JPH05335188A - 電解コンデンサ電極用積層材料の製造方法 - Google Patents
電解コンデンサ電極用積層材料の製造方法Info
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- JPH05335188A JPH05335188A JP4009783A JP978392A JPH05335188A JP H05335188 A JPH05335188 A JP H05335188A JP 4009783 A JP4009783 A JP 4009783A JP 978392 A JP978392 A JP 978392A JP H05335188 A JPH05335188 A JP H05335188A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/10—Greenhouse gas [GHG] capture, material saving, heat recovery or other energy efficient measures, e.g. motor control, characterised by manufacturing processes, e.g. for rolling metal or metal working
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- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
- Metal Rolling (AREA)
- Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、加熱した急冷凝固Al合金箔を積
層圧延する際に十分な保熱を行うことによって、金属間
化合物の晶出した凝固組織のアームを破壊することな
く、またマトリックスであるAlが動的再結晶し、結晶
内部に歪みが残らないようにして、高い静電容量を有す
る電解コンデンサ電極用積層材料の製造方法を提供す
る。 【構成】 本発明は、微細な金属間化合物を晶出した凝
固組織を有する急冷凝固Al合金箔を複数枚積層し圧延
するに際し、該Al合金箔を保熱材でカバーしたり、加
熱ロールを用いる等の手段で300〜600℃に保熱し
ながら圧延することを特徴とする。 【効果】 本発明により、静電容量の極めて大きい陽極
材料とすることができ、電解コンデンサを高性能化す
る。
層圧延する際に十分な保熱を行うことによって、金属間
化合物の晶出した凝固組織のアームを破壊することな
く、またマトリックスであるAlが動的再結晶し、結晶
内部に歪みが残らないようにして、高い静電容量を有す
る電解コンデンサ電極用積層材料の製造方法を提供す
る。 【構成】 本発明は、微細な金属間化合物を晶出した凝
固組織を有する急冷凝固Al合金箔を複数枚積層し圧延
するに際し、該Al合金箔を保熱材でカバーしたり、加
熱ロールを用いる等の手段で300〜600℃に保熱し
ながら圧延することを特徴とする。 【効果】 本発明により、静電容量の極めて大きい陽極
材料とすることができ、電解コンデンサを高性能化す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い静電容量を有する
電解コンデンサの電極用材料として、急冷凝固法により
製造したAl合金箔を複数重ね合わせて芯材に積層し、
これを圧延して製造する方法に関するものである。
電解コンデンサの電極用材料として、急冷凝固法により
製造したAl合金箔を複数重ね合わせて芯材に積層し、
これを圧延して製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサ電極用材料は、電解エッ
チング処理で表面を粗面化し、実効表面積を拡大した上
に陽極酸化処理で絶縁皮膜を形成することにより静電容
量を高め、大容量化をはかっている。即ち、大容量のコ
ンデンサを製造するには、電極材料の表面積を大きく
し、また、薄く、且つ絶縁性のよい皮膜を表面に形成す
ることが、必要とされている。
チング処理で表面を粗面化し、実効表面積を拡大した上
に陽極酸化処理で絶縁皮膜を形成することにより静電容
量を高め、大容量化をはかっている。即ち、大容量のコ
ンデンサを製造するには、電極材料の表面積を大きく
し、また、薄く、且つ絶縁性のよい皮膜を表面に形成す
ることが、必要とされている。
【0003】従来電極用材料としては、比較的製造し易
いAl箔が用いられている。このAl箔を酸化処理する
とAl2 O3 皮膜が生成するが、Al2 O3 の誘電率
は、他の金属、例えばTaやTi等の酸化皮膜(Ta2
O5 やTiO2 )に比べてそれほど高くない。そのため
機械的手段あるいは電気化学的なエッチング方法によっ
て、表面積を増大すると共に、一方で酸化皮膜の形成す
る陽極化成処理法を改善するなどして、静電容量を高め
る試みも行われているが、これらの方法によっても、十
分に高い特性改善には至っていない。
いAl箔が用いられている。このAl箔を酸化処理する
とAl2 O3 皮膜が生成するが、Al2 O3 の誘電率
は、他の金属、例えばTaやTi等の酸化皮膜(Ta2
O5 やTiO2 )に比べてそれほど高くない。そのため
機械的手段あるいは電気化学的なエッチング方法によっ
て、表面積を増大すると共に、一方で酸化皮膜の形成す
る陽極化成処理法を改善するなどして、静電容量を高め
る試みも行われているが、これらの方法によっても、十
分に高い特性改善には至っていない。
【0004】近時、陽極材料として、純Alに他の合金
元素(いわゆるバルブメタル)を加えたAl合金を使用
し、この合金を急冷凝固法で製造することにより、大容
量の電解コンデンサを得ることを、例えば特開平1−1
24212号公報で開示している。これには、Al中
に、Ti、Ta、Zr、HfおよびNbなどのバルブメ
タルの少くとも1種を含み、これらのバルブメタルと、
Alとの金属間化合物を微細に分散析出させた合金箔電
極を提示している。
元素(いわゆるバルブメタル)を加えたAl合金を使用
し、この合金を急冷凝固法で製造することにより、大容
量の電解コンデンサを得ることを、例えば特開平1−1
24212号公報で開示している。これには、Al中
に、Ti、Ta、Zr、HfおよびNbなどのバルブメ
タルの少くとも1種を含み、これらのバルブメタルと、
Alとの金属間化合物を微細に分散析出させた合金箔電
極を提示している。
【0005】しかしながら、このような合金箔に析出す
る金属間化合物は硬く、合金箔の延性を低下させる。特
に静電容量確保のため、合金元素添加量を増加させる
と、この傾向が大きくなり、電解コンデンサ電極材の重
要な特性の一つである折り曲げ強度が低下するという問
題が生じる。
る金属間化合物は硬く、合金箔の延性を低下させる。特
に静電容量確保のため、合金元素添加量を増加させる
と、この傾向が大きくなり、電解コンデンサ電極材の重
要な特性の一つである折り曲げ強度が低下するという問
題が生じる。
【0006】この曲げ強度を改良するために、特開平1
−290217号公報にはAl箔を芯材とし、その両側
に急冷凝固Al合金箔を積層圧延して製造すること、特
に合金添加量の多い場合には、該箔を600℃以下の温
度に加熱して圧延することを開示している。
−290217号公報にはAl箔を芯材とし、その両側
に急冷凝固Al合金箔を積層圧延して製造すること、特
に合金添加量の多い場合には、該箔を600℃以下の温
度に加熱して圧延することを開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】単ロール法によって製
造する急冷凝固合金箔には、ロールと接触するロール面
より反対側の自由面に向かって微細な金属間化合物がデ
ンドライト状に晶出した凝固組織が発達形成されている
が、この金属間化合物は硬くて脆い。このため積層材の
様に圧下加工を加えるとデンドライトのアームが折損す
る。特に常温加工の場合にはそれが著しく、またマトリ
ックスに加工歪みが残留するため、このような状態でエ
ッチングを施すと、折れたアームが脱離し、また歪みに
沿ってエッチングが進行する結果凝固組織を分断分離す
ることが起こり、エッチングによる実効表面積の拡大効
果を妨げることになる。前記特開平1−290217号
公報開示のように、加熱した合金箔を積層圧延すること
は凝固組織の破損緩和に役立つが、箔厚は高々100μ
mと薄いため、常温近傍のロールで圧延を行うと、ロー
ル噛込みと同時に箔からの抜熱が大きく結局は同様の結
果がもたらされる。
造する急冷凝固合金箔には、ロールと接触するロール面
より反対側の自由面に向かって微細な金属間化合物がデ
ンドライト状に晶出した凝固組織が発達形成されている
が、この金属間化合物は硬くて脆い。このため積層材の
様に圧下加工を加えるとデンドライトのアームが折損す
る。特に常温加工の場合にはそれが著しく、またマトリ
ックスに加工歪みが残留するため、このような状態でエ
ッチングを施すと、折れたアームが脱離し、また歪みに
沿ってエッチングが進行する結果凝固組織を分断分離す
ることが起こり、エッチングによる実効表面積の拡大効
果を妨げることになる。前記特開平1−290217号
公報開示のように、加熱した合金箔を積層圧延すること
は凝固組織の破損緩和に役立つが、箔厚は高々100μ
mと薄いため、常温近傍のロールで圧延を行うと、ロー
ル噛込みと同時に箔からの抜熱が大きく結局は同様の結
果がもたらされる。
【0008】本発明は、この様な問題点を解消するもの
であり、加熱した急冷凝固Al合金箔を積層圧延する際
に十分な保熱を行うことによって、デンドライトのアー
ムを破壊することなく、またマトリックスであるAlに
歪みが残らないようにして、高い静電容量を有する電解
コンデンサ電極用積層材料の製造方法を提供することを
目的とする。
であり、加熱した急冷凝固Al合金箔を積層圧延する際
に十分な保熱を行うことによって、デンドライトのアー
ムを破壊することなく、またマトリックスであるAlに
歪みが残らないようにして、高い静電容量を有する電解
コンデンサ電極用積層材料の製造方法を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下の構成を要旨とする。すなわち、微細
な金属間化合物を晶出した凝固組織を有する急冷凝固A
l合金箔(以下Al合金箔という。)を複数枚積層し圧
延するに際し、該積層するAl合金箔を300〜600
℃、好ましくは400℃〜500℃に保熱しながら圧延
することを特徴とする電解コンデンサ電極用積層材料の
製造方法であり、この際、積層するAl合金箔を、その
上下面を熱伝導率の小さい保熱材で被覆すると共に該材
料の外面を加熱し、保熱しながら圧延すること、或いは
積層するAl合金箔を、加熱したロールで圧延する方法
を採用することが好ましい。
に、本発明は以下の構成を要旨とする。すなわち、微細
な金属間化合物を晶出した凝固組織を有する急冷凝固A
l合金箔(以下Al合金箔という。)を複数枚積層し圧
延するに際し、該積層するAl合金箔を300〜600
℃、好ましくは400℃〜500℃に保熱しながら圧延
することを特徴とする電解コンデンサ電極用積層材料の
製造方法であり、この際、積層するAl合金箔を、その
上下面を熱伝導率の小さい保熱材で被覆すると共に該材
料の外面を加熱し、保熱しながら圧延すること、或いは
積層するAl合金箔を、加熱したロールで圧延する方法
を採用することが好ましい。
【0010】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の対象
とする凝固箔は、Alをベースにし、これにTi,Z
r,Hf及びTa,Nb等のバルブメタルの少なくとも
1種を含む合金であり、これらのバルブメタルとAlと
の金属間化合物がデンドライト状に微細に晶出した凝固
組織を有している。
とする凝固箔は、Alをベースにし、これにTi,Z
r,Hf及びTa,Nb等のバルブメタルの少なくとも
1種を含む合金であり、これらのバルブメタルとAlと
の金属間化合物がデンドライト状に微細に晶出した凝固
組織を有している。
【0011】この様な凝固箔は、単ロール法により、即
ち一つの回転するロール表面に、容器内に収容している
前記合金の溶湯を噴出し、冷却されて箔となるため、そ
の厚みはせいぜい100μm程度である。電解コンデン
サ電極用材料とする場合に、一枚の箔だけで構成するな
らばそれだけの表面積拡大しか図れないものを、芯材の
少なくとも1面にAl合金箔を複数枚重ね積層すること
により、エッチングを芯材近傍まで深く進行させて実効
表面積を拡大させ、これを化成処理して絶縁皮膜を形成
すれば、極めて静電容量の大きな電解コンデンサ用陽極
材料となる。
ち一つの回転するロール表面に、容器内に収容している
前記合金の溶湯を噴出し、冷却されて箔となるため、そ
の厚みはせいぜい100μm程度である。電解コンデン
サ電極用材料とする場合に、一枚の箔だけで構成するな
らばそれだけの表面積拡大しか図れないものを、芯材の
少なくとも1面にAl合金箔を複数枚重ね積層すること
により、エッチングを芯材近傍まで深く進行させて実効
表面積を拡大させ、これを化成処理して絶縁皮膜を形成
すれば、極めて静電容量の大きな電解コンデンサ用陽極
材料となる。
【0012】しかし、前述のように、Al合金箔に晶出
している金属間化合物は脆く、通常の方法で積層圧延し
てもエッチングの拡面効率を下げるために表面積の増大
は図れない。本発明は急冷凝固Al合金箔を積層し圧延
する際に、加熱した積層箔を保熱しながらこれを実施す
るものであり、具体的には図1の概要図に示すように、
芯材1の両面に積層するAl合金箔2を、圧延ロール3
の入り側で、その上下面を熱伝導率の小さい保熱材、例
えばステンレス鋼板4で被覆し、且つこのステンレス鋼
板の外面をヒータ5で加熱して、積層Al合金箔を加熱
すると共に保熱しながら圧延する。また別の態様とし
て、図2の概要図に示すように積層するAl合金箔2
を、加熱したロール6で圧延する方法を採用する。この
様にして、所定の温度に加熱された急冷凝固Al合金箔
は、圧延時ロールと直接接触せず、ステンレス鋼板が介
在しているために箔自体からの抜熱が小さく、また、保
熱材料を用いない図2の場合にはAl合金箔とほぼ同温
度に圧延ロール6を加熱しているため同様に温度降下は
起きない。従って、Al合金箔の積層圧延が金属間化合
物の破壊等を起こすことなくスムースに行えるようにな
る。
している金属間化合物は脆く、通常の方法で積層圧延し
てもエッチングの拡面効率を下げるために表面積の増大
は図れない。本発明は急冷凝固Al合金箔を積層し圧延
する際に、加熱した積層箔を保熱しながらこれを実施す
るものであり、具体的には図1の概要図に示すように、
芯材1の両面に積層するAl合金箔2を、圧延ロール3
の入り側で、その上下面を熱伝導率の小さい保熱材、例
えばステンレス鋼板4で被覆し、且つこのステンレス鋼
板の外面をヒータ5で加熱して、積層Al合金箔を加熱
すると共に保熱しながら圧延する。また別の態様とし
て、図2の概要図に示すように積層するAl合金箔2
を、加熱したロール6で圧延する方法を採用する。この
様にして、所定の温度に加熱された急冷凝固Al合金箔
は、圧延時ロールと直接接触せず、ステンレス鋼板が介
在しているために箔自体からの抜熱が小さく、また、保
熱材料を用いない図2の場合にはAl合金箔とほぼ同温
度に圧延ロール6を加熱しているため同様に温度降下は
起きない。従って、Al合金箔の積層圧延が金属間化合
物の破壊等を起こすことなくスムースに行えるようにな
る。
【0013】加熱手段は特に限定しなくてもよいが電熱
ヒータや赤外線加熱炉などを用いることができる。また
加熱温度は、Al合金箔の展延性を良くするために設定
するが、材質の劣化が起きない範囲とすべきであり、お
よそ600℃以下とすることが好ましい。しかし、温度
が低すぎるとAl合金箔の変形抵抗を小さくすることが
出来ず、凝固組織の破壊が起きるため、300℃以上と
すべきである。
ヒータや赤外線加熱炉などを用いることができる。また
加熱温度は、Al合金箔の展延性を良くするために設定
するが、材質の劣化が起きない範囲とすべきであり、お
よそ600℃以下とすることが好ましい。しかし、温度
が低すぎるとAl合金箔の変形抵抗を小さくすることが
出来ず、凝固組織の破壊が起きるため、300℃以上と
すべきである。
【0014】尚、芯材に用いるAl箔は比較的展延性が
よく、加熱しなくても良いのであるが、加熱することに
よって、積層圧延に不都合が生じるような場合には、A
l合金箔加熱時に、遮蔽板でAl箔面を覆うようにして
遮熱することができる。またステンレス鋼板等保熱材の
Al合金箔との接触面には、剥離剤を塗布しておくこと
が好ましい。
よく、加熱しなくても良いのであるが、加熱することに
よって、積層圧延に不都合が生じるような場合には、A
l合金箔加熱時に、遮蔽板でAl箔面を覆うようにして
遮熱することができる。またステンレス鋼板等保熱材の
Al合金箔との接触面には、剥離剤を塗布しておくこと
が好ましい。
【0015】本発明法では図示のように芯材(Al箔)
の両面にそれぞれ1〜複数ずつのAl合金箔を積層する
が、片面に複数枚づつ積層の場合には次のように配慮す
ることが好ましい。即ち、単ロール法によって製造され
るAl合金凝固箔は、ロールに接触するロール面側の表
層に強制固溶相が生成する(強制固溶相はランダムに表
層に存在し、その間にAl地がある)。この固溶相はA
lベース金属中にTi、Zn、HfおよびTa、Nb等
の合金元素が例えば1wt%以上とかなり固溶している相
であって、腐食しにくい。実効表面積を増大するために
Al合金凝固箔をエッチングする際、積層した中間層に
固溶相のある箔を使用すると、或いは固溶相を中間部分
に存在させると、固溶相が腐食のバリヤーになり、この
部分のエッチングの進行の妨げとなって、積層厚みによ
る表面積増大の目的は達成されなくなる。従って、複数
枚積層して電極材とする場合には、最表面及びAl芯材
との接触面が固溶相になるようし、中間部には固溶相が
ないように配置することが好ましい。この様な配置の積
層材をエッチングすると、最表面での固溶相はエッチン
グされにくいため表面を維持し、固溶相間に露出するA
l素地を起点として箔内部にエッチングが凝固組織に沿
って進行する。しかも中間部には固溶相がなくエッチン
グされ易くなっているため、これらを通ってエッチング
は表層−中間層−内層へと奥深くまで達し、芯材とAl
合金箔の境界には、固溶層が存在するため、そこまでエ
ッチングが進行してもこれによって阻止される。その結
果実効表面積の増大が顕著になる。更に付加的な効果と
して本発明法により作製した箔は、長手方向や幅方向で
大きくうねる波打ち現象の発生が少なく、平坦度が良好
となる。
の両面にそれぞれ1〜複数ずつのAl合金箔を積層する
が、片面に複数枚づつ積層の場合には次のように配慮す
ることが好ましい。即ち、単ロール法によって製造され
るAl合金凝固箔は、ロールに接触するロール面側の表
層に強制固溶相が生成する(強制固溶相はランダムに表
層に存在し、その間にAl地がある)。この固溶相はA
lベース金属中にTi、Zn、HfおよびTa、Nb等
の合金元素が例えば1wt%以上とかなり固溶している相
であって、腐食しにくい。実効表面積を増大するために
Al合金凝固箔をエッチングする際、積層した中間層に
固溶相のある箔を使用すると、或いは固溶相を中間部分
に存在させると、固溶相が腐食のバリヤーになり、この
部分のエッチングの進行の妨げとなって、積層厚みによ
る表面積増大の目的は達成されなくなる。従って、複数
枚積層して電極材とする場合には、最表面及びAl芯材
との接触面が固溶相になるようし、中間部には固溶相が
ないように配置することが好ましい。この様な配置の積
層材をエッチングすると、最表面での固溶相はエッチン
グされにくいため表面を維持し、固溶相間に露出するA
l素地を起点として箔内部にエッチングが凝固組織に沿
って進行する。しかも中間部には固溶相がなくエッチン
グされ易くなっているため、これらを通ってエッチング
は表層−中間層−内層へと奥深くまで達し、芯材とAl
合金箔の境界には、固溶層が存在するため、そこまでエ
ッチングが進行してもこれによって阻止される。その結
果実効表面積の増大が顕著になる。更に付加的な効果と
して本発明法により作製した箔は、長手方向や幅方向で
大きくうねる波打ち現象の発生が少なく、平坦度が良好
となる。
【0016】
Zr:20wt%含有するAl−Zr合金の溶湯を160
0rpm で回転している単ロール上に噴出して凝固し、厚
さ80μmの急冷凝固Al合金箔を製造した。別に製造
した厚さ100μmの純Al箔を芯材とし、この両面に
前記Al合金箔をそれぞれ1枚づつ配置し、図1及び図
2に示した方法で積層圧延して3層クラッド箔とした。
0rpm で回転している単ロール上に噴出して凝固し、厚
さ80μmの急冷凝固Al合金箔を製造した。別に製造
した厚さ100μmの純Al箔を芯材とし、この両面に
前記Al合金箔をそれぞれ1枚づつ配置し、図1及び図
2に示した方法で積層圧延して3層クラッド箔とした。
【0017】図1の方法では、保熱材として、内面に剥
離剤(例えばボロンナイトライド粉末)を塗布した1mm
厚のステンレス鋼板(SUS304)を上下に使用し、
その外面よりヒータでAl合金箔が450℃になるよう
に加熱してから芯材、Al合金箔を挟持しながらロール
に噛込ませた。圧延(圧下率20%)後前記ステンレス
鋼板を剥離し、得られた3層クラッド箔(電極素材)を
6%塩酸溶液で200クーロン/cm2 でエッチングを行
った後、ホウ酸溶液で20V化成を実施し、CV積を測
定した。
離剤(例えばボロンナイトライド粉末)を塗布した1mm
厚のステンレス鋼板(SUS304)を上下に使用し、
その外面よりヒータでAl合金箔が450℃になるよう
に加熱してから芯材、Al合金箔を挟持しながらロール
に噛込ませた。圧延(圧下率20%)後前記ステンレス
鋼板を剥離し、得られた3層クラッド箔(電極素材)を
6%塩酸溶液で200クーロン/cm2 でエッチングを行
った後、ホウ酸溶液で20V化成を実施し、CV積を測
定した。
【0018】図2の方法では、保熱材を使用せず、ロー
ルを400℃に加熱しながら圧延し得られた3層クラッ
ド箔(電極素材)を前記図1の方法と同様に処理した。
ルを400℃に加熱しながら圧延し得られた3層クラッ
ド箔(電極素材)を前記図1の方法と同様に処理した。
【0019】得られた結果を下記に示す。比較のため
に、上記各箔を用いて従来の常温(加熱なし)で積層圧
延した3層クラッド箔の処理結果も併記する。
に、上記各箔を用いて従来の常温(加熱なし)で積層圧
延した3層クラッド箔の処理結果も併記する。
【0020】
【表1】 以上の結果から本発明の方法によって製造した電極材が
極めて優れていることが分かる。
極めて優れていることが分かる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明法によれば積層圧
延に際し、AL合金箔の凝固組織の損傷を防ぎ、且つマ
トリックスの歪みを残さないため、エッチングによる実
効表面積を増加させ、且つエッチングフロントが均一と
なり、静電容量の極めて大きい陽極材料を生産性よく得
ることができ、電解コンデンサを一層高性能に成し得
る。
延に際し、AL合金箔の凝固組織の損傷を防ぎ、且つマ
トリックスの歪みを残さないため、エッチングによる実
効表面積を増加させ、且つエッチングフロントが均一と
なり、静電容量の極めて大きい陽極材料を生産性よく得
ることができ、電解コンデンサを一層高性能に成し得
る。
【図1】本発明法の1例を示す概略図である。
【図2】本発明法の他の例を示す概略図である。
1:芯材 2:急冷凝固Al合金箔 3:ロール 4:保熱材 5:ヒーター 6:加熱ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01G 1/005 9174−5E
Claims (3)
- 【請求項1】 微細な金属間化合物を晶出した凝固組織
を有する急冷凝固Al合金箔を複数枚積層し圧延するに
際し、該積層するAl合金箔を300〜600℃に保熱
しながら圧延することを特徴とする電解コンデンサ電極
用積層材料の製造方法。 - 【請求項2】 積層するAl合金箔を、その上下面を熱
伝導率の小さい保熱材で被覆すると共に該材料の外面を
加熱し、保熱しながら圧延することを特徴とする請求項
1記載の電解コンデンサ電極用積層材料の製造方法。 - 【請求項3】 積層するAl合金箔を、加熱したロール
で圧延することを特徴とする請求項1記載の電解コンデ
ンサ電極用積層材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4009783A JPH05335188A (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | 電解コンデンサ電極用積層材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4009783A JPH05335188A (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | 電解コンデンサ電極用積層材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05335188A true JPH05335188A (ja) | 1993-12-17 |
Family
ID=11729837
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4009783A Withdrawn JPH05335188A (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | 電解コンデンサ電極用積層材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05335188A (ja) |
Cited By (2)
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1992
- 1992-01-23 JP JP4009783A patent/JPH05335188A/ja not_active Withdrawn
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