JPH06214440A - 電荷保持媒体を用いた静電印刷システム - Google Patents

電荷保持媒体を用いた静電印刷システム

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JPH06214440A
JPH06214440A JP5005799A JP579993A JPH06214440A JP H06214440 A JPH06214440 A JP H06214440A JP 5005799 A JP5005799 A JP 5005799A JP 579993 A JP579993 A JP 579993A JP H06214440 A JPH06214440 A JP H06214440A
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JP
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latent image
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electrostatic latent
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JP5005799A
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English (en)
Inventor
Takashi Aono
隆 青野
Yoshiaki Tsuruoka
鶴岡美秋
Masayuki Iijima
飯嶋正行
Satoru Kuramochi
悟 倉持
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電荷保持媒体を静電印刷マスタとして使用し
て電荷保持媒体の有効利用を図り、同時に静電印刷マス
タの作成を容易にすることを可能にする。 【構成】 少なくとも導電性層上に電荷保持層が形成さ
れた電荷保持媒体と、電荷保持媒体に静電潜像を形成す
る静電潜像形成手段と、静電潜像が形成された電荷保持
媒体の静電潜像または静電潜像をトナー現像したトナー
像を転写する転写手段とを備え、電荷保持媒体を静電印
刷マスタとして他の記録媒体を用いたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電潜像を形成した電荷
保持媒体を静電印刷マスタとして使用するようにした静
電印刷システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、絶縁性層を有する電荷保持媒体を
用い、長期間安定的に静電潜像を保持する記録方式が提
案されている。この方法を図13により説明する。
【0003】図13において、1mm厚のガラスからな
る光導電層支持体2a上に1000Å厚のITOからな
る透明な感光体電極2bを形成し、この上に10μm程
度の光導電層2cを形成して感光体2を構成する。この
感光体2に対して、10μm程度の空隙を介して電荷保
持媒体1が配置される。電荷保持媒体1は1mm厚のガ
ラスからなる絶縁層支持体1c上に1000Å厚のAl
電極1bを蒸着により形成し、この電極1b上に10μ
m厚の絶縁層1aを形成したものである。
【0004】先ず、図13(イ)に示すように感光体2
に対して、10μm程度の空隙を介して電荷保持媒体1
をセットし、図13(ロ)に示すように電源Eにより電
極2b、1b間に電圧を印加する。暗所であれば光導電
層2cは高抵抗体であるため、電極間には何の変化も生
じない。感光体2側より光が入射すると、光が入射した
部分の光導電層2cは導電性を示し、絶縁層1aとの間
に放電が生じ、絶縁層1aに電荷が蓄積される。
【0005】露光が終了したら、図13(ハ)に示すよ
うに電圧をOFFにし、次いで、図13(ニ)に示すよ
うに電荷保持媒体1を取り出すことにより静電潜像の形
成が終了する。
【0006】なお、感光体2と電荷保持媒体1とは上記
のように非接触でなく接触式でもよく、接触式の場合に
は、感光体電極2b側から光導電層2cの露光部に正ま
たは負の電荷が注入され、この電荷は電荷保持媒体1側
の電極1bに引かれて光導電層2cを通過し、絶縁層1
a面に達した所で電荷移動が停止し、その部位に注入電
荷が蓄積される。そして、感光体2と電荷保持媒体1と
を分離すると、絶縁層1aは電荷を蓄積したままの状態
で分離される。
【0007】この記録方法は面状アナログ記録とした場
合、銀塩写真法と同様に高解像度が得られ、また形成さ
れる絶縁層1a上の表面電荷は空気環境に曝されるが、
空気は良好な絶縁性能を持っているので、明所、暗所に
関係なく放電せず長期間保存されることになる。
【0008】この絶縁層1a上の電荷保存期間は、環境
条件や絶縁体の性質などによって定まり、空気の絶縁性
以外に絶縁体の電荷捕捉特性が影響する。前述の説明で
は電荷は表面電荷として説明しているが、注入電荷は単
に表面に蓄積させる場合もあり、また微視的には絶縁体
表面付近内部に侵入し、その物質の構造内に電子または
ホールがトラップされる場合もあるので長期間の保存が
行われる。また電荷保持媒体の物理的損傷や湿度が高い
場合の放電等を防ぐために絶縁層1aの表面を絶縁性フ
ィルム等で覆って保存するようにしてもよい。
【0009】カラー画像を電荷保持媒体に記録する場合
は、R,G,Bに対してそれぞれ3枚の電荷保持媒体に
記録するか、あるいはR,G,Bに対応したマスクを使
用し、マスク位置をずらして同一電荷保持媒体上に3回
の露光を行うかのどちらかの方法を用いてよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来、印刷版の作製方
法としては、感光性樹脂に印刷原稿を密着露光した後、
現像、エッチング等をする方法がとられているが、印刷
版の作製は工程も多く容易ではない。また、作製が難し
いことから、印刷版を長期保存しているが、保管場所を
確保することも難しくなってきている。
【0011】一方、近年ダイレクト印刷と呼ばれ、スキ
ャナーで入力、画像処理した原稿を直接印刷版にしてし
まうものが提案されているが、上記課題は解決されてい
ない。
【0012】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、電荷保持媒体を静電印刷マスタとして使用すること
により、複雑な工程を経ることなく容易にマスタの作製
が可能であり、また消去することにより簡易に繰り返し
使用もでき、かつ処理された電気信号をダイレクトにマ
スタ化することも可能な静電印刷システムを提供するこ
とを目的とする。特に、印刷枚数が数千枚程度と少ない
多品種対応のシステムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の電荷保持媒体を
用いた静電印刷システムは、少なくとも導電性層上に電
荷保持層が形成された電荷保持媒体と、電荷保持媒体に
静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、静電潜像が形
成された電荷保持媒体の静電潜像または静電潜像をトナ
ー現像したトナー像を転写する転写手段とを備え、電荷
保持媒体を静電印刷マスタとして他の記録媒体上に静電
潜像またはトナー像を転写することを特徴とする。また
本発明は、電荷保持媒体は電荷保持層上に静電潜像が形
成される表面保持型、あるいは電荷保持層内部に静電潜
像が形成される内部保持型であることを特徴とする。ま
た本発明は、内部保持型電荷保持媒体の電荷保持層は、
熱刺激電流測定により得られる電荷のトラップ開放温度
の低い樹脂層とトラップ開放温度の高い絶縁層の2層構
成からなっていることを特徴とする。また本発明は、内
部保持型電荷保持媒体の電荷保持層は末端基が置換処理
されたフッ素系樹脂をオーバーコートした絶縁層からな
ることを特徴とする。また本発明は、内部保持型電荷保
持層は導電性層上に直接あるいは絶縁層を介して光導電
性微粒子層あるいは導電性微粒子層が形成され、その上
に絶縁層が積層されたものであることを特徴とする。ま
た本発明は、少なくとも導電性層上に電荷保持層が形成
された電荷保持媒体と、電荷保持媒体に静電潜像を形成
する静電潜像形成手段と、静電潜像が形成された電荷保
持媒体に一様に静電潜像と逆極性の電荷を付与する一様
帯電手段と、静電潜像と逆極性の電荷が付着された電荷
保持媒体に圧着されると共に、静電潜像と逆極性の電荷
を引き剥がす接触剥離手段とを備え、接触剥離した静電
潜像を他の記録媒体に転写することを特徴とする。また
本発明は、さらに接触剥離した静電潜像をトナー現像す
る現像手段と、現像したトナー像を転写する転写手段と
を備えたことを特徴とする。
【0014】また本発明は、導電性層上に電荷保持層が
形成されたドラム状電荷保持媒体と、ドラム状電荷保持
媒体に静電潜像を形成するイオン記録ヘッドと、静電潜
像が形成されたドラム状電荷保持媒体をトナー現像する
現像手段と、トナー像を転写する転写手段とを備えたこ
とを特徴とする。また本発明は、転写手段は転写フィル
ム送り用導電性ローラからなり、該ローラとドラム状電
荷保持媒体との間に所定電圧が印加され、転写フィルム
とドラム状電荷保持媒体とを未接触でトナー像を転写す
ることを特徴とする。また本発明は、転写手段は少なく
とも転写コロトロンを備えていることを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明はイオンフロー、電圧印加露光、或いは
一様にコロナ帯電させた後、画像露光することにより、
電荷保持媒体上に静電潜像を記録する。この時、静電潜
像は電荷保持媒体の絶縁層の表面、或いは内部に蓄積
し、これを静電印刷マスタとして静電潜像の形で、ある
いはトナー現像して転写する。また、静電潜像と逆極性
の電荷を付着させることにより静電潜像を見えなくした
後、接触剥離して静電潜像上に付着した電荷を取り除く
と、剥離した電荷分布は静電潜像のコピーであるので、
これをトナー現像することにより静電印刷マスタが転写
されたことになり、このとき元の静電潜像は保存される
ので何回も転写することが可能である。この場合、静電
潜像の形成を内部蓄積型とすれば、静電マスタの電荷の
減衰がほとんどなく、半永久的な転写が可能である。
【0016】
【実施例】図1はイオン記録ヘッドを用いて電荷保持媒
体上に静電潜像を形成し、静電印刷マスタを作製する方
法を示す図である。図15で説明したような電荷保持媒
体1にイオン記録ヘッド10を対向させ、これを走査し
ながら順次電荷保持媒体上に静電潜像を記録する。
【0017】イオン記録ヘッドは、例えば図2に示すよ
うなものである。図中、10は記録ヘッド、11はコロ
ナイオン発生源、12は上部開口電極、13は絶縁層、
14は下部開口電極、15はホール、16はバイアス電
源、17はコロナイオン発生用電源、18、19は制御
信号電源である。
【0018】コロナイオン発生源11は、例えばケーシ
ング電極11a内にコロナワイヤ11bを張ったもので
あり、ケーシング電極11aとコロナワイヤ11b間に
コロナイオン発生用電源17により直流高電圧を印加し
てコロナイオンを発生するものである。絶縁層13を挟
んでその両面に形成された上部開口電極12、下部開口
電極14は、絶縁層に開けられたホール15に対応して
開口が貫通形成されて単位記録素子を形成しており、制
御信号電源18、19により加えられる制御信号電圧の
極性によりイオン流をON/OFF制御している。絶縁
層のホールを通過したコロナイオンはバイアス電源16
によって記録媒体1との間に形成される電界により導か
れて記録媒体1上に静電潜像が形成される。
【0019】このような構成において、図2(a)に示
すように下部電極14に対して上部開口電極12が正と
なるような信号電圧を印加すると、電極開口内に形成さ
れる電界に沿ってコロナイオン流が記録媒体1上に飛翔
して潜像形成が行われる。一方図2(b)のように信号
電源の極正が逆になるように信号電圧を印加すると、電
極開口内にはイオン流を阻止する方向に電界が形成され
てイオンは開口を通過できなくなる。イオン記録ヘッド
としては、上記コロトロン放電型の他、固体放電型等の
種々のヘッドが使用できる。また、イオン記録ヘッドの
形状としては、書き込み幅と同程度の幅を有するライン
状にするか、1孔あるいは複数孔を設けたヘッドを幅方
向に走査することにより、幅方向の記録を可能にする方
式をとることができる。こうして、記録媒体1上には制
御信号に応じた静電潜像が形成される。
【0020】こうして静電潜像が形成された電荷保持媒
体1は後述するように静電潜像の形で転写するか、或い
はトナー現像して転写するかいずれかの形で何回でも複
写可能であり、特にマイナス電荷による静電潜像の場合
は転写した場合の減衰が少なく、静電印刷マスタとして
適している。
【0021】図3は本発明の静電印刷マスタの作製方法
を説明する他の実施例を示す図である。図3(a)に示
すように、電荷保持媒体1上にコロナ帯電器20により
一様に帯電させる。次いで、図3(b)に示すように、
撮像レンズ21により画像光22によって電荷保持媒体
上を照射すると画像露光された部分が加熱され、図の領
域23の電荷は減衰して消滅する。その結果電荷保持媒
体上には画像状の静電荷パターンが形成される。静電荷
パターンを形成するための画像露光はマスクを通して、
或いはネガフィルムのようなフィルタを通して行うよう
にしても良い。
【0022】以上は電荷が絶縁層表面に保持される例で
あるが、次に内部保持型タイプの静電印刷マスタの作製
方法について説明する。図4は内部保持型静電印刷マス
タの1実施例を示す図である。図中、31はトラップ開
放温度の低い樹脂層、32はトラップ開放温度の高い絶
縁層、33は電極、34は支持体である。この静電印刷
マスタは支持体34上に電極33を形成すると共に、樹
脂層31と絶縁層32とにより電荷保持層を形成してい
る。トラップ開放温度の低い樹脂層31を形成する樹脂
としては、その温度以下での比抵抗が1014Ω・cm以
上の絶縁性を有する樹脂であり、トラップ開放温度が通
常の生活温度以上の樹脂を使用するのが好ましい。
【0023】トラップ開放温度の測定は、電極上に試料
を配置し、この試料上に一定距離をおいて他の電極を配
置して両電極間を電流計を介して接続し、試料を一定の
昇温速度(5℃/min)で加熱しつつ温度変化に対す
る電流値を計測する熱刺激電流計測法により行われ、ト
ラップ開放温度に達すると、急激に電流値が増加する現
象として測定される。
【0024】なお、樹脂層31の膜厚が100μmを越
えると情報電荷を再生するに当たって電位読み取りが困
難となるので、情報電荷の再生の際に解像度が要求され
る場合には薄いほうが好ましく、また0.1μm未満で
あるとピンホール等の影響が顕著となり、充分な性能が
得られない。またトラップ開放温度の高い絶縁層32
は、0.1μm以上の膜厚に積層すれば良く、0.1μ
m未満であると蓄積された情報電荷のリークが生ずる。
【0025】いま、図4(a)に示すように、樹脂層3
1上に電圧印加露光、イオン記録ヘッドによるイオンフ
ロー等適宜な方法で静電潜像35を形成すると、電極3
3にはそれと逆極性の電荷が誘起される。次いで、樹脂
層31のトラップ開放温度以上でかつ絶縁層32のトラ
ップ開放温度以下に加熱すると、樹脂層31は導電性と
なり、静電潜像を形成している電荷35は逆極性の電荷
36との間で形成される電界により引っ張られて樹脂層
31中を移動し、図4(b)に示すようにトラップ開放
温度の高い絶縁層32においてトラップされる。こうし
て表面に形成された静電潜像電荷は内部に蓄積され、安
定的に保持される。
【0026】図5は内部蓄積型静電印刷マスタの作製方
法を示す他の実施例を説明する図である。静電印刷マス
タの層構成は図4に示すものと同様であり、図5(a)
に示すように、例えば、コロナ帯電により全面一様に帯
電させる。次いで、図5(b)に示すように、撮像レン
ズ21を通して画像露光を行い、光照射22によりマス
タの表面を加熱する。その結果、表面電荷は図4の場合
と同様に樹脂層31中を移動し、絶縁層32でトラップ
されて内部に蓄積される。なお、表面に残った電荷は図
5(c)に示すように、例えばフィルム38を圧着し、
これを取り除くようにすれば良い。
【0027】図6は内部蓄積型の静電印刷マスタの他の
実施例を示す図である。従来、図6(a)に示すように
電極40上にフッ素系樹脂(商品名:サイトップCTX
−807旭硝子製)39を積層したものが電荷保持層と
して使用されている。この電荷保持層39は良好な電荷
保持層として機能するが、樹脂ポリマーの末端基を適当
に置換処理すると、例えば図6(a)に示すようにコロ
ナ帯電器20による弱い帯電では電荷は蓄積されず、電
荷保持層中を通ってしまうという性質がある。そこで、
このフッ素系樹脂39を図4に示す樹脂層31の代わり
に用いて絶縁層32のオーバーコート層として積層する
と、表面に形成した静電潜像電荷は加熱しなくても自身
で樹脂層31を移動して絶縁層32にトラップされ、内
部に蓄積される。本実施例の場合には熱をかけなくても
潜像電荷を内部蓄積できるので、加熱による像ボケが生
ぜず、良好な静電印刷マスタとして利用することが可能
である。
【0028】図7は光導電性微粒子、或いは導電性微粒
子を単層状または複数層状に積層して微粒子毎に静電荷
情報を記録する内部蓄積型静電印刷マスタの他の実施例
を示す図である。図7(a)は支持体54上に電極53
を形成し、その上に光導電性微粒子52を蒸着形成した
後、その上にシリカ、アルミナ等を蒸着し、さらに絶縁
層51をスパッタ法等、または樹脂ゴム類を溶剤に溶解
させてコーティングすることにより積層する。絶縁層5
1は電荷の移動を押さえるため、高絶縁性が必要であ
り、比抵抗で1014Ω・cm以上の絶縁性を有すること
が必要である。潜像電荷の蓄積方法としては、まず画像
露光により絶縁層51上に静電潜像を形成した後、全面
露光すると光導電性微粒子52内でキャリアが発生し、
静電潜像が形成されている部分の静電潜像と逆極性の電
荷はそれに引きつけられキャンセルされ、静電潜像と同
極性の電荷が光導電性微粒子内に残る。その結果、光導
電性微粒子52内には静電潜像電荷が蓄積されることに
なる。
【0029】図7(b)に示す場合には、電極53上に
1000Å以下の膜厚の絶縁層56を積層し、その上に
導電性微粒子55、絶縁層51を形成したものである。
この場合には、電圧印加露光等により絶縁層51の表面
に静電潜像を形成すると、この電荷に起因して電極53
上に誘起された電荷がトンネリング現象により絶縁層5
6を通して導電性微粒子55内に注入されて、同様に内
部に電荷を蓄積することができる。なお、表面の電荷は
前述と同様にフィルム圧着等により除去すればよい。
【0030】次に図8、図9により接触剥離を利用した
静電印刷システムの実施例を説明する。図8は直動系の
場合を示しており、先ず、図8(a)に示すように、電
荷保持媒体1に、例えばイオン記録ヘッド10により静
電潜像を形成する。もちろん、電圧印加露光等の他の方
法によって潜像形成してもよい。電荷保持媒体の絶縁層
を形成する材質としては、前述したフッ素系樹脂(商品
名:サイトップ)を使用する。静電潜像を形成した電荷
保持媒体1を、図8(b)に示すように、一様帯電装置
60により静電潜像と逆極性の電荷を一様に付与する。
例えば、単に水をかけるだけでも水中には電離したイオ
ンがあるのでこれを使用しても良い。その結果、静電潜
像が形成されている部分にのみ逆極性の電荷が付着し、
電荷保持媒体1は見かけ上電位が0となり、外部からは
潜像として検出できない。この電荷保持媒体を図8
(c)に示すように、PET、PVA等を表面に被覆し
たドラム61で圧着しながら回転させると、静電潜像に
付着した逆極性の電荷が化学的吸着力で剥がされ、ドラ
ム61面上に静電潜像と逆極性の静電潜像が転写された
ことになる。さらにドラム61に転写フィルム62を圧
着して剥がすことにより、静電潜像と逆極性の電荷によ
る静電潜像が転写される。このとき、電荷保持媒体1の
静電潜像電荷は殆ど減衰せず、特に負電荷を帯電させた
場合は減衰が少ない。従って、電荷保持媒体1は、潜像
電荷と逆極性の電荷の付着、接触剥離を繰り返すことに
より多数回の静電潜像の転写が可能であり、静電印刷マ
スタとして利用することができる。
【0031】なお、電荷保持媒体の絶縁層を形成する前
述のフッ素系樹脂は比較的柔らかく、機械的強度が弱い
ので、一旦硬いPET、PVAからなる誘電体表面に潜
像を転写し、そこから紙等に転写することにより電荷保
持媒体を傷付けることなく連続的な静電潜像の転写を行
うことができる。
【0032】図9は回転系の場合であり、図8と同様の
印刷システムを説明する図である。ドラム70は前述し
たフッ素系樹脂製であり、これにイオン記録ヘッド10
で静電潜像を形成し、次いで一様帯電装置69により一
様帯電を行って静電潜像上に逆極性の電荷を付着させ
る。この逆極性の電荷をPET、PVAが表面に被覆さ
れたドラム71で圧着して引き剥がすことにより、静電
潜像と逆極性の電荷による像がドラム71面上に転写さ
れる。次いで、現像装置60によりトナー現像し、さら
にローラ74でトナーを紙73上に圧着転写する。転写
終了後はドクターブレード72で不要なトナーを取り除
くと共に、イレーザ76で残留静電潜像を消去する。以
後、同様に静電潜像の転写、トナー現像、トナー像転
写、トナー除去、イレーズの工程を繰り返すことによ
り、ドラム70を静電印刷マスタとして連続的に転写を
行うことが可能である。
【0033】次に、図10、図11によりイオン記録ヘ
ッド等を用いた印刷システムについて説明する。ドラム
80は電荷保持媒体を形成しており、前述したような表
面に電荷が蓄積されるタイプ、或いは内部に電荷が蓄積
されるタイプの媒体である。また、エレクトレットタイ
プの電荷保持媒体であっても良い。図10(a)におい
てはドラム80に対してイオン記録ヘッド10により静
電潜像を形成する。図10(b)においては、ドラム8
0にコロナ帯電器20により一様帯電後、発光ダイオー
ドあるいはレーザダイオード82により画像露光して静
電潜像81を形成する。
【0034】図10(a)或いは図10(b)に示す方
法でドラム表面または内部に静電潜像が形成されたドラ
ム80を静電印刷マスタとして使用し、図11に示すよ
うに現像装置83でトナー現像し、導電性ローラ85に
よってドラム80に対して所定の電圧を印加して電界に
よりトナー像84をフィルム86上に転写する。トナー
像が転写されるとドラム70上の静電潜像が顕在化する
ので、再度現像、転写を繰り返すことができ、ドラム8
0を静電印刷マスタとして使用することができる。な
お、ドラム80と転写フィルム86とは接触させず、電
気的力で吸引することによりドラム表面を傷付けず、ま
た静電潜像が乱されないので良好な静電印刷マスタとし
て機能させることが可能である。もちろん必要に応じて
ドクターブレードを使用して不要なトナーは取り除くよ
うにしてもよい。
【0035】図12は転写コロトロン88を使用した場
合を示す図である。図に示すように、現像装置83で現
像し、フィルム86の背面側から転写コロトロン88で
トナー84を吸引してフィルムに転写する。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、表面保持
型あるいは内部蓄積型等の電荷保持媒体を静電印刷マス
タとして使用し連続的に静電潜像或いはトナー像の転写
を多数回行うことが可能である。また、接触剥離あるい
は電気的な吸引力を利用して連続的な転写を行うことが
可能となり、従来の印刷マスタに比して、簡便かつ容易
にマスタ作製を行うことが可能となる。また、静電潜像
を消去することによりマスタを繰り返し使用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 静電印刷マスタの作製方法を説明する図であ
る。
【図2】 イオン記録ヘッドを説明する図である。
【図3】 本発明の静電マスタの作製方法を説明する他
の実施例を示す図である。
【図4】 内部保持型静電マスタの実施例を示す図であ
る。
【図5】 内部蓄積型静電印刷マスタの作製方法を示す
他の実施例を示す図である。
【図6】 内部蓄積型の静電印刷マスタの他の実施例を
示す図である。
【図7】 微粒子層を用いた内部蓄積型静電印刷マスタ
の他の実施例を示す図である。
【図8】 接触剥離を利用した静電印刷システムを説明
する図である。
【図9】 接触剥離を利用した静電印刷システムを説明
する図である。
【図10】 ドラム状静電印刷マスタへの潜像形成を説
明する図である。
【図11】 ドラム状静電印刷マスタを用いた静電印刷
システムを説明する図である。
【図12】 ドラム状静電印刷マスタを用いた静電印刷
システムを説明する図である。
【図13】 従来の静電潜像形成方法を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1…電荷保持媒体、10…イオン記録ヘッド、20…コ
ロナ帯電器、31…トラプ温度の低い樹脂層、32…ト
ラップ温度の高い絶縁層、39…帯電能を有しないフッ
素系樹脂層、41…基板、42…強誘電体、43…マス
ク、51…絶縁層、52…光導電性微粒子層、55…導
電性微粒子層、56…絶縁層、70…ドラム状静電印刷
マスタ、61,71…接触剥離用ドラム、72…現像装
置、74…転写用ドラム、80…ドラム状静電印刷マス
タ、83…現像装置、85…導電性ローラ、86…転写
フィルム、87…プレチャージャ、88…転写コロトロ
ン。
フロントページの続き (72)発明者 倉持 悟 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号大 日本印刷株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも導電性層上に電荷保持層が形
    成された電荷保持媒体と、電荷保持媒体に静電潜像を形
    成する静電潜像形成手段と、静電潜像が形成された電荷
    保持媒体の静電潜像または静電潜像をトナー現像したト
    ナー像を転写する転写手段とを備え、電荷保持媒体を静
    電印刷マスタとして他の記録媒体を用いた静電印刷シス
    テム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシステムにおいて、電荷
    保持媒体は電荷保持層上に静電潜像が形成された表面保
    持型、あるいは電荷保持媒体層内部に静電潜像が形成さ
    れる内部保持型であることを特徴とする電荷保持媒体を
    用いた静電印刷システム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のシステムにおいて、内部
    保持型電荷保持媒体の電荷保持層は、熱茂樹電流測定に
    より得られる電荷のトラップ開放温度の低い樹脂層とト
    ラップ開放温度の高い樹脂層の2層構成からなっている
    ことを特徴とする電荷保持媒体を用いた静電印刷システ
    ム。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のシステムにおいて、内部
    保持型電荷保持層は導電性層上に直接あるいは絶縁層を
    介して光導電性微粒子層あるいは導電性微粒子層が形成
    され、その上に絶縁層が積層されたものであることを特
    徴とする電荷保持媒体を用いた静電印刷システム。
  5. 【請求項5】 少なくとも導電性層上に電荷保持層が形
    成された電荷保持媒体と、電荷保持媒体に静電潜像を形
    成する静電潜像形成手段と、静電潜像が形成された電荷
    保持媒体に一様に静電潜像と逆極性の電荷を付与する一
    様帯電手段と、静電潜像と逆極性の電荷が付着された電
    荷保持媒体に圧着されるとともに、静電潜像と逆極性の
    電荷を引き剥がす接触剥離手段とを備え、接触剥離した
    静電潜像を他の記録媒体に転写することを特徴とする電
    荷保持媒体を用いた静電印刷システム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のシステムにおいて、さら
    に接触剥離した静電潜像をトナー現像する現像手段と、
    現像したトナー像を転写する転写手段とを備えた電荷保
    持媒体を用いた静電印刷システム。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れか1項記載のシス
    テムにおいて、静電潜像形成手段としてイオン記録ヘッ
    ドを備えた電荷保持媒体を用いた静電印刷システム。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至6の何れか1項記載のシス
    テムにおいて、静電潜像形成手段として、一様帯電手段
    及び加熱にらる部分消去を備えた電荷保持媒体を用いた
    静電印刷システム。
  9. 【請求項9】 導電性層上に電荷保持媒体が形成された
    ドラム状電荷保持媒体と、ドラム状電荷保持媒体に静電
    潜像を形成するイオン記録ヘッドと、静電潜像が形成さ
    れたドラム状電荷保持媒体をトナー現像する現像手段
    と、トナー像を転写する転写手段とを備えた電荷保持媒
    体を用いた静電印刷システム。
JP5005799A 1993-01-18 1993-01-18 電荷保持媒体を用いた静電印刷システム Pending JPH06214440A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006267082A (ja) * 2005-02-24 2006-10-05 Rigaku Corp 電荷調整装置及び方法並びに熱刺激電流測定方法
JP2012502493A (ja) * 2008-09-12 2012-01-26 アイメック パターン化エレクトレット構造およびパターン化エレクトレット構造の製造方法

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US8975791B2 (en) 2008-09-12 2015-03-10 Imec Patterned electret structures and methods for manufacturing patterned electret structures

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