JPH06212002A - Nbrシートの気体遮蔽性の改質法 - Google Patents

Nbrシートの気体遮蔽性の改質法

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JPH06212002A
JPH06212002A JP13766092A JP13766092A JPH06212002A JP H06212002 A JPH06212002 A JP H06212002A JP 13766092 A JP13766092 A JP 13766092A JP 13766092 A JP13766092 A JP 13766092A JP H06212002 A JPH06212002 A JP H06212002A
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rubber sheet
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純男 山田
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勤 仲川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 NBRの全体のゴム弾性を殆ど失わずに気体
遮蔽性を向上させるために、ゴムシートあるいは固体状
のまゝ行える表面改質法を提供する。 【構成】 NBRをゴムシート状態のまゝ飽和臭素水中
に浸漬し、ゴムシートの片面あるいは両面を紫外線を照
射したり、しなかったりして、表面臭素化することを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】ニトリルゴム(アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体、NBR)を全体のゴム弾性を失
わずに、ゴムシート状態あるいは固体状態のまゝ気体遮
蔽性を著しく向上させる方法に関する。
【0002】NBRは耐油性、耐摩耗性、耐熱性、機械
的性質が優れたゴム材料である。同時にブチルゴム、チ
オコールゴムと共に気体遮蔽性の良好なことで知られて
おり、耐油性ホース、印刷用ゴムロール、パッキング、
ガスケットやシール材料として広く利用されている。
【0003】
【従来の技術及びその問題点】ゴム製品の中には、ゴム
弾性、耐劣化性などと共に通気性、すなわち気体の透過
性が問題になることがある。例えば自動車や自転車の空
気入れタイヤのチューブにおける空気のもれ、パッキン
グやシール材の気密性、あるいはグローブボックスのゴ
ム手袋として使用したときの有毒ガスや悪臭の遮蔽の問
題がある。
【0004】ゴム材料の気体透過性は材料の種類と透過
気体によって著しく変わる。一般にゴム材料の場合分子
構造中に極性基やかさ高い基が入ると透過性が悪くな
る。すなわち、気体遮蔽性がよくなる。例えばニトリル
ゴム、ブチルゴム、イソプチレンゴムに見られる通りで
ある。また同じNBR、SBRでも結合ニトリル量、ス
チレン量が増すに従って拡散係数は小さくなる。すなわ
ち一般的にはゴム分子の凝集エネルギーが大きく、内部
粘性の大きいほど拡散に対する抵抗が大きい。
【0005】同様にゴムが加硫されるとガスの拡散が妨
げられ透過率、拡散係数は小さくなり、これらは網目密
度に逆比例する。したがって逆にゴム分子の運動性をよ
くする可塑剤やエクステンダーを混入すると拡散性を大
きくする。一方各種充填剤は加硫ゴムのかたさ、モジュ
ラスを増大させる点において透過を小さくする傾向があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ゴム材料のなかでもパ
ッキング、シール材などの気密性を要する用途では、更
に遮蔽性のよいゴム材料が求められている。例えば耐油
性や耐摩耗性の優れたNBRのゴム弾性はさほど犠牲に
しないで、気体遮蔽性を更に改善することができない
か、すなわち気体透過性を著しく下げること、好ましく
は1桁ほど透過係数を抑えることができないか、という
ことは産業界からの強い要望である。
【0007】しかもその改質法は安全かつ、簡便で、で
きたらゴム製品を成形加工後の二次加工工程の段階で使
えるものが望まれる。
【0008】ゴム材料の気体透過性を下げるには、ニト
リルゴム、ブチルゴム、チオコールゴムなどのように分
子構造中に極性基を導入することが必要であることは判
っている。従来、極性基導入の有効な方法としては、ハ
ロゲン化法が検討されてきた。同じような目的で行われ
たポリオレフィン・シートの表面改質法として、表面光
塩素化法(特許第696136号明細書)がある。しか
し処理法の対象としてはポリオレフィンであり、NBR
などのゴム材料ではない。
【0009】代表的なゴム材料であるポリブタジェンに
対するハロゲン化反応としては、ポリブタジェンを四塩
化炭素に希釈して溶解し、乾燥塩素ガスを吹き込んで塩
素化する方法がある。しかしこの場合表面反応を狙っ
て、ポリブタジェン単体に直接塩素ガスを吹き付けなが
ら、紫外線を当てる反応条件では反応が厳し過ぎるの
と、副反応として起きる分解反応によってポリブタジェ
ンゴムが劣化し、表面反応としては制御できない。ま
た、光塩素化反応で必要とする塩素は強い毒性と腐食性
のある気体であるため取扱いが厄介である。
【0010】本発明は、また実際に使用されているNB
Rの気体遮蔽性を改善する目的で、アクリロニトリル含
有量の高い高ニトリルゴム、カーボンブラックなどの添
加物が配合され、加硫の行われた実用NBR材料につい
ても有効な表面処理方法を提供することを目的とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術の有
するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、NBRなどのゴム材料の気体遮
蔽性を改善するために行う、制御された表面処理法を提
供することである。本発明では、塩素と同じハロゲンで
あるが、反応がより温和で、簡便な臭素化について鋭意
研究を重ねた結果、NBRゴムシートを臭素飽和水溶液
中で紫外線を照射すれば、全体のゴム弾性を失わずに、
固体物の極く表面のみを改質することができ、NBRの
気体遮蔽性を著しく向上しうることを見いだし、この知
見に基づいて本発明をなすに至った。
【0012】NBRはアクリロニトリルとブタジェンと
の共重合体であることから、極性基の導入をするための
ハロゲン化反応では、NBRの構成成分であるポリブタ
ジェン部分の反応性に富む不飽和二重結合に臭素が付加
して、気体透過性の低い極性構造にすることができた。
【0013】次にNBRを光臭素化するにあたって問題
になることは、NBRが表面臭素化することによって、
全体のゴム弾性が失われることがないにしても、ゴム表
面が固くなり、つしには表層部分のゴム弾性が完全に失
われ、パッキング材料として不向きになる恐れがあるこ
とである。この点については同じ表面臭素化するにして
もゴム弾性が明らかに低下する前に光臭素化反応を終了
することでその解決とした。
【0014】
【作用】本発明に係わるゴム材料の気体遮蔽性の改質法
は、上述のとおり、光を使った水溶液中における、不均
質な高分子反応で極性基を導入する方法である。したが
って、極性基が付与された反応層はごく表面にだけ形成
されるため、内部のゴム弾性は失われず、表面特性であ
る気体遮蔽性を向上させることができた。
【0015】本発明のNBRの光臭素化が温和な反応条
件でうまく進んだのは、NBR中のポリブタジェン成分
のようなジェン系ゴムが臭素などのハロゲンと反応する
場合、ポリジェンが不飽和二重結合およびそれによって
活性化された隣接メチレン基をもつため、反応性が高い
ことが原因している。
【0016】また紫外線を使った水溶液中におけるゴム
固体のまゝの高分子反応であるので、改質法としては、
安全で簡便な方法となった。また本発明はハロゲン化反
応のなかでは比較的温和な、水溶液中での光臭素化反応
を選んだので、ゴム材料の分解や劣化が伴わずに気体遮
蔽性の改質を行うことができた。
【0017】この光臭素化反応は臭素が光解離して起き
るラジカル連鎖反応であることから、紫外線が直接あた
ったNBRシートの表面だけでなく、裏面も相当程度光
臭素化反応が起きているものと考えられる。
【0018】
【実施例】次に本発明におけるNBRシートの気体遮蔽
性の改質法と、それによって得られるNBRの気体遮蔽
性の改質結果について説明する。
【0019】実施例1 NBRとしては、アクリロニトリルを41wt%含むハ
イカー1041を使用した。使用に先立ちNBR中に含
まれる開始剤や安定剤などの添加物を取り除くため精製
した。製膜は、精製したNBRを1,4−ジオキサンに
溶解し、約10%のNBR溶液とした後、水銀上にのせ
たガラス板にNBR溶液をキャステングして行った。一
週間以上にわたって、大気中で乾燥したあと、必要な場
合にはメタノール中でガラス板から剥し、多孔質テフロ
ンシートにはさみ、一週間以上真空乾燥を行った。
【0020】NBRシートの光臭素化反応は、ガラス板
上に製膜したNBRシートが剥しにくいため、製膜した
NBRシートをガラス板につけたまま行った。図1に示
した光臭素化反応装置において、飽和臭素水(3.46
%)をシャーレに入れ、水面下1cmのところにNBR
シートの付いたガラス板をNBRシートを上向きに固定
し、水面上9cmの位置から低圧水銀灯(615V、2
5mA)によって、1時間紫外線を照射した。
【0021】光臭素化終了後、NBRシートを約1%の
水酸化ナトリウム水溶液に約1時間浸漬し、反応を停止
させた。その後純水中に漬け、一晩放置後ガラス板より
光臭素化NBRシートを剥し、テフロンシートで挟んで
から更に外側を濾紙に挟んで真空乾燥し、次の気体の透
過係数の測定に供した。
【0022】図2に示した装置を用いて、NBRシート
及び光臭素化NBRシートの気体の透過係数の測定を行
った。この測定の原理は、試料のゴムシートを境にし
て、高圧側には数mmHg〜800mmHgの気体を加
圧し、10−5〜10−6mmHgに保持した低圧側に
透過してきた気体量を低圧側の圧力増加としてバラトロ
ン真空計で計測し、透過曲線を描き、その直線部分の勾
配から単位時間当りの透過量(dh/dt)を測定し
た。
【0023】 ここでtは気温(℃)、Vは透過側の体積(cm)、
Aは透過面積(cm)、Pは供給気体の圧力(cmH
g)、dh/dtは透過側の圧力増加の速度(mmHg
/sec)、=は膜厚(cm)である。
【0024】用いた装置のVは410cm、Aは1
5.90cmであった。透過係数の測定は同一条件で
3回行い、その平均値をもって表した。膜厚は1/10
0mm精度のマイクロメーターで測定した。用いたゴム
シートの厚さは141〜223μmであった。
【0025】実施例1で得られた光臭素化したNBRシ
ートの臭素含有率はフラスコ燃焼法で分析したところ、
膜厚平均の臭素含有率が8.82%であった。ゴムシー
トの厚さは167μmで、光臭素化後に表面は硬くなっ
たが、全体のゴム弾性はまだ失われていなかった。光臭
素化したNBRシートの透過係数の測定結果を表1に示
す。なお表1の括弧内の数字は、直上の透過係数と、表
4の比較例1に示す未処理NBRシートの相当する透過
係数との比率を表す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2 光臭素化の反応時間を3時間とした以外は、実施例1と
全く同様にして光臭素化反応及び気体の透過係数の測定
を行った。ここで得られた光臭素化NBRのゴムシート
の厚さは223μmで、膜厚平均の臭素含有率は6.1
6%であった。透過係数の測定結果を表2に示す。なお
表2の括弧内の数字は表4の比較例1に示す未処理NB
Rの相当する透過係数との比率を表す。
【0028】
【表2】
【0029】実施例3 光臭素化の反応時間を0.5時間とした以外は、実施例
1と全く同様にして光臭素化反応及び気体の透過係数の
測定を行った。ここで得られた光臭素化NBRのゴムシ
ートの厚さは181μmで、膜厚平均の臭素含有率は
1.87%であった。透過係数の測定結果を表3に示
す。なお表3の括弧内の数字は表4の比較例1に示す未
処理NBRの相当する透過係数との比率を表す。
【0030】
【表3】
【0031】比較例1 実施例1〜3に使用した、光臭素化反応前のNBRゴム
シートの透過係数の測定結果を表4に示す。ゴムシート
の厚さは141μmであった。なお括弧内の数字は表1
〜3までに説明したと同じ意味である。
【0032】
【表4】
【0033】実施例4 NBRには、実施例1と同様にアクリロニトリル含有率
41Wt%のハイカー1041を使用した。NBRに加
硫剤、カーボンブラック、安定剤、加硫促進剤などの添
加物を配合し、150℃、4Kg/cmの加熱加圧の
条件下で30〜40分間熱プレスして製膜した。したが
ってこの場合はゴムシートにガラス板は付随していな
い。得られたゴムシートは0.108〜0.143cm
の厚さであった。
【0034】実施例4では、熱プレスして得たNBRを
ゴムシート状態のまゝ、図1に示す光臭素化反応装置
で、実施例1と同じ位置にゴムシートを設置して、飽和
臭素水中に浸漬し、ゴムシートの両面を10分間にわた
って表面臭素化した。臭素化反応の際に、臭素化によつ
てゴムシートが丸まるのを防ぐため、NBRゴムシート
をアルミ製リングに挟み、あるいはゴムシートの両端を
ガラス棒で軽く挟む格好で飽和臭素水(3.46%)に
ドブ漬けして反応させた。この場合は紫外線を照射しな
いで行った。
【0035】気体の透過係数の測定は、測定温度が30
℃である以外は実施例1と全く同様にして行った。透過
係数の測定結果を表5に示す。なお表5の括弧内の数字
は表5に示す比較例2の未処理NBRシートの相当する
透過係数との比率を表す。
【0036】実施例5 NBRのゴムシートの片面にのみを紫外線照射しなが
ら、もう一方の片面には照射されないように照射面外の
シャーレの部分を遮蔽して、10分間両面を臭素化する
以外は、実施例4と同様にして表面臭素化反応と透過係
数の測定を行った。気体の透過係数の測定は実施例4と
全く同様にして行った。透過係数の測定結果を表5に示
す。
【0037】実施例6 NBRゴムシートの片面を隠蔽した状態のまゝ飽和臭素
水中に浸漬し、ゴムシート表面のもう一方の片面のみを
10分間表面臭素化すること以外は、実施例4と同様に
して表面臭素化反応と透過係数の測定を行った。気体の
透過係数の測定は実施例4と全く同様にして行った。透
過係数の測定結果を表5に示す。
【0038】実施例7 NBRゴムシートの片面を隠蔽した状態のまゝ飽和臭素
水中に浸漬し、ゴムシート表面のもう一方の片面のみを
5分間表面臭素化すること以外は、実施例4と同様にし
て表面臭素化反応と透過係数の測定を行った。気体の透
過係数の測定は実施例4と全く同様にして行った。透過
係数の測定結果を表5に示す。
【0039】比較例2 実施例4〜7に使用した、臭素化反応前のNBRゴムシ
ートの透過係数の測定結果を表5に示す。気体の透過係
数の測定は実施例4と全く同様にして行った。
【0040】
【表5】
【0041】実施例8 気体の透過係数の測定温度が60℃である以外は、全て
実施例4と同様に表面臭素化と透過係数の測定を行っ
た。透過係数の測定結果を表6に示す。
【0042】実施例9 気体の透過係数の測定温度が60℃である以外は、全て
実施例6と同様に表面臭素化と透過係数の測定を行っ
た。透過係数の測定結果を表6に示す。
【0043】実施例10 気体の透過係数の測定温度が60℃である以外は、全て
実施例7と同様に表面臭素化と透過係数の測定を行っ
た。透過係数の測定結果を表6に示す。
【0044】比較例3 実施例8〜10に使用した、臭素化反応前のNBRゴム
シートの透過係数の測定結果を表6に示す。気体の透過
係数の測定は実施例8と全く同様にして行った。
【0045】
【表6】
【0046】
【発明の効果】実施例1で得られた膜平均の臭素含有率
8.82%の光臭素化NBRゴムシートの透過係数を、
測定温度25℃で未処理のNBRゴムシートと比較する
と、おおよそ水素で1/5、ヘリウム1/3、窒素で1
/12に減少した。したがってNBRの光臭素化は気体
の遮蔽効果が非常に良好であった。窒素では1桁以上の
透過係数の減少であった。更に測定温度が50℃に上が
ると透過係数の減少率は大きくなり、光臭素化による遮
蔽効果がよく現れる。
【0047】実施例1〜3では添加物が含まれていな
い、着色の強くないNBRであり、数時間の光臭素化反
応が効果的であった。また臭素化率が高くなるほど遮蔽
性が改良された。実施例1〜3は片面のみを光臭素化処
理したものであるが、両面処理にすれば更に効果が発揮
されるものと考えられる。
【0048】実施例1と2では、光臭素化の反応時間は
前者が1時間で、後者は3時間であるのにもかかわら
ず、前者の法が膜平均の臭素含有率も高く、透過係数の
低減効果が大きいのは、前者のゴムシートの厚さが薄い
ためである。本発明の光臭素化ではゴムシートの表面層
のみが反応するので薄い方が効果がある。しかし余り薄
いとゴムシート全体のゴム弾性を失うので、最低0.1
5cm以上の厚さが必要である。
【0049】実施例4〜7と実施例8〜10の結果が示
すように、カーボンブラックなどの添加物が配合されて
黒く着色され、加硫の行われた実用的なNBRのゴム材
料についても、本発明の気体遮蔽性の改質法が有効であ
ることが示された。気体透過の低減効果は水素、重水素
とヘリウムでは1/2程度、窒素で1/10位であっ
た。
【0050】しかし実施例1〜3にみてきたような、添
加物のないものと異なって長時間臭素化処理しても余り
効果がない。また紫外線照射の促進効果もみられない。
片面に紫外線を照射しながら臭素化反応を行った実施例
5と、照射しない実施例4とを比較すると、気体透過の
低減効果の差はみられない。恐らくカーボンブラックに
よって光が遮られて臭素化反応に寄与していないことが
原因と考えられる。
【0051】いずれの実施例でも、NBRは表面臭素化
することによって、殆ど全体のゴム弾性は失われず、表
面が多少硬くなる程度であった。また実施例で取り扱っ
たNBRは臭素化できるポリブタジェン部分の少ない、
アクリロニトリル含有率の高い、いわゆる高ニトリルゴ
ムであるが、本発明の表面臭素化による気体遮蔽性の改
質法は高ニトリルゴムに対しても有効であることが判っ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明の気体遮蔽性の改質に用いた
光臭素化反応装置の装置説明図である。
【符号の説明】
1 … 低圧水銀灯 2 … 石英ガラス板 3 … NBRゴムシート(ガラス板上に付着している場
合もある) 4 … 飽和臭素水 5 … 光臭素化反応層 6 … 未反応ゴム状部分 7 … シャーレ
【図2】この図は、本発明の気体遮蔽性の改質法によっ
て改質したNBRシートの気体透過測定を行うための装
置説明図である。
【符号の説明】 1 … 気体透過セル 2 … 気体供給マノメータ 3 … 圧力測定ヘッド 4 … 恒温水槽 5 … センシティブリレー 6 … 拡散ポンプ 7 … 油回転ポンプ 8 … コールドトラップ 9 … マクレオドゲージ 10 … ガス溜め 11 … ガラスコック 12 … 予備のガス溜め 13 … ピラニーゲージ 14 … パラトロン圧力真空計 整理番号 1080000028
【図1】整理番号 1080000028
【図2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月24日
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明の気体遮蔽性の改質に用いた
光臭素化反応装置の装置説明図である。
【符号の説明】 1…低圧水銀灯 2…石英ガラス板 3…NBRゴムシート(ガラス板上に付着している場合
もある) 4…飽和臭素水 5…光臭素化反応層 6…未反応ゴム状部分 7…シャーレ
【図2】この図は、本発明の気体遮蔽性の改質法によっ
て改質したNBRシートの気体透過測定を行うための装
置説明図である。
【符号の説明】 1…気体透過セル 2…気体供給マノメータ 3… 圧力測定ヘッド 4…恒温水槽 5…センシティブリレー 6…拡散ポンプ 7…油回転ポンプ 8…コールドトラップ 9…マクレオドゲージ 10…ガス溜め 11…ガラスコック 12…予備のガス溜め 13…ピラニーゲージ 14…パラトロン圧力真空計

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NBRをゴムシート状態のまゝ飽和臭素
    水中に浸漬し、紫外線を0.5〜3時間照射し、膜厚平均
    の臭素含有率が10%近くになるまでゴムシートの片面を
    光臭素化することによって、全体のゴム弾性を余り失わ
    ずに、気体遮蔽性を向上させる改質法。
  2. 【請求項2】 NBRをゴムシート状態のまゝ飽和臭素
    水中に浸漬し、ゴムシート表面を10分間以上にわたっ
    て両面臭素化することによって、殆ど全体のゴム弾性を
    失わずに、気体遮蔽性を向上させる改質法。
  3. 【請求項3】 NBRゴムシートの片面を隠蔽し、ゴム
    シート状態のまゝ飽和臭素水中に浸漬し、ゴムシートの
    もう一方の片面のみを5分間以上表面臭素化することに
    よって、殆ど全体のゴム弾性を失わずに、気体遮蔽性を
    向上させる改質法。
  4. 【請求項4】 NBRをゴムシート状態のまゝ
    飽和臭素水中に浸漬し、ゴムシート表面の片面にのみを
    紫外線照射しながら、10分間以上両面を臭素化するこ
    とによって、殆ど全体のゴム弾性を失わずに、気体遮蔽
    性を向上させる改質法。
JP4137660A 1992-04-28 1992-04-28 Nbrシートの気体遮蔽性の改質法 Expired - Lifetime JPH0764938B2 (ja)

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