JPH0620880A - 電解コンデンサ用陽極材料の製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ用陽極材料の製造方法

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JPH0620880A
JPH0620880A JP4632791A JP4632791A JPH0620880A JP H0620880 A JPH0620880 A JP H0620880A JP 4632791 A JP4632791 A JP 4632791A JP 4632791 A JP4632791 A JP 4632791A JP H0620880 A JPH0620880 A JP H0620880A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、大容量の電解コンデンサを得るた
めに、単ロール法によって得られる急冷凝固箔を用い、
クラッド後熱処理を施すことによって更に優れた静電容
量を有する陽極材料を提供する。 【構成】 本発明は芯材の少なくとも一面に、急冷凝固
箔を1枚(層)或いは複数枚(層)重ね合わせ、これら
を接合して形成するクラッド材を、200℃〜660℃
の範囲で熱処理することを特徴とする。 【効果】 このように急冷凝固合金箔をエッチングに支
障ないように多層に積層圧着したクラッド箔を熱処理す
ることにより、静電容量の極めて大きい陽極材料を得る
ことができ、電解コンデンサを一層高性能に成し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、急冷凝固箔、特に単ロ
ール法によって製造する急冷凝固箔を複数重ね合わせて
芯材に積層した極めて高い静電容量を有する電解コンデ
ンサ用の陽極材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサ電極用材料は、静電容量
を高めるために電解エッチング処理で粗面化して表面積
を拡大すると共に陽極酸化処理をして絶縁皮膜を形成す
る。
【0003】即ち、大容量のコンデンサを製造するに
は、電極材料の表面積を大きくし、また、薄く、かつ絶
縁性のよい皮膜を表面に形成することが、必要とされて
いる。従来用いられているAl箔は、これを酸化処理し
てAl2 3 皮膜を生成させるが、Al2 3 の誘電率
は、他の金属例えばTaやTiの酸化皮膜(Ta2 5
やTiO2 )に比べてそれほど高くない。そのため機械
的手段あるいは電気化学的なエッチング方法によって、
表面積を増大すると共に一方で酸化皮膜の形成に、陽極
化成処理を改善し、静電容量を高める試みも行われてい
るが、これらの方法によっても、十分に高い特性改善に
は至っていない。
【0004】近時、陽極材料として、純Alに他の合金
元素(いわゆるバルブメタル)を加えた合金を使用し、
この合金を急冷凝固法で製造することにより、大容量の
電解コンデンサを得ることを、例えば特開平1−124
212号公報で開示している。これには、Al中に、T
i、Ta、Zr、HfおよびNbなどのバルブメタルの
少くとも1種を含み、これらのバルブメタルと、Alと
の金属間化合物を微細に分散析出させた合金箔電極を提
示している。
【0005】このような合金箔に析出する金属間化合物
は硬く、合金箔の延性を低下させる。特に静電容量確保
のため、合金元素添加量を増加させると、この傾向が大
きくなり、電解コンデンサ電極材(箔)の重要な特性の
一つである折り曲げ強度が低下するという問題が生じ
る。
【0006】この曲げ強度を改良するために、Al箔を
芯材とし、急冷凝固法で製造したAl合金箔を両側に積
層した電解コンデンサ用電極材料が特開平1−2902
17号公報に開示されている。
【0007】上記公報に開示された発明によれば、それ
なりの高い特性が得られているが、電極表面積を更に大
きくすれば静電容量を増加することができる。そのため
には電極構成の厚さを大きくし、エッチング深さを十分
にとって表面積の増大を図らなければならない。しかし
単ロール法によって製造される急冷凝固箔を、電極材に
適する微細な凝固組織にして、即ち、冷却速度を大きく
したままで厚さを大きくするには限度があり、従って表
面積の増加には、自ずから制約がある。
【0008】本発明者等はこのような現状に鑑み、単ロ
ール法によって得られる急冷凝固箔の箔厚さを最大限に
し得る範囲内において、急冷凝固箔のロール面側に生成
する難腐食性の固溶相を除去して重ねるか、自由面(ロ
ール面の反対側)同志を重ねて複数積層とし、厚さを大
きくすると共にエッチングを容易にしたことにより優れ
た特性を有する電解コンデンサ用陽極材料を開発し、別
途提案している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この分野にお
いては更に大容量の電解コンデンサを得るために、高い
特性の電極材料が要望されている。本発明は、これに応
えるべく更に優れた静電容量を有する陽極材料を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下の構成を要旨とする。即ち、芯材の少
なくとも一面に、急冷凝固箔を1枚(層)あるいは複数
枚(層)重ね合わせ、これらを接合して形成するクラッ
ド材を、200℃〜660℃の範囲で熱処理することを
特徴とする電解コンデンサの陽極材料の製造方法であ
り、又上記芯材はアルミニウムよりなり、急冷凝固箔は
アルミニウム合金よりなる構成とするのがよい。
【0011】なお、本発明においては、単ロール法によ
って製造する急冷凝固箔を芯材に複数積層する場合に、
前記したような中間層に位置する急冷凝固箔のロール面
における難腐食性の固溶相を除去して重ねる(片面3層
以上の場合)か、自由面(ロール面の反対側)同志を重
ねる(片面2層の場合)事が好ましく、これによって、
エッチング深度を大きくできる。
【0012】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の対象
とする急冷凝固箔は、Alをベースにし、これにTi,
Zr,Hf及びTa,Nb等のバルブメタルの少なくと
も1種を含む合金であり、これらのバルブメタルとAl
との金属間化合物が微細に析出している。
【0013】この急冷凝固箔は、一つの高速に回転する
ロール表面に、容器内に収容している前記合金の溶湯を
噴出し、ロールの回転力で急冷されて箔と成るが、この
箔形成の際に、ロールに接触するロール面は箔表面側
(自由面)よりも冷却速度が速く、エッチングしにくい
固溶相が生成する。そしてロール面より自由面に向って
前記金属間化合物が晶出した凝固組織が発達し微細に形
成される。この様な組織を有する急冷凝固箔を単ロール
法で製造するには冷却速度を早くしなければならず、即
ち、ロールの回転速度を高速(表面速度で10m/秒以
上)にするため、ロールと溶湯噴射ノズルとのギャップ
など微妙な調整が必要であり、従って箔厚をそれ程大き
くすることができず、せいぜい100μm程度である。
【0014】表面積を増大するために、急冷凝固箔はエ
ッチングされるが、自由面ではAl地が多く露出してい
るためこれを腐食し、次第に広がって、単に箔厚を薄く
するに止り表面積拡大が期待できないのに対して、ロー
ル面では固溶相が腐食のバリヤーになり、固溶相間に露
出するAl地が腐食孔となってエッチングが奥深く、し
かも、微細に晶出した凝固組織に沿って進行するため
に、表面積の増大が顕著になる。
【0015】従って、この様な急冷凝固箔の各面の特性
を活用し、芯材の少なくとも一面を2層に積層する場合
は、自由面を向かい合わせ、3層以上にする場合は、中
間層の箔のロール面固溶相を除去して用いること、即
ち、積層する急冷凝固箔の最表面と最下面(芯材戸の接
触面)がロール面となるように配置し、内部がエッチン
グの進行しやすい構成とすることが好ましい。
【0016】積層の方法は、芯材と急冷凝固合金箔とを
加熱圧着や圧延等既に知られている手段で実施すればよ
く、これらがエッチングや加工によって剥離しないよう
密に接着すればいずれの方法を採用してもよい。
【0017】本発明は、この様に構成にした(芯材の両
面あるいは片面に急冷凝固箔1層積層の場合を包含する
ことは勿論である。)クラッド材を200〜660℃の
範囲で熱処理することに最大の特徴がある。
【0018】図1は、熱処理温度とCV積の関係を示
す。即ち、1600rpm で回転する300mm径のロール
上に溶湯を噴出して製造した2種の急冷凝固合金箔、A
l−8wt%Ti,Al−18wt%Zrの夫々を、純Al
芯材の各面に2枚ずつ互いの自由面を重ね合わせるよう
に配置し、圧延してクラッド箔とし、これらを50℃か
ら630℃の各温度で1時間熱処理を施した。次いでエ
ッチング(6%塩酸溶液)と化成(ホウ酸溶液)を行
い、静電容量と皮膜耐圧を測定した結果をCV積で示し
ている。図から明らかのように、200℃を越えるとC
V積は顕著に向上することがわかる。また660℃を越
えるとAlが溶融し始めるため好ましくない。そのため
本発明は200〜660℃の温度限定を設けた。
【0019】上記熱処理後、本発明クラッド材は、エッ
チング処理に付されるが、上述したような多層積層すれ
ば、エッチングは表層−中間層−内層へと奥深くまで達
し、芯材1と急冷凝固合金箔2b,2dとの境界には、
それぞれの合金箔2b,2dに形成された固溶層が存在
するため、そこまでエッチングが進行してもこれによっ
て阻止される。本発明は、この様にクラッド材の熱処理
により静電容量を大いに向上でき、更に、エッチングし
易い多層構成とすれば熱処理との相乗効果が生じ、この
特性向上をより顕著にする。
【0020】
【実施例】Al−8wt%Ti,Al−18wt%Z
r,Al−20wt%Hfの成分よりなる3種の合金を
溶かし、この溶湯を1600rpm で回転している直径3
00mmの単ロール上に噴出して急冷凝固箔を製造した。
この急冷凝固箔を200mmに切断し、同一成分の合金箔
4枚及び6枚を、図2及び図3に示すように200μm
厚の純Alを芯材1として、その表裏に2枚づつ5層
(2a,2c,1,2d,2f)及び3枚づつ7層(2
a,2b,2c,1,2d,2e,2f)に重ねて圧下
率ほぼ10%でロール圧延し、表1に示した厚さのクラ
ッド箔にした。この際、中間層となる合金箔2b,2e
については、ロール面をエメリー紙(#240)で研磨
して、該面の固溶相を除去し、この除去面Gと最内層合
金箔2c,2dの自由面Fとが接合し、最表面及び芯材
接触面にロール面Rとなるように配置した。
【0021】これらの各クラッド箔を、[A]空気中5
00℃×1hr、[B]真空中500℃×1hrの条件
で熱処理をした後、6%塩酸溶液(電気量は表1記載)
でエッチングし、ホウ酸溶液によって20Vの化成を行
い、静電容量及び皮膜耐圧を測定した。その結果を表1
に示す。
【0022】比較例として、上記本発明に対応するこれ
らと同一成分の各急冷凝固箔2を用い、本発明と同様構
成のクラッド箔とし、熱処理を実施しないで同様のエッ
チング及び化成を施した。静電容量及び皮膜耐圧の測定
結果を表1に併記した。
【0023】表1の結果から分かるように、本発明例は
何れも極めて優れた静電容量を示し、CV積が顕著に増
大している。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、芯材の
一面あるいは両面に、単ロール法で製造した急冷凝固合
金箔を積層してクラッド箔とし、あるいはエッチングに
支障のないように多層に積層圧着したクラッド箔を熱処
理することにより、静電容量の極めて大きい陽極材料を
得ることができ、電解コンデンサを一層高性能に成し得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】クラッド箔の熱処理温度とCV積の関係を示す
【図2】本発明陽極用材料の横断面を示す実施例であ
る。
【図3】本発明の陽極用材料の横断面を示す他の実施例
である。
【符号の説明】
1:芯材 2:急冷凝固(合金)箔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材の少なくとも一面に、急冷凝固箔を
    1枚あるいは複数枚重ね合わせ、これらを接合して形成
    するクラッド材を、200℃〜660℃の範囲で熱処理
    することを特徴とする電解コンデンサの陽極材料の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウムよりなる芯材と、アルミニ
    ウム合金よりなる急冷凝固箔で構成されることを特徴と
    する請求項1記載の高静電容量化電解コンデンサの陽極
    材料。
JP3046327A 1991-03-12 1991-03-12 電解コンデンサ用陽極材料の製造方法 Expired - Lifetime JP2713507B2 (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH01290217A (ja) * 1988-05-18 1989-11-22 Nippon Steel Corp 電解コンデンサ用電極材料およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH01290217A (ja) * 1988-05-18 1989-11-22 Nippon Steel Corp 電解コンデンサ用電極材料およびその製造方法

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