JPH06206828A - アトピー性皮膚炎予防・治療剤 - Google Patents

アトピー性皮膚炎予防・治療剤

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JPH06206828A
JPH06206828A JP5251606A JP25160693A JPH06206828A JP H06206828 A JPH06206828 A JP H06206828A JP 5251606 A JP5251606 A JP 5251606A JP 25160693 A JP25160693 A JP 25160693A JP H06206828 A JPH06206828 A JP H06206828A
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human
atopic dermatitis
ige
sfcεriα
chain
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JP5251606A
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Tomoyasu Ra
智靖 羅
Yukitsugu Naito
幸嗣 内藤
Minoru Hirama
稔 平間
Yasushi Okumura
康 奥村
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Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
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Green Cross Corp Japan
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、ヒトIgEとの結合が可能な蛋
白、具体的には高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖や
ヒトIgEとの結合が可能な高親和性免疫グロブリンE
受容体α鎖可溶性断片を有効成分とするアトピー性皮膚
炎予防・治療剤である。 【効果】 本発明により、アレルギー反応をその根源に
おいて遮断する臨床上有用なアトピー性皮膚炎予防・治
療剤が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトIgEとの結合が
可能なペプチドの新規用途に関する。より詳細には高親
和性免疫グロブリンE受容体α鎖(FcεRIα)やヒ
トIgEとの結合が可能な高親和性免疫グロブリンE受
容体α鎖可溶性断片(sFcεRIα)からなるアトピ
ー性皮膚炎予防・治療剤に関する。
【0002】
【従来技術】I型アレルギー反応とは、外来性因子の侵
入によってマスト細胞や好塩基球からヒスタミンやロイ
コトリエン等の化学伝達物質や種々の酵素が遊離し、こ
れが組織を障害する炎症を惹起するものである。このア
レルギー反応の背景にあるアトピー素因とは、一定の物
質に対する先天的過敏症のことを言い、本人および家族
に気管支喘息やアレルギー性鼻炎として発現し、この素
因は遺伝すると言われている。
【0003】アトピー性皮膚炎とは、このような素因の
上に生じる皮膚炎であって、その自覚的な症状としては
著明な掻痒感があり、掻爬によって皮疹は増悪し慢性化
すると言われている。また、このようなアトピー性皮膚
炎の掻痒感は発作的に出現することが多く、かつ僅かな
刺激によって誘発、増強される傾向がある。
【0004】アトピー性皮膚炎に対してはこれまでに多
くの治療法が試みられてきているが、満足な効果を上げ
ていないことが多い。現在、副腎皮質ホルモン外用剤を
主体とする外用療法を中心に、抗ヒスタミン剤をはじめ
とする止痒剤等が用いられているが、副作用等の問題を
有しており、安全性の高い且つ優れたアトピー性皮膚炎
予防・治療剤が待ち望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アレ
ルギー反応をその根源において遮断する臨床上有用なア
トピー性皮膚炎予防・治療剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ヒトIgEと
の結合が可能なペプチドを、予防的に投与することによ
りアトピー性皮膚炎の発症を抑制することができ、又、
症状が悪化してからでもヒトIgEとの結合が可能なペ
プチドを投与すればその症状が改善されることを見出
し、本発明を完成した。
【0007】本発明は、かかる新知見に基づいて完成さ
れたものであり、ヒトIgEとの結合が可能なペプチドを
有効成分とするアトピー性皮膚炎予防・治療剤に関す
る。
【0008】本発明において、ヒトIgEとの結合が可
能なペプチドとは、ヒトIgEに特異的に結合し、その
機能を阻害するペプチドをいう。具体的には、高親和性
免疫グロブリンE受容体α鎖(FcεRIα)やヒトI
gEとの結合が可能な高親和性免疫グロブリンE受容体
α鎖可溶性断片(sFcεRIα)を含むペプチドが挙
げられる。
【0009】これらはI型アレルギー反応の発現機序の
発端である、肥満細胞や好塩基球の細胞膜上で高親和性
をもってIgEのFc部分と特異的に結合する高親和性
免疫グロブリンE受容体(FcεRI)へのIgEの結
合を阻害するので、アレルギー反応をその根源において
遮断する。
【0010】FcεRIはα鎖、β鎖及びジスルフィド
結合した2個のγ鎖のサブユニットから成る4量体構造
をした糖蛋白質であり、IgEとの高親和性結合にはα
鎖の細胞外領域のみが関与していることが明らかにされ
ている [Blank. U et al., J. Biol. Chem., 266, 2639
(1991)]。
【0011】FcεRIαは上記FcεRIのα鎖のこ
とであり、sFcεRIαはα鎖の細胞外領域に相当す
る。
【0012】本発明に用いられるヒトIgEとの結合が
可能なペプチドは、少なくともα鎖の細胞外領域、即ち
sFcεRIαを含んでいればよいのであって、Fcε
RIαを用いても、FcεRI自体を用いてもなんら問
題はない。また、遺伝子工学的手法により人工的に改変
された変異体やDDS化された誘導体、例えばアルブミ
ンのコンジュゲートであっても、ヒトIgEとの結合が
可能なものであれば用い得るが、特にsFcεRIαが
好ましい。また、これらはヒト由来のものが好ましい。
【0013】sFcεRIαは細胞培養手法や遺伝子工
学的手法により製造が可能である。Blank.Uらは
ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)欠損CHO細胞を用
いてsFcεRIαを発現することに成功している(上
記文献)。
【0014】本発明者らも、(1)動物細胞での発現を
制御できるプロモーターを上流部に付加したsFcεR
Iα遺伝子及びウロキナーゼ(UK)プロモーターを付
加したDHFR遺伝子を組み込んでなるプラスミドを用
いて形質転換させた動物細胞、(2)動物細胞での発現
を制御できるプロモーターを上流部に付加したsFcε
RIα遺伝子をコードするDNAを担持させたプラスミ
ド及びUKプロモーターを上流部に付加したDHFRを
コードするDNAを担持させたプラスミドを同時に用い
て形質転換させた動物細胞、(3)上記(1)または
(2)の動物細胞を培養することによるsFcεRIα
の大量製造方法を確立している(製造例参照)。
【0015】sFcεRIαの遺伝子工学的手法による
製造は上記動物細胞を用いる方法のほか大腸菌や酵母を
用いる方法で製造してもよい。
【0016】本発明に用いられるヒトIgEとの結合が
可能なペプチドは、全身療法、局所療法いずれにおいて
も適用可能である。全身療法における投与方法として
は、例えば、注射用生理食塩水や注射用蒸留水に溶解し
て非経口投与、好ましくは静脈内投与される。剤型とし
ては、液状製剤や凍結乾燥製剤が挙げられ、これらは公
知の方法で調製できる。局所療法における投与方法とし
ては、皮膚や粘膜などの局所に投与できる剤型、即ち外
用剤としての投与方法が挙げられる。外用剤としては、
クリーム剤、ゲル軟膏剤、ローション剤等が例示され
る。これらの製剤は当該ヒトIgEとの結合が可能なペ
プチドと、水溶性高分子化合物、油、白色ワセリン、低
級アルコール等と適宜組み合わせ、また必要に応じ助剤
として、緩衝剤、等張化剤、増粘剤、保存剤、安定剤、
界面活性剤、潤滑剤、防腐剤等を加えることにより公知
の方法によって調製可能である。
【0017】本剤は予防的にも、対症療法的にも用いる
ことができる。投与量は疾患の種類や、患者の状態等に
より異なるが、予防的には外来性因子に対するIgE量
の2倍以上の投与、対症療法的には外来性因子に対する
IgE量の10倍以上投与するのが望ましい。他剤との
併用も可能である。
【0018】
【発明の効果】本発明により、アレルギー反応をその根
源において遮断する臨床上有用なアトピー性皮膚炎予防
・治療剤が提供される。
【0019】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために参考例、
実施例、試験例を挙げるが、本発明はこれらによって何
ら制限されるものではない。
【0020】参考例 ヒトsFcεRIαの製造 [I] FcεRI/pMT1の構築 [動物細胞での発現を制御できるプロモーター(SV4
0)を上流部に付加したヒトsFcεRIαをコードす
るDNAを組み込んで構成されるプラスミドの構築]Bla
nk らの報告[Blank. U et al., J. Biol. Chem. 266,
2639 (1991)] に従い、プラスミドpko[Doren, K.V.
et al., J. Virol, 50, 606, (1984)] にヒトFcεR
Iαのリーダー配列−ヒトsFcεRIα遺伝子を組み
込んだプラスミドFcεRI/pMT1(図1)を構築
した。尚、ヒトsFcεRIα遺伝子をコードするDN
A配列およびそれから演繹されるアミノ酸配列はNuclei
c Acids Research, Volume 16 Number 8, 3584 (1988)
に開示されている。
【0021】[II] pTT06の構築 [UKプロモーターを上流部に付加したDHFRをコー
ドするDNAを組み込んで構成されるなるプラスミドの
構築]Biosci. Biotech. Biochem., 56 (4), 600-604, 1
992に従い、UKプロモーター,DHFRcDNA, SV4
0ポリA付加シグナルを含むプラスミドpTT06を構
築した(図2参照)。
【0022】[III] 動物細胞への導入および高産生細
胞の樹立 (i) 材料; ・プラスミドDNA FcεRI/pMT1:pkoにヒトFcεRIαのリ
ーダー配列−ヒトsFcεRIα遺伝子を組み込んだプ
ラスミド。 pTT06:UKプロモーター(ウロキナーゼ遺伝子転
写開始点を含む上流約800bpの5’調節領域)に支
配されるDHFR遺伝子発現ユニットからなるプラスミ
ド。 ・細胞; CHO DXB−11細胞株(DHFR欠損株) G. Urlaub et al., Proc, Natl. Acad. Sci. USA, 77,
4216-4220 (1980)に記載の方法で調製、増殖させた。 ・メトトレキセート(MTX);Sigma 社製(+)Amet
hopterinを0.14 M NaCl, 0.02 M HEPES (ナカライテス
ク)に溶解し、2mMストック液を調製した。これを培地
に、目的の濃度になるように添加し使用した。
【0023】(ii) 方法 DNA導入およびトランスフェクタント上清のアッ
セイ α変法イーグルMEM,10%FCS で継代しているDHFR欠
損CHO DXB-11細胞をトリプシン(0.25%) 処理によりディ
ッシュからはがし、107 cell/ml となるよう Hanks液に
懸濁した。この懸濁液0.5 ml,5×106 個の細胞にプラ
スミドDNA(1μgのpTT06と40μgのFcε
RI/pMT1)を同時にエレクトロポレーション法に
より導入した。α変法イーグルMEM(リボ核酸・デオ
キシリボ核酸含まず),10%FCSで培養後、生じたコ
ロニーを拾いあげて順次拡大し、これらトランスフェク
タントの培養上清中のヒトsFcεRIα活性を以下の
に記載の方法に従い測定し、高い活性が見られた株に
ついてMTXによるDNA増幅を行った。
【0024】 ヒトsFcεRIαの定量 ヒトsFcεRIαの濃度は、ラット好塩基球細胞株上
に存在するFcεRIへの 125I標識マウスIgEの結
合阻害で測定した。以下にその材料と方法を示す。 (材料) ・細胞;ラット好塩基球細胞株RBL−2H3は、10%
FCS、100U/ml ペニシリンおよび100 μg/mlストレプ
トマイシンを含むイーグルMEM中で培養した。 ・IgE;抗ジニトロフェニルマウスモノクローナルI
gE(Hi-DNP-E-26-82)、または抗トリニトロフェニル
(TNP)マウスモノクローナルIgEを用いた。抗T
NPマウスモノクローナルIgEは、マウスハイブリド
ーマIGELb4(ATCC No.TIB141)の
培養上清またはマウス腹水より精製した。 ・IgEのヨード標識;バイオラッド社製Enzymobeads
法を用いた。0.2 Mリン酸緩衝液 (pH7.2) 50 μl、マ
ウスモノクローナルIgE(2.14mg/ml) 10 μl、Enzy
mobeads 試薬50μl、Na 125I25μl(95MBq)、1%β
−Dグルコース水溶液25μlを混和し、室温で15〜20分
間反応させた。150 μlの10mg/ml チロシン、10%グ
リセリンおよび0.1 %キシレンシアノールを含むリン酸
緩衝生理的食塩水と混和した後、PD−10カラム(フ
ァルマシア製)を用いたゲル濾過法にて蛋白を回収し
た。 (方法) IgE結合アッセイ; (1) CHO細胞は、10%FCS 添加α変法イーグルME
M(リボ核酸・デオキシリボ核酸含まず)で維持するの
で、この培養液で希釈したサンプルを調製した(125-25
0 μl) 。 (2) 3%牛血清アルブミンおよび0.1 % NaN3 添加ダ
ルベッコリン酸緩衝生理的食塩水(PBS/3% BS
A)で希釈した125 I標識IgEを(1) のサンプルに添
加した。総体積は500 μlで、125 I標識IgEの濃度
は100ng/mlである。この混合物を室温で3〜6時間イン
キュベートした。 (3) PBS/3% BSA中に懸濁したRBL−2H
3細胞(3〜8×107 /ml)50 μlを添加し、氷中で1
〜2時間インキュベートした。また、標識IgEの細胞
への非特異的吸着を調べるための非標識IgE添加群で
は、前もって150μlのRBL−2H3細胞懸濁液と15
μlの2.1mg/ml非標識IgEを混和しておき、この混合
液55μlを(2) の混合液に添加した。 (4) 1000rpm, 5分間遠心により細胞を沈澱させ、上清
を捨てた。 (5) 細胞を、PBS/3% BSAにて一度洗浄した
のち、結合した放射活性をガンマカウンターにて測定し
た。 (6) 添加物なしの放射活性として10% FCS 添加α変法
イーグルMEM(リボ核酸・デオキシリボ核酸含まず)
を加えた際のcpm を用い、以下の式に従い結合阻害率を
測定した。
【0025】
【数1】
【0026】 MTXによる導入遺伝子の増幅 で得られたヒトsFcεRIα産生株を、5〜10×10
5 cells/dishとなるように10nM MTX含有選択培地8〜10
ml入り10cmディッシュに植え込んだ。約3日毎に培地交
換を行い、2〜4週間培養を続けていると充分な細胞数
の10nM MTX耐性細胞が得られるので、次の段階のMTX
濃度の培地に継代した。このように10nMMTX濃度からス
タートして50nM, 100nM, 200nM, 500nM,1μM,2μ
M,4μM,10μMと順次MTX濃度を上げて遺伝子増
幅を行った。
【0027】 ヒトsFcεRIα産生株のクローニ
ング でMTX の増幅を行ったヒトsFcεRIα産生株のう
ちの幾つかについて限界希釈法によるクローニングを行
った。すなわち、各濃度のMTX 耐性細胞を10%FCSおよび
2〜10μM MTX を含むα変法イーグルMEM(リボ核酸
・デオキシリボ核酸含まず)中で培養し、96ウェルプレ
ートに播種した。増殖が観察されたウェルより細胞を回
収して24ウェルプレート、さらに10cmディッシュへ順次
拡大し、コンフルエントになった段階での上清中のヒト
sFcεRIα産生量を調べた。
【0028】[IV] ヒトsFcεRIαの精製 ヒトsFcεRIαを比較的高く産生していたクローン
細胞株の培養上清983ml に、1/20容積の1mM Tris, pH8.
0 および10mMベンザミジン、10mMエチレンジアミン4酢
酸、0.02%アジ化ナトリウムを添加し、0.22μm のフィ
ルターで濾過した試料をIgE Sepharose 4Bカラム
〔マウスハイブリドーマIGELb4(ATCC No.TIB141)培養
上清から精製した抗トリニトロフェニルIgE10mgを0.
1M炭酸水素ナトリウム中で活性化CH Sepharose (Pharma
cia) 1g に結合させたもの〕を用いて精製した。カラム
を0.02%アジ化ナトリウムを含むPBSで洗浄後、カラ
ムに結合した蛋白を0.2M酢酸、0.2M塩化ナトリウム、0.
02%アジ化ナトリウム、pH2.8 で溶出した。得られた精
製ヒトsFcεRIαを10mM重炭酸アンモニウムに対し
て透析した後、200 μlをSpeedVacで乾燥させ、SDS
電気泳動で調べると、クーマジーブルー染色で還元およ
び非還元両方の条件下で分子量50kDa付近に明確な
バンドが検出され、このバンド以外の蛋白は検出されな
かった。この蛋白はラジオイムノアッセイで放射性標識
IgEの好塩基球細胞(RBL−2H3細胞;前出)へ
の結合を阻害する活性を有していた。かかる精製ヒトF
cεRIαの濃度は、Bradford法 [Bradford, M.M., An
al. Biochem. 72, 248(1976)] によって定量した。
【0029】実施例1 注射剤 精製ヒトsFcεRIα 100mg及びブドウ糖100mg を注
射用蒸留水に溶解し、ヒトsFcεRIα濃度が 2 mg/
mlになるように調製した。これを0.45μm のメンブラン
フィルターで濾過後、濾液を無菌的に5ml バイアルに分
注し、窒素ガスを充填した後、密封して静脈内注射剤と
した。
【0030】実施例2 軟膏 白色ワセリン60重量部、ポリオキシエチレンセチルエ
ーテル1重量部、ステアリン酸アルミニウム1重量部を
加熱して溶解、混和し、約75℃に保ちながら、これに
モノステアリン酸ソルビタン5重量部、及び精製水10
重量部を加えてかき混ぜた。その後、約45℃に冷却
し、精製ヒトsFcεRIα5重量部を適量の精製水に
溶かして加え、かき混ぜて軟膏とした。
【0031】試験例1 アトピー性皮膚炎に対する作用 上記実施例2で得られた軟膏を小児のアトピー性皮膚炎
患者の荒れた肌に1日1回毎日適用した。その結果、数
週間後から荒れが回復し、掻痒感もおさまった。また本
剤の塗布によりかぶれなどの皮膚刺激性は認められなか
った。
【0032】試験例2 マウスを用いた2次的アレルギ
ー反応の抑制作用 (方法)雌BALB/Cマウス(8週令以上)の背部皮
下に、抗−TNP・IgE産生ハイブリドーマIGEL
a2(ATCC No.TIB142)を106 移植
し、モデル動物を作成した。移植8日目に0.4%塩化
ピクリルのアセトン溶液10μlをマウスの左耳に塗布
して第1次抗原チャレンジを行い、14日目に同様の方
法にて第2次抗原チャレンジを行った。一方、ヒトsF
cεRIαは、移植後7、8日目に25μg/匹、移植
後9、11、13、15日目に100μg/匹静脈内投
与した。ヒトsFcεRIαの効果は、抗原チャレンジ
2時間後の耳の厚さを指標とした。測定はダイヤゲージ
(PEACOCK、尾崎製作所製)を用いた。尚、本試
験では、マウスはコントロール群、ヒトsFcεRIα
投与群それぞれ8匹ずつ用いた。
【0033】(結果)第1次抗原チャレンジ2時間後に
ついては、コントロール群とヒトsFcεRIα投与群
との間に差異はなかった。しかしながら、第2次抗原チ
ャレンジ2時間後については、コントロール群では第1
次抗原チャレンジによる耳の腫大と同様の腫大が見られ
たのに対し、ヒトsFcεRIα投与群では耳の腫大は
抑制された(図3)。上記事実により、ヒトsFcεR
Iαは、IgE抗体の関与するI型アレルギー(アナフ
ィラキシー反応)、例えばアトピー性皮膚炎に対して2
次的発症を抑制するので優れた予防剤となりえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドFcεRI/pMT1の構造を示
す。
【図2】プラスミドpTT06の調製工程を示す。
【図3】抗原チャレンジ(第1次、第2次)2時間後の
コントロール群とヒトsFcεRIα投与群の耳の腫大
を測定した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/00 C 8214−4B (C12P 21/00 C12R 1:91) (72)発明者 平間 稔 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株 式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 奥村 康 千葉県千葉市中央区松波1−14−9

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトIgEとの結合が可能なペプチドを
    有効成分として含有することを特徴とするアトピー性皮
    膚炎予防・治療剤。
  2. 【請求項2】 ヒトIgEとの結合が可能なペプチドが
    高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖を含むペプチドで
    ある請求項1記載のアトピー性皮膚炎予防・治療剤。
  3. 【請求項3】 高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖が
    ヒト由来である請求項2記載のアトピー性皮膚炎予防・
    治療剤。
  4. 【請求項4】 ヒトIgEとの結合が可能なペプチドが
    高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖の可溶性断片を含
    むペプチドである請求項1記載のアトピー性皮膚炎予防
    ・治療剤。
  5. 【請求項5】 高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖の
    可溶性断片がヒト由来である請求項4記載のアトピー性
    皮膚炎予防・治療剤。
  6. 【請求項6】 剤型が外用剤である請求項1〜5記載の
    アトピー性皮膚炎予防・治療剤。
JP5251606A 1992-08-04 1993-10-07 アトピー性皮膚炎予防・治療剤 Pending JPH06206828A (ja)

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US08/238,027 US5874404A (en) 1992-08-04 1994-05-03 Immunoglobulin E receptor α-chain inhibits IgE production and secondary allergic responses

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JP4-270514 1992-10-08
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