JPH06207274A - 立方晶窒化硼素膜の合成方法 - Google Patents
立方晶窒化硼素膜の合成方法Info
- Publication number
- JPH06207274A JPH06207274A JP272693A JP272693A JPH06207274A JP H06207274 A JPH06207274 A JP H06207274A JP 272693 A JP272693 A JP 272693A JP 272693 A JP272693 A JP 272693A JP H06207274 A JPH06207274 A JP H06207274A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- boron nitride
- cubic boron
- thin film
- nitride film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 立方晶以外の結晶相が少ない薄膜を合成する
ことができる立方晶窒化硼素膜の合成方法を提供する。 【構成】 原料ガスとして少なくとも硼素(B)及び窒
素(N)が含まれる単一又は2種以上の混合ガスを使用
し、ガス圧が0.01乃至10Torrの条件において、直流放電
により原料ガスをプラズマ化し、得られた化学的に活性
な原子性又は分子性のB及びNを基板上に供給し、同時
に電子ビームにより、蒸着された薄膜表面を活性化す
る。この場合に、前記原料ガスを、ヘリウム又はアルゴ
ン等の不活性ガスで希釈することによりプラズマを安定
化することができ、また原料ガスを水素で希釈すること
により立方晶窒化硼素の生成率を上げることができる。
ことができる立方晶窒化硼素膜の合成方法を提供する。 【構成】 原料ガスとして少なくとも硼素(B)及び窒
素(N)が含まれる単一又は2種以上の混合ガスを使用
し、ガス圧が0.01乃至10Torrの条件において、直流放電
により原料ガスをプラズマ化し、得られた化学的に活性
な原子性又は分子性のB及びNを基板上に供給し、同時
に電子ビームにより、蒸着された薄膜表面を活性化す
る。この場合に、前記原料ガスを、ヘリウム又はアルゴ
ン等の不活性ガスで希釈することによりプラズマを安定
化することができ、また原料ガスを水素で希釈すること
により立方晶窒化硼素の生成率を上げることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温用半導体デバイス及
び発光素子等の電子デバイス等に使用される立方晶窒化
硼素膜の合成方法に関する。
び発光素子等の電子デバイス等に使用される立方晶窒化
硼素膜の合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】立方晶窒化硼素(以下、cBNとも略
す)は硬度が高く、耐熱性、耐薬品性及び耐放射線性を
有し、電気的には絶縁体である。この立方晶窒化硼素は
バンドギャップが約7eVと大きく、またこの立方晶窒化
硼素にドーピングすることにより、P型及びN型半導体
を合成することが可能である。このような他の材料に見
られない特性を利用して、立方晶窒化硼素膜は、高温用
半導体デバイス又は発光素子としての応用が期待されて
いる。
す)は硬度が高く、耐熱性、耐薬品性及び耐放射線性を
有し、電気的には絶縁体である。この立方晶窒化硼素は
バンドギャップが約7eVと大きく、またこの立方晶窒化
硼素にドーピングすることにより、P型及びN型半導体
を合成することが可能である。このような他の材料に見
られない特性を利用して、立方晶窒化硼素膜は、高温用
半導体デバイス又は発光素子としての応用が期待されて
いる。
【0003】cBNの合成方法としては、従来以下の技
術が知られている。先ず、分子イオンビーム法により合
成する技術がある(C.Weissmantel, J.Vac.Sci.Techno
l.Vol.18(1981),p.179及びS.Shanfield and R.Wolfson,
J.Vac.Sci.Technol.Vol.A1(1983),p.323)。
術が知られている。先ず、分子イオンビーム法により合
成する技術がある(C.Weissmantel, J.Vac.Sci.Techno
l.Vol.18(1981),p.179及びS.Shanfield and R.Wolfson,
J.Vac.Sci.Technol.Vol.A1(1983),p.323)。
【0004】また、イオンプレーティング法によりcB
Nを合成する方法もある(K.Inagawa, K.Watanabe, H.O
hsone, K.Saitoh, and A.Itoh, J.Vac.Sci.Technol.Vo
l.A5(1987),p.2696及びT.Ikeda, Y.Kawate, and Y.Hira
i, J.Vac.Sci.Technol,Vol.A8(1990),p.3168)。
Nを合成する方法もある(K.Inagawa, K.Watanabe, H.O
hsone, K.Saitoh, and A.Itoh, J.Vac.Sci.Technol.Vo
l.A5(1987),p.2696及びT.Ikeda, Y.Kawate, and Y.Hira
i, J.Vac.Sci.Technol,Vol.A8(1990),p.3168)。
【0005】更に、イオン注入法(M.Satou, and F.Fuj
imoto, Jpn.J.Appl.Phys.Vol.22(1983),p.L171)又は高
周波スパッタ法(M.Mieno, and T.Yoshida, Jpn.J.App
l.Phys.Vol.29(1990),p.L1175)によりcBNを合成す
る方法が公知である。
imoto, Jpn.J.Appl.Phys.Vol.22(1983),p.L171)又は高
周波スパッタ法(M.Mieno, and T.Yoshida, Jpn.J.App
l.Phys.Vol.29(1990),p.L1175)によりcBNを合成す
る方法が公知である。
【0006】更にまた、電子サイクロトロン共鳴プラズ
マ化学気相蒸着(CVD)法(A.Chayahara, H.Yokoyam
a, T.Imura and Y.Osaka, Jpn.J.Appl.Phys.Vol.26(198
7),p.L1435.及びS.Y.Shapoval, V.T.Petrashov, O.A.Po
pov, A.O.Westner, M.D.Yoder,Jr, and C.K.C.Lok, App
l.Phys.Lett.Vol,57(1990),p.1885)によりcBNを合
成する方法がある。
マ化学気相蒸着(CVD)法(A.Chayahara, H.Yokoyam
a, T.Imura and Y.Osaka, Jpn.J.Appl.Phys.Vol.26(198
7),p.L1435.及びS.Y.Shapoval, V.T.Petrashov, O.A.Po
pov, A.O.Westner, M.D.Yoder,Jr, and C.K.C.Lok, App
l.Phys.Lett.Vol,57(1990),p.1885)によりcBNを合
成する方法がある。
【0007】更にまた、マイクロ波プラズマCVD法
(H.Saitoh and W.A.Yarbrough, Appl.Phys.Lett.Vol.5
8(1991),p.2228)によりcBNを合成する方法もある。
(H.Saitoh and W.A.Yarbrough, Appl.Phys.Lett.Vol.5
8(1991),p.2228)によりcBNを合成する方法もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術により合成できるcBNの薄膜は粒径が約50
〜100nmの微結晶cBNからなり、薄膜中に六方晶及び
ウルツァイト晶等の立方晶以外の結晶相が混在する。更
に、微結晶粒子間(粒界)に非晶質BNが存在するため
に、合成された薄膜は硬度及び電気的特性等、種々の点
で、バルクのcBNより特性が劣る。
の従来技術により合成できるcBNの薄膜は粒径が約50
〜100nmの微結晶cBNからなり、薄膜中に六方晶及び
ウルツァイト晶等の立方晶以外の結晶相が混在する。更
に、微結晶粒子間(粒界)に非晶質BNが存在するため
に、合成された薄膜は硬度及び電気的特性等、種々の点
で、バルクのcBNより特性が劣る。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、立方晶以外の結晶相が少ない薄膜を合成す
ることができる立方晶窒化硼素膜の合成方法を提供する
ことを目的とする。
のであって、立方晶以外の結晶相が少ない薄膜を合成す
ることができる立方晶窒化硼素膜の合成方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る立方晶窒化
硼素膜の合成方法は、原料ガスとして少なくとも硼素
(B)及び窒素(N)が含まれる単一又は2種以上の混
合ガスを使用し、ガス圧が0.01乃至10Torrの条件におい
て、直流放電により原料ガスをプラズマ化し、得られた
化学的に活性な原子性又は分子性のB及びNを基板上に
供給し、同時に電子ビームにより、蒸着された薄膜表面
を活性化することを特徴とする。
硼素膜の合成方法は、原料ガスとして少なくとも硼素
(B)及び窒素(N)が含まれる単一又は2種以上の混
合ガスを使用し、ガス圧が0.01乃至10Torrの条件におい
て、直流放電により原料ガスをプラズマ化し、得られた
化学的に活性な原子性又は分子性のB及びNを基板上に
供給し、同時に電子ビームにより、蒸着された薄膜表面
を活性化することを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明においては、直流放電により原料ガスが
プラズマ化することにより化学的に活性なB及びNのイ
オン及びラジカル、B及びNを含む分子性イオン及びラ
ジカルが生成し、これらのイオン及びラジカルが基板上
で反応してcBN膜が形成される。
プラズマ化することにより化学的に活性なB及びNのイ
オン及びラジカル、B及びNを含む分子性イオン及びラ
ジカルが生成し、これらのイオン及びラジカルが基板上
で反応してcBN膜が形成される。
【0012】更に、ガス圧が0.01Torr以上、10Torr以下
の条件下における直流放電では、直流放電用の電極から
電子ビームが発生し、基板に照射される。このため、薄
膜表面が電子により活性化し、エネルギ状態が高いcB
N結晶相が優先的に成長する。
の条件下における直流放電では、直流放電用の電極から
電子ビームが発生し、基板に照射される。このため、薄
膜表面が電子により活性化し、エネルギ状態が高いcB
N結晶相が優先的に成長する。
【0013】ガス圧が0.01Torr以下の場合は、原料とな
るB及びN原子の供給量が十分でないため、cBN薄膜
が形成されない。また、ガス圧が10Torr以上では、電極
から電子ビームが発生しないので、cBN以外の結晶相
が大量に成長する。このため、ガス圧は0.01乃至10Torr
にする。
るB及びN原子の供給量が十分でないため、cBN薄膜
が形成されない。また、ガス圧が10Torr以上では、電極
から電子ビームが発生しないので、cBN以外の結晶相
が大量に成長する。このため、ガス圧は0.01乃至10Torr
にする。
【0014】原料ガスにヘリウム又はアルゴン等の不活
性ガスを添加すると、プラズマが安定して発生するよう
になり、長時間の合成処理が可能になる。
性ガスを添加すると、プラズマが安定して発生するよう
になり、長時間の合成処理が可能になる。
【0015】また、原料ガスに水素を添加することによ
り、cBN以外の結晶相の成長が抑制される。
り、cBN以外の結晶相の成長が抑制される。
【0016】
【実施例】cBN薄膜の合成には直流放電プラズマCV
D装置を用いた反応容器にはH2で1%に希釈したB2H6
ガスを10cc/分の流量で、また水素で4%に希釈したN
H3ガスを10cc/分の流量で、更にHeガスを20cc/分
の流量で流した。合成中のガス圧は1Torrに維持した。
基板には大きさが1cm四方、電気抵抗が1Ω・cm以下のシ
リコンウエハ(100)面を用いた。電圧が1.5kV、電流が
0.5Aの直流放電により、基板温度は約800℃となった。
合成処理を20時間継続すると、基板上に厚さが約0.5μ
mの平坦な薄膜が形成された。
D装置を用いた反応容器にはH2で1%に希釈したB2H6
ガスを10cc/分の流量で、また水素で4%に希釈したN
H3ガスを10cc/分の流量で、更にHeガスを20cc/分
の流量で流した。合成中のガス圧は1Torrに維持した。
基板には大きさが1cm四方、電気抵抗が1Ω・cm以下のシ
リコンウエハ(100)面を用いた。電圧が1.5kV、電流が
0.5Aの直流放電により、基板温度は約800℃となった。
合成処理を20時間継続すると、基板上に厚さが約0.5μ
mの平坦な薄膜が形成された。
【0017】合成した薄膜のX線回折スペクトル及び赤
外線吸収スペクトルを測定したところ、夫々図1、図2
に示す結果が得られた。図1において、横軸は回折角度
2θ、縦軸は回折光の強度であり、また、図2におい
て、横軸は波数(cm-1)であり、縦軸は吸収強度であ
る。これらの図1及び図2のデータにより、合成された
薄膜は平均粒径が約200nmのほぼ純粋なcBN薄膜であ
ることが結論される。
外線吸収スペクトルを測定したところ、夫々図1、図2
に示す結果が得られた。図1において、横軸は回折角度
2θ、縦軸は回折光の強度であり、また、図2におい
て、横軸は波数(cm-1)であり、縦軸は吸収強度であ
る。これらの図1及び図2のデータにより、合成された
薄膜は平均粒径が約200nmのほぼ純粋なcBN薄膜であ
ることが結論される。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
原料ガスを直流放電によりプラズマ化することにより化
学的に活性な原子性又は分子性のB及びNを基板上に供
給すると共に、電子ビームにより蒸着された薄膜表面を
活性化するから、立方晶以外の結晶相が少ないcBN薄
膜を合成することができる。
原料ガスを直流放電によりプラズマ化することにより化
学的に活性な原子性又は分子性のB及びNを基板上に供
給すると共に、電子ビームにより蒸着された薄膜表面を
活性化するから、立方晶以外の結晶相が少ないcBN薄
膜を合成することができる。
【図1】本発明の効果を説明するグラフ図であり、合成
した薄膜のX線回折スペクトルを示す。
した薄膜のX線回折スペクトルを示す。
【図2】本発明の効果を説明するグラフ図であり、合成
した薄膜の赤外線吸収スペクトルである。
した薄膜の赤外線吸収スペクトルである。
Claims (3)
- 【請求項1】 原料ガスとして少なくとも硼素(B)及
び窒素(N)が含まれる単一又は2種以上の混合ガスを
使用し、ガス圧が0.01乃至10Torrの条件において、直流
放電により原料ガスをプラズマ化し、得られた化学的に
活性な原子性又は分子性のB及びNを基板上に供給し、
同時に電子ビームにより、蒸着された薄膜表面を活性化
することを特徴とする立方晶窒化硼素膜の合成方法。 - 【請求項2】 前記原料ガスを、不活性ガスで希釈する
ことを特徴とする請求項1に記載の立方晶窒化硼素膜の
合成方法。 - 【請求項3】 前記原料ガスを、水素ガスで希釈するこ
とを特徴とする請求項1に記載の立方晶窒化硼素膜の合
成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP272693A JPH06207274A (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 立方晶窒化硼素膜の合成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP272693A JPH06207274A (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 立方晶窒化硼素膜の合成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06207274A true JPH06207274A (ja) | 1994-07-26 |
Family
ID=11537321
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP272693A Pending JPH06207274A (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 立方晶窒化硼素膜の合成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06207274A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007169743A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Hitachi Tool Engineering Ltd | 被覆部材 |
US8852406B2 (en) | 2012-05-03 | 2014-10-07 | Korea Institute Of Science And Technology | Method for synthesis of cubic boron nitride |
-
1993
- 1993-01-11 JP JP272693A patent/JPH06207274A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007169743A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Hitachi Tool Engineering Ltd | 被覆部材 |
US8852406B2 (en) | 2012-05-03 | 2014-10-07 | Korea Institute Of Science And Technology | Method for synthesis of cubic boron nitride |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Deshpandey et al. | Diamond and diamondlike films: Deposition processes and properties | |
US5403399A (en) | Method and apparatus for vapor deposition of diamond | |
US4213781A (en) | Deposition of solid semiconductor compositions and novel semiconductor materials | |
US6720037B2 (en) | Plasma processing method and apparatus | |
Ikeda | Cubic boron nitride films synthesized by low‐energy ion‐beam‐enhanced vapor deposition | |
JPS62202897A (ja) | ダイヤモンドの製造方法 | |
JPH06207274A (ja) | 立方晶窒化硼素膜の合成方法 | |
US12129547B2 (en) | Method for producing octahedron transition metal dichalcogenides using plasma | |
JPS6256233B2 (ja) | ||
JPH0421638B2 (ja) | ||
Schmolla et al. | Properties of BN films produced by a low-temperature double-plasma process | |
RU2769751C1 (ru) | Устройство для нанесения сверхтолстых слоев поликристаллического кремния | |
EP4340047A1 (en) | Method for manufacturing cigs light absorption layer for solar cell through chemical vapor deposition | |
JPS62186528A (ja) | 堆積膜形成法 | |
JPH031377B2 (ja) | ||
JPS62171995A (ja) | ダイヤモンドの製造方法 | |
JP3013974B2 (ja) | 薄膜太陽電池の製造方法 | |
JPH0620952A (ja) | 珪素を主成分とする半導体被膜の作製方法 | |
JPS6330397A (ja) | ダイヤモンドの合成方法 | |
JPH01194373A (ja) | 熱電変換材料 | |
JPH02160695A (ja) | ダイヤモンドの気相合成法 | |
Islam et al. | Interface formation between layered-compound GaS and GaAs (111) A surface | |
JPH04357194A (ja) | ダイヤモンドの選択領域成長方法 | |
JPS62243767A (ja) | 堆積膜形成法 | |
JPH0420880B2 (ja) |