JPH06212473A - 貴金属の回収方法 - Google Patents

貴金属の回収方法

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JPH06212473A
JPH06212473A JP2401927A JP40192793A JPH06212473A JP H06212473 A JPH06212473 A JP H06212473A JP 2401927 A JP2401927 A JP 2401927A JP 40192793 A JP40192793 A JP 40192793A JP H06212473 A JPH06212473 A JP H06212473A
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electrolytic cell
cathode
anode chamber
chamber
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JP2401927A
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Tadashi Kuninaga
国永忠士
Nobutaka Goshima
五嶋伸隆
Hiroshi Daidoji
大道寺洋
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Chlorine Engineers Corp Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】貴金属を含有する触媒などから貴金属を電気化
学的に溶出した後に電気化学的に貴金属を金属あるいは
溶液の形態で回収する。 【構成】貴金属を含有する触媒などの粒状体を電解槽の
陽極室において、酸を陽極液として電解して貴金属成分
を溶出した後に、得られた液を陰極粒子を有する流動床
電解装置の陰極室において電解し、白金、パラジウム、
ロジウム等の貴金属を陰極粒子上に析出させて貴金属を
回収する方法。 【効果】廃液あるいは廃ガスの処理が複雑な酸化性の酸
を用いることなく貴金属を回収することが可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流動層電解法や固定層
電解法を用いて使用済触媒等から貴金属を溶解方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】白金族金属等の貴金属は、自動車排ガス
の浄化や各種有機化学反応の触媒あるいは、燃料電池の
電極触媒、IC等の電子部品の材料として広く使用され
ている。貴金属は高価であり、資源的にも十分なもので
はないため、各種の使用済材料から貴金属を回収をする
ことが重要となっている。
【0003】従来、このような貴金属を回収する際に
は、熱濃硫酸や王水等の酸化力のある酸を用いて金属を
担体と共に溶解し、得られた液に還元剤を加えて、溶液
中で貴金属を析出させたり、低電流密度の電解槽で電解
して陰極上に析出させることが行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】酸による溶解では、
大量の加熱用の熱を必要ととともに、酸化力の強い酸は
危険であり取り扱いが面倒である。貴金属を溶解するの
に従来から使用されている王水では発生する窒素酸化物
(NOx)が公害問題を引き起こす可能性があり、この
処理が大きな問題となる。又、シアン化ナトリウム等の
シアン化物も貴金属の溶解に有効なものであるが、猛毒
のシアン化物の取り扱いおよび排水の処理に注意を要す
る。
【0005】更に、貴金属触媒から貴金属を回収する場
合は、シリカ、アルミナ等の担体上に微量の貴金属を担
持させてあり、全触媒体積に対する貴金属の量がきわめ
て小さいため(触媒の見かけ体積1リットルに対し、貴
金属約1グラム)担体を含めて溶解させると、回収率が
低下するとともに多量の溶液処理を行わなければならず
非経済的であるという欠点がある。
【0006】しかも、これら貴金属の一部は酸化物とし
て存在する場合があり貴金属酸化物には王水に難溶性の
物質もあるため、溶解前に還元処理を行ったり、或いは
酸による金属溶解とアルカリによる酸化物溶解を組合わ
せる等の2工程に分けて溶解操作を行わなければならな
い(例えば特開昭57−155333号公報)等の欠点
がある。
【0007】一方、金属を電解により溶解させる方法が
種々提案されているが(例えば特開昭51−37045
号公報)、貴金属触媒類等の金属、金属化合物が担持さ
れた粒状体から貴金属を溶解させる際に、電解法を適用
することは未だ報告されていない。
【0008】また、貴金属の溶出した液中の貴金属濃度
が希薄であるので、溶出液に還元剤を添加する方法では
処理液量が多くなるため、装置が大型化し運転費が高く
なるという欠点があり、又通常の平板状電極を用いた電
解槽では、溶液の濃度が希薄であるため、効率的に回収
を行うことができなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化性の酸を
用いる必要のない電解法の長所を生かし、金属粒子や金
属化合物粒子が担持された使用済触媒や燃料電池電極、
電子部品を破砕した粒状体を酸化性の酸を用いた場合に
生ずる後処理等の問題を生じさせることなく、電解槽の
陽極室内で金属を電解液中に溶解させ、続いて得られた
希薄な溶液を流動層電解槽の陰極室において陰極粒子上
に析出することにより回収することを目的とするもので
ある。
【0010】本発明における粒状体とは、触媒担体のよ
うな球状、円柱状体をはじめ、板状、円錘状のもの、破
砕あるいは粉砕により得られる無定形状のもの、燃焼後
の灰として得られるもの等をいうが、これらに限定され
るものではない。
【0011】以下、本発明を使用済触媒を例にして詳細
に説明する。
【0012】非導電性の触媒担体からの貴金属の溶出の
プロセスは十分には明らかではないが、貴金属成分への
陽極からの通電による陽極的溶出、個々の粒状体の貴金
属成分が複極電極として作用することによる溶出及び電
解液中の成分の電解により生じた塩素などの作用等の各
種の因子が溶出に寄与しているものと思われる。
【0013】本発明の対象とする貴金属は、特に限定さ
れないが、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ等から
なる使用済触媒の基体、IC等の電子部品、燃料電池電
極上に担持される貴金属であり、パラジウム、白金、ロ
ジウム、ルテニウム、イリジウム、銀、金が含まれる。
担体上に担持されている金属や金属化合物の量は担体の
用途によって異なるが、例えば、使用済触媒の場合、担
体の重量1kgにつき0.1gないし50g程度であ
る。
【0014】溶解に使用する電解槽は、隔膜により陽極
室と陰極室に区画されたものならば、その構造、材質等
は特に限定されず、たとえば、箱状、筒状等の電解槽を
使用することができる。隔膜には、陽極室で溶解した貴
金属成分が陰極室へ透過し陰極上に析出することを防止
する機能を有するものが必要となる。従ってこの隔膜は
貴金属成分が陽イオンとして電解液中に存在する場合に
は陽イオンの透過を阻止する陰イオン交換膜であること
が好ましいが、貴金属成分は必ずしも陽イオンとして存
在しているものとは限らないので、電解液の組成や溶出
する貴金属成分に応じて中性膜や陽イオン交換膜から耐
久性に優るものを使用すると良い。
【0015】また、本発明の回収方法では、まず貴金属
を電解槽において溶出させるが、溶出反応は専ら陽極室
の反応を利用するので隔膜の位置を調節して陽極室の容
量が陰極室の容量より大きくなるようにすることが好ま
しい。
【0016】溶出用の電解槽において使用する陽極及び
陰極は、貴金属酸化物を被覆した寸法安定性陽極やチタ
ン陰極等通常のものを制限なく使用することができる。
両電極は、電解電圧が最小となるように配置することが
好ましく、この場合、陰極を多孔性として陰極と隔膜の
間に発生するガスを陰極の背後に抜くようにするとより
低い電圧で運転することが可能となる。
【0017】電解液としては、塩酸、硝酸、硫酸、混酸
などの各種の酸を使用することができるが廃液、廃ガス
の処理の面からは比較的廃ガスや廃液の処理が容易な塩
酸を用いればよい。又、その濃度も5%ないし35%程
度の任意のものを用いることができる。
【0018】このような各要素から成る電解槽の陽極室
に使用済触媒等を収容し、陽極室に電解液を供給しなが
ら電解する。この場合、粒状体は流動層状態に維持して
も、固定層状態としてもよい。
【0019】図1に流動層型の電解槽の1例を示す。電
解槽1は、フッ素樹脂系陰イオン交換膜あるいは弗素樹
脂系の陽イオン交換膜等の耐食性の大きな隔膜2を用
い、陽極室3と陰極室4に区画されている。陽極室内へ
導入する減量の量を多くするために陽極室の大きさを陰
極室よりも大きくしている。陽極5としては、チタン等
の基体上に貴金属の酸化物を含む被覆を有する多孔性の
寸法安定性陽極を用い、陰極6としてはステンレス、チ
タン等の多くの金属を使用する。また、陽極室内にはポ
リテトラフルオロエチレン等の耐食性の大きなプロペラ
8を用いて攪拌して触媒粒子7を流動させることが好ま
しい。流動層を形成するためにはこのような機械的な撹
拌装置によらないで筒状電解槽に電解液を下方から供給
し、電解液の上昇力で担体を流動層状態とすることがで
きる。この流動層電解では、担体粒子がたえず回転しそ
の表面全体から担持している金属あるいは金属化合物の
全てを溶解させることができる。
【0020】図2には固定層型の電解槽の一例を示す。
電解槽1は隔膜2で陽極室3と陰極室4に区画されてお
り、陽極室に充填した触媒粒子7などの静止状態の粒状
体に十分に陽極液が作用するように陽極室の下部には粒
状体の大きさよりも小さな目開きの分散体9を設けて下
部より陽極液を循環する。
【0021】固定層電解法で処理する場合には、粒状体
を陽極室に充填した状態で通電する。粒状体の中には不
均一なものが多く、前記した流動層電解法では均一な流
動状態を得ることができないことが多いため、この固定
層電解法により安定な条件で運転することが好ましい。
その反面、この固定層電解法では担体上のすべての金属
や金属化合物を溶解させる為には、大量の溶液を循環す
ることが必要となる。また、貴金属の溶解工程におい
て、貴金属が全て溶出する以前に、電解を中断して貴金
属が溶出した電解液を取り出し、貴金属が含まれていな
い酸と交換して引き続き電解処理することにより、粒状
体に残存する金属の量を減少させることができ、貴金属
の溶出率を高めることが可能となる。
【0022】電解終了後金属が溶解した電解液を、残査
とともに電解槽から取り出した後に、圧搾濾過や洗浄を
行なうが、洗浄に使用した液を溶解過程に使用すること
により貴金属の溶出率を高めることが可能となるので貴
金属の回収率を高めることができる。
【0023】貴金属を溶出した液は、数百mg/l程度
の希薄な液であるため、この液をそのまま触媒の製造、
めっきをはじめとする各種の用途に用いることはできな
いので、濃縮したり溶液から金属を析出さることによっ
て貴金属を回収することが必要となる。
【0024】そこで、本発明の方法では、希薄な貴金属
を含む液を流動状態の陰極粒子を有する流動層電解槽へ
導入して陰極粒子上へ析出させて金属として回収する
か、あるいは触媒の製造のように所定の濃度の溶液が必
要な場合には貴金属が析出した陰極粒子を再度溶出用の
電解槽の陽極室において電気化学的に溶出を行うもので
あるが、電気化学的な貴金属の析出あるいは溶出の過程
を経ることにより貴金属成分の精製も同時に行うことが
できる。
【0025】本発明において使用する貴金属析出用の流
動層電解槽には、例えば、本出願人らの出願による特開
昭60−200994号公報、米国特許明細書第456
9729号に記載されているような電解槽を使用すると
良い。
【0026】上記のような流動床電解槽において貴金属
の析出を行なう場合には、電解液である酸の導電率が大
きい場合には電解が粒子上で起らずに、粒子に電解電流
を供給する集電体として作用する陰極上において金属の
析出反応が起るため、溶解工程で得られた溶液を希釈し
なければならない。希釈には、溶解工程において残渣の
洗浄に使用した洗浄液を使用すれば、貴金属の回収率を
高めることが可能となる。
【0027】
【作用】本発明は、取り扱いに注意を要するシアン化物
や酸化性の酸を用いることなく、使用済触媒等を電解槽
の陽極室において電解し、貴金属成分を電解液中に溶解
させ、更に、得られた貴金属を含有する希薄な溶液から
貴金属を流動床電解槽において電気化学的に析出させて
貴金属を回収したり、貴金属の純度及び濃度を高めた溶
液を得ることが可能となる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1 第1図に示す流動層型電解槽を用いて、自動車用排ガス
浄化触媒中の白金の溶解を行った。触媒としては、平均
粒径3mmのアルミナに白金と微量のパラジウムが担持
されたもので、触媒1kgに対して担持白金量が約1
g、みかけ密度が0.65kg/lであるものを使用し
た。
【0029】電解槽1は、縦85mm、横115mm、
深さ200mmの箱型電解槽とし、この電解槽1をフッ
素樹脂系陰イオン交換膜から成る隔膜2を用い、陽極室
3の容積と陰極室4の容積の比が17:6となるように
区画した。陽極5としては、多孔性の寸法安定性陽極を
用い、陰極6としてはステンレス基体にチタンを被覆し
たものを用いた。この陰極室4に15重量%の塩酸を加
え、陽極室3に前記触媒粒子7を0.8kg入れ、全量
3.5リットルの15重量%の塩酸を2リットル/時で
循環供給した。
【0030】ポリテトラフルオロエチレン製プロペラ8
を用いて攪拌して触媒粒子7を流動状態に維持して5A
の電流で4時間電解した。2時間経過後の白金濃度は1
47mg/l、電解終了時の白金濃度は226mg/
l、パラジウム濃度は17.1mg/lであり、白金の
溶出率は98.9%、白金溶出の電流効率は2.2%で
あった。
【0031】実施例2 第2図に示す固定層型電解槽を用いて分解ガソリンの選
択水添触媒中のパラジウムの溶解を行った。触媒とし
て、平均粒径約3.2mmのアルミナペレットにパラジ
ウムを担持させたもので、触媒1kgに対して担持パラ
ジウム量が約30gで、見掛け密度が0.6kg/lで
あるものを電解に先立って還元処理し、存在する金属酸
化物を全て金属とした。
【0032】電解槽1は、実施例1と同様の電解槽で、
陽極室3の下部に触媒を保持するための10メッシュの
網(目の開き1.65mm)を敷いた分散板9を設け
た。この分散板9上に触媒粒子7を1kg充填し、15
重量%の塩酸を加えた。陽極室3に全量が10リットル
の10重量%の塩酸を2リットル/時の流速となるよう
に循環供給し、触媒粒子7を静止状態に維持しながら、
30Aの電流で4時間電解した。電解終了時の溶液中の
パラジウム濃度は1465mg/lであり、溶解効率は
48.8%であった。
【0033】実施例3 貴金属がメッキされたアルミナ製のIC基板(全重量3
2g)を粉砕機で、粒径1.2mm以下に粉砕した後、
850℃で12時間燃焼させた。粒状体を第1図に示す
流動層型電解槽を用いて金の溶解を行った。電解槽の陽
極室に全量5リットルの10重量%の塩酸を2リットル
/時の流速となるように循環供給し、粒子をプロペラで
攪拌しながら、10Aの電流で30分電解した。15分
経過後及び30分経過後の電解液中の金濃度は、それぞ
れ151mg/及び187mg/l、金溶解に関する電
流効率は約2.5%であった。また電解終了後の粒状体
からは、金属は検出されなかった。
【0034】実施例4 第1図に示す流動層型電解槽を用いて炭素粒子上にパラ
ジウムと白金が担持された水添反応に使用する触媒中の
パラジウムと白金の溶解を行った。この触媒は電解に先
立って燃焼させ、その灰のうち15μm以下の粒径のも
のをふるいにかけて集めた。これらの成分は、パラジウ
ム、白金、鉄、アルミニウム、ケイ素、カルシウム及び
マグネシウムの酸化物と未燃炭素であり、酸化パラジウ
ムの量は約25%、酸化白金の量は約2%であった。
【0035】電解槽の陽極室を26重量%の塩酸で満た
し、その中に前記触媒燃焼灰330g(見掛け体積55
0ml)を入れた。陽極室に26重量%の塩酸を2リッ
トル/時の流速で供給し、触媒燃焼灰をプロペラで攪拌
して流動層状態に維持しながら30Aの電流で3時間電
解した。電解液中に含まれるパラジウム及び白金の濃度
は、それぞれ電解開始時は0mg/l、0mg/l、
1.5時間経過後は8930mg/l、715mg/
l、電解終了時は12750mg/l、980mg/l
であり、また電解終了時の触媒燃焼灰中のパラジウム及
び白金の残量はそれぞれ12ppm、0ppmであり、
パラジウム及び白金をほぼ定量的に溶解させることがで
きた。
【0036】実施例5 第2図に示す固定層型電解槽を用いて、自動車用排ガス
浄化触媒粒状体中の貴金属の溶解を行った。
【0037】この触媒は、いわゆる三元触媒と称されて
いるもので、白金、パラジウム及びロジウムをアルミナ
に担持しており、白金約300ppm、パラジウム約1
000ppm及びロジウム約15ppmを含有してい
る。
【0038】電解槽1は、縦180mm、横250m
m、深さ1000mmの箱型電解槽とし、この電解槽1
をフッ素樹脂系陰イオン交換膜から成る隔膜2を用い、
陽極室3の容積と陰極室4の容積の比が5:1となるよ
うに区画した。陽極5には多孔性の寸法安定性陽極を用
い、陰極6にはチタンを用いた。この陰極室4に30重
量%の塩酸を加え、陽極室3に、20〜40メッシュに
粉砕した触媒粒状体7を22kg入れ、全量で45リット
ルの30重量%の塩酸を80リットル/時で循環供給し
ながら、200Aの電流で6時間電解した。
【0039】電解終了時の電解液中の各金属成分の濃度
は、白金118mg/l、パラジウム347mg/l及
びロジウム6mg/lであり、残査の分析を行ったとこ
ろ、白金の97%、パラジウムの96%、ロジウムの6
9%が溶出していた。
【0040】実施例6 電解開始4時間後に通電を一時中断し、陽極液と35%
の塩酸とを交換して2時間電解を行うという2段階電解
する以外は、実施例5と同様の条件で溶解を行った。
【0041】1段目の4時間の電解後に残査の分析で
は、溶出率は白金、パラジウム、ロジウム、がそれぞ
れ、94%、94%、及び59%であったが2段目の2
時間の電解後には、それぞれ、97%、98%、及び7
4%となり、実施例5に比較してパラジウム及びロジウ
ムの溶出率が高まっていた。 実施例7 実施例4で得られたパラジウムおよび白金を含有する溶
液を約50倍に希釈して陽極の直径約50mm、陰極の
直径約140mm、高さ約1000mmで、炭素粒子を
陰極粒子、陽イオン交換膜を隔膜とした円筒状の流動層
電解槽において50Aの電流で、電解液を循環しながら
電解した。その結果、電解液中のパラジウムは14mg
/l、白金は13mg/lまで低減した。
【0042】実施例8 実施例5で得られた白金、パラジウムおよびロジウムを
含有する溶液を約6倍に希釈して陽極の直径約30m
m、陰極の直径約90mm、高さ約600mmで、炭素
粒子を陰極粒子、陽イオン交換膜を隔膜とした円筒状の
流動層電解槽において20Aの電流で、電解液を循環し
ながら電解した。
【0043】その結果、白金2mg/l、パラジウム3
mg/lまで低減しロジウムは検出限界以下であった。
【0044】比較例1 電解槽に通電しないこと以外は、実施例1と同様の条件
で3.5リットルの15重量%の塩酸を2リットル/時
間で流動層型電解槽に循環供給した。2時間経過後の溶
液中の白金濃度は9.9mg/l、電解終了時の白金濃
度は15.3mg/l、パラジウム濃度は0mg/lで
あり、白金溶出率は6.7%であった。 比較例2 電解槽に通電しないこと以外は、実施例2と同様の条件
で10重量%の塩酸を電解槽に供給し、分解ガソリンの
選択水添触媒中のパラジウムの溶解を行った。4時間経
過後のパラジウム濃度は37mg/lであった。
【0045】比較例3 実施例3で使用したIC基板の粉砕粒子を第1図に示す
流動層型電解槽を用い、電流を流さずに金の溶解を試み
た。15分経過後には電解液中に金は検出されず、30
分経過後には微量検出されたのみで、IC基板上に金属
が残留していた。
【0046】比較例4 電解槽に通電しないこと以外は、実施例4と同じ条件で
水添反応に使用する触媒の燃焼灰中のパラジウム及び白
金の溶解を行った。
【0047】電解液中に含まれるパラジウム及び白金の
濃度は、それぞれ電解開始時は0mg/l、0mg/
l、1.5時間経過後は9.20mg/l、0mg/
l、電解終了時は、13.4mg/l、0mg/lであ
り、溶解率はそれぞれ0.2%、0%であった。
【0048】
【発明の効果】本発明は、取り扱いに注意を要するシア
ン化物や酸化性の酸を用いることなく、貴金属あるいは
貴金属化合物を保持あるいは含有する粒状体を電解槽の
陽極室おいて電解し、貴金属成分を電解液中に溶解さ
せ、更に、得られた貴金属を含有する希薄な溶液から、
貴金属を析出したり、貴金属の純度及び濃度を高めた溶
液を得ることができ、作業の短縮化、簡略化を図ること
ができ、経済性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】流動層型の溶出用の電解槽の概略図である。
【図2】固定層型の溶出用の電解槽の概略図である。
【符号の説明】
1・・・電解槽 2・・・隔膜 3・・・陽極室 4・・・陰極室 7・・・触媒粒状体 8・・・プロペラ 9・・・分散板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】隔膜により陽極室と陰極室に区画された電
    解槽の陽極室において、少なくとも一種の貴金属あるい
    は貴金属化合物を保持あるいは含有する粒状体から該貴
    金属成分を溶出した後、貴金属成分を含有する液を流動
    状態の陰極粒子を有する流動層電解槽の陰極室に供給し
    て電解し、陰極粒子上に貴金属を析出させることを特徴
    とする貴金属の回収方法。
  2. 【請求項2】酸を電解液とすることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載の貴金属の回収方法。
  3. 【請求項3】少なくとも一種の貴金属あるいは貴金属化
    合合物を保持あるいは含有する粒状体が使用済み触媒で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし2項
    のいずれかに記載の貴金属の回収方法。
  4. 【請求項4】少なくとも一種の貴金属あるいは貴金属化
    合物を保持あるいは含有する粒状体が非導電性の物質で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし3項
    のいずれかに記載の貴金属の回収方法。
  5. 【請求項5】少なくとも一種の貴金属あるいは貴金属化
    合物を保持あるいは含有する粒状体が燃料電池電極の粉
    砕物であることを特徴とする特許請求の範囲第1ないし
    ないし4項のいずれかに記載の貴金属の回収方法。
  6. 【請求項6】隔膜により陽極室と陰極室に区画された電
    解槽の陽極室において、少なくとも一種の貴金属、ある
    いは貴金属化合物を保持あるいは含有する粒状体から該
    貴金属成分を溶出した後、貴金属成分を含有する液を流
    動状態の陰極粒子を有する流動層電解槽の陰極室に供給
    して電解し、陰極粒子上に貴金属を析出させた後に、隔
    膜により陽極室と陰極室に区画された電解槽の陽極室に
    おいて再溶出して所定の濃度の貴金属の溶液を得ること
    を特徴とする貴金属の回収方法。
JP2401927A 1986-04-24 1990-12-13 貴金属の回収方法 Pending JPH06212473A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015101741A (ja) * 2013-11-21 2015-06-04 Jx日鉱日石金属株式会社 スクラップからの金属の回収方法
KR20160046635A (ko) * 2014-10-21 2016-04-29 김동진 저 폐수형 유가금속 전해장치
JP2017226895A (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 株式会社東芝 金属の回収方法および金属の回収装置
CN109055983A (zh) * 2018-06-13 2018-12-21 珠海格力电器股份有限公司 一种电镀含金废水的回收工艺和装置

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