JPH06209279A - 移動通信模擬方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動通信システムのサービスエリアを推定す
る移動通信模擬方式に関し、手計算を必要としないよう
にする。 【構成】 地図データ、標高データ、地形データ、及び
建物データをメモリに用意し、地図データを画面に表示
した状態で１つ以上の基地局の位置を設定し、これと単
位メッシュ毎の該標高データと該地形データ及び建物デ
ータに基づいて基地局を中心とした電界強度プロフィー
ルを自動計算することにより基地局の位置を判定し必要
により該基地局の位置を修正する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は移動通信模擬方式に関
し、特に移動通信システムのサービスエリアを推定する
移動通信模擬方式に関するものである。

【０００２】移動通信システムにおける基地局のサービ
スエリアは、図７に示すように点在しているが、基地局
からの電波を移動局が確実に受信できるようにするため
にサービスエリア間に隙間が生じないようにすると共に
無駄なオーバーラップ状態を無くすことが望まれてい
る。

【０００３】

【従来の技術】従来の移動通信システムのサービスエリ
ア推定は、電波伝搬実験および手計算による理論計算を
行っていた。これを図８及び図９に示した手順（１）〜
（６）に従って以下に説明する。

【０００４】（１）まず、ＣＤ−ＲＯＭ等のメモリに記
憶されている地図データを画面ＤＰに表示した後、この
表示画面ＤＰの地図上に基地局ＢＳの位置を仮設定す
る。この場合、基地局ＢＳは簡易型無線（ＣＲＰ）シス
テムやＭＣＡシステムの場合は１局であり、自動車電話
や携帯電話システムの場合は複数局となる。 （２）次に、既に知られている標高データから電界強度
を電波伝搬損失理論式（奥村カーブ）により求め、その
プロフィール、即ち基地局ＢＳからの距離に対応した電
界強度曲線を、基地局ＢＳの周囲３６０°について例え
ば３０°刻みに１２枚作成しておく。 （３）更に、上記（２）の電界強度プロフィール（点
線）を、アンテナの種類により修正して実線で示す電界
強度プロフィールを作成する。 （４）また、上記（２）の電波伝搬損失に関しては標高
データから一定の規則性に基づいて電界強度プロフィー
ルを求めているが、実際には地形や存在する建物等によ
って電波伝搬損失が変化することがあるので補正が必要
であり、この補正データを500m×500mのメッシュを単位
として作成する。 （５）そして、上記（２）の電界強度プロフィールを上
記（４）の補正データに従って補正する。 （６）最後に、上記（５）で求めた電界強度プロフィー
ルを地図上に落とすことにより基地局ＢＳを中心とする
一定電界強度の分布曲線が得られる。

【０００５】このようにして得られた基地局ＢＳを中心
とするサービスエリアが、所望の地域をカバーしている
か、或いは隣接する基地局のサービスエリアとの関係が
正常であるかによって、基地局の位置を変更することに
より、最終的に最も好ましい位置を推定している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
移動通信模擬方式においては、手計算を行っており、多
くの時間及び人手を必要とすると共に正確さに欠けると
いう問題点があった。

【０００７】従って本発明では、これら諸問題を解決す
るため、手計算を必要としない移動通信模擬方式を実現
することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】図１は上記の目的を達成
するための本発明に係る移動通信模擬方式を原理的に示
したもので、地図データ、標高データ、地形データ、及
び建物データを格納したメモリ１と、該地図データを一
画面分のデータとして該メモリ１から取り出すと共に他
のデータを単位メッシュ毎のデータとするデータ処理部
２と、該データ処理部２からの該地図データを処理して
表示画面４上に地図表示を行うコンピュータグラフィッ
ク処理部３と、基地局データを入力する入力手段５と、
該標高データと該基地局データとから該単位メッシュ毎
の電界強度プロフィールを計算すると共に該電界強度プ
ロフィールを該地形データ及び建物データに基づいて補
正計算する電界強度計算処理部６とを備え、該コンピュ
ータグラフィック処理部３が該電界強度計算処理部６で
求めた該電界強度データを該表示画面４に表示した地図
上に上書き表示し、この表示画面４に基づいて該入力手
段５より該基地局の位置を修正することを特徴としたも
のである。

【０００９】また本発明では、該基地局データに、基地
局がオムニ構成であるかセクタ構成であるかを示すデー
タを含ませることができる。

【００１０】更に本発明では、該基地局データに周波数
群番号を含ませ、該基地局の位置を修正するときに該周
波数群番号も必要に応じて修正するようにしてもよい。

【００１１】

【作用】図１において、まず、データ処理部２が地図デ
ータをメモリ１から必要な一画面分取り出し、コンピュ
ータグラフィック処理部３により表示画面４上に地図の
表示を行う。

【００１２】次に、標高データと地形データと建物デー
タをメモリ１からそれぞれデータ処理部４により単位メ
ッシュ毎に取り出して電界強度計算処理部６に与える
と、この電界強度計算処理部６では、入力手段５から入
力された基地局データを基に上記の公知の電波伝搬損失
理論式（奥村カーブ）を使用して電界強度計算を行い電
界強度プロフィールを求める。

【００１３】この時の基地局データには、システム構成
としてオムニ構成であるか又はセクタ構成であるか、或
いは周波数群番号の割り付けを行うことができる。

【００１４】また、電界強度計算処理部６では、上記に
求めた電界強度データ（プロフィール）を更に地形デー
タ及び建物データにより補正する。

【００１５】そして、このように補正された電界強度デ
ータをコンピュータグラフィック処理部３を介して表示
画面４に出力する。このとき、初めに表示された地図を
消すこと無く、その上に表示される。

【００１６】これにより移動通信システムにおける基地
局のサービスエリアが適当であるか否かを判定すること
ができ、ＣＲＰ（簡易型無線携帯無線）システムやＭＣ
Ａ（マルチチャネルアクセス）システム等の基地局が１
局でよいシステムの場合には、その基地局のサービスエ
リアが望ましい範囲をカバーしていなければ、入力手段
５により基地局のデータを変更して基地局の位置を最適
な位置に移動させることができる。

【００１７】また、自動車電話や携帯電話システムの場
合には、そのサービスエリア間に隙間が空いていない
か、或いはオーバーラップしていないかを判定して、例
えば図６に示したように基地局の位置を最適な位置に移
動させることとなる。

【００１８】このようにして本発明では、手計算を用い
ずに基地局の位置設定を正確に行うことができ、最適な
移動無線システムの設計を図ることができる。

【００１９】

【実施例】図２は本発明に係る移動通信模擬方式の実施
例を示したものであり、この実施例では、図１に示した
メモリ１が、地図データを格納した磁気テープ１ａと、
標高データを格納した磁気テープ１ｂと、地形データを
格納した磁気テープ１ｃと、建物データを格納した磁気
テープ１ｄとで構成されている。

【００２０】また、データ処理部２は、磁気テープ１ａ
から１画面分の地図データを取り出す地図データ処理部
２ａと、磁気テープ１ｂから単位メッシュ(250m ×250
m) 毎の標高データを取り出す標高データ処理部２ｂ
と、磁気テープ１ｃから単位メッシュ毎の地形データを
取り出す地形データ処理部２ｃと、磁気テープ１ｄから
単位メッシュ毎の建物データを建物占有率データとして
取り出す建物データ処理部２ｄとで構成されている。

【００２１】更に、表示画面４は、電界強度分布画面４
ａ、鳥瞰画面４ｂ、及び断面画面４ｃとを含んでおり、
入力手段５はキーボード５ａとコマンド処理部５ｂとで
構成されている。尚、図中、７は表示画面４に表示され
た図として出力されるハードコピーである。

【００２２】次に図２に示した実施例の動作を図３乃至
図６を参照して説明する。

【００２３】実施例（ＣＲＰ／ＭＣＡシステムの場
合） 図３は、基地局が１個設定される簡易型無線携帯電話
（ＣＲＰ）システム又はマルチチャネルアクセス（ＭＡ
Ｃ）システムに図２に示す実施例を適用した場合の動作
を説明するためのフローチャートを示したものである。

【００２４】まず、データ処理部２における地図データ
処理部２ａは磁気テープ１ａの地図データを１画面分の
シミュレート場所（メッシュ(10Km ×10Km) 番号で指
定）を読み出し（ステップＳ１）、コンピュータグラフ
ィック処理部３を介して画面４ａに地図（道路、鉄道、
行政界、河川）を表示する（同Ｓ２）。

【００２５】次に、地図表示された画面４ａ上で基地局
データとしての基地局の位置をキーボード５ａ（又はマ
ウスクリック）よりコマンド処理部５ｂを介して指定す
る（同Ｓ３）。これにより、コンピュータグラフィック
処理部３を介して画面４ａに１つの基地局が指定され
る。

【００２６】また、その他の基地局データとして、基地
局アンテナ高、周波数、送信出力、アンテナ利得、移動
局アンテナ高等を指定する（同Ｓ４）。尚、これらの基
地局データは、初期値として予め設定しておいてもよ
い。

【００２７】次に、磁気テープ１ｂ〜１ｄに格納されて
いる標高データ、地形データ、及び建物データをそれぞ
れ処理部２ｂ〜２ｄにより単位メッシュ(250m ×250 m)
毎に読み出して電界強度計算処理部６に与える。

【００２８】電界強度計算処理部６では、まず標高デー
タと基地局の位置とにより単位メッシュの電界強度計算
を上記の電波伝搬損失理論式により行って電界強度プロ
フィールを求める。

【００２９】そして更に、この電界強度プロフィールを
上記の地形データ及び建物データに基づいて補正するこ
とにより、最終的に図９（５）に示したような電界強度
プロフィールが得られる（同Ｓ５）。

【００３０】そして、このような電界強度の計算結果の
表示を行う（同Ｓ６）。この場合の表示の種類として
は、図４に示すような電界強度分布画面４ａ（単位メッ
シュ毎の色塗り潰し、等電界強度曲線）である。

【００３１】また、補助機能として、指定領域の拡大表
示、鳥瞰画面４ｂ（標高、標高＋電界強度）、断面画面
４ｃ（基地局−指定位置間の標高、電界強度）、指定点
の電界強度表示等がある。

【００３２】以上の手順でシミュレーションを行い、基
地局の位置を種々変化させる修正を行うことにより（同
Ｓ７）、基地局の最適な位置を推定することが可能とな
る。

【００３３】実施例（自動車電話／携帯電話システム
の場合） 図５は基地局が複数個設定される自動車電話／携帯電話
システムに図２に示す実施例を適用した場合の動作を説
明するためのフローチャートを示したものである。

【００３４】この図５のフローチャートは、図示のよう
に図３のフローチャートにおけるステップＳ３をステッ
プＳ３Ａ及びＳ３Ｂにした点が異なっており、以下に説
明する。

【００３５】即ち、図３の実施例と同様に、シミュレー
ト場所の地図を読み込み、画面に地図を表示した後（ス
テップＳ１，Ｓ２）、地図表示された画面上に基地局位
置を手動（マウスクリック、緯度・経度入力）又は自動
（設定範囲、セル半径、繰り返しゾーン数を設定）設定
で行う（同Ｓ３Ａ）。この時、基地局のシステム構成
（オムニ構成／セクタ構成）の設定も行っておく（同Ｓ
３Ｂ）。

【００３６】＜基地局位置設定方法＞ここで基地局の自
動位置設定方法について説明すると、従来、基地局位置
設定は図３でも用いたように手動（マウスクリック、緯
度・経度入力）による設定方法が取られていたが、自動
車電話等において広範囲における多数基地局を設定（基
地局の位置、基地局の周波数群番号の割り付け）する場
合、多くの時間と、オペレータの違いによる差が生じ得
る。

【００３７】このため、以下の方法により基地局の設定
を行う。 (1) 基地局の位置設定を行う範囲を指定する。左下／右
上の２ヵ所をマウスクリックにより行う。 (2) 基地局間距離（セル半径）を入力する。 (3) 周波数繰り返し数を指定する。繰り返しゾーン内の
周波数群の数を入力する。 (4) 以上(1) 〜(3) の処理を行う事により基地局の位置
が設定され、また周波数繰り返し数に該当するデータベ
ース（周波数パターン）により周波数群番号を割り付け
る。 (5) 又、基地局システム構成としてオムニ構成（全方向
特性）か又はセクタ構成（指向特性）かを選択する。

【００３８】このようにして基地局の指定を行った後、
図３の場合と同様に、基地局データ（アンテナ種類、ア
ンテナチルト角等）を指定し（同Ｓ４）、以上のデータ
より電界強度計算を行い、また、各基地局間の干渉（同
一周波数干渉、隣接周波数干渉）の計算も行う（同Ｓ
５）。

【００３９】計算結果の表示は、サービスエリア図、干
渉エリア図として行い、また、機能として指定点の電界
強度の表示（基地局毎の電界強度）、指定領域の拡大も
可能である（同Ｓ６）。

【００４０】そして、基地局の位置を種々変化させる修
正を行うことにより（同Ｓ７）、最終的に図６に示すよ
うな複数の基地局の最適な位置を推定することが可能と
なる。

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る移動
通信模擬方式によれば、地図データ、標高データ、地形
データ、及び建物データをメモリに用意し、地図データ
を画面に表示した状態で１つ以上の基地局の位置を設定
し、これと単位メッシュ毎の該標高データと該地形デー
タ及び建物データに基づいて基地局を中心とした電界強
度プロフィールを自動計算することにより基地局の位置
を判定し必要により該基地局の位置を修正するように構
成したので、基地局の設置を単位メッシュ毎に正確に且
つ効率的に手計算によらずに行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る移動通信模擬方式を原理的に示し
たブロック図である。

【図２】本発明に係る移動通信模擬方式の実施例を示し
たブロック図である。

【図３】本発明に係る移動通信模擬方式をＣＲＰ／ＭＣ
Ａシステムに適用した実施例のサービスエリア推定のフ
ローチャート図である。

【図４】図３の実施例によりシミュレートされた電界強
度分布を示した図である。

【図５】本発明に係る移動通信模擬方式を自動車電話／
携帯電話システムに適用した場合のサービスエリア推定
のフローチャート図である。

【図６】図５の実施例によりシミュレートされた複数の
基地局の最適な配置を示した図である。

【図７】複数の基地局によるサービスエリアを示した図
である。

【図８】従来例の説明図（その１）である。

【図９】従来例の説明図（その２）である。

【符号の説明】

１ メモリ ２ データ処理部 ３ コンピュータグラフィック処理部 ４ 表示画面 ５ 入力手段 ６ 電界強度計算処理部 図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地図データ、標高データ、地形データ、
   及び建物データを格納したメモリ(1) と、 該地図データを所望の一画面分のデータとして該メモリ
   (1) から取り出すと共に他のデータを単位メッシュ毎の
   データとするデータ処理部(2) と、 該データ処理部(2) からの該地図データを処理して表示
   画面(4) 上に地図表示を行うコンピュータグラフィック
   処理部(3) と、 基地局データを入力する入力手段(5) と、 該標高データと該基地局データとから該単位メッシュ毎
   の電界強度プロフィールを計算すると共に該電界強度プ
   ロフィールを該地形データ及び建物データに基づいて補
   正計算する電界強度計算処理部(6) と、 を備え、該コンピュータグラフィック処理部(3) が該電
   界強度計算処理部(6)で求めた該電界強度データを該表
   示画面(4) に表示した地図上に上書き表示し、この表示
   画面(4) に基づいて該入力手段(5) より該基地局の位置
   を修正することを特徴とした移動通信模擬方式。
2. 【請求項２】 該基地局データとして、基地局がオムニ
   構成であるかセクタ構成であるかを示すデータを含んで
   いることを特徴とした請求項１に記載の移動通信模擬方
   式。
3. 【請求項３】 該基地局データとして、周波数群番号を
   含んでおり、該基地局の位置を修正するときに該周波数
   群番号も必要に応じて修正することを特徴とした請求項
   １又は２に記載の移動通信模擬方式。