JPH06213855A - 燃料性状判別装置 - Google Patents

燃料性状判別装置

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JPH06213855A
JPH06213855A JP2486493A JP2486493A JPH06213855A JP H06213855 A JPH06213855 A JP H06213855A JP 2486493 A JP2486493 A JP 2486493A JP 2486493 A JP2486493 A JP 2486493A JP H06213855 A JPH06213855 A JP H06213855A
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JP
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fuel
concentration
voltage
gasoline
signal
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JP2486493A
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Hideki Kamioka
秀樹 上岡
Katsuhiko Wakabayashi
克彦 若林
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料の性状,添加剤の濃度を算出して、燃料
の性状変化を正確に判定し、エンジンの制御を迅速に行
なう。 【構成】 2種類のガソリンA,Bに既知のMTBEを
混合したガソリンに対して、静電容量式センサに波高値
を有する電圧を印加し、その検出電圧を得る。そして、
このときの特性(勾配および切片)を記憶する。これに
より、未知のガソリンに対して異なる電圧を印加したと
きの検出電圧VH1,VL1が得られ、それぞれのMTBE
濃度差M1 ,M2 の小さい方を選択することにより、ガ
ソリンの種類(性状)および添加剤の濃度を算出し、こ
のガソリンの性状を判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用エンジン等に
使用される燃料(ガソリン)の重,中,軽質等の性状を
判別するのに用いて好適な燃料性状判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジンの燃料として
使用されている純正ガソリンには、ヘプタン,ペンタン
等の炭化水素を主成分とする軽質ガソリンと、ベンゼン
等の炭化水素を主成分とする重質ガソリンと、該重質ガ
ソリンと軽質ガソリンとの中間に位置する中質ガソリン
とがある。軽質ガソリンは気化しやすい性質を有してお
り、一方、重質ガソリンは気化しにくい性質を有してい
る。
【0003】そして、自動車用エンジンに用いられるエ
ンジンは、通常軽質ガソリンにマッチングして点火時期
等が設定されている。
【0004】ところで、前述したようにエンジンは、軽
質ガソリンにマッチングさせてエンジンの点火時期等を
制御するようにしている。しかし、最近では重質ガソリ
ンの使用が一般化してきていること、大気汚染法の施行
等の理由により、ガソリンの重質化が進んでいる。
【0005】然るに、軽質ガソリンにマッチングさせて
エンジンの点火時期等を制御するように設定されたエン
ジンに、重質ガソリンを燃料として使用した場合には、
軽質ガソリンに比較して着火時期が遅れる結果、全体と
してリーン化傾向となり、低温時の始動性、運転性の悪
化を招くという問題点がある。また、走行状態において
も、重質ガソリン使用時には、息づき現象等の運転性能
の悪化を起こすばかりでなく、不完全燃焼によって排気
ガス中の有害成分が増大する等の問題が発生する。
【0006】一方、前述とは逆に、重質ガソリンにマッ
チングさせて点火時期等を制御するように設定されたガ
ソリン車に、軽質ガソリンを使用した場合には、全体と
してオーバリッチ傾向となり、点火プラグに「くすぶ
り」が発生するという問題点がある。
【0007】このような問題点を解決するために、本出
願人は先に特願平2-278759号として、軽質,中質,重質
からなるガソリンの性状に応じて出力電圧が変化する静
電容量式のガソリン性状検出センサと、前記ガソリンの
温度を検出する感温センサと、前記ガソリン性状検出セ
ンサからの出力電圧と感温センサによる検出温度との関
係から軽,中質か仮性重質ガソリンかを判定する第1の
判定手段と、該第1の判定手段により仮性重質ガソリン
であると判定された場合には、前記各センサからの出力
信号に基づいて温度勾配を演算し、この温度勾配により
軽,中質ガソリンか真性重質ガソリンかを判定する第2
の判定手段とから構成してなるガソリン性状判別装置を
提案した(以下、これを「従来技術」という)。
【0008】そして、従来技術においては、ガソリンは
その性状の相違に応じて誘電率が異なることによって得
られる出力電圧と、燃温の特性の相違から、純正重質ガ
ソリンと中,軽質ガソリンを判定するに際して、ガソリ
ン中に添加剤等のアルコール分が含まれている場合に
も、当該アルコール分の影響を除去した状態で純正重質
ガソリンの判定を行う構成となっている。これにより、
極めて高精度なガソリン性状判別装置とすることがで
き、この結果、ガソリンの性状に応じた点火進角,遅角
を補正する。さらに、燃料噴射量を補正し、オーバリー
ン,オーバリッチとなるのを防止し、適正な燃料条件を
与えることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来技術においては、ガソリンの温度勾配を利用して判別
しているから、正確に判定するためには、燃温に温度差
が必要となり応答性が悪くなるという問題がある。
【0010】特に、始動時においては、ガソリンに温度
差がなく、ガソリンの性状を正確に判定することができ
ず、エンジン制御を適確に行うことができないという問
題がある。
【0011】本発明は前述した従来技術による問題に鑑
みなされたもので、未知のガソリンの重軽質および添加
剤の濃度を迅速かつ高精度に検出し、適切なエンジン制
御を行ないうるようにした燃料性状判別装置を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による燃料性状判別装置は、静電容量式セン
サと、該静電容量式センサに第1の電圧を印加し、該静
電容量式センサから燃料の比誘電率に応じた信号を検出
する第1の検出手段と、前記静電容量式センサに第2の
電圧を印加し、該静電容量式センサから燃料の比誘電率
に応じた信号を検出する第2の検出手段と、数種類の燃
料に添加剤を所定濃度で順次混合した既知の燃料につい
て、前記第1の検出手段で信号を検出し、この信号によ
り各既知の燃料毎の添加剤濃度に対する特性を算出し、
これを記憶した第1の記憶手段と、数種類の燃料に添加
剤を所定濃度で順次混合した既知の燃料について、前記
第2の検出手段で信号を検出し、この信号により各既知
の燃料毎の添加剤濃度に対する特性を算出し、これを記
憶した第2の記憶手段と、前記第1の検出手段を用いて
未知の燃料の比誘電率に応じた信号を検出し、この信号
に基づいて前記第1の記憶手段による各既知の燃料の特
性を用いて数個の添加剤濃度を演算する第1の濃度演算
手段と、前記第2の検出手段を用いて未知の燃料の比誘
電率に応じた信号を検出し、この信号に基づいて前記第
2の記憶手段による各既知の燃料の特性を用いて数個の
添加剤濃度を演算する第2の濃度演算手段と、前記第
1,第2の濃度演算手段により算出された複数個の添加
剤濃度のうち、それぞれ同じ既知の燃料に対する添加剤
の濃度差を算出する濃度差算出手段と、該濃度差算出手
段により算出された濃度差のうち最も小さい濃度差を選
択し、その燃料に応じた性状を確定する性状確定手段と
から構成したことにある。
【0013】また、前記性状確定手段により確定された
燃料に対して、各濃度演算手段で演算された添加剤濃度
の平均値を算出し、添加剤濃度を確定する添加剤濃度確
定手段を設けることが望ましい。
【0014】さらに、前記静電容量式センサは、燃料の
流入口と流出口とが形成され、燃料が流入口から流出口
に向けて流通する燃料流路と、該燃料流路の側面に離間
して設けられ、流通する燃料を介して対向した一対の第
1電極と、前記燃料流路の側面に離間し、該第1電極に
直交するように設けられ、流通する燃料を介して対向し
た一対の第2電極とから構成することが望ましい。
【0015】
【作用】上記構成により、第1の濃度演算手段から演算
された複数の添加剤濃度と、第2の濃度演算手段から演
算された複数の添加剤濃度の各濃度差を濃度差算出手段
により算出し、各濃度差のうち最も小さい濃度差を性状
確定手段により選択することで、燃料の性状状態を確定
することができる。
【0016】また、性状確定手段により確定された燃料
に対して、添加剤濃度確定手段により最も小さい濃度差
となる各添加剤濃度の平均値を演算することで、添加剤
濃度を確定することができる。
【0017】さらに、静電容量式センサを、それぞれ一
対の第1電極と第2電極とがそれぞれ燃料流路に対して
直交するように設け、一方の電極を印加される電圧を異
ならせる可変電極とし、他方の電極を燃料の比誘電率に
応じた信号を検出する固定電極とすることで、2つの異
なった信号を検出することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図11に
基づいて説明する。
【0019】図中、1は例えば4気筒のエンジンを示し
(1気筒のみ図示)、該エンジン1はシリンダ1Aと、
該シリンダ1A上に搭載されたシリンダヘッド1Bと、
シリンダ1A内を往復動するピストン1Cとから大略構
成されている。2は各シリンダ1Aの上側に位置してシ
リンダヘッド1Bに設けられた点火プラグ(1個のみ図
示)を示し、該点火プラグ2は後述のコントロールユニ
ット36から点火信号が出力されたときに、シリンダ1
A内の混合気を燃焼(爆発)させるようになっている。
【0020】3は基端側が分岐管となってシリンダ1A
のシリンダヘッド1Bの吸気側に設けられたインテイク
マニホールドを示し、該インテイクマニホールド3の先
端側には吸気フィルタ4が設けられ、途中には吸気空気
量を計測するエアフロメータ5、スロットルバルブスイ
ッチ6が付設されたスロットルバルブ7等が設けられ、
さらにシリンダヘッド1Bの近傍に位置して噴射弁8が
設けられ、該噴射弁8はコントロールユニット36から
の噴射信号によってエンジン1内にガソリンGを噴射す
るものである。
【0021】9は内部にガソリンGを貯えるガソリンタ
ンクで、該ガソリンタンク9内にはインタンク型ガソリ
ンポンプ10が設けられている。11はガソリン配管
で、該ガソリン配管11の一端はガソリンフィルタ12
を介してガソリンポンプ10の吐出側と接続され、その
他端は噴射弁8、圧力レギュレータ13の流入側と接続
され、該圧力レギュレータ13の流出側はリターン配管
14を介してガソリンタンク9と接続されている。
【0022】15は例えばガソリン配管11の途中に設
けられた静電容量式センサを示し、該静電容量式センサ
15はガソリン配管11内を流れるガソリンGの性状状
態による比誘電率の変化を静電容量として検出するもの
で、該静電容量式センサ15からの検出信号は後述する
検出処理回路26を介してコントロールユニット36に
出力するようになっている。
【0023】ここで、本実施例による静電容量式センサ
15は、図2ないし図6に示す如く、外形は円柱状に形
成されている。
【0024】図中、16はアルミニウム材料により筒状
に形成されたハウジングを示し、該ハウジング16は、
その内周面が正方形状となり、各面が平面16A1 ,1
6A1 ,…となって後述する絶縁ケース17を収容する
ケース収容部16Aと、両端側外周に形成され、各蓋体
20のめねじ部20Aが螺合されるおねじ部16B,1
6Bと、外周面の軸方向中央部付近に形成され、前記各
平面16A1 と平行になるように形成された4箇所の面
取り部16C,16C,…と、該各面取り部16Cに径
方向に穿設され、環状段部16D1 ,16D1 ,…を有
する4個のコネクタ取付穴16D,16D,…とから大
略構成されている。
【0025】17は前記ハウジング16のケース収容部
16A内に収容された絶縁ケースを示し、該絶縁ケース
17はポリテトラフルオロエチレン等の絶縁樹脂材料に
より形成され、正方形の筒状をなす筒部17Aと、該筒
部17Aの両端側を閉塞するように設けられた蓋部17
B,17Bとからなる。
【0026】ここで、前記筒部17Aは図5に示すよう
に、略「L」字状に形成された棒状部材を各端面を合わ
せて、内側に正方形の穴部17A1 が形成できるように
して組立てられ、各内周面には後述する電極板18A,
18B,19A,19Bが貼着される電極取付部17A
2 ,17A2 ,…が軸方向に伸長して凹設され、それぞ
れの中央部には径方向に貫通するリード線挿通穴17A
3 ,17A3 ,…が穿設されてぞる。
【0027】また、前記各蓋部17Bは円板状に形成さ
れ、ハウジング16の軸方向両端面と蓋体20との間で
挟持される円板部17B1 と、該円板部17B1 の中央
部には、前記穴部17A1 の両端側開口部に挿入される
正方形状の突出部17B2 が形成され、該突出部17B
2 には軸方向に貫通する貫通穴17B3 が穿設されてい
る。
【0028】18は本実施例による第1電極を示し、該
第1電極18はステンレス材により形成された長方形状
の電極板18A,18Bを上,下の電極取付部17A2
にそれぞれ対向するように貼着することによって構成さ
れている。
【0029】19は同じく本実施例による第2電極を示
し、該第2電極19もステンレス材により形成された長
方形状の電極板19A,19Bを左,右の電極取付部1
7A2 にそれぞれ対向するように貼着することによって
構成されている。
【0030】そして、第1電極18の電極板18A,1
8Bおよび第2電極19の電極板19A,19Bの面積
をS、対向する電極板18A,18Bおよび電極板19
A,19B間の離間距離をdとすると、第1電極18,
第2の電極19の電極定数KはK=S/dとなり、等し
い電極定数Kを有する平行平板型電極となる。
【0031】20,20は前記ハウジング16の各おね
じ部16Bに螺着される有蓋筒状の蓋体を示し、該蓋体
20は内周面に形成されためねじ部20Aと、中央部に
外側に向けて突設された流入口または流出口となる接続
部20B,20Bと、該各接続部20Bの軸方向に穿設
された流路穴部20C,20Cとからなる。
【0032】21,21,…は前記ハウジング16の各
面取り部16Cにねじ21A,21A,…により固着さ
れたコネクタを示し、該各コネクタ21はBNCコネク
タにより形成され、基端側に形成された位置決め段部2
1Bは環状段部16D1 に大径のOリング22を介し
て、また芯線21Cはコネクタ取付穴16Dに小径の筒
状シール部材23を介して挿入され、該各芯線21Cは
リード線24を介して各電極板18A,18B、19
A,19Bに半田付け等の手段により接続されている。
【0033】25は燃料流路を示し、該燃料流路25は
ハウジング16内の絶縁ケース17により形成された穴
部17A1 (前記第1電極18の電極板18A,18B
および第2電極19の電極板19A,19Bにより囲ま
れた部分)となり、当該静電容量式センサ15内を軸方
向の直線状に伸びるように形成されている。そして、燃
料は一方の蓋体20の流路穴部20Cおよび絶縁ケース
17の貫通穴17B3を介して燃料流路25内に流入さ
れ、該燃料流路25内の燃料は他方の貫通穴17B3 お
よび蓋体20の流路穴部20Cを介して流出される。
【0034】このように構成される静電容量式センサ1
5においては、燃料流路25内に流入された燃料の軸方
向の漏れに関しては、ハウジング16の各おねじ部16
Bに各蓋体20のめねじ部20Aを各蓋部17Bの円板
部17B1 を介して螺合する構成としているから、該各
円板部17B1 がシール部材の役目をなし、ハウジング
16と各蓋体20の間からの燃料漏れを防止する。一
方、径方向の漏れに関しては、絶縁ケース17の筒部1
7Aの合わせ部分から漏れた燃料は、ハウジング16の
各平面16A1 と絶縁ケース17の筒部17Aとの間に
至り、各リード線挿通穴17A3 および各コネクタ取付
穴16Dを介して外部に漏れようとするが、リード線挿
通穴17A3 ,コネクタ取付穴16Dとコネクタ21の
位置決め段部21B,芯線21Cとの間にはOリング2
2,筒状シール部材23が挿嵌され、外部への燃料の漏
れを防止している。
【0035】次に、図7に本実施例による燃料性状判別
装置を示し、該燃料性状判別装置は前述した静電容量式
センサ15,検出処理回路26およびコントロールユニ
ット36から構成されている。
【0036】ここで、検出処理回路26は前記静電容量
式センサ15の各電極18,19に印加電圧VH または
VL を印加する電圧印加装置27と、前記静電容量式セ
ンサ15からの検出信号に対して検出処理する処理回路
28とからなる。
【0037】また、前記電圧印加装置27は、周波数
f,波高値VH0の高周波を発振する発振器29と、該発
振器29からの高周波に対してノイズを除去して印加電
圧VHを出力するフィルタ回路30と、前記発振器29
からの高周波の波高値VH0と低い波高値VL0にするアッ
テネータ回路31と、該アッテネータ回路31からの高
周波に対してノイズを除去して印加電圧VL を出力する
フィルタ回路32とから構成されている。
【0038】そして、電圧印加装置27は、前記静電容
量式センサ15の第1電極18,第2電極19に第1の
電圧として印加電圧(VH ,VH )をそれぞれ印加し、
一方コントロールユニット36の制御により、第1電極
18,第2電極19に第2の電圧として印加電圧(VH
,VL )をそれぞれ印加するようになっている。
【0039】一方、前記処理回路28は、前記静電容量
式センサ15からの検出信号を微分する微分回路33
と、該微分回路33からの出力を演算する演算回路34
(全波整流回路+平滑回路)と、該演算回路34からの
出力のノイズを除去するフィルタ回路35とから構成さ
れ、該フィルタ回路35から検出電圧としてコントロー
ルユニット36に出力するようになっている。
【0040】ここで、前記静電容量式センサ15の第1
電極18,第2電極19に第1の電圧となる印加電圧V
H ,VH をそれぞれ印加し、燃料流路25中の燃料に電
極18,19からベクトル的な電界を与え、燃料の比誘
電率に対応した検出電圧を検出することを第1の検出手
段とし、第1電極18,第2電極19に第2の電圧とな
る印加電圧VH ,VL を印加し、燃料流路25中の燃料
の比誘電率に対応した検出電圧を検出することを第2の
検出手段とする。
【0041】36は本実施例によるコントロールユニッ
トを示し、該コントロールユニット36は例えばマイク
ロコンピュータ等によって構成され、該コントロールユ
ニット36はRAM,ROM等からなる記憶回路(図示
せず)を含んで構成され、図10および図11に示す性
状判別処理プログラムの他に、噴射量演算プログラム、
点火時期制御プログラム(いずれも図示せず)等が内蔵
されている。さらに、記憶エリア36A内には後述する
特性線37,38,39,40の勾配,切片等を記憶し
ている。
【0042】なお、図8に前記検出処理回路26の電圧
印加装置27および処理回路28の具体的な回路構成を
示し、該電圧印加装置27のアッテネータ回路31は調
整抵抗31Aを備え、該調整抵抗31Aはコントロール
ユニット36の出力側とリード線36Bを介して接続さ
れ、コントロールユニット36からの制御信号によっ
て、当該電圧印加装置27から静電容量式センサ15の
第2電極19に印加される印加電圧VH またはVL の波
高値をVH0またはVL0に設定する。
【0043】そして、コントロールユニット36の入力
側には、前記エアフロメータ5,スロットルバルブ7,
エンジン1の回転数を検出するクランク角センサ,エン
ジンスイッチ等の他、水温センサ,酸素センサ等の各種
センサおよび静電容量式センサ15が接続され、出力側
には、点火プラグ2,噴射弁8等が接続されている。ま
た、前記静電容量式センサ15からの検出信号は、検出
処理回路26により処理され、燃料の静電容量に対応し
た検出電圧としてコントロールユニット36に出力され
る。
【0044】ここで、図9に示す特性線図中の、特性線
37,38は添加剤として例えばメチルターシャルブチ
ルエーテル(以下、「MTBE」という)の濃度Mが確
定した既知の2種類の重,軽質ガソリンA,Bを第1の
検出手段(印加電圧VH ,VH )によって検出した検出
電圧の結果を示したものであり、また、特性線39,4
0は特性線37,38と同様に、濃度Mが確定した既知
の2種類の重,軽質ガソリンA,Bを第2の検出手段
(印加電圧VH ,VL )によって検出した検出電圧の結
果を示したものである。
【0045】また、前述した如く、第1の検出手段によ
り検出された前記特性線37,38により求められた勾
配a1 ,a2 および切片b1 ,b2 は第1の記憶手段に
より記憶エリア36Aに記憶され、第2の検出手段によ
り検出された前記特性線39,40により求められた勾
配c1 ,c2 および切片d1 ,d2 は第2の記憶手段に
より記憶エリア36Aに記憶されている。
【0046】次に、未知のガソリンGについてのガソリ
ンの性状判別処理を図10および図11のプログラムに
基づいて、図9の特性線図を参照しつつ説明する。
【0047】まず、ステップ1においては静電容量式セ
ンサ15に第1の電圧を印加し、処理回路28からの検
出電圧VH1を読込む、ステップ2ではステップ1で読み
込まれた検出電圧VH1に基づいて、それぞれの特性線3
7,38により設定された勾配a1 ,a2 および切片b
1 ,b2 から2個のMTBE濃度MH1,MH2を次の数1
のように演算する。
【0048】
【数1】
【0049】次に、ステップ3においては静電容量式セ
ンサ15に第2の電圧を印加し、処理回路28からの検
出電圧VL1を読込む、ステップ4ではステップ3で読み
込まれた検出電圧VL1に基づいて、それぞれの特性線3
9,40により設定された勾配c1 ,c2 および切片d
1 ,d2 から2個のMTBE濃度ML1,ML2を次の数2
のように演算する。
【0050】
【数2】
【0051】そして、ステップ5では、ステップ2,4
で演算されたMTBE濃度MH1,MH2およびMTBE濃
度ML1,ML2からそれぞれの濃度差M1 ,M2 を次の数
3のように演算する。
【0052】
【数3】
【0053】さらに、ステップ6ではステップ5で演算
した濃度差M1 ,M2 を比較し、濃度差M1 が濃度差M
2 よりも小さい場合には、ステップ7に移り、ステップ
7では未知のガソリンGがガソリンA(重質ガソリン)
であると判定すると共に、MTBE濃度MH1,ML1の加
算平均値Mを演算することにより、ガソリンA(重質ガ
ソリン)中のMTBE濃度Mとして算出し、ステップ8
で、このガソリンA(重質ガソリン)とMTBE濃度M
をコントロールユニット36の記憶エリア36Aに記憶
する。
【0054】一方、ステップ6で濃度差M1 が濃度差M
2 以上の場合には、ステップ9に移り、ステップ9では
未知のガソリンGがガソリンB(軽質ガソリン)である
と判定すると共に、MTBE濃度MH2,ML2の加算平均
値Mを演算することにより、ガソリンB(軽質ガソリ
ン)中のMTBE濃度Mとして算出し、ステップ8で、
このガソリンB(軽質ガソリン)とMTBE濃度Mをコ
ントロールユニット36の記憶エリア36Aに記憶す
る。
【0055】これにより、コントロールユニット36で
は、記憶エリア36Aに記憶されたガソリンGの性状状
態(重,軽質および添加剤の濃度)によって、コントロ
ールユニット36に内蔵されたガソリン噴射量演算処理
および点火時期制御処理を正確に行なうことができる。
【0056】このように、本実施例によればガソリンG
の種類,添加剤の濃度を正確に算出することができ、こ
れによりガソリンGの性状を極めて高精度に判定するこ
とのできる燃料性状判別装置とすることができる。
【0057】この結果、ガソリンGの性状に応じて点火
進角、遅角を補正し、またガソリン噴射量を補正し、オ
ーバーリーン,オーバリッチとなるのを防止し、適正な
ガソリン条件を与えることができる。
【0058】さらに、従来技術のように、ガソリンの温
度差にかかわらずガソリンの性状を判定することができ
るから、早期にガソリンの性状を判別することができ、
エンジン制御を迅速に行なうことができる。
【0059】従って、従来技術で述べた如く、エンジン
の点火時期等を軽質ガソリンにマッチングさせた場合で
も、純正重質ガソリンの使用時にはこの点火時期をこの
重質ガソリンに対応した点火時期に補正でき、点火時期
がずれて不完全燃焼を起こす等の問題を解消でき、排気
ガス中の有害成分を効果的に低減できる。
【0060】なお、前記各実施例では、図10に示した
ピログラム中のステップ2の数1が第1の濃度演算手段
の具体例であり、ステップ4および数2が第2の濃度演
算手段の具体例である。また、静電容量式センサ15か
らの信号を燃料の比誘電率(静電容量)による検出電圧
として検出したが、本発明はこれに限らず、比誘電率
(静電容量)を演算して、この比誘電率(静電容量)か
らMTBE濃度を演算し、各濃度差から判定するように
してもよい。
【0061】また、前記静電容量式センサ15をそれぞ
れの第1電極18と第2電極19とが直交するように構
成し、電極18,19に印加する電圧を調整して、第1
の検出手段および第2の検出手段を構成するようにした
が、本発明は静電容量式センサ15に替えて、静電容量
式センサを一対の平行平板型の電極板により構成し、該
各電極板に異なる印加電圧VH ,VL を交互に印加し、
印加電圧VH ,VL によって特性線(勾配および切片)
を算出して、ガソリンの性状判別を行なうようにしても
よい。
【0062】一方、前記実施例では、添加剤をMTBE
の場合について述べたが、本発明はこれに限らず、添加
剤をメタノール,エタノール等のオクタン化向上剤を用
いてもよく、さらに性状を判別するための、ガソリンの
種類は重軽質ガソリンのA,Bの2種類だけでなく、数
種類のガソリンA,B,C,…について判別することが
でき、この場合には、既知のガソリンに対して第1,第
2の記憶手段で各特性線(勾配および切片)を記憶し、
この記憶した各特性線(勾配および切片)により演算を
行なって、判別すればよい。
【0063】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明においては、
既知の燃料に添加剤を既知の濃度だけ混入させた燃料に
対して静電容量式センサを用いて添加剤濃度に対する信
号のデータを収集し、このデータから各既知の燃料に対
する特性(勾配と切片)を記憶し、未知の燃料に対し
て、この各特性(勾配と切片)から数個の添加剤濃度を
演算し、この添加剤の濃度差の最少のものを選択する性
状確定手段とから構成したから、性状確定手段により確
定された添加剤の濃度差が最少のものが、未知の燃料の
性状を表したものであり、燃料の性状を早期に判別し、
高精度のエンジン制御を迅速に行なうことができる。そ
して、燃料噴射量および点火時期を正確に制御すること
ができ、車輛の運転性能を効果的に向上させることがで
きる。
【0064】さらに、性状確定手段により算出された燃
料の性状時の添加剤濃度の加算平均を演算することによ
り、添加剤濃度を正確に演算することができる。
【0065】一方、前記静電容量式センサを第1電極お
よび第2電極が燃料流路に対してそれぞれ直交するよう
に構成したから、燃料流路内にベクトル的な電界を与え
ることができ、印加する電圧によって、異なる信号を検
出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による燃料噴射量制御装置の全
体構成図である。
【図2】本実施例による静電容量式センサの斜視図であ
る。
【図3】図2に示す静電容量式センサの縦断面図であ
る。
【図4】図2に示す静電容量式センサの横断面図であ
る。
【図5】図4中のb部を拡大して示す要部拡大図であ
る。
【図6】図3中のa部を拡大して示す要部拡大図であ
る。
【図7】本実施例による燃料性状判別装置のブロック図
である。
【図8】図7に示す燃料性状判別装置の具体的回路構成
図である。
【図9】既知の重軽質ガソリンによるMTBEの濃度に
対する検出電圧を示す特性線図である。
【図10】本実施例による燃料性状判別処理を示す流れ
図である。
【図11】図10に続く流れ図である。
【符号の説明】
15 静電容量式センサ 18 第1電極 19 第2電極 26 検出処理回路 27 電圧印加装置 28 処理回路 29 発振器 30,32,35 フィルタ回路 31 アッテネータ回路 33 微分回路 34 演算回路(全波整流回路+平滑回路) 36 コントロールユニット 36A 記憶エリア

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電容量式センサと、該静電容量式セン
    サに第1の電圧を印加し、該静電容量式センサから燃料
    の比誘電率に応じた信号を検出する第1の検出手段と、
    前記静電容量式センサに第2の電圧を印加し、該静電容
    量式センサから燃料の比誘電率に応じた信号を検出する
    第2の検出手段と、数種類の燃料に添加剤を所定濃度で
    順次混合した既知の燃料について、前記第1の検出手段
    で信号を検出し、この信号により各既知の燃料毎の添加
    剤濃度に対する特性を算出し、これを記憶した第1の記
    憶手段と、数種類の燃料に添加剤を所定濃度で順次混合
    した既知の燃料について、前記第2の検出手段で信号を
    検出し、この信号により各既知の燃料毎の添加剤濃度に
    対する特性を算出し、これを記憶した第2の記憶手段
    と、前記第1の検出手段を用いて未知の燃料の比誘電率
    に応じた信号を検出し、この信号に基づいて前記第1の
    記憶手段による各既知の燃料の特性を用いて数個の添加
    剤濃度を演算する第1の濃度演算手段と、前記第2の検
    出手段を用いて未知の燃料の比誘電率に応じた信号を検
    出し、この信号に基づいて前記第2の記憶手段による各
    既知の燃料の特性を用いて数個の添加剤濃度を演算する
    第2の濃度演算手段と、前記第1,第2の濃度演算手段
    により算出された複数個の添加剤濃度のうち、それぞれ
    同じ既知の燃料に対する添加剤の濃度差を算出する濃度
    差算出手段と、該濃度差算出手段により算出された濃度
    差のうち最も小さい濃度差を選択し、その燃料に応じた
    性状を確定する性状確定手段とから構成してなる燃料性
    状判別装置。
  2. 【請求項2】 前記性状確定手段により確定された燃料
    に対して、各濃度演算手段で演算された添加剤濃度の平
    均値を算出し、添加剤濃度を確定する添加剤濃度確定手
    段を設けてなる請求項1記載の燃料性状判別装置。
  3. 【請求項3】 前記静電容量式センサは、燃料の流入口
    と流出口とが形成され、燃料が流入口から流出口に向け
    て流通する燃料流路と、該燃料流路の側面に離間して設
    けられ、流通する燃料を介して対向した一対の第1電極
    と、前記燃料流路の側面に離間し、該第1電極に直交す
    るように設けられ、流通する燃料を介して対向した一対
    の第2電極とから構成してなる請求項1および2記載の
    燃料性状判別装置。
JP2486493A 1993-01-20 1993-01-20 燃料性状判別装置 Pending JPH06213855A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008174562A (ja) * 2000-11-03 2008-07-31 Rohm & Haas Electronic Materials Llc 光感応性酸発生剤およびそれらを含むフォトレジスト
US8161954B2 (en) 2008-08-27 2012-04-24 Denso Corporation Fuel supply control apparatus
US8566004B2 (en) 2008-08-08 2013-10-22 Denso Corporation Fuel injection control apparatus for internal combustion engine

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US8566004B2 (en) 2008-08-08 2013-10-22 Denso Corporation Fuel injection control apparatus for internal combustion engine
US8161954B2 (en) 2008-08-27 2012-04-24 Denso Corporation Fuel supply control apparatus

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