JPH0621193A - 半導体製造設備用転がり軸受 - Google Patents

半導体製造設備用転がり軸受

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JPH0621193A
JPH0621193A JP17272392A JP17272392A JPH0621193A JP H0621193 A JPH0621193 A JP H0621193A JP 17272392 A JP17272392 A JP 17272392A JP 17272392 A JP17272392 A JP 17272392A JP H0621193 A JPH0621193 A JP H0621193A
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JP
Japan
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rolling
rolling bearing
base material
semiconductor manufacturing
iron
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JP17272392A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Kondo
博光 近藤
Hiroshi Yamada
博 山田
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 腐食性雰囲気下で使用するのに適した半導体
製造設備用転がり軸受を提供する。 【構成】 内・外輪1、2および転動体3は、それぞ
れ、Ni30〜35%、Cr19〜23%、Fe残部の
鉄基合金で形成される。これら部品の母材表層1b、2
b、3bは、CあるいはMnのイオン注入によりマトリ
ックス強化されている。母材表層1b、2b、3bの上
層には、結晶性のPTFEからなる潤滑皮膜1a、2
a、3aが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造設備に使用
される転がり軸受に関し、耐蝕性と耐面圧性とが同時に
必要とされる環境下で使用するのに適したものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体製造設備に使用される軸受は、高
い清浄度が要求される密封真空下で運転されるため、そ
の潤滑には、一般に、二硫化モリブデン等の層状物質、
金、銀、鉛等の軟質金属、PTFE、ポリイミド等の高
分子材料などの固体潤滑剤が用いられている。
【0003】ところで、近年、半導体製造分野では半導
体の集積度が増すにつれて回路パターンの線幅が微細化
しており、軸受から排出される固体潤滑剤の摩耗粉がパ
ターン上に付着すると種々の弊害を引き起こす可能性が
あることから、固体潤滑剤の特性として、本来の潤滑性
・耐久性の他に、特に低発塵性を要求するようになって
きている。
【0004】このような現状に鑑み、本出願人は、転が
り軸受を構成する部品のうち少なくとも転がり摩擦また
は滑り摩擦を生ずる表面に、低分子量のポリテトラフル
オロエチレン(以下、簡単のため、低分子量PTFEと
略記する。)からなる潤滑皮膜を形成することにより、
潤滑性、耐久性、低発塵性等に優れた潤滑皮膜を得るこ
とができることを特願平3−190150号等において
示した。これらの効果は、低分子量PTFEが、従来よ
り固体潤滑剤として用いられている高分子量のPTFE
に比べて、剪断強度が著しく小く、また、転着性に優れ
ていることによるものであった。さらに、本出願人は連
続した島状分布の固体潤滑皮膜を形成した半導体製造設
備用転がり軸受について出願し(実願平3−49946
号等)、この出願において、PTFEの固体潤滑皮膜を
島状分布とすることにより、軸受の低発塵性がさらに向
上することを示した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】半導体のエッチング工
程やCVD(化学蒸着)皮膜処理工程では、シラン系、
フッ素系、塩素系などの反応ガスを使用するため、処理
装置に組込まれた軸受がこれら腐食性を有する反応ガス
に接触する可能性がある。例えば、CVD装置において
は、軸受は反応槽に使用されることは殆どなく主にバッ
ファ槽に使用されるので、反応ガスと直接接触すること
はないが、槽間でウェーハのやりとりを行なう際に反応
ガスが反応槽からバッファ槽に流入し、軸受に接触する
場合がある。元来、低分子量PTFE自体も化学的に安
定したものであるが、潤滑皮膜が剥離・転着を繰り返す
際に膜厚さが減少する時があり、このような場合、薄く
なった皮膜部分から反応性ガス等が浸透して母材を侵す
ことがある。また、潤滑皮膜を島状に分布させた場合で
は、島と島との間の皮膜部分はもともと薄く、この部分
から反応性ガス等が浸透しやすい。したがって、このよ
うな雰囲気下で使用される軸受には、まず耐蝕性の改善
が必要になる。
【0006】ところが、これら軸受の中には、例えば槽
間でウェーハの搬送・位置決めを行なうウェーハ搬送ロ
ボットに組込まれる軸受のように、位置決め精度を確保
する必要上、予圧状態で使用されるものもある。このよ
うな場合、耐蝕性に加え更に耐面圧性の改善が必要にな
る。
【0007】そこで、本発明の目的は、半導体製造設備
用転がり軸受において、耐蝕性と耐面圧性とを同時に改
善することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、転がり軸受
を構成する部品のうち少なくとも内輪と外輪とをNi3
0〜35%、Cr19〜23%、Fe残部の鉄基合金で
形成すると共に、
【0009】この鉄基合金で形成した部品の少なくとも
転がり摩擦または滑り摩擦を生ずる母材表層をCにより
マトリックス強化し、
【0010】さらに、この転がり軸受を構成する部品の
うち少なくとも転がり摩擦または滑り摩擦を生ずる表面
に、結晶性のポリテトラフルオロエチレンからなる潤滑
皮膜を形成した。
【0011】また、この鉄基合金で形成した部品の少な
くとも転がり摩擦または滑り摩擦を生ずる母材表層をC
に代えてMnによりマトリックス強化した。
【0012】また、上記構成において、転動体をセラミ
ックで形成した。
【0013】
【作用】Niを30〜35%含有する鉄基合金は良好な
耐蝕性を有する。したがって、腐食性雰囲気下において
も、母材に腐食が生じにくい。
【0014】母材表層をCあるいはMnでマトリックス
強化することにより、表面が硬化するので、耐面圧性が
向上する。
【0015】転動体をセラミックで形成することによ
り、耐面圧性は一層向上する。
【0016】ここで、マトリックス強化とは、母材表層
のマトリックス組織にCあるいはMn元素が入り込んだ
状態を言う。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0018】図1に示す実施例は、本発明を深溝玉軸受
に適用したものである。このころ転がり軸受は、内輪
1、外輪2、内・外輪1、2間に介在する複数の転動体
3、転動体3を円周等間隔に保持する保持器4といった
軸受部品で構成される。内・外輪1、2および転動体3
は、それぞれ、Ni30〜35%、Cr19〜23%、
Fe残部の鉄基合金で形成される。これら部品の母材表
層1b、2b、3bは、CあるいはMnのイオン注入に
よりマトリックス強化され、母材元素とCあるいはMn
元素との混合層状をなしている。ただ、マトリックス強
化された母材表層と母材とは、同図に示すような明確な
界面をもっているわけではない。イオン注入法は、公知
なように、注入したい元素をイオン化することによって
一定のエネルギーに加速して母材表面に打ち込む方法で
あるが、CVD法等と違って本質的に非熱平衡プロセス
であり低温処理が可能なこと、打ち込まれたイオンが母
材のマトリックス組織に入り込み強固な密着性が得られ
るといった特徴がある。CあるいはMnのイオン注入に
よりマトリックス強化された母材表層1b、2b、3b
は、表面硬化により高い耐面圧性を有する。Cあるいは
Mnをイオン注入し、深さ0.3μmまで改質した場合
では、イオン注入しない場合に比べて、耐面圧性が共に
2倍以上向上することが実験により確認されている。
尚、マトリックス強化する手段はイオン注入法に限定さ
れず、例えば、母材の製鋼時に、CあるいはMnを含有
させるようにしても良い。
【0019】また、母材表層1b、2b、3bの上層に
は、結晶性のPTFEからなる潤滑皮膜1a、2a、3
aが形成されている。これらの潤滑皮膜1a、2a、3
aは、例えば、低分子量PTFE(日本アチソン製AR
C7等)を25cm離れた位置から被膜形成面にスプレ
ーして付着させたもので、その平均被膜暑さは0.6μ
m程度である。結晶性のPTFEからなる潤滑被膜は、
いわゆるスパッタリング処理皮膜のようにPTFE分子
が必要以上に細分化されていないので、PTFE本来の
潤滑特性などが維持されている。結晶性のPTFE被膜
をコーティングする方法としては上記スプレー法の他、
浸漬法等がある。
【0020】この転がり軸受は、内・外輪1、2および
転動体3がNi30〜35%、Cr19〜23%、Fe
残部の鉄基合金で形成されているため、良好な耐蝕性を
有し、シラン等の反応性ガスを用いる雰囲気下でも腐食
が生じにくい。また、母材表層1b、2b、3bが、C
あるいはMnのイオン注入によりマトリックス強化され
高い耐面圧性を付与されているため、母材の摩耗、潤滑
被膜の剪断、局部的剥離・離脱といった現象が抑制さ
れ、耐久性、低発塵性等といった本来の特性を長期にわ
たって発揮する。尚、PTFEとして、バイダックスA
R(デュポン社製)、MP1200、MP1300(い
ずれも三井フロロケミカル社製)を用いても同様の効果
が得られる。
【0021】図2、図3、図4は、図1に示す構成の軸
受について行なった発塵試験の結果を示す。図2はAR
C7(平均分子量3000)、図3はバイダックスAR
(平均分子量5000)、図4はMP1200(平均分
子量20万)を用いて潤滑被膜を形成した場合の結果で
ある。試験条件は、回転数:50rpm、スラスト荷
重:1kgf、真空度10-7Torrである。いずれも
良好な低発塵性を示している。MP1300(平均分子
量30万)を用いて潤滑被膜を形成した場合は、図4に
示すMP1200の場合とほぼ同程度の低発塵性を示し
た。
【0022】尚、図1では、内・外輪1、2の転走面お
よび転動体3の表面に潤滑皮膜が形成されているが、潤
滑皮膜は少なくとも転動体3の表面に形成すれば良い。
また、図1aでは内・外輪1、2の外表面全体に潤滑皮
膜1a、2aが形成されているが、図1bに示すよう
に、嵌合面等の潤滑皮膜が本来不要な部分については、
マスキングによって皮膜処理を施さない、あるいは、最
終製品となる前に除去するようにすると良い。また、母
材表層のマトリックス強化は、少なくとも内・外輪1、
2の転走面について行なえば良い。また、転動体3をセ
ラミックで形成すると、耐面圧性は一層向上する。さら
に、軸受の形式は、図1に示すような深溝玉軸受に限ら
ず、広く転がり軸受一般に適用することができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転がり軸
受は、軸受を構成する部品のうち少なくとも内輪と外輪
とがNi30〜35%、Cr19〜23%、Fe残部の
鉄基合金で形成されているので、良好な耐蝕性を有し、
腐食性雰囲気下でも性能劣化をきたすことなく使用する
ことができる。しかも、この鉄基合金で形成した部品の
少なくとも転がり摩擦または滑り摩擦を生ずる母材表層
をCまたはMnによりマトリックス強化し、さらに、こ
の転がり軸受を構成する部品のうち少なくとも転がり摩
擦または滑り摩擦を生ずる表面に、結晶性のポリテトラ
フルオロエチレンからなる潤滑皮膜を形成したので、母
材表層の耐面圧性が改善され、母材の摩耗、潤滑被膜の
剪断、局部的剥離・離脱といった現象が抑制されること
により、その優れた低発塵性、大気・真空両用性、低ト
ルク性(二硫化モリブデンのスパッタリング皮膜と同程
度)、耐熱性(潤滑皮膜の軟化点は320℃以上)等を
長期にわたって発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる深溝玉軸受を示す断面
図(a)、嵌合面等の潤滑皮膜を除去等した状態を示す
断面図(図b)である。
【図2】発塵試験の結果を示す図である。
【図3】発塵試験の結果を示す図である。
【図4】発塵試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
1 内輪 1a 潤滑皮膜 1b 母材表層 2 外輪 2a 潤滑皮膜 2b 母材表層 3 転動体 3a 潤滑皮膜 3b 母材表層 4 保持器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C22C 38/00 301 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転がり軸受を構成する部品のうち少なく
    とも内輪と外輪とをNi30〜35%、Cr19〜23
    %、Fe残部の鉄基合金で形成すると共に、この鉄基合
    金で形成した部品の少なくとも転がり摩擦または滑り摩
    擦を生ずる母材表層をCによりマトリックス強化し、さ
    らに、この転がり軸受を構成する部品のうち少なくとも
    転がり摩擦または滑り摩擦を生ずる表面に、結晶性のポ
    リテトラフルオロエチレンからなる潤滑皮膜を形成した
    ことを特徴とする半導体製造設備用転がり軸受。
  2. 【請求項2】 転がり軸受を構成する部品のうち少なく
    とも内輪と外輪とをNi30〜35%、Cr19〜23
    %、Fe残部の鉄基合金で形成すると共に、この鉄基合
    金で形成した部品の少なくとも転がり摩擦または滑り摩
    擦を生ずる母材表層をMnによりマトリックス強化し、
    さらに、この転がり軸受を構成する部品のうち少なくと
    も転がり摩擦または滑り摩擦を生ずる表面に、結晶性の
    ポリテトラフルオロエチレンからなる潤滑皮膜を形成し
    たことを特徴とする半導体製造設備用転がり軸受。
  3. 【請求項3】 転動体をセラミックで形成した請求項1
    または2の半導体製造設備用転がり軸受。
JP17272392A 1992-06-30 1992-06-30 半導体製造設備用転がり軸受 Pending JPH0621193A (ja)

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20021202