JPH0436692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案はクツシヨン体としてエアーマツトを
用いたマツトレス装置に関する。

（従来の技術） 一般に、マツトレス装置は多数のコイルスプリ
ングを行列状に連結してクツシヨン体としてのス
プリングユニツトを形成し、このスプリングユニ
ツトの上下面にサイザルなどの保護材と、ウレタ
ンフオームなどの弾性材とを順次重合し、この重
合体を布地を袋状に縫製した外装体で被覆して構
成されている。

しかしながら、このような構成のマツトレス装
置によると、スプリングユニツトを形成するのに
多数のコイルスプリングを用い、しかもこれらコ
イルスプリングを各々ヘリカル線などで連結しな
ければならないため、部品点数の増加や製作の煩
雑化を招き、コスト高となることが避けられない
という欠点が生じる。

このような欠点を除去するために、クツシヨン
体としてスプリングユニツトに代わりエアーマツ
トを用いることが実用化されている。その場合、
偏平袋状のエアーマツトの上面にウレタンフオー
ムなどの弾性材を重合し、この重合体を袋状に縫
製された外装体で重合するようにしている。

ところで、クツシヨン体としてエアーマツトを
用いた場合、そのエアーマツトに空気を所定の圧
力で充填すると、その上下面や外周面が外方へ膨
脹し、偏平状の形状を維持することができなくな
る。そこで、エアーマツトの上下面を連結片を用
いて連結し、上下方向に膨脹するのを防止するよ
うにしている。しかしながら、エアーマツトは上
下面の膨脹を防止することができても、外周面の
膨脹を防止することは非常に難しい。したがつ
て、エアーマツトをマツトレス装置のクツシヨン
体として用いると、そのマツトレス装置の外周面
が平面とならず、曲面になつてしまうから、外観
的にきわめて体裁が悪いという問題が生じる。

また、エアーマツトの上面に弾性材を重合し、
この重合体を外装体で被覆した構造であると、利
用者に与える感触が上記弾性材の性能によつて一
定になつてしまうから、利用者が自分の好みに応
じて感触を変えることができないということもあ
つた。

（考案が解決しようとする課題） このように、エアーマツトを用いたマツトレス
装置によると、上記エアーマツトの上下面の膨脹
を阻止することができても、外周面の膨脹を確実
に防止することができないため、マツトレス装置
の外形を良好に維持することができないというこ
とがあり、また利用者に与える感触を任意に設定
することもできなかつた。

この考案は上記事情にもとずきなされたもの
で、その目的とするところは、エアーマツトの外
周面が外方へ膨脹しても、外形が損なわれず、し
かも利用者に与える感触を自由に変えることがで
きるようにしたマツトレス装置を提供することに
ある。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段及び作用） 上記課題を解決するためにこの考案は、比較的
硬い弾性材料によつて作られた枠体と、この枠体
内に設けられたエアーマツトと、上記枠体の内周
面と上記エアーマツトの外周面との間に設けられ
た上記枠体よりも柔らかな弾性材料によつて作ら
れた緩衝部材と、上記エアーマツトの上面に重合
された弾性材料からなる硬さ調整板と、袋状に形
成され内部に上記枠体、エアーマツトおよび硬さ
調整板を収容するとともにフアスナによつて開閉
自在に形成された外装体とを具備する。そして、
上記エアーマツトの外周面が膨脹しても、上記枠
体によつて外形を維持することができ、また外装
体を開けて硬さ調整板を自由に交換することがで
きるようにしたものである。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面を参照して説
明する。第１図と第２図に示すマツトレス装置は
枠体１を備えている。この枠体１はウレタンフオ
ームなどの比較的硬質な帯板状の弾性部材を矩形
枠状に形成してなる。すなわち、平行に離間対向
した一対の直線状の第１の弾性部材２の両端にコ
字状の第２の弾性部材３をそれぞれ接着して形成
されている。

上記枠体１の内周面には全周にわたつて４本の
緩衝部材４が接着固定されている。この緩衝部材
４は上記枠体１に比べて軟質なウレタンフオーム
などの弾性材料からなるとともに、上記枠体１を
形成する部材よりも高さ寸法が小さな直線状をな
している。したがつて、枠体１の内周面には上記
緩衝部材４の上下面にそれぞれ段部５が形成され
ている。

上記枠体１の下側の段部５には比較的硬質なウ
レタンフオームなどの弾性材料で作られた保持板
６が周辺部を上記緩衝部材４の下端面に接着固定
して設けられ、上側の段部５には硬さ調整板７が
周辺部を係合させて着脱自在に設けられている。
この硬さ調整板７はウレタンフオームなどの弾性
材料によつて形成され、その硬さは利用者が自分
の好みに応じたものが用いられる。

上記枠体１内にはエアーマツト８が収容されて
いる。このエアーマツト８は偏平な袋状をなして
いて、その上側シート８ａと下側シート８ｂは多
数の連結片９によつて連結され、内部に圧縮空気
が充填されたときに上下方向に膨脹するのを阻止
するようになつている。なお、エアーマツト８に
はチユーブ１１の一端が接続されている。このチ
ユーブ１１の他端は図示しない圧縮空気の供給ポ
ンプに接続され、それによつて上記エアーマツト
８に圧縮空気を供給することができるようになつ
ている。また、上記連結片９には通気孔９ａが穿
設されている。

上記枠体１、保持板６および硬さ調整板７は外
装体１２によつて被覆されている。この外装体１
２は枠体１の外周面を被覆したマチ布１３と、保
持板６を被覆した下鏡布１４および硬さ調整板７
を被覆した上鏡布１５とからなり、上記マチ布１
３の上下端に上記一対の鏡布１４，１５の周縁部
が縫着されているとともに、上鏡布１５は第３図
に示すようにその二辺がフアスナ１６によつて開
閉自在となつている。

このような構造のマツトレス装置によれば、エ
アーマツト８に圧縮空気を充填すると、このエア
ーマツト８の上下面は連結片９によつて膨脹する
のが阻止されるが、外周面は外方へ膨脹すること
が避けられない。しかしながら、エアーマツト８
の外周面が膨脹しても、その外周面は軟質な緩衝
部材４を弾性変形させることになり、枠体１を変
形させることがない。したがつて、上記エアーマ
ツト９によつてマツトレス装置に外形状が損なわ
れることがない。

また、エアーマツト８の上面に載置された硬さ
調整板７は外装体１２のフアスナ１６によつて上
鏡布１５を開けて交換することができる。したが
つて、利用者は硬さ調整板７を自分の好みに応じ
た硬さのものに交換して快適な感触を得ることが
できる。

さらに、上記硬さ調整板７は段部５に周辺部を
係合させて設けられている。したがつて、上記硬
さ調整板７は使用中にずれ動くことがないから、
安定した状態で使用することができる。

なお、上記一実施例において、硬さ調整板と保
持板との硬さを変え、マツトレス装置のどちらの
面を利用するかによつて利用者に与える感触を変
えるようにしてもよい。

［考案の効果］ 以上述べたようにこの考案は、枠体内にこの枠
体よりも柔らかな弾性材料によつて作られた緩衝
部材を介してエアーマツトを収容し、このエアー
マツトの上面に硬さ調整板を載置するとともに、
これらを収容した外装体を開閉自在とした。した
がつて、エアーマツトの外周面が膨脹しても、そ
の膨脹は緩衝部材が弾性変形することで吸収され
るから、枠体が変形するなどしてマツトレス装置
の外形が損なわれることがない。また、外装体を
開けることによつて硬さ調整板を利用者の好みに
応じた硬さのものに交換することができるから、
それによつて利用者は自分に適した感触にするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図はマ
ツトレス装置の縦断面図、第２図は同じく一部断
面した平面図、第３図は外装体の断面図である。 １……枠体、４……緩衝部材、５……段部、７
……硬さ調整板、８……エアーマツト、１２……
外装体、１６……フアスナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 比較的硬い弾性材料によつて作られた枠体と、
   この枠体内に設けられたエアーマツトと、上記枠
   体の内周面と上記エアーマツトの外周面との間に
   設けられた上記枠体よりも柔らかな弾性材料によ
   つて作られた緩衝部材と、上記エアーマツトの上
   面に重合された弾性材料からなる硬さ調整板と、
   袋状に形成され内部に上記枠体、エアーマツトお
   よび硬さ調整板を収容するとともにフアスナによ
   つて開閉自在に形成された外装体とを具備したこ
   とを特徴とするマツトレス装置。