JPH06210837A - 印刷用ドクター刃摩耗検出装置 - Google Patents

印刷用ドクター刃摩耗検出装置

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JPH06210837A
JPH06210837A JP491393A JP491393A JPH06210837A JP H06210837 A JPH06210837 A JP H06210837A JP 491393 A JP491393 A JP 491393A JP 491393 A JP491393 A JP 491393A JP H06210837 A JPH06210837 A JP H06210837A
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doctor blade
contact
plate surface
printing
contact length
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JP491393A
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English (en)
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Takeshi Ishizuka
健 石塚
Yukihiko Taguchi
幸彦 田口
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Fuji Kikai Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kikai Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 予めドクター刃の摩耗状況が検出され、予め
その交換時期を知ることができるようにする。 【構成】 ドクター刃4aは版面に対してその刃先を離
接させるように作動するドクターホルダ4によって保持
され、刃先の版面11に対する離接を検出する離接検出
手段が設けられ、版胴1を回転させる駆動モータ7には
その回転数を検出するロータリーエンコーダ76が設け
られ、検出手段が検出した離接信号および上記ロータリ
ーエンコーダ76が検出した回転数信号が入力され、か
つ、これらの入力信号に基づいて上記ドクター刃4aが
版面11に接触した合計の接触長さを演算する演算装置
9が設けられ、この演算装置9はドクター刃4aの刃先
が版面に接触しているときのみロータリーエンコーダ7
6が検出した回転数を積算し、この積算値から上記接触
長さを演算して表示するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷機の版胴の外周面
に形成された版面上のインクを掻き取るいわゆるドクタ
ー刃の摩耗状態を検出する検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】グラビア印刷やコータ塗工などのいわゆ
る凹版印刷あるいは凹版塗工においては、円筒上の版胴
あるいは塗工ロールの表面に凹部(セル)が設けられて
いる。以上の凹版印刷および凹版塗工に関し、以下凹版
印刷を代表させて説明する。
【0003】上記セルが形成された版胴は駆動軸に軸支
された状態で回転させられ、この回転している版面にイ
ンクが供給され、その直後に掻き取り部材であるドクタ
ー刃の刃先を版面に接触させることによって版面のセル
以外の部分に付着しているインクは除去される。
【0004】従って、上記ドクターを通過した後の版面
においては、そのセル内にのみインクが保持された状態
になっているため、この状態の版面に接触するように印
刷用の原紙を通過させると、上記セル内のインクは原紙
に移転するいわゆる凹版印刷が行われる。通常上記原紙
は筒状に巻き取られた原反が使用され、上記版胴に連続
的に供給されるため、版胴の一回転毎に版胴の円周分の
印刷が行われる。
【0005】ところで、上記のようなドクター刃は、通
常鋼板製の薄板からなり、この薄板がドクターホルダに
支持され、その刃先が空気圧による押圧力で版面に押し
付けられているため、長期間使用するとセルを有する凹
凸が形成された版面との摩擦接触によって摩耗する。
【0006】しかも、版面の凹凸の状況に応じ摩耗する
ため、摩耗が進行した後の刃先はその長手方向に亘って
不均一な状態になっている。そのような状態で印刷を続
行すると、版面上のインクの切れが不良になったり、印
刷物に縦方向の筋目状の汚れが付いたりする不都合が発
生する。
【0007】そこで、このような不都合を回避するた
め、ドクター刃は必要の都度研磨加工が施され、研磨加
工で対処することができなくなると新品と交換される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
ドクター刃の交換は印刷稼働中にインクの切れが悪くな
っているのが目視で確認されたときや、印刷物に汚れが
発見されたときに行われていたため、このようなときに
は、印刷機械の稼働を止めて印刷作業を一時中断してド
クター刃の交換を行わなければならない。通常上記のよ
うな印刷物の汚れは突発的に発見されることが多いか
ら、そのようなときにはせっかく順調に進行しているそ
の系統の印刷作業を全て中断しなければならず、そのた
めの印刷時間のロスは少ないものではない。
【0009】また、上記のように突発的であるため、す
でに汚れが発生していて見逃したものも多く、それらも
含めて全て不良品として廃棄しなければならないため、
その損失も大きい。さらに、一旦停止させた印刷機を再
稼働させるためには、種々の面倒な立上りのための操作
を行わなければならず、そのための時間的な損失も少な
くない。
【0010】以上要すれば、従来のドクター刃の交換
は、管理されて計画的に行われるものではなかったとこ
ろに問題点があったということができる。
【0011】本発明は、従来のドクター刃交換に関する
上記問題点を解決するためになされたものであり、予め
ドクター刃の摩耗状況が検出され、その結果予めその交
換時期を知ることができる印刷用ドクター刃摩耗検出装
置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
印刷用ドクター刃摩耗検出装置は、ドクター刃の取替え
時期を知るためにその摩耗の度合いを検出する印刷用ド
クター刃摩耗検出装置であって、上記ドクター刃は版面
に対してその刃先を離接させるように作動するドクター
ホルダによって保持され、上記刃先の版面に対する離接
を検出する離接検出手段が設けられ、版胴を回転させる
駆動手段にはその回転数を検出する回転数検出手段が設
けられ、上記検出手段が検出した離接信号および上記回
転数検出手段が検出した回転数信号が入力され、かつ、
これらの入力信号に基づいて上記ドクター刃が版面に接
触した合計の接触長さを演算する演算装置が設けられ、
この演算装置はドクター刃の刃先が版面に接触している
ときのみ上記回転数検出手段が検出した回転数を積算
し、この積算値から上記接触長さを演算して表示するよ
うに構成されていることを特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項2記載の印刷用ドクター刃
摩耗検出装置は、請求項1記載の印刷用ドクター刃摩耗
検出装置において、上記演算装置には上記ドクター刃の
取替え時期に相当する上記接触長さの設定値が予め入力
され、上記積算値から演算された接触長さが上記設定値
を越えた時点で上記取替え時期が到来したことを知らせ
る警報が発信または表示されるように構成されているも
のである。
【0014】本発明の請求項3記載の印刷用ドクター刃
摩耗検出装置は、請求項1または2記載の印刷用ドクタ
ー刃摩耗検出装置において、上記積算値から演算される
接触長さは、ドクター刃の版面に対する押圧値に応じて
標準的な接触長さから補正された補正接触長さとされて
いることを特徴とするものである。
【0015】
【作用】上記請求項1記載の印刷用ドクター刃摩耗検出
装置によれば、版胴を回転させる駆動手段にはその回転
数を検出する回転数検出手段が設けられ、その検出結果
は回転数信号として演算装置に入力されるようにされて
いる。一方、ドクター刃の刃先の版面に対する離接を検
出する離接検出手段が設けられ、この検出結果について
も離接信号として演算装置に入力されるようにされてい
る。そして、これらの入力信号に基づいて上記ドクター
刃が版面に接触した合計の接触長さを演算する演算装置
が設けられているため、この演算装置によってドクター
刃の刃先が版面に接触しているときのみ上記回転数検出
手段が検出した回転数が積算され、この積算値から上記
ドクター刃が実際に版面に接触してきた合計の接触長さ
が演算される。
【0016】そして、ドクター刃が版面に接触した接触
長さと、ドクター刃の摩耗の状態との関係を予め求めて
おくことにより、上記表示から前広にドクター刃の摩耗
の状態を知ることができその交換時期が判る。その結果
計画的にドクター刃の交換を行うことができる。
【0017】上記請求項2記載の印刷用ドクター刃摩耗
検出装置によれば、上記演算装置には上記ドクター刃の
取替え時期に相当する上記接触長さの設定値が予め入力
され、上記積算値から演算された接触長さが上記設定値
を越えた時点で上記取替え時期が到来したことを知らせ
る警報が発信または表示されるように構成されているた
め、その警報によってドクター刃の交換時期が経過して
しまった状態でのドクター刃の使用を防止することがで
きる。
【0018】上記請求項3記載の印刷用ドクター刃摩耗
検出装置によれば、上記積算値から演算される接触長さ
は、ドクター刃の版面に対する押圧値に応じて標準的な
接触長さから補正された補正接触長さとされているた
め、上記押圧値が変更された操業が行われたとしても、
それに対応してより正確にドクター刃の摩耗状況を知る
ことができ、常に適切な時期にドクター刃を交換するこ
とが可能となる。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の印刷用ドクター刃摩耗検出
装置を備えた印刷機の要部を例示する一部切欠き正面図
であり、図2は同側面図である。まずこれらの図を基に
本発明の対象となる凹版印刷機およびドクター刃につい
て説明する。これらの図に示すように、印刷機の中央部
分には中心部材である版胴1が設けられている。この版
胴1は、グラビア印刷で代表される凹版印刷用の回転ド
ラムであり、この外周にはインクを保持するセルが凹設
された版面11が装着されている。回転しているこの版
胴1のセルが形成された版面11にインクパン5からイ
ンクが供給され、即ドクター刃4aにより掻き取られて
セル内にのみインクが保持されている状態とされる。こ
の状態の版面11に原紙Sが供給され、上記セル内のイ
ンクを原紙Sに転移させることによって印刷が行なわれ
る。
【0020】インクパン5の底部には左右一対のラック
51が設けられており、このラック51は回転軸52に
軸支されたピニオン53に噛合している。また、上記回
転軸52はモータ54の駆動によって回転するようにな
っている。従って、モータ54を駆動させて回転軸52
を介してピニオン53を回転させることにより、ラック
51を上下動させ、版面11の高さに対応してインクパ
ン5を所望の高さに設定することができる。
【0021】上記版胴1は、その両側部外方に設けられ
た一対の支持軸2によって、その先端に固設された一対
のテーパコーン21を介してそれらに挾持されるように
軸支され、上記一対の支持軸2は、一対のフレーム3に
よって回転自在に軸支されている。
【0022】左側のフレーム3には、その外方に向かっ
て歯車機構を内蔵する第一ケーシング31が設けられて
おり、右側のフレーム3の外方にも歯車機構を内蔵する
第二ケーシング36が設けられている。そして、第一ケ
ーシング31には版胴1の回転方向の変位を調節するた
めのシンクロナスモータやその回転を支持軸2に伝える
種々の歯車機構が設けられている。
【0023】また、第一ケーシング31の左方に設けら
れたハンドル35を手動操作することによって支持軸2
を左右に水平動させることができるようになされてい
る。この左方の支持軸2を左右に水平動させることによ
って、版胴1の左右の位置合わせが行われる。
【0024】上記第二ケーシング36の中には支持軸2
に連結したウォームホイル12や、駆動モータ7の駆動
軸71に取り付けられかつ上記ウォームホイル12と噛
合したウォームギヤ72等の各種のギヤ機構が設けられ
ており、駆動モータ7の回転駆動は上記ギヤ機構を介し
て支持軸に伝達されるようになっている。
【0025】また、第二ケーシング36の右端外方には
エアシリンダ39が設けられており、このエアシリンダ
39のロッドは上記ギヤ機構内に設けられた図外のスプ
ライン軸に接続され、上記ロッドが引き戻されることに
よって、支持軸2の先端のテーパコーン21は版胴1か
ら引く抜かれた状態になる。エアシリンダ39に圧縮空
気が供給されると、右方の支持軸2は版胴1を左方に押
圧した状態になる。
【0026】図2は上記ドクター刃4aの機構を説明す
るための図1のA−A線断面図である。なお、この図で
はシリンダCのロッドを上昇させることにより、その下
部に設けられた圧胴Pを上昇させ、圧胴Pと版胴1の版
面11との接触を解除した状態(すなわち、印刷が行わ
れていない状態)をも示している。そのためこの図は、
圧胴Pの表面と版胴1の版面11との間に配置されてい
る原紙Sは圧胴P側に接触し、版面11側には接触して
いない印刷中断状態を例示しているが、印刷中はシリン
ダCが作動して圧胴Pが下降し、圧胴Pと版胴1との間
に原紙Sが挾持された状態とされ、版胴1の回転によっ
て原紙Sに印刷されるようになっている。そして、上記
ドクター刃4aは、図2に示すように、版胴1の側部に
隣接するように設けられたドクターホルダ4に取り付け
られている。
【0027】このドクターホルダ4は、版胴1に平行に
配設された一対の支持ロッド42に摺動自在に嵌合され
た受け部材43と、この受け部材43に上下方向に移動
可能に嵌め込まれその頂部に水平軸44b周りに回動自
在に支持された回動部材44aを有する上下動部材44
と、この上下動部材44の回動部材44aに版胴1に対
して離接するように横方向に移動自在に設けられた刃支
持体45と、この刃支持体45の版胴1側先端に設けら
れたドクター刃4aを挟持する挟持部41とから構成さ
れている。
【0028】そして、上記受け部材43には上下動部材
44を上下動させ、所定位置で係止するための第一ハン
ドル43aが設けられ、この第一ハンドル43aを回す
ことによって上下動部材44を上下動させ、所望の高さ
で係止することができるようにされている。
【0029】また、上下動部材44の上部に設けられた
回動部材44aには第二ハンドル44bが設けられ、こ
の第二ハンドル44bを回すことによって回動部材44
aの角度を変更することができるようにされている。
【0030】さらに、刃支持体45の基端部にはそれに
版胴1に対して離接するように水平動させ、所望の位置
で係止する第三ハンドル45aが設けられている。この
第三ハンドル45aを操作することによって、ドクター
刃4aを挟持している挟持部41を版胴1に対して水平
動させ、ドクター刃4aの刃先の版面11への接触状態
を微調整することができる。
【0031】加えて、ドクターホルダ4の側部には上記
回動部材44aを回動させて先端のドクター刃4aを版
面11に押圧する押圧手段6が設けられている。この押
圧手段6は、空気圧によってシリンダロッド62を作動
させるシリンダ61と、基端側が上記シリンダロッド6
2の先端の水平軸周りに回動自在に軸支されかつ先端側
が回動部材44aに固設された第一アーム63と、先端
側が上下動部材44に固設され基端側がシリンダ61に
一体に固設された第二アーム64とから構成されてい
る。
【0032】従って、シリンダロッド62を含むシリン
ダ61と、上記第一アーム63と、上記第二アーム64
とで三角形が形成され、シリンダロッド62がシリンダ
61から突出すると、第一アーム63は水平軸44b周
りに反時計方向に押圧され、これと一体の回動部材44
aも反時計方向に押圧されるため、その上部先端に設け
られたドクター刃4aもシリンダ61に供給される空気
圧に応じた押圧値で版胴1の版面11に押圧接触した状
態になる。逆にシリンダロッド62をシリンダ61に引
き戻すと、上記と逆の作用によってドクター刃4aは時
計方向に回動して版面11に対する接触は解除される。
【0033】なお、図2において二点鎖線は直径の大き
い他の版胴1が装着された状態を示している。
【0034】また、上記のような本発明の対象となる印
刷装置において、右側の支持軸2とスプライン軸22と
のスプライン結合部分、左側の支持軸2と第一ハウジン
グ31との摺動結合部分、あるいはドクターホルダ4の
支持ロッド42と受け部材43との摺動結合部分など、
軸が軸受に対して軸心方向に移動するような部分におい
ては、揺動せず確実かつ円滑に上記軸心方向の移動を実
現させるため、ボールスプラインナットとボールブッシ
ュを用いた、いわゆるボールスプライン方式を採用する
ことが好ましい。
【0035】図3は、本発明に係る印刷用ドクター刃摩
耗検出装置の摩耗検出機構を説明するための説明図であ
る。この図に示すように、版胴1の一方の側部にはウォ
ームホイル12が設けられており、このウォームホイル
12は駆動手段としての駆動モータ7の駆動軸71に一
体に嵌め込まれたウォームギヤ72に噛合している。そ
して、駆動軸71の先端には第一プーリ73が設けられ
ており、この第一プーリ73はタイミングベルト75を
介して第二プーリ74に接続されており、この第二プー
リ74の回転軸は回転数検出手段としてのロータリーエ
ンコーダ76に接続されている。
【0036】従って、駆動モータ7が駆動して駆動軸7
1を回転させると、その回転はウォームギヤ72及びウ
ォームホイル12を介して版胴1を回転させると共に、
第一プーリ73、タイミングベルト75および第二プー
リ74を介してロータリーエンコーダ76をも回転させ
る。
【0037】ロータリーエンコーダ76の発信パルス数
は、ロータリーエンコーダ76の1回転当たり100パ
ルスに設定されている。また、上記各ギヤのギヤ比とプ
ーリの径比とから、ロータリーエンコーダ76の一回転
当たりの版胴1の回転数(N回転)が予め設定されてい
るため、ロータリーエンコーダ76から発信されたパル
ス数が合計でPパルスであったなら、版胴1の回転数
は、((P÷100)×N)回転となる。従って、版胴
1の周長がLであるとすれば上記Pパルスに対応する延
べ長さは(L(P÷100)×N)となる。すなわち、
ドクター刃4aが版面11に接触した状態でロータリー
エンコーダ76からPパルスが発信されたならば、上記
延べ長さ(L(P÷100)×N)が、ドクター刃4a
が版面11接触してきた接触長さになる。
【0038】そして一方、ドクターホルダ4のシリンダ
61に圧縮空気を供給するコンプレッサ8が設けられて
いる。このコンプレッサ8からは手動の切換弁81と、
並列に配設された第一および第二空気配管85、86と
を介して圧縮空気がシリンダ61に供給されるようにさ
れており、切換弁81を操作することによって第二空気
配管86に圧縮空気が供給された場合にはシリンダロッ
ド62が突出してドクター刃4aを水平軸44b周りに
反時計方向に回動させ、それの刃先を版面11に接触さ
せるようにシリンダ61を作動させ、切換弁81を切り
換え操作して第一空気配管85に圧縮空気を送り込むよ
うにした場合には、シリンダロッド62が没入してドク
ター刃4aの版面11との接触が解除されるようにシリ
ンダ61を作動させる。
【0039】上記第二空気配管86の途中には、供給さ
れる圧縮空気の圧力を調節するエアレギュレータ82が
設けられており、それより圧力計83が分枝して設けら
れている。また、エアレギュレータ82の下流側には、
第二空気配管86内に圧力空気が供給されているときは
それを検出する空電スイッチ84が、ドクター刃4aと
版面11との離接検出手段として設けられている。すな
わち、切換弁81が操作されて、第二空気配管86に圧
力空気が供給され、その結果シリンダ61が上記の所定
の作動を行ってドクター刃4aを版面11に接触させた
状態では、空電スイッチ84はONの状態になってい
る。
【0040】また、ドクター刃4aの摩耗状態を検出す
るために、ドクター刃4aが版面11に接触した合計の
接触長さを演算して表示する演算装置9が設けられてい
る。この演算装置9は、マイクロコンピュータト等から
なり、この演算装置9には、前記ロータリーエンコーダ
76からのパルス信号、上記空電スイッチ84からのO
N・OFF信号および圧力計83からの圧力信号が入力
されるように構成されている。
【0041】そして、上記演算装置9には予め処理プロ
グラムが入力されており、このプログラムに従って、空
電スイッチ84からのON・OFF信号がONの場合に
は、ロータリーエンコーダ76からのパルス信号(P)
が演算装置9に入力された都度それが積算され、上記延
べ長さ(L(P÷100)×N)、すなわちドクター刃
4aが版面11に接触した合計の接触長さが演算され、
この値が演算装置9に設けられた第一表示窓92に出力
される。なお、演算装置9にはテンキー94が設けられ
ており、版胴1の周長Lについてはこのテンキー94か
ら入力される。
【0042】一方、演算装置9には予めドクター刃4a
の交換時期の到来に相当する版面11との接触長さが設
定入力されている。基本的には、この設定入力について
も上記テンキー94から入力され、この入力値について
も演算装置9に設けられた第二表示窓93に表示される
ように構成されている。
【0043】そして、上記演算装置9によりドクター刃
4aが版面11に接触した合計の接触長さ(基本的には
L(P÷100)×N)と上記設定長さとが比較演算さ
れ、合計接触長さの方が設定長さよりも大きくなった時
点で演算装置9に設けられた警報灯91が点灯するよう
に構成されている。
【0044】さらに、圧力計83から入力される圧力信
号は、上記接触長さを補正するための補正係数を算出す
るためのデータとして用いられる。すなわち、この圧力
値が標準的な値のときは補正係数として1が設定され、
標準的な値よりも大きいときはその大きさに応じて1よ
りも大きい値が、また標準的な値よりも小さいときはそ
の値に応じて1よりも小さい値が設定される。そして、
この補正係数が上記接触長さ(L(P÷100)×N)
に乗じられ、この計算値が、ドクター刃4aが版面11
に接触した補正後の合計接触長さとみなされて第一表示
窓92に表示される。
【0045】従って、シリンダ61に供給される圧縮空
気の圧力が、標準的な圧力値よりも大きい場合、すなわ
ち、ドクター刃4aの版面11に対する押圧値が標準的
な押圧値よりも大きい場合には、ドクター刃4aが実際
に版面11に接触していた接触長さよりも大きめの値が
接触値の補正値として第一表示窓92に表示されること
になる。逆の場合は、実際の接触長さよりも小さめの補
正値が第一表示窓92に表示される。
【0046】なお、本実施例においては、接触長さの補
正係数の要因として圧縮空気の圧力を用いたが、版面1
1の温度、ドクター刃4aの版面11に対する接触角
度、インクの粘度あるいは版面11に形成したセルの深
さなどとドクター刃4aとの交換時期との関係を予め求
めておき、これらの値から別の補正係数を採用するよう
にすることも可能である。
【0047】また、本実施例においては、上記補正はド
クター刃4aの版面11に対する接触長さで行われるよ
うになっているが、逆に設定値の方を補正するようにし
てもよい。
【0048】本発明の印刷用ドクター刃摩耗検出装置は
以上のように構成されているので、新しいドクター刃4
aを用いて印刷を実行するに際しては、まず、演算装置
9のテンキー94から設定長さの値を入力し、その後所
定の印刷作業を開始すればよい。そうすれば、印刷の進
行に伴って、ドクター刃4aが版面11に接触している
場合のみの接触長さが演算され積算され、その値が逐一
演算装置9の第一表示窓92に表示されるから、常に予
め設定された第二表示窓93の設定値と比較でき、現状
のドクター刃4aの摩耗状況を一目瞭然に知ることがで
きる。
【0049】また、実績の接触長さが設定された設定長
さよりも大きくなったときは、警報灯91が点灯してそ
れを知らせるため、ドクター刃4aの寿命の到来を見過
ごすことはない。
【0050】以上の実施例においては、凹版印刷機を対
象として説明したが、本発明の適用は凹版印刷に限定さ
れるものではなく、それに類似のフレキソ印刷機など、
版あるいはローラに接触するもので、通常寿命管理が困
難とされるドクター刃およびローラ等についても適用が
可能である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明の印刷用ドク
ター刃摩耗検出装置は、そのドクター刃は版面に対して
その刃先を離接させるように作動するドクターホルダに
よって保持され、上記刃先の版面に対する離接を検出す
る離接検出手段が設けられ、上記版胴を回転させる駆動
手段にはその回転数を検出する回転数検出手段が設けら
れ、上記検出手段が検出した離接信号および上記回転数
検出信号が検出した回転数信号が入力され、かつ、これ
らの入力信号に基づいて上記ドクター刃が版面に接触し
た合計の接触長さを演算する演算装置が設けられている
ため、この演算装置によってドクター刃の刃先が版面に
接触しているときのみ上記回転数検出手段が検出した回
転数が積算され、この積算値から上記ドクター刃が実際
に版面に接触してきた合計の接触長さが演算される。
【0052】そして、ドクター刃が版面に接触した接触
長さと、ドクター刃の摩耗の状態との関係を予め求めて
おくことにより、前広にドクター刃の交換時期を知るこ
とが可能になり、従来のようにドクター刃の摩耗によっ
て実際に印刷にトラブルが発生してから急遽ドクター刃
を交換するようなことは回避され、計画的にドクター刃
の交換を行うことができるため、従来よりもスムーズに
印刷作業を管理することが可能になり印刷作業の円滑化
上好都合である。
【0053】上記演算装置に上記ドクター刃の取替え時
期に相当する上記接触長さの設定値を予め入力し、上記
積算値から演算された接触長さが上記設定値を越えた時
点で上記取替え時期が到来したことを知らせる警報が発
信または表示されるようにすれば、その警報の作動によ
ってドクター刃の交換時期が到来していることを知るこ
とができるため、そのような状態のドクター刃の継続使
用を防止することができる。
【0054】上記積算値から演算される接触長さを、ド
クター刃の版面に対する押圧値に応じ、交換時期が到来
したとされる標準的な合計の接触長さが補正された補正
接触長さを設定するようにすれば、上記押圧値が変更さ
れた操業が行われたとしても、それに対応してより正確
にドクター刃の摩耗状況を知ることができ、常に適切な
時期にドクター刃を交換することが可能となり都合がよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る印刷用ドクター刃摩耗検出装置の
要部の一例を示す一部切欠き正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明に係る印刷用ドクター刃摩耗検出装置の
摩耗検出機構を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 版胴 11 版面 2 支持軸 21 テーパコーン 3 フレーム 4 ドクターホルダ 4a ドクター刃 6 回動手段 61 シリンダ 7 駆動モータ 76 ロータリーエンコーダ 8 コンプレッサ 82 エアレギュレータ 83 圧力計 84 空電スイッチ 9 演算装置 91 警報灯 92 第一表示窓 93 第二表示窓

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドクター刃の取替え時期を知るためにそ
    の摩耗の度合いを検出する印刷用ドクター刃摩耗検出装
    置であって、上記ドクター刃は版面に対してその刃先を
    離接させるように作動するドクターホルダによって保持
    され、上記刃先の版面に対する離接を検出する離接検出
    手段が設けられ、版胴を回転させる駆動手段にはその回
    転数を検出する回転数検出手段が設けられ、上記検出手
    段が検出した離接信号および上記回転数検出手段が検出
    した回転数信号が入力され、かつ、これらの入力信号に
    基づいて上記ドクター刃が版面に接触した合計の接触長
    さを演算する演算装置が設けられていることを特徴とす
    る印刷用ドクター刃摩耗検出装置。
  2. 【請求項2】 上記演算装置には上記ドクター刃の取替
    え時期に相当する上記接触長さの設定値が予め入力さ
    れ、上記積算値から演算された接触長さが上記設定値を
    越えた時点で上記取替え時期が到来したことを知らせる
    警報が発信または表示されるように構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の印刷用ドクター刃摩耗検出
    装置。
  3. 【請求項3】 上記積算値から演算される接触長さは、
    ドクター刃の版面に対する押圧値に応じて標準的な接触
    長さから補正された補正接触長さとされていることを特
    徴とする請求項1または2記載の印刷用ドクター刃摩耗
    検出装置。
JP491393A 1993-01-14 1993-01-14 印刷用ドクター刃摩耗検出装置 Pending JPH06210837A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102190379B1 (ko) * 2019-11-29 2020-12-11 주식회사 파코엔지니어링 강판용 연속 인쇄기

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