JPH0621455U - マットレス装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この考案は組立てや分解の作業を容易かつ迅速
に行えるようにしたマットレス装置を提供することを目
的とする。 【構成】スプリングユニット２と、シ−ト６を有しこの
シ−トを筒状に折り曲げることでスプリングユニットの
上下面および側面を覆うとともに、シ−トのスプリング
ユニットの上下面と対応する部分には詰め物８、９が設
けられかつシ−トの折り曲げ方向の両端にはスプリング
ユニットを覆ったときに着脱自在に結合される第１のフ
ァスナ７ａ、７ｂが設けられた詰め物ユニット５と、袋
状に形成されているとともにその一つの面が第２のファ
スナ１４ａ、１４ｂによって開閉自在に形成されその内
部に詰め物ユニットによって覆われたスプリングユニッ
トが収容される外装ユニット１２とを具備したことを特
徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はスプリングユニットの上下面に詰め物を積層し、これらを外装体に よって被覆して形成されるマットレス装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のマットレス装置は、周知のように多数のコイルスプリングを行列状に連 結したスプリングユニットを有し、このスプリングユニットの上下面には詰め物 としてのサイザルとウレタンフォ−ムとが順次積層される。そして、詰め物が積 層されたスプリングユニットを、袋状に縫製された布製の外装体によって被覆す ることで、上記マットレス装置が構成されている。

【０００３】 このような構成のマットレス装置においては、スプリングユニットに積層され た詰め物がずれ動くのを防止するために、上記詰め物の周辺部を上記スプリング ユニットの周辺部にクリップによって連結固定するようにしている。また、詰め 物を覆った外装体もずれ動くため、その内面の周辺部にフランジ布の一端を連結 し、その他端を上記スプリングユニットの周辺部に、同じくクリップによって連 結するようにしている。

【０００４】 しかしながら、スプリングユニットと詰め物および外装体とをクリップ止めす る場合、その連結箇所はかなりの数になるため、その連結作業に多くの手間が掛 り、生産性の低下を招くということが避けられなかった。

【０００５】 また、最近では不要になったマットレス装置を廃棄する場合、その処分に困る ということがある。つまり、マットレス装置は、スプリングユニットが鋼線で形 成されており、詰め物や外装地とは異なる材料である。

【０００６】 そのため、廃棄時には処理作業をし易くするために、スプリングユニット、詰 め物および外装体を分離することが望まれている。しかしながら、上記詰め物や 外装体は、上記スプリングユニットに対してそれぞれ多数のクリップによって連 結されているため、廃棄時にこれらを分離する作業は容易でないということがあ った。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

このように、従来のマットレス装置はスプリングユニットに対して詰め物や外 装地をそれぞれ多数のクリップによって連結して形成されているから、組み立て 作業に手間が掛かるとともに、廃棄時にスプリングユニット、詰め物および外装 体をそれぞれ分離する作業も容易でないということがあった。

【０００８】 この考案は上記事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、クリ ップを用いることのない構成とすることで、組み立て作業や分離作業を容易に行 うことができるようにしたマットレス装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するためにこの考案は、スプリングユニットと、シ−トを有し このシ−トを筒状に折り曲げることで上記スプリングユニットの上下面および側 面を覆うとともに、上記シ−トの上記スプリングユニットの上下面と対応する部 分には詰め物が設けられかつシ−トの折り曲げ方向の両端には上記スプリングユ ニットを覆ったときに着脱自在に結合される第１の連結手段が設けられた詰め物 ユニットと、袋状に形成されているとともにその一つの面が第２の連結手段によ って開閉自在に形成されその内部に上記詰め物ユニットによって覆われた上記ス プリングユニットが収容される外装ユニットとを具備したことを特徴とする。

【００１０】

【作用】

上記構成によれば、スプリングユニットに対して詰物ユニットと外装ユニット を、それぞれ従来のようにクリップを用いて直接的に連結せずにすむから、組立 ておよび分解の作業を容易に行うことができる。

【００１１】

【実施例】

以下、この考案の第１の実施例を図１乃至図５を参照して説明する。図１はマ ットレス装置を示し、このマットレス装置はスプリングユニット２を備えている 。このスプリングユニット２は図２に示すように多数のコイルスプリング３を行 列状に配置し、これらをヘリカル線４ａで連結するとともに、その上下面の周辺 部に枠線４ｂを連結して形成されている。

【００１２】 上記スプリングユニット２は詰物ユニット５によって覆われている。この詰物 ユニット５は図３と図５に示すように布製のシ−ト６を有する。このシ−ト６は スプリングユニット２の上下の面積よりもわずか大きく形成された第１の布地６ ａと第２の布地６ｂ、上記スプリングユニット２の側面よりもわずかに大きく形 成され、上記第１の布地６ａと第２の布地６ｂとの一端を連結した第３の布地６ ｃ、上記第２の布地の他端に一端が連結された上記第３の布地６ｃとほぼ同じ大 きさの第４の布地６ｄとから形成されている。

【００１３】 上記第１の布地６ａの他端には一方の第１のファスナ７ａが全長にわたって設 けられ、上記第４の布地６ｄの他端には上記一方の第１のファスナ７ａに着脱自 在に係脱する他方の第１のファスナ７ｂが設けられている。この第１のファスナ ７ａ、７ｂは第１の連結手段を形成している。

【００１４】 上記シ−ト６の第１の布地６ａと第２の布地６ｂとの一方の面には、それぞれ 詰め物である、サイザル８とウレタンフォ−ムあるいは綿などのクッション材９ とが順次積層されている。このクッション材９は、周辺部が上記第１の布地６ａ と第２の布地６ｂとにそれぞれ縫合されたカバ−布地１１によって覆われている 。

【００１５】 上記構成の詰物ユニット５は、上記スプリングユニット２の上下面および両側 面を覆う状態で折り曲げられ、第１の布地６ａと第４の布地６ｄとに設けられた ファスナ７ａ、７ｂを係着させることでスプリングユニット２と一体化されてい る。その状態において、スプリングユニット２の上面と下面とに、それぞれ上記 第１の布地６ａと第２の布地６ｂが接合する。つまり、スプリングユニット２の 上下面に、サイザル８とクッション材９とが積層された状態となる。

【００１６】 上記詰物ユニット５によって覆われたスプリングユニット２は外装ユニット１ ２に収容される。この外装ユニット１２は図１と図４に示されるように上記スプ リングユニット２と対応する大きさの袋状に形成され、底面部１３ａ、周辺部１ ３ｂおよび上面部１３ｃからなる。

【００１７】 上記上面部１３ｃの一側を除く三側には、一方の第２のファスナ１４ａが設け られ、この一方の第２のファスナ１４ａと対応する上記周辺部１３ｂの上端部に は、他方の第２のファスナ１４ｂが設けられている。これら第２のファスナ１４ ａ、１４ｂは第２の連結手段を構成している。

【００１８】 上記外装ユニット１２の各部分は、図１に示すようにウレタンフォ−ムなどに よって形成された薄いシ−ト状のクッション材１６の両側面を布からなる表地１ ７ａと裏地１７ｂとで被覆して形成されている。それによって、外装ユニット１ ２は利用者に柔らかな感触を与えることができるようになっている。

【００１９】 上記構成の外装ユニット１２の内部空間には、上記詰め物ユニット５によって 覆われたスプリングユニット２が収容され、その状態で第２のファスナ１４ａ、 １４ｂを係着することで、これらが一体化されてマットレス装置を構成している 。

【００２０】 このような構成のマットレス装置によれば、詰め物であるサイザル８やクッシ ョン材９を有する詰め物ユニット５は、そのシ−ト６をスプリングユニット２の 周囲に巻き付け、第１のファスナ７ａ、７ｂを係着することで、上記スプリング ユニット２と一体化されている。

【００２１】 つまり、詰め物ユニット５は、第１のファスナ７ａ、７ｂを係脱するだけで、 上記スプリングユニット２に対して着脱することができるから、その組立て作業 や分解作業を容易かつ迅速に行うことができる。

【００２２】 上記詰め物ユニット５が取着されたスプリングユニット２は、外装ユニット１ ２に収容される。つまり、上記スプリングユニット２は第２のファスナ１４ａ、 １４ｂによって外装ユニット１２の上面部１３ｃを開閉してその内部に出し入れ することで、組立てたり、分解することができる。したがって、その組立て作業 や分解作業を上記詰め物ユニット５と同様、容易かつ迅速に行うことができる。

【００２３】 図６乃至図１０はこの考案の詰め物ユニット５の変形例を示す。図６はこの考 案の第２の実施例を示し、この実施例はシ−ト６の第１の布地６ａと第２の布地 ６ｂとに積層したサイザル８とクッション材９とを、糸２１によって縫い付ける ようにしたものであり、このような構成によれば、上記第１の実施例のように詰 め物を被覆するカバ−布地１１が不要となる。

【００２４】 図７はこの考案の第３の実施例で、この実施例はシ−ト６を複数に分割せずに 、１枚ものとし、詰め物であるサイザル８とクッション材９とは上記シ−ト６に 接着剤２２によって順次接着固定するようにした。しかも、第１の布地６ａと第 ２の布地６ｂとに設けられる詰め物、つまり各サイザル８とクッション材９との 厚さを異ならせ、これらのクッッション性に差を持たせるようにした。

【００２５】 それによって、マットレス装置の一方の面と他方の面とのいずれを上にして用 いるかにより、利用者に与えるクッション性を変えることができる。つまり、利 用者は体調などによって１つのマットレス装置を異なる硬さで利用することがで きる。

【００２６】 図８乃至図１０はこの考案の第４の実施例を示し、この実施例はシ−ト６Ａと してポリプロピレンなどの合成樹脂製のネットを用いるようにしたもので、この シ−ト６Ａにはスプリングユニット２の上下面に沿って折り曲げを容易にするた めの薄肉部２３が形成されている。

【００２７】 また、シ−ト６Ａには、長手方向一端に複数の係合片２４が突設され、他端部 には上記シ−ト６Ａをスプリングユニット２の外面に沿って折り曲げたときに上 記係合片２４が係合する係合孔２５が形成されている。つまり、上記係合片２４ と係合孔２５とで第１の連結手段を形成している。

【００２８】 上記シ−ト６Ａの折り曲げた時に外面となる一側面には詰め物２６が積層され 、たとえば接着剤などによって固定され、内面にはシ−ト６Ａがスプリングユニ ット２と直に擦れて音を発生するための防音布２７が設けられている。

【００２９】 このように、シ−ト６Ａとして合成樹脂製のネット用いれば、このシ−ト６Ａ の材料や厚さを選択することで適度な硬さを持たせることができるから、スプリ ングユニット２上に利用者が仰臥したときに、部分的な落ち込みが生じるのを防 止することができる。

【００３０】

【考案の効果】

以上述べたようにこの考案は、スプリングユニットに対して詰め物ユニットを 第１の連結手段によって着脱自在に連結するとともに、詰め物ユニットが取付け られたスプリングユニットを第２の連結手段によって一つの面が開閉自在に設け られた袋状の外装ユニットに収容することで、マットレス装置を構成するように した。

【００３１】 そのため、上記詰め物ユニットを上記スプリングユニットに対して容易に着脱 することができ、また上記外装ユニットも上記スプリングユニットに対して着脱 が容易であるから、組立てや分解作業の簡略化を計ることができる。それによっ て、たとえば廃棄時には材料の種類に応じて分離して廃棄したり、材料によって は再利用するなどのことが容易に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示すマットレス装置の断
面図。

【図２】同じくスプリングユニットの概略的構成を示す
斜視図。

【図３】同じく詰め物ユニットの斜視図。

【図４】同じく外装ユニットの斜視図。

【図５】同じく詰め物ユニットを展開した側面図。

【図６】この考案の第２の実施例を示す詰め物ユニット
を展開した側面図。

【図７】この考案の第３の実施例を示す詰め物ユニット
を展開した側面図。

【図８】この考案の第４の実施例を示す詰め物ユニット
を展開した側面図。

【図９】同じくシ−トの一部を示す平面図。

【図１０】同じくシ−トの係合片と係合孔との連結部分
の拡大断面図。

【符号の説明】

２…スプリングユニット、５…詰め物ユニット、６…シ
−ト、７ａ、７ｂ…第１のファスナ（第１の連結手
段）、８…サイザル、９…クッション材、１２…外装ユ
ニット，１４ａ、１４ｂ…第２のファスナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スプリングユニットと、シ−トを有しこ
   のシ−トを筒状に折り曲げることで上記スプリングユニ
   ットの上下面および側面を覆うとともに、上記シ−トの
   上記スプリングユニットの上下面と対応する部分には詰
   め物が設けられかつシ−トの折り曲げ方向の両端には上
   記スプリングユニットを覆ったときに着脱自在に結合さ
   れる第１の連結手段が設けられた詰め物ユニットと、袋
   状に形成されているとともにその一つの面が第２の連結
   手段によって開閉自在に形成されその内部に上記詰め物
   ユニットによって覆われた上記スプリングユニットが収
   容される外装ユニットとを具備したことを特徴とするマ
   ットレス装置。