JPH0620995U - 三脚用中央固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 中央収容部５ならびに３本の固定アーム６を
備え、三脚が安定するように、三脚の支持脚を開いた位
置に保持する中央固定装置。固定アーム６は、内側末端
が三叉の星形関節部７に集まり、三叉の星形関節部の３
本のアーム中でそれぞれ軸８を中心にして旋回できるよ
うに軸受けされている。星形関節部７には、関節部の中
心軸を中心に回転できる蓋状の回転グリップ９が接続さ
れている。回転グリップ９の側壁は調節リング10として
形成され、星形関節部を取り囲み、星形関節部の個々の
アームの外壁上を横滑りできるように軸受けされてい
る。回転グリップの上側にはハンドグリップとして横棒
11がある。調節リング10は、その下側の、固定アーム６
の方を向いた縁部に複数の係止窪み16を備えている。 【効果】 三脚の支持脚の開きを簡単に、且つ迅速に固
定できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、三脚用中央固定装置（Mittelspinne）に関する。より詳細には、映 画撮影用カメラ、テレビカメラ等の大型のカメラに使用される三脚の中央固定装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば映画撮影カメラまたはテレビカメラを保持するために使用する三脚では 、特に起伏のある地形で三脚の支持脚を広げた位置で固定するために、いわゆる 中央固定装置を使用する。この中央固定装置は、３本の固定アーム(Spinnenarm) からなり、その外側の末端はそれぞれ三脚の各脚の内側に固定され、その内側末 端は三脚の縦軸で１点に向かって集まっている。三脚を中央固定装置と共に一つ に折りたたむことができるように、固定アームの外側末端は支持脚に、内側固定 アームは共通の保持ブロックに、一般的に水平軸を中心に旋回できるように取り 付けられている。

【０００３】 そのような中央固定装置により支持脚の開きを様々に調節できるようにするた めに、主として２種類の構成が公知である。 第一の構成では、固定アームは、三脚を開いた状態で一つの平面内にあり、そ の開きを調節するために、その長さを調節および固定することができるように、 例えば入れ子式アームとして形成されている。この中央固定装置構造の剛性を改 良するために、固定アームの内側末端がさらに、例えば固定板により、所定の位 置で固定されていることが多い。

【０００４】 第二の構成では、固定アームの内側末端が止めリングに接続されており、その 止めリングは三脚の中央柱に沿って移動することができ、その中央柱上で、例え ば止めねじにより異なった高さ位置に固定することができる。したがって、この 構造においては、三脚の開きは、主として３つの固定アームにより形成される「 ピラミッド」の頂点またはピラミッド基部の様々な角度により決定される。即ち 、三脚の開きは、固定アームと支持脚との間の、あるいは固定アームと中央柱と の間の様々な角度により決定される。さらに、固定アームは第１の構造における ように、その長さを調節することができる。

【０００５】 したがって、支持脚の開きを変える場合、第一の構成では３本の支持脚を新た に調節しなければならず面倒である。これに対して、第二の構成では、止めリン グを新しい位置に調節するだけでよいが、その場合、中央柱を備えた高価な三脚 が前提となる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、簡単な三脚においても支持脚の開きを簡単に、且つ迅速に固 定できる、新規な構成の中央固定装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この課題は、本考案に従う、外側末端が、それぞれ三脚の各支持脚に回転可能 に接続され、内側末端が、収容部中の１点に向かって集められて外側末端と同様 に回転可能に保持されている３本の固定アームを備えた、起伏のある地形上でも 三脚の支持脚を広げた位置に固定する三脚用の中央固定装置であって、固定アー ム（６）のための収容部（５）が、該固定アームの開き位置を調整する固定部（ 16）を備え、該固定部が、３本の固定アーム（６）を、異なった開き位置で、そ れぞれ等しい開き角度で保持することを特徴とする三脚用中央固定装置により解 決される。

【０００８】 本考案に従うと、固定アームの内側末端が１点に向かって集まり、回転できる ように軸受けされている保持ブロックに、固定アームのための固定部、即ち、取 り付け具があり、その取り付け具が固定アームを様々な角度位置に支持する。し たがって、この構成は原理的には、支持脚の開きが、固定アームにより形成され る「ピラミッド」の様々な角度により調節される上記の第二の構造に似ているが 、本考案では中央柱を備えた三脚は必要ない。

【０００９】

【作用】

保持ブロックおよび「ピラミッド先端」の固定部を形成するためには、多くの 構成が可能である。例えば保持ブロックに、個々の固定アームと係合する、長さ の異なる、係合および固定可能な係止部、長さの異なる複数の係止部を備えた回 転切換器、あるいはピラミッド角度を連続的に調節するためには、連続的な制御 曲線を備えた回転切換器等が可能である。

【００１０】 十分に実用的で、しかも頑丈な構造は、固定アームにより形成されるピラミッ ドの縦軸を中心にして回転でき、保持ブロックを取り囲むリング状側壁の下側に 複数の切り込みを備え、それらの切り込みが、３本の固定アームに対してそれぞ れ３つのグループで、複数の、例えば４つの異なった高さ位置に配置されており 、固定アームがそれらの切り込み中に嵌入するような回転グリップである。好ま しくは、この回転グリップは、蓋状になっており、保持ブロックを取り囲み、切 り込みが下側を向いた縁部に配置されており、その回転グリップの上側に、回転 グリップを回転させるためのハンドグリップを備えている。固定アームの旋回軸 はこの構造では保持ブロック中の回転グリップの内側にある。

【００１１】 中央固定装置の固定アームは、長さを変更して固定することができる、例えば 入れ子式のアームにすることができる。 本考案を添付の図面を参照しながら、実施例で詳細に説明する。

【００１２】

【実施例】

図１に、３本の折りたたみ可能で長さ調節できる支持脚２を備え、映画撮影カ メラまたはテレビカメラ用の旋回ヘッド３を有する三脚１を示す。三脚が安定す るように開いた支持脚２は、中央固定装置４により、その開いた位置に保持され ている。中央固定装置４は中央収容部５ならびに３本の固定アーム６を備えてい る。

【００１３】 図２および３で、固定アーム６は、内側末端が三叉の星形関節部７に集まり、 各固定アーム６は、三叉の星形関節部の３本のアーム中でそれぞれ軸８を中心に して旋回できるように軸受けされている。星形関節部７には、関節部の中心軸を 中心に回転できる蓋状の回転グリップ９が接続されている。回転グリップ９の側 壁は調節リング10として形成され、星形関節部を取り囲み、星形関節部の個々の アームの外壁上を横滑りできるように軸受けされている。回転グリップの上側に はハンドグリップとして横棒11がある。

【００１４】 固定アーム６は入れ子式アームであり、その長さは横棒を備えた止め装置12に より調節できる。各固定アーム６の外側末端は、受け入れスリット14を備えたフ ォーク13として形成され、ターンバックル15（図５参照）中に保持されて支持脚 ２に回転可能に接続することができる。

【００１５】 調節リング10は、その下側の、固定アーム６の方を向いた縁部に複数の係止窪 み16を備えている。その配置を、図４の調節リング10の内壁の一部分の展開図で 示す。図４において、一点鎖線までの部分が調節リングの周囲角度 120°に相当 し、したがって１本の固定アーム６に対応する。各固定アームに対して、調節リ ングの下縁部から見て、異なった深さａ、ｂ、ｃおよびｄを有する４個の係止窪 み16がある。この係止窪みの配置が周に沿って繰り返すので、一つの特定の深さ を有する係止窪みがそれぞれ３個のグループで存在する。固定アームは、深さｂ の係止窪みに対して破線で示すように、この係止窪みの中に嵌入することができ る。これらの係止窪みは、固定アームが深さａの係止窪みに嵌入すると固定アー ムは水平になり、深さｂの係止窪みに嵌入すると、水平面から30°の角度をなし 、深さｃの係止窪みに嵌入すると、水平面から40°の角度をなし、深さｄの係止 窪みに嵌入すると、水平面から50°の角度をなすように、その深さを段階付けて 変えてある。固定アームのはまり具合を良くするために、深さｂ、ｃおよびｄの 係止窪みには、固定アームの横断面で円形の上側が密接する傾きに相当する傾斜 17を付けてある。

【００１６】 固定アームのための個々の係止位置を簡単に調節し、各係止位置を再現するこ とができるようにするために、回転グリップ９と星形関節部７との間に、個々の 係止位置で星形関節の中で係止する球状係止部18がある。

【００１７】 三脚１の支持脚２の開き位置を変える場合、回転グリップ９を望ましい位置に 移動させるが、その位置で、星形関節部７の中で球状係止部18が係止する。無論 これは支持脚２を開いた状態でも行うことができ、その際、支持脚がその時点で 嵌入している係止窪みから外に出て、横棒11により調節リング10がさらに回転で きるようになるまで、支持脚は容易に折りたたむことができる。三脚１全体は、 組み込んだ中央固定装置４と共に、完全に折りたたみ、搬送することができる。 最大開き程度は、すべての固定アームがそれらの全長に伸び、水平面内にある時 に与えられる。

【００１８】 図５に、固定アーム６と支持脚２との関節接続を示す。長さを変えることがで きる支持脚２は、図１に示すように、それぞれ一対の支柱からなる上側部材およ び下側部材で構成される。２本の支柱21を備えた上側部材は、その下端を接続ブ リッジ22により閉じられており、接続ブリッジ22の中を、下側部材の支持脚対23 が伸びて接続されている。この接続ブリッジは、内側を向いた２個のフランジ24 を備え、その中に同軸の、ばねで支えた掛け金ボルト25が軸受けされている。掛 け金ボルト25は、フランジ24の中を横滑りする掛け金軸、外側に位置してフラン ジ24に対して圧力ばね29により支えられているハンドノブ28、および直径が掛け 金軸の直径よりも大きい掛け金円板30からなる。この掛け金円板は、圧力ばねが 伸びた状態では、フランジ24の内側に接している。

【００１９】 固定アーム６をターンバックル15中に設置するには、掛け金ボルト25を内側に 移動させ、フォーク13として形成された固定アームの、受け入れスリット14を備 えた末端が掛け金軸27の上に移動できるようにする。続いて掛け金ボルト25をゆ るめると、掛け金円板30が受け入れスリットの拡張された区域31内に入り込み、 それによって固定アームをロックする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る、３本の固定アームおよび中央回
転グリップからなる中央固定装置を備えた三脚の全体図
である。

【図２】固定アームを広げた中央固定装置の一部を示
す、部分切開平面図である。

【図３】回転グリップならびに固定アームの縦方向断面
図である。

【図４】回転グリップの側壁の展開図の一部である。

【図５】固定アームの外側末端のための固定部の、部分
切開図である。

【符号の説明】

１ 三脚 ２ 支持脚 ３ 旋回ヘッド ４ 中央固定装置 ５ 収容部 ６ 固定アーム ７ 星型関節部 ８ 軸 ９ 回転グリップ

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外側末端が、それぞれ三脚の各支持脚に
   回転可能に接続され、内側末端が、収容部中の１点に向
   かって集められて外側末端と同様に回転可能に保持され
   ている３本の固定アームを備えた、起伏のある地形上で
   も三脚の支持脚を広げた位置に固定する三脚用の中央固
   定装置であって、固定アーム（６）のための収容部
   （５）が、該固定アームの開き位置を調整する固定部
   （16）を備え、該固定部が、３本の固定アーム（６）
   を、異なった開き位置で、それぞれ等しい開き角度で保
   持することを特徴とする三脚用中央固定装置。
2. 【請求項２】 固定部（16）が、共通の回転グリップ
   （９）に配置されていることを特徴とする請求項１に記
   載の三脚用中央固定装置。
3. 【請求項３】 回転グリップ（９）が調節リング（10）
   を備え、該調節リングが、固定アーム（６）に対向する
   下側の縁部に、固定アーム（６）の固定部として深さの
   異なる複数の係止窪み（16）を備え、該係止窪みの中に
   固定アーム（６）が嵌入することを特徴とする請求項２
   に記載の三脚用中央固定装置。
4. 【請求項４】 回転グリップ（９）が、固定アーム
   （６）と反対側の上側にハンドクリップ（11）を備えて
   いることを特徴とする請求項２または３に記載の三脚用
   中央固定装置。
5. 【請求項５】 収容部（５）が、回転アーム（６）が固
   定されている星形関節部（７）および星形関節部（７）
   を取り囲む回転グリップ（９）を備え、回転グリップ
   （９）が固定アーム（６）のための固定部（16）を有す
   ることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載
   の三脚用中央固定装置。
6. 【請求項６】 固定アーム（６）が入れ子式アームであ
   ることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載
   の三脚用中央固定装置。
7. 【請求項７】 固定アーム（６）の外側末端が、不意に
   外れるのを防止するためのターンバックル（15）中に保
   持されて支持脚（２）に、固定されていることを特徴と
   する請求項１〜６のいずれか１項に記載の三脚用中央固
   定装置。
8. 【請求項８】 ターンバックル（15）が、フランジ（2
   7）中で同軸に軸受けされた、ばねにより支えられた２
   本の掛け金ボルト（25）を備え、該掛け金ボルトが、固
   定アーム（６）のフォーク状に形成された末端の受け入
   れスリット（14）内に嵌入し、固定アームを外れないよ
   うに保持することを特徴とする請求項７に記載の三脚用
   中央固定装置。