理は必ずしも連続光輝焼鈍炉
等で連続的に行う必要はなく、例えばバッチ式で行って
もよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、ス
テンレス鋼に対してほうろうとの高い密着性を容易且つ
確実に付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステン鋼の表面粗さとほうろう密着性の関係を
示す線図
【図2】ステンレス鋼のほうろう密着性と露点及び熱処
理温度との相関を示す線図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽根 雄二 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 東 毅 東京都千代田区内幸町二丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社東京本社内 (72)発明者 湯川 信孝 大阪府大阪市城東区鴫野東一丁目2番1号 タカラスタンダード株式会社内 (72)発明者 赤松 雅一 大阪府大阪市城東区鴫野東一丁目2番1号 タカラスタンダード株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステンレス鋼を熱処理してほうろう用ステ
    ンレス鋼を製造するほうろう用ステンレス鋼の製造方法
    において、 ステンレス鋼の表面を、表面粗さRa が1.0μm 〜
    3.0μm の範囲となるように調整した後、該ステンレ
    ス鋼を、650℃〜1,100℃で、且つ露点が−30
    ℃〜−5℃の非酸化性ガス雰囲気中で処理することを特
    徴とするほうろう用ステンレス鋼の製造方法。
JP04158042A 1992-06-17 1992-06-17 ほうろう用ステンレス鋼の製造方法 Expired - Fee Related JP3135087B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001129448A (ja) * 1999-09-15 2001-05-15 Ing Erich Pfeiffer Gmbh & Co Kg 媒体を任意選択的に噴霧して吐出するための装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001129448A (ja) * 1999-09-15 2001-05-15 Ing Erich Pfeiffer Gmbh & Co Kg 媒体を任意選択的に噴霧して吐出するための装置

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