JPH0620806A - 固体フューズ - Google Patents

固体フューズ

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JPH0620806A
JPH0620806A JP5394293A JP5394293A JPH0620806A JP H0620806 A JPH0620806 A JP H0620806A JP 5394293 A JP5394293 A JP 5394293A JP 5394293 A JP5394293 A JP 5394293A JP H0620806 A JPH0620806 A JP H0620806A
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JP
Japan
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fuse
fuse element
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solid
current
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JP5394293A
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Kozo Matsuo
浩三 松尾
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Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フューズ素子を長くすることなく定格遮断電
流を低く設定することを可能としながらも、定格遮断電
流を超える極瞬間的な偽の異常電流が流れても遮断する
ことない固体フューズを提供する。 【構成】 本発明に係る固体フューズは、基材(1)
と、この基材(1)表面に形成されたフューズ素子
(2)と、このフューズ素子(2)の両端部に電気接続
された外部接続端子(5)と、この外部接続端子(5)
の一部を除き前記各構成要素を封止するよう形成された
保護体(6)と、を備えている。前記基材(1)は石英
ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラスのような
熱伝導率が10W/m・K以下の材料で構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的にフューズに関
し、より具体的には、固体である基材の表面にフューズ
素子を形成した形態を有する固体フューズに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、安全性を確保するために、一定時間(例えば、約1
秒間)以上のあいだ一定の電流(定格遮断電流)が流れ
ると遮断するフューズを電気回路中に配置することは一
般に行われている。このような目的のフューズとして
は、種々な形式なものが知られており、そのうちの代表
的なものの構成を図4及び図5に基づいて説明する。
【0003】図4に示されているのは一般的な限流フュ
ーズであり、このフューズは、ワイヤ状のフューズ素子
11を絶縁性の円筒管12の中心に配置し、フューズ素
子11の周囲に消弧材13(遮断時のアーク防止)を充
填した上で、金属製の電極キャップ14で円筒管12の
両端を封止して構成されている。
【0004】しかしながら、図4の構成を有する従来の
フューズでは、ワイヤ状のフューズ素子11の両端と電
極キャップ14とを電気接続しなければならない関係
上、フューズ素子11は一定の機械的強度を有する必要
があるため、直径をあまり小さくすることができない。
従って、フューズの定格遮断電流を小さくすることが困
難である。また、中空状の円筒管12を使用し且つその
内部にフューズ素子11を配置しなければならない関係
で、製造上の理由から小型化にも一定の限界があるっ
た。
【0005】上記のような欠点を解消するものとして、
図5に示されたような固体フューズも公知となってい
る。この固体フューズは、固体の基材21の表面にフュ
ーズ素子22をスクリーン印刷等により両端部にて外部
接続端子24と電気接続するように形成し、更にフュー
ズ素子22をポリイミド等の保護コーティング23で封
止した構成となっている。
【0006】図5に示された固体フューズでは、強度部
材として作用する基材21の表面にフューズ素子22が
形成されているので、フューズ素子22自体の厚さや幅
を小さくしても強度上の問題は生じない。従って、これ
らパラメータを小さくすることにより、定格遮断電流を
小さく設定できる。また、図4の従来例における円筒管
のような中空を形成する必要がなく、その中にフューズ
素子を配置する必要もないので、製造上の制約が少な
く、小型化を図る上でも問題はない。
【0007】ところで、図5に示したような従来の固体
フューズでは、基材21の材料として熱伝導率の比較的
高いシリコン(半導体)や窒化アルミニウム(セラミッ
ク)等の材料が使用されていた。但し、そのような材料
が選択されたのは、単にこれらの材料からなる基材21
がフューズ素子22を担持するに必要な強度を有するか
らであり、基材21が固体フューズの遮断特性に与える
影響については、本発明者の知る限り、材料選択の上で
殆ど考慮されていなかった。なぜなら、固体フューズの
遮断特性調整は、専らフューズ素子22の材料の選択と
パラメータ(厚さや幅等)の変更により行われるべきも
のと考えられていたからである。
【0008】しかしながら、本発明者が鋭意研究した結
果、意外にも基材21の熱伝導率が固体フューズの遮断
特性に重大な影響を与えることが分かった。例えば、基
材21を熱伝導率が約150W/m・K(Wはワット、
Kは絶対温度を示す)と比較的高いシリコンや窒化アル
ミニウムで構成した場合には、基材21を通じての放熱
が高く、それに形成されたフューズ素子22は昇温し難
い。従って、定格遮断電流を低くするためには、基板2
1を通じての放熱分を補償するだけの発熱を行わせるべ
くフューズ素子22を長くするか、或いはフューズ素子
22が溶断し易いようにその厚み(又は幅)を小さくす
る必要がある。このうち、フューズ素子22を長くする
という方法は、基板21もそれに応じて長くする必要が
あり、製品の小型化という要請に反する。一方、フュー
ズ素子22の厚み(又は幅)を小さくするという方法
は、製品の小型化には寧ろ合致するものであるが、次の
ような問題が依然残っている。
【0009】すなわち、フューズ素子22を薄く(又は
細く)するとそれだけ溶断し易くなり(それ故、定格遮
断電流を小さくできる)、電流変化に対して異常に敏感
となる傾向が生ずる。従って、定格遮断電流を超える電
流が流れた場合には、その電流の流れる時間が極瞬間で
あっても、薄く(又は細く)形成されたフューズ素子2
2の敏感さゆえに溶断してしまう。
【0010】ところで、固体フューズにおいては、定格
遮断電流以上の電流が流れた場合には、いつでも遮断さ
せるべきかというと、必ずしもそうではない。例えば、
固体フューズを組み込んだ電気回路のスイッチをオンに
した場合などには、瞬間的(約0.001秒程度)に定
格遮断電流以上の高い電流が流れることになるが、回路
の動作として異常が生じている訳ではないので、固体フ
ューズが遮断しては困る。いわば、このような状態は偽
の異常状態であり、回路としては許容できるものであ
る。固体フューズが遮断すべき場合は、一定時間(例え
ば、約1秒間程度)以上継続する真の異常状態が生じた
ときだけである。
【0011】しかしながら、従来の固体フューズでは、
薄く(又は細く)形成されたフューズ素子22が敏感で
あるため、極瞬間的な偽の異常状態であっても遮断する
ことになる。従って、従来の固体フューズでは、定格遮
断電流以上の電流に対して敏感過ぎることが問題となる
場合がある。
【0012】なお、以上述べた従来の固体フューズにお
ける問題点は、本発明者が初めて認識したものであるこ
とを強調しておきたい。
【0013】そこで、本発明の課題は、フューズ素子を
長くすることなく定格遮断電流を低くすることを可能に
しながらも、当該定格遮断電流を超える極瞬間的な偽の
異常電流が流れても遮断することのない固体フューズを
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、本発明に係る固体フューズは、基材と、この基材表
面に形成されたフューズ素子と、このフューズ素子の両
端部に電気接続された外部接続端子と、この外部接続端
子の一部を除き前記各構成要素を封入するよう形成され
た保護体と、を備えた構成において、前記基材を熱伝導
率が10W/m・K以下の材料で構成したことを特徴と
する。
【作用及び効果】
【0015】本発明によれば、基材として熱伝導率が1
0W/m・K以下の材料が使用されてる。この熱伝導率
は、従来の基材21(図5参照)に用いられていたシリ
コン(Si)やセラミックである窒化アルミニウムの熱
伝導率が約150W/m・Kであるのと比べて著しく小
さい。
【0016】基材の熱伝導率がこのように低いというこ
とは、基材を通じての放熱が小さいことを意味してい
る。従って、基材に形成されたフューズ素子は昇温し易
く、その分、流れる電流が小さくても溶断(遮断)でき
る。従って、定格遮断電流を小さく設定し易いといえ
る。
【0017】しかも、放熱が小さいため、従来のように
放熱分を補うべくフューズ素子を長くしたり、フューズ
素子の厚さ(又は幅)を小さくしたりする必要はない。
従って、固体フューズの小型化に支障をきたしたり、瞬
間的な異常電流に対して過度に敏感になったりするよう
な問題も生じない。
【0018】なお、本発明の作用・効果については、以
下の実施例の説明に則して、より具体的に説明すること
にする。
【0019】
【実施例の説明】次に、添付図面の図1〜図3に基づい
て、本発明の実施例を説明する。
【0020】図1に示されるように、本発明の実施例に
係る固体フューズでは、低熱伝導率の基材1の表面にフ
ューズ素子2が形成され、更にこのフューズ素子2を覆
うように消弧材3が形成されている。フューズ素子1の
両端は、それぞれワイヤ4を介して外部接続端子5に電
気接続されている。外部接続端子5の一部が露出されて
いることを除き、以上述べた部材は保護体としての樹脂
パッケージ6の内部に包み込まれている。なお、図1に
おいて、符号7は支持部材を示し、この支持部材7上に
接着剤層8(例えば、Agペースト)を介して基材1が
載置・固定されている。
【0021】基材1の熱伝導率は、10W/m・K以下
であることが要求され、2W/m・K以下であることが
好ましい。このような低熱伝導率の要件を満足する好適
な材料としては、熱伝導率が0.75〜1.2W/m・
Kの範囲にある石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケ
イ酸ガラス等のガラス類が挙げられる。基材1の熱伝導
率を低くしたことによる作用・効果については後述す
る。
【0022】なお、基材1として石英ガラスを用いる場
合には、シリコンウエハのプロセスに使用される処理装
置を、石英ガラス基材の処理プロセスにそのまま兼用す
ることができるので都合がよい。なぜなら、石英ガラス
は不純物を含んでおらず、不純物を排除しなければなら
ないウエハプロセスに合致しているからである。
【0023】フューズ素子2は、例えばアルミニウムや
アルミニウム合金等のフューズ材料を用いて、真空蒸
着、フォトリソグラフ、エッチング等の各工程を経るこ
とにより、基材1上に薄膜・微細状に形成される。図2
に示されるように、フューズ素子2の形態は、通常蛇行
状とされ、これにより基材1の長さを小さくしつつ所要
の素子長さを達成できるので、固体フューズの小型化を
実現できる。一般にこの種の固体フューズに要求される
定格遮断電流を考慮すると、フューズ素子2の幅は5〜
20μm の範囲とするのが好ましく、厚さは0.5〜5
μm とするのが好ましい。
【0024】消弧材3としては、例えばシリコーン樹脂
(半導体のシリコンとは異なることに留意)のような公
知の材料を使用することができる。フューズ素子2を覆
うように消弧材3が形成されているので、フューズ素子
2が遮断する際にアークを生ずることがなく、焼損の問
題を解消することができる。
【0025】ワイヤ4は金等の導体で形成される。但
し、ワイヤ4は必ずしも必要なものではなく、これらを
省略して、図5の従来例と同様に、外部接続端子5をフ
ューズ素子2の両端に直接電気接続してもよい。
【0026】図示の実施例では、外部接続端子5と支持
部材7とは、リードフレーム(図示せず)から切り離し
て得られた部分であってよい。すなわち、外部接続端子
5はもともとリードフレームのリード端子部であり、支
持部材7は同じリードフレームのチップ搭載部であり、
保護樹脂パッケージ6を成形した後にこれらをリードフ
レームから切り離している。支持部材7は、ワイヤ4を
ボンディングしたり、保護樹脂パッケージ6を成形した
りする際に、基材1を外部接続端子5に対して位置固定
するためのものである。従って、リードフレームからの
切り離す前は、支持部材7は樹脂パッケージ6を貫通し
て延び(図1の紙面に直交する方向に)、その両端が共
にリードフレームに連結されている。
【0027】保護樹脂パッケージ6は、全体を比較的硬
質なエポキシ樹脂等で構成することができる。また、基
材1やワイヤ4のみを包む比較的軟質なシリコーン樹脂
等でできた内部保護体とこの内側保護体を包む比較的硬
質なエポキシ樹脂等でできた外部保護体とからなる二重
構造を採用してもよい。このような二重構造を採用する
場合には、外部保護体を構成するエポキシ樹脂が硬化す
る際に収縮しても、比較的軟質な内部保護体があるた
め、収縮の影響でワイヤ4による接続が外れたりする心
配がなくなるとともに、外部から衝撃が作用してもその
衝撃が内部保護体で吸収されるという利点がある。ま
た、内部保護体を消弧作用を有するシリコーン樹脂で構
成する場合には、別途消弧材3を設ける必要がなくな
る。
【0028】保護樹脂パッケージ6は、基材1、その基
材1に形成されたフューズ素子2、及びワイヤ4等が外
部から衝撃等を受けても損傷しないようにするととも
に、外部接続端子5を含めた全ての部材を固定保持する
ためのものである。従って、保護樹脂パッケージ6の寸
法や形状は、以上の機能を確保できるよう定めなければ
ならない。一例を挙げれば、保護樹脂パッケージ6の寸
法は、1.6mm×2.9mm×1.1mmで、フューズ素子
2の上部の厚みを0.2mm以上とすることができる。こ
の数値からも、本発明の固体フューズではいかに小型化
が図られているかが理解できよう。
【0029】次に、本発明の最も重要な特徴である低熱
伝導率の基材1を用いた技術的意義について詳しく説明
する。
【0030】既に述べたとおり、本発明によれば、基材
1として熱伝導率が10W/m・K以下の材料が使用さ
れている。この熱伝導率は、従来の基材21(図5参
照)に用いられていたシリコン(Si)やセラミックで
ある窒化アルミニウムの熱伝導率が約150W/m・K
であるのと比べて著しく小さい。特に、熱伝導率が0.
75〜1.2W/m・Kの範囲にある石英ガラス、ソー
ダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス等のガラス類の材料
は、上記従来の基材と比べて2桁以上小さい。
【0031】基材1の熱伝導率がこのように低いという
ことは、基材1を通じての放熱が小さいことを意味して
いる。従って、基材1に形成されたフューズ素子2は昇
温し易く、その分、流れる電流が小さくても溶断(遮
断)できる。従って、定格遮断電流を小さく設定し易い
といえる。
【0032】これに対して、本発明の基材1と比べて熱
伝導率の高い従来の基材21(図5参照)では、既に冒
頭で述べたように、基材21を通じての放熱が高く、そ
れに形成されたフューズ素子22は昇温し難い。従っ
て、定格遮断電流を低くするためには、基板21を通じ
ての放熱分を補償するだけの発熱を行わせるべくフュー
ズ素子22を長くするか、或いはフューズ素子22が溶
断し易いようにその厚み(又は幅)を小さくする必要が
あった。このうち、フューズ素子22を長くするという
方法は、基板21もそれに応じて長くする必要があり、
製品の小型化という要請に反する。一方、フューズ素子
22の厚み(又は幅)を小さくするという方法は、製品
の小型化には寧ろ合致するものであるが、次のような問
題が依然残っている。
【0033】すなわち、フューズ素子22を薄く(又は
細く)するとそれだけ溶断し易くなり(それ故、定格遮
断電流を小さくできる)、電流変化に対して異常に敏感
となる傾向が生ずる。従って、定格遮断電流を超える電
流が流れた場合には、その電流の流れる時間が極瞬間で
あっても、薄く(又は細く)形成されたフューズ素子2
2の敏感さゆえに溶断してしまう。
【0034】ところで、固体フューズにおいては、定格
遮断電流以上の電流が流れた場合には、いつでも遮断さ
せるべきかというと、必ずしもそうではない。例えば、
固体フューズを組み込んだ電気回路のスイッチをオンに
した場合などには、瞬間的(約0.001秒程度)に定
格遮断電流以上の高い電流が流れることになるが、回路
の動作として異常が生じている訳ではないので、固体フ
ューズが遮断しては困る。いわば、このような状態は偽
の異常状態であり、回路としては許容できるものであ
る。固体フューズが遮断すべき場合は、一定時間(例え
ば、約1秒間程度)以上継続する真の異常状態が生じた
ときだけである。
【0035】しかしながら、従来の固体フューズでは、
薄く(又は細く)形成されたフューズ素子22が敏感で
あるため、極瞬間的な偽の異常状態であっても遮断する
ことになる。従って、従来の固体フューズでは、定格遮
断電流以上の電流に対して敏感過ぎることが問題となる
ことがある。
【0036】これに対して、本発明に係る固体フューズ
では、基材1が低熱伝導率であるため、フューズ素子2
をそれほど薄く(又は細く)せずとも定格遮断電流を低
く設定することができる。従って、フューズ素子2は、
極瞬間的な偽の異常電流に対しては比較的鈍感で溶断し
ないようにできる反面、一定時間以上継続する真の異常
電流に対しては意図したとおりに溶断することになる。
このことは、図3のグラフにおいて明確に示されてい
る。
【0037】図3のグラフは、本発明に係る固体フュー
ズの遮断特性を示すものであり、横軸と縦軸とはそれぞ
れ遮断電流I(A)と遮断時間t(秒)を表している。
【0038】図3のグラフ中の曲線Aは、図1及び図2
に示した実施例に係る固体フューズにおいて、基材1と
フューズ素子2とを下記の表1のように設定した場合に
得られる遮断特性を示す。
【0039】
【表1】
【0040】一方、図3のグラフ中の曲線Bは、比較例
としての固体フューズの遮断特性を示す。同比較例の固
体フューズは、基材の材料としてシリコン(Si)を使
用した点及びフューズ素子の厚さを薄く(又は細く)し
た点を除き、実施例の固体フューズと同じとし、的確な
比較が行えるようにしている。なお、比較例におけるフ
ューズ素子の厚さ(幅)を実施例におけるフューズ素子
のそれよりも薄く(又は細く)したのは、両固体フュー
ズにおける基材の材料の相違にかかわらず、定格遮断電
流tr(遮断時間が約1秒のときの遮断電流)が同じに
なるようにするためである。
【0041】図3における曲線Aと曲線Bとを比較する
と分かるように、実施例の固体フューズでは遮断時間が
0.001秒のときの遮断電流は1.2A程度であるの
に対し、比較例の固体フューズでは同じ遮断時間のとき
の遮断電流は0.8A程度と低くなっている。従って、
双方共に同一の低い定格遮断電流でありながら、実施例
の固体フューズでは極瞬間的に電流が1A以上に増加し
ても(すなわち、偽の異常状態になっても)、それだけ
では遮断は起こらない。これに対し、比較例の固体フュ
ーズでは、定格遮断電流を低く設定すべくフューズ素子
を薄く(又は細く)しているため、極瞬間的な異常電流
に対して過敏となってしまっている。
【0042】以上を要約すると、本発明によれば、固体
フューズの小型化を可能としながらも(基材1を長くす
る必要がないことより)、定格遮断電流を低く設定する
ことを容易にし、しかもそれによって瞬間的な異常電流
に対して過敏となるのを防止することができるという効
果が得られる。
【0043】なお、以上述べた実施例は単に例示であ
り、本発明を限定するものではない。例えば、フューズ
素子2は蛇行状に湾曲させる代わりに(図2)、鋭角状
の折曲経路に沿って延びるように形成してもよい。ま
た、基材1の寸法は、その表面に形成されるフューズ素
子2との関係で決まってくるものであり、寸法自体が遮
断特性に直接影響を与えるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る固体フューズを示す断面
図である。
【図2】図1の固体フューズにおける基材上に形成され
たフューズ素子を示す平面図である。
【図3】本発明の固体フューズと従来の固体フューズの
遮断電流─遮断時間特性を示すグラフである。
【図4】従来の固体フューズを示す部分断面図である。
【図5】従来の別の固体フューズを示す断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 フューズ素子 3 消弧材 4 ワイヤ 5 外部接続端子 6 樹脂パッケージ(保護体) 7 支持部材 8 接着剤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、この基材表面に形成されたフュ
    ーズ素子と、このフューズ素子の両端部に電気接続され
    た外部接続端子と、この外部接続端子の一部を除き前記
    各構成要素を封止するよう形成された保護体と、を備え
    る固体フューズにおいて、前記基材は熱伝導率が10W
    /m・K以下の材料で構成されていることを特徴とする
    固体フューズ。
  2. 【請求項2】 前記基材の材料はガラス類である、請求
    項1に記載の固体フューズ。
  3. 【請求項3】 前記基材の材料は石英ガラスである、請
    求項2に記載の固体フューズ。
  4. 【請求項4】 前記フューズ素子は消弧材に覆われてい
    る、請求項1ないし3のいずれかに記載の固体フュー
    ズ。
  5. 【請求項5】 前記フューズ素子の両端部はワイヤを介
    して前記外部接続端子に接続されている、請求項1ない
    し4のいずれかに記載の固体フューズ。
  6. 【請求項6】 前記基材は支持部材上に固定支持されて
    いる、請求項1ないし5のいずれかに記載の固体フュー
    ズ。
  7. 【請求項7】 前記保護体は樹脂パッケージである、請
    求項1ないし6のいずれかに記載の固体フューズ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009218275A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置及びその半導体装置を備えたインバータシステム

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