【発明の詳細な説明】
医薬製剤の製造における活性化プロテインCの使用
本発明はプロテインCの活性化ペプチド(任意にプロテインCまたは活性化プロ
テインCと混合してもよい)を含む新しい医薬製剤に関する。
プロテインCは肝臓で合成されるビタミンK依存性糖タンパク質であり、血漿中
を約4μg/mlの濃度で不活性な酵素前駆体として循環する。このタンパク質は管
壁(内皮)表面のトロンビンートロンボモジュリン複合体によって、活性なセリ
ンプロテアーゼ、すなわち活性化プロテインCに変換される。活性化プロテインC
はプロフィブリン溶解特性を持つことがわかっている。またこの酵素は因子Va(
因子Xaが誘発するプロトロンビン活性化(トロンビン生成)の補因子)と因子VI
IIa(因子IXaが誘発する因子X活性化の補因子)の両方をタンパク質加水分解的
に分解するので、抗凝固効果をも持つ。
プロテインC酵素前駆体は主に、互いにジスルフィド結合した重鎖と軽鎖を含
む2本鎖型として血漿中を循環する。プロテインCの活性化には、その分子の重鎖
のNH2ー末端12アミノ酸の切断が伴う。切断は重鎖のArg12とLys13の間で起こり、
次のアミノ酸配列(配列番号1)を持つプロテインCの活性化ペプチドを放出する
:NH2-Asp-Thr-Glu-Asp-Gln-Glu-Asp-Gln-Val-Asp-Pro-Arg-COOH。
プロテインCが欠乏または欠如した患者は著しい血栓または凝固傾向を示す。
プロテインCの完全な欠乏症を持って生まれた乳児は大量の播種性血管内凝固(D
IC)と壊死症候群を示し、何の処置も施さなければ、生まれて数週間以内に死亡
する。
活性化プロテインCは抗凝固活性を持ち、内毒素ショックの凝固障害効果と致
死効果から動物を保護することが示されている(Taylorら,J.Clin.Invst.79:
918-925(1987))。
さらに具体的に述べると、活性化プロテインCは動脈の血栓閉塞または血栓塞
栓症を阻害できる(例えばGriffinらの米国特許第5,084,274号をみよ)。非活性
化酵素前駆体はこの効果を持たない。例えば、Gruberら,Blood 73:639-642(198
9)では、人工血管移植片での血栓形成に関するヒヒモデルで、活性化ヒトプロ
テインCの生体内抗血栓症特性が研究された。活性化プロテインCを注入した動物
では血栓閉塞が防止されたが、プロテインCまたは塩水を投与した(対照)動物
では防止されなかった。
最近になって、プロテインCの活性化領域中のエピトープを特異的に認識するC
a2+依存性モノクローナル抗体HPC-4が記述されている(例えばEsmonらの米国特
許第5,202,253号をみよ)。プロテインC重鎖のNH2末端にある残基6-17(すなわ
ち活性化領域)にまたがるエピトープを認識するこの抗体は、プロテインCには
結合するが、活性化プロテインCには結合しない。HPC-4抗体が特異的に認識する
ペプチドのアミノ酸配列(配列番号2)は、NH2-Glu-Asp-Gln-Val-Asp-Pro-Arg-L
eu-Ile-Glu-Gly-Lys-COOHである。
HPC-4の動物への生体内投与はプロテインCの活性化を遮断することが示されて
おり、外科手術や他の操作中の血液損失を防ぐのに有用だろう(例えばWO94/021
72をみよ)。
抗侵害受容効果を持つ医薬製剤におけるプロテインCまたは活性化プロテインC
の使用は欧州特許第0 471 660号に記述されている。
本発明では、プロテインCだけでなく、意外なことにプロテインCの活性化ペプ
チドもまた、抗侵害受容活性と抗炎症活性を持ち、炎症過程に伴う痛みを緩和ま
たは処置するための組成物および方法に有用であることがわかった。
本発明の目的はプロテインCの活性化ペプチドの(とりわけ抗侵害受容効果を
持つ医薬製剤の製造にプロテインCの活性化ペプチドを使用することによる)治
療分野を確立することである。侵害受容とは、痛覚の受容ニューロンによって傷
害を受け取ることと定義できる。侵害受容器は傷害によって刺激されるレセプタ
ー(例えば痛覚レセプター)である。抗侵害受容剤とは傷害または組織損傷(例
えば炎症)がもたらす痛み反応を軽減または排除する薬剤を意味する。
本発明は、炎症過程が誘発する痛みに対する感受性の増大をプロテインCの活
性化ペプチドによって軽減できるという、新しい予想外の発見に基づく。プロテ
インCがトロンビンートロンボモジュリンによって活性化される時に重鎖のNH2末
端から切り離されるプロテインCの活性化ペプチドは、意外にも、プロテインCの
上記抗侵害受容効果に中心的な役割を果たすことがわかった。
この活性化ペプチドに特異的な(すなわちプロテインCの活性化を防止でき、
活性化プロテインCへの反応性を持たない)抗体(例えば抗体HPC-4)の投与によ
って、痛み域値が有意に減少することが明らかになった。つまり、プロテインC
の活性化ペプチドは、プロテインCの新しい抗侵害受容効果と抗炎症効果の媒介
に特異的に関与することが明らかになった。
β-エンドルフィン型の内因性ペプチドとその誘導配列(Met-エンケファリン
およびLeu-エンケファリン)の動物における抗侵害受容効果とヒトにおける鎮痛
効果は良く知られている。
プロテインCの活性化ペプチドの予想外の抗侵害受容効果は、内因性βーエンド
ルフィン型ペプチドを混合して投与することによって増大させることができる。
あるいは、抗侵害受容効果を増進するため、プロテインCの活性化ペプチドと内
因性β-エンドルフィン型ペプチドの両方の配列を含む融合ペプチドを投与して
もよい。好ましくは、個々のペプチドおよび/または融合ペプチドをペプチド合
成分野で知られる化学合成技術で製造する。
これらのペプチドは、その効力が痛覚過敏症の動物モデルで立証される限り、
記述するアミノ酸配列そのものまたはその類縁体および誘導体を含むと理解でき
る。
循環におけるタンパク質加水分解ゆえに、静脈内投与したペプチドはしばしば
比較的短い生物学的半減期を持つ。半減期はペプチドを投与用リポソームに封入
することによって改善できる。リポソーム型マイクロカプセル中のペプチドを投
与することによるもう1つの効果は、ニューロンレセプターに対する親和性と、
血脳関門を通過して脳(およびその痛覚レセプター)に移動する量がかなり増大
することである。これは一般に親水性のペプチドを親油性担体(リポソーム)に
封入した直接的結果である。これらの効果(タンパク質加水分解の減少と親油性
の増大)は共に、これらのペプチド、ペプチド混合物および融合ペプチドの抗侵
害受容効果を長続きさせ、さらに増進する。
このようなリポソーム製剤における脂質に対するペプチドの比は約1:100〜1:1
(w/w)の範囲で、好ましい範囲は約1:100〜1:5(w/w)である。
ペプチドおよび/またはプロテインCおよび/または活性化プロテインCのマイク
ロカプセル化は、経口投与もできる製剤の製造をも可能にする。
また本発明は、医薬組成物(特に急性または慢性炎症過程が引き起こす痛みの
処置用)の製造におけるプロテインCの活性化ペプチドの使用をも包含する。そ
のような痛みは、外傷後または手術後の状態がもたらす炎症過程もしくは一次ま
たは二次悪性疾患が引き起こす炎症過程の結果でありうる。
具体的には、慢性関節リウマチ、筋肉炎、胃炎、結腸炎または尿生殖路の炎症
によって誘発される痛みや、急性または慢性移植拒絶に伴う痛みの処置に使用す
る製剤を得るために、プロテインCの活性化ペプチドを使用できる。
さらにプロテインCの活性化ペプチドは、管壁への白血球の接着を防止し、透
過性になった管壁を白血球が通過するのを阻害することができる。プロテインC
の活性化ペプチドは白血球の活性化を弱め、補体活性化を防止するようである。
この理由から、本発明は、急性または慢性炎症性疾患処置用医薬組成物の製造
におけるプロテインCの活性化ペプチドの使用にも関係する。このような炎症性
疾患は外傷後、手術後もしくは一次または二次悪性疾患の過程で起こりうる。
プロテインCの活性化ペプチドの治療有効量を含む医薬製剤は、慢性関節リウ
マチ、筋肉炎、胃炎または結腸炎などの炎症性疾患の処置、尿生殖路の炎症の処
置、急性または慢性移植拒絶に伴う炎症過程の処置にとりわけ適している。
本発明の医薬製剤は、血漿や血漿画分などの生物学的供給源から、あるいはプ
ロテインCをもともと生産する細胞か、組換えDNA技術の結果として生産するよう
になった細胞の培養培地から精製できるプロテインCの活性化ペプチドを含むこ
とが好ましい。このような製剤は、生物学的供給源中に潜在的に存在する一切の
ウイルスを不活化するよう処理される。例えばEP-B-0 159 311またはEP-A-0 519
901(熱処理とテンシド(tenside)の組み合わせによるウイルス不活化処理が
記述されている)の方法による熱処理がウイルス不活化手段として好ましい。
これらの製剤はすべて、当然ながら、医薬に適した担体、希釈剤または緩衝物
質と共に、プロテインCや活性化プロテインC、他の血液タンパク質や医薬的に活
性な物質などの他の成分をも含有しうる。
本発明で使用するプロテインCの活性化ペプチドは、生物学的供給源から精製
されたプロテインCの切断によって得ることもできるし、化学的に合成すること
もできる。プロテインCの活性化は活性化剤(例えば固定化トロンビン)を用い
て試験管内で行なえる。プロテインCの活性化ペプチドは、活性化がもたらす活
性化プロテインCとプロテインCの活性化ペプチドとの混合物から分離して医薬的
に許容される製剤に製剤化してもよいし、活性化プロテインCと活性化ペプチド
の混合物として製剤化してもよい。
また本発明は、少なくとも1種類の消炎薬および/または少なくとも1種類の鎮
痛薬を含む複合医薬製剤の製造におけるプロテインCの活性化ペプチドの使用を
も包含する。あるいは、β-エンドルフィン型ペプチド(例えばMet-エンケファ
リンまたはLeu-エンケファリン)をも含む医薬組成物の製造にプロテインCの活
性化ペプチドを使用することができる。このような複合医薬製剤は共同作用的効
果(すなわち抗侵害受容効果の増大)を示すことが明らかになった。
さらに本発明は、増大した血管透過性を正常化するための製剤、管壁の透過性
の欠陥を防止するための製剤およびβ-アドレナリン受容体を刺激するための製
剤を製造する際のプロテインCの活性化ペプチドの使用にも関係する。
図1はラット足モデルにおける痛み域値を示すグラフであり、(a)はカラギー
ナンを投与せずに測定した場合、(b)はカラギーナンの投与後に測定した場合
、(c)はカラギーナンと種々の投与量のプロテインCの投与後に測定した場合で
ある。
図2は、プロテインCに対して服量応答的な抗侵害受容効果と抗体HPC-4の存在
下で減少する服量応答を示すグラフである(ラット足モデル)。
図3は、プロテインCの活性化ペプチドに対して服量応答的な抗侵害受容効果と
抗体HPC-4の存在下に減少する服量応答を示すグラフである(ラット足モデル)
。
図4は、ヒスタミンが誘発する増大した血管透過性に対するプロテインCの効果
を示すグラフである(モルモット)。
図5は、トロンビンが誘発する増大した血管透過性に対するプロテインCの効果
を示すグラフである(モルモット)。
図6は、トロンビンが誘発する増大した血管透過性に対する製剤緩衝液の効果
を示すグラフである(モルモット)。実施例
プロテインCとプロテインCの活性化ペプチドの調製ならびにそれらの抗侵害受
容活性および他の活性の評価を次項に説明する。また、プロテインCの活性化領
域に対して特異性を持つ代表的Ca2+依存性抗体であり、プロテインCおよび/また
はプロテインCの活性化ペプチドの抗侵害受容活性と他の活性の拮抗薬であるHPC
-4の評価も説明する。実施例1:プロテインCの調製
市販のプロトロンビン複合体濃縮物から得た粗製プロテインC画分から、高度
に精製されたプロテインCを調製した。この精製工程はモノクローナル抗体アフ
ィニティークロマトグラフィーを用いて行なった。モノクローナル抗プロテイン
C抗体は次の方法で作成した。
100μgのヒトプロテインCを 2週間おきに腹腔内注射することによって、BALB/
Cマウスを免疫感作した。6週間後、さらに50μgのヒトプロテインCを注射し、そ
の3日後に融合を行なった。骨髄腫細胞系(P3-X-63-AG8-653,1.5×107細胞)
ELISAによって検定した陽性クローンを2回サブクローニングした。プリスタン
処理の2週間後に、BALB/Cマウス1匹につき5×106ハイブリドーマ細胞を注射する
ことにより、腹水生産をはたした。
硫酸アンモニウム沈殿を行なった後、QAE-セファデックスによるクロマトグラ
フィーを行い、最後にセファデックスG200によるクロマトグラフィーを行なうこ
とにより、腹水から免疫グロブリンを精製した。ネズミウイルス伝達の危険を減
じるため、固定化に先立って、(例えばEP-B-0 159 311やEP-A-0 519 901に開示
されているように)抗体をさらにウイルス不活化操作にかけた。このようにして
得たモノクローナル抗体をCNBr-セファロース4B(Pharmacia)にカップリングし
た。アフィニティークロマトグラフィーによるプロテインCの精製には次の緩衝
液を使用した。
吸着緩衝液:20mmol Tris、2mmol EDTA、0.25mmol NaCl、5mmolベンズアミジ
ン。洗浄緩衝液:20mmol Iris、1mol NaCl、2mmolベンズアミジン、2mmol EDTA
、pH7.4。溶出緩衝液:3mol NaSCN、20mmol Tris、1mol NaCl、0.5mmolベンズア
ミジン、2mmol EDTA。実施例2:アフィニティークロマトグラフィー精製
プロトロンビン複合体濃縮物を実施例1の吸着緩衝液に溶解した(モノクロー
ナル抗体カラム20mlに約10gのプロトロンビン複合体濃縮物を使用する)。次い
で、溶解したプロトロンビン複合体濃縮物をろ過し、20,000rpmで15分間遠心分
離し、0.8μmフィルターを通して滅菌ろ過した。滅菌ろ過した溶解プロトロンビ
ン複合体濃縮物を10ml/時の流速でカラムに適用した。次いで、実施例1の洗浄緩
衝液でカラムを洗浄してタンパク質を除去し、結合したプロテインCを流速5ml/
時の実施例1の溶出緩衝液で溶出させ、溶出したプロテインC含有画分を集めて合
せた。溶出したプロテインCを緩衝液(0.2mol/l Tris、0.15molグリシンおよび1
mmol EDTA、pH8.3)に対して透析した。Laurellが記述した方法を用いてプロテ
インC抗原濃度を決定し、Protac活性化を用いてプロテインC活性を決定した。
このようにして得たプロテインC溶出液を次の方法で医薬的に適用できる調製
物に加工した。
溶出液をまず限外ろ過およびダイアフィルトレーション操作にかけた。ダイア
フィルトレーションは1リットルあたり150mmolのNaClと15mmolのクエン酸三ナト
リウム二水和物を含むpH7.4の緩衝液を用いて行なった。次にろ液を凍結乾燥し
、80±5℃、1375±35ミリバールで1時間の蒸気処理によってウイルスを不活化し
た。
ウイルスを不活化した凍結乾燥物質を滅菌等張NaCl溶液に溶解し、その調製物
中に存在する可能性のある抗体と血清アミロイドPをQ-セファロースカラムによ
るイオン交換クロマトグラフィーで除去した。精製した溶液をさらに限外ろ過お
よびダイアフィルトレーション操作にかけることによって濃縮した。この操作の
後、得られた溶液に、1リットルにつき10gのアルブミン、15mmolのNaClおよび15
mmolのクエン酸三ナトリウムを加えた。溶液のpHは7.5だった。ネズミ免疫グロ
ブリン、因子II、VII、IXおよびXはいずれも検出できなかった。次いで、その溶
液を滅菌ろ過し、容器に充填して、凍結乾燥した。比活性は14単位プロテインC/
mgだった。プロテインC活性1単位は正常血漿1ml中のプロテインC活性と定義され
、プロテインCの第1国際標品に対して較正される。ヘビ毒Protac(Pentapharmか
ら購入)によるプロテインCの活性化後に、アミノ分解検定法を活性試験として
用いた。実施例3:活性化プロテインCの調製
トロンビン70ml(500NIH単位/ml;約2000NIH単位/mg-タンパク質に相当する)
をCNBr-セファロース4B(Pharmacia)にカップリングし、プロテインCとそのト
ロンビンゲルをトロンビン1単位に対してプロテインC約6単位の割合で37℃で混
合し、連続的に振とうしながら3時間反応させることにより、精製したプロテイ
ンCの活性化を行なった。次に発色原基質(S2366)を用いてプロテインC活性を
決定した。次に活性化プロテインCを滅菌ろ過し、容器に充填して凍結乾燥する
ことにより、医薬製剤に加工した。実施例4:抗侵害受容効果
炎症を起こしたラット足モデルを用いて、プロテインCを投与したラット足と
プロテインCを投与しなかったラット足への局所的カラギーナン投与によって誘
発される痛み域値を決定することにより、抗侵害受容作用を立証した。
局所的カラギーナン投与(i.pl.)が誘発する炎症は、ラット皮膚侵害受容器
のブラジキニン感受性を増大させることが示されている(Kirchhoffら,Neurosci
ence Lett.111:206-210(1990)をみよ)。ラット足へのカラギーナンの皮下投
与は、好中球の浸潤、血漿管外溢出、ヒスタミン、ブラジキニンおよびプロスタ
グランジンE2の放出と合成によって特徴づけられる炎症性浮腫をもたらす(同上
)。それゆえラット足は炎症過程のモデルとして受け入れられており、それに付
随する侵害受容効果の研究に使用できる(同上)。したがって、ラット足は本発
明
によるプロテインCの活性化ペプチドおよび/またはプロテインCの抗侵害受容効
果を評価するための容認されるモデルとなる。
痛み域値は、RandallとSelittoが記述した方法と類似の方法で測定した(Rand
all LOおよびSelitto JJ:炎症を起こした組織に対する鎮痛活性の測定法,Arch
. Int.Pharmacodyn.111,409-419,1957)。この目的のため、水銀血圧計を10ml
注射器に接続し、そのプランジャーを短い弾丸型ペグに装着した。この注射器を
通してラットの足に増加する圧力をかけた(20mmHg/s)。痛み域値を飛躍(もが
き)反応を誘発するのに必要な圧力(mmHg)と定義した。
体重250〜350gの雌のスプレーグ・ドーリーラットを使用した。等張食塩水溶
液(0.9%)100μlに懸濁したカラギーナン(Sigma Chemical Co.,カタログ番号C
-1013)3mgをラットの足の足底内(i.pl.)に注射することによって、炎症を起
こさせた。
痛み域値をカラギーナンの注射前(対照値)とカラギーナン注射の6時間後ま
で毎時間測定した。カラギーナン注射後に測定した痛み域値を対照値の百分率と
して表した。
特に指定しない限り、プロテインCはカラギーナン注射の直後に尾の静脈に静
脈内注射した。注射体積は2ml/kgとした。
その結果を図1に図示する。痛み域値(対照値の百分率として記載)を縦軸に
示し、プロテインCの投与量(単位/kg)を横軸上の対数目盛りに示す。線(a)
と(b)はそれぞれカラギーナンの影響を与えずに測定した痛み域値とカラギー
ナンの影響下で測定した痛み域値に相当する。曲線(c)は、カラギーナンの影
響下に減少した痛み域値がプロテインCの投与によって上昇すること(抗侵害受
容効果)を示している。8U/kg(10匹)から25U/kg(15匹)、80U/kg(20匹)、2
50U/kg(20匹)、800U/kgまでの投与量範囲にわたる曲線(c)から、プロテイン
Cが有意な服量応答的抗侵害受容効果を持つことがわかる(80単位/kgでp<0.01;
250および800単位/kgでp<0.001)。
このプロテインCの抗侵害受容効果は皮下投与でも検出できる。さらに、活性
化プロテインCとプロテインCの活性化ペプチドとを含有する製剤も服量依存的抗
侵害受容効果を示すことが立証できた。実施例5
さらに、非選択的β-アドレナリン受容体遮断薬プロプラノロールの静脈投与
がプロテインCの抗侵害受容効果を拮抗することも立証された。プロプラノロー
ルのプロテインC拮抗効果は0.03〜1mg/kg i.v.の投与量範囲で観測された(表1
を参照せよ)。
しかしこの拮抗作用はプロプラノロールに限られるわけではなく、ピンドロル
について表2に示すように、他のβ-遮断薬もやはり服量依存的にプロテインCの
効果を拮抗する。
レセルピン(7.5mg/kg i.p.,18〜24時間)とα-メチル-p-チロシン(250mg/k
g i.p.,5時間)による化学的交感神経切除を用いて交換神経緊張を排除した後
でも、プロテインCは極めて効果的な抗侵害受容薬として作用する。しかし、こ
れらの交換神経切除動物でさえ、ピンドロルはプロテインCの効果を完全に拮抗
する(表3)。したがって、プロテインCの作用に対するシナプス前部の交感神経
系の関与は排除できる。それゆえ、プロテインCの作用はシナプス後部のβ-アド
レナリン受容体における直接効果によるものである。
プロテインCの効果はβ-交換神経興奮剤で模倣することができる。例えば検定
開始時に5mg/kgまたは3時間時点に3mg/kg静脈内注射したフェノテロールは著し
い抗侵害受容効果をもたらす。したがってシナプス後部のβ-アドレナリン受容
体の刺激が抗侵害受容効果を生むと結論できる。
プロテインCの推定されるβ-交換神経興奮効果の生化学的作用は、アドレナリ
ン作用性β-受容体への結合と、ATPからcAMPへの細胞内形成を触媒する膜結合酵
素アデニルシクラーゼの刺激によってもたらされると考えられる。cAMPはプロテ
インホスホキナーゼを活性化し、それが不活性な酵素をリン酸化によって活性型
に変換する。β-交感神経興奮剤刺激はこの方法で、例えば脂質分解とグリコー
ゲン分解を増大させる。
β-交感神経興奮作用がもたらすプロテインCの生理学的効果は多岐にわたる。
血小板内のcAMPの増大は血小板機能の阻害をもたらし、トロンビンが血小板表面
に結合するのを妨害する。したがってプロテインCは、血小板β-アドレナリン受
容体への結合による(具体的には動脈血管系における)血小板依存性血塊の形成
防止に使用できる。プロテインCのβ-アドレナリン受容体刺激効果は心臓に対し
て正変力効果をもたらし、(例えば細気管支上の)平滑筋に対して弛緩効果をも
たらす。したがってプロテインCは、その血管系へのβ-交感神経興奮効果ゆえに
、末梢血管障害の治療に使用できる。イヌに活性化プロテインCを冠状動脈内投
与すると、その血管拡張作用ゆえに冠状動脈血流が増大することが示されている
。このプロテインCの血管拡張作用は高血圧の処置に有用でありうる。抗炎症特
性もプロテインCのβ-交感神経興奮効果に帰することができる。プロテインCの
β-交換神経興奮作用は、肺におけるヒスタミン放出の阻害を誘発する。プロテ
インCはそのβ-交感神経興奮効果ゆえに、出産消散剤として使用できる。実施例6:抗侵害受容効果に対するHPC-4抗体の効果
静脈内投与したプロテインCの服量応答曲線と、プロテインCの静脈内投与の直
後に1mg/kgのHPC-4抗体溶液を静脈内投与した場合の服量応答曲線を決定した。
実験は基本的に実施例4に説明したように行なった。
米国特許第5,202,253号(参考文献として本明細書の一部を構成する)に開示
されており、上にも議論したように、HPC-4はプロテインCの活性化領域に認めら
れるドデカペプチド、すなわちNH2-Glu-Asp-Gln-Val-Asp-Pro-Arg-Leu-Ile-Asp-
Gly-Lys-COOH(配列番号2)を特異的に認識するカルシウム依存性モノクローナ
ルである。この抗体はその発明者らによってアメリカン・タイプ・カルチャー・
コレクション(ATCC)に受託番号HB-9892として1988年11月2日に寄託されており
、ATCCから入手できる。この抗体はプロテインCの活性化ペプチド(配列番号1)
に結合し、活性化プロテインCには結合せず、トロンビン-トロンボモジュリンに
よるプロテインCの活性化を妨害できる。さらに、HPC-4の生体内治療的用途がWO
94/02171に開示されており、そこでは生体内に投与されたこの抗体がプロテイン
Cの活性化を遮断できるとされている。HPC-4で処置した後、部分厚皮膚移植物の
採取を行って微小血管創傷を作成したブタは、食塩水対照動物と比較して血液損
失が有意に少ない。
ラット足モデルを用いる実験におけるプロテインCの抗侵害受容効果に対するH
PC-4の拮抗薬効果の結果を図2に示す。投与したプロテインCの量をI.U./kg-体重
の単位でX軸にプロットする。Y軸は上述の痛み域値を表す。プロテインCの投与
量を点(・)で表し、プロテインC+HPC-4の投与量を菱形(◆)で表す。各点は
5匹のカラギーナン処置動物の平均を表す。塩化ナトリウム対照(カラギーナン
図2からわかるように、HPC-4をプロテインCと一緒に投与すると、プロテインC
の服量応答曲線は約9倍右側に移動する。活性化プロテインCを含有する医薬製剤
では、遊離の活性化ペプチド(配列番号1)を活性化プロテインCと共に加えた場
合にのみ、HPC-4が抗侵害受容効果を妨害する。
グラフの底部にある線(15〜20%痛み域値の間)はプロテインCの不在下にカラ
ギーナンで処置した動物を表す。
したがって、プロテインCの活性化ペプチドが抗侵害受容活性を持つことは明
らかである。実施例7:プロテインCの活性化ペプチドの調製
アミノ酸配列NH2-Asp-Thr-Glu-Asp-Gln-Glu-Asp-Gln-Val-Asp-Pro-Arg-COOH(
配列番号1)を持つプロテインCの活性化ペプチドを、L.A.Carpino,J.Org.Che
m.37:3403(1972)の方法に従い、9-フルオレン-メチルオキシ-カルボニル(FM
OC)基によるFMOC技術とヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール-1-イル-オキ
シ-トリス-ピロリジン-ホスホニウムによる活性化(J.Martinezら,J.Med.Che
m.28:1874(1988)、J.Costeら,Tetrahedron Letters 31:205(1990)およびC
.E.Olsenら,Tetrahedron Letters 32:7617(1991)による)を用いる固相合成
法で合成した。ペプチド鎖をMilligen 9050 Pep-Synthesizerで段階的に合成し
た。その後、ペプチドを切断してFMOC基を除去し、Nukleosil 115 C18(5μ)に
よる逆相クロマトグラフィーにかけて、30分間で0%から70%アセトニトリルへの
アセトニトリル/水勾配で溶出することにより精製した。溶出液は0.1%トリフル
オロ
酢酸を含み、流速は1.5ml/分とした。活性化ペプチドを含有する画分を合わせて
、乾燥した。
ペプチドの同定はApplied Biosystems 477A Protein Sequencerによるエドマ
ン分解法(P.Edman,Acta Chem.Scand.4:283-293(1950)、P.Edman,Acta
Chem.Scand.7:700-701(1953)、P.Edman,Acta Chem.Scand.10:761-768(
1956)、P.Edmanら,Eur.Th.Biochem.1:80-91(1967)およびP.Edmanら,P
rotein Sequence Determination,S.B.Needleman編,232-279頁(1975),Spring
er,ベルリン・ハイデルベルグ・ニューヨーク)で証明した。また、D.F.Torger
sonら,Biochem.Biophys.Res.Commun.60:616(1974)の方法に従って、252C
fプラズマ・デソープション質量分析法でペプチドの純度と同定をさらに特徴づ
けた。この方法で1067.31の分子質量を証明できた。実施例8
β-エンドルフィン(NH2-Tyr-Gly-Gly-Phe-Met-Thr-Ser-Glu-Lys-Ser-Gln-Thr
-Pro-Leu-Val-Thr-Leu-Phe-Lys-Asn-Ala-Ile-Ile-Lys-Asn-Ala-Tyr-Lys-Lys-Gly
-Glu-COOH;配列番号3)、Met-エンケファリン(NH2-Tyr-Gly-Gly-Phe-Met-COOH
;配列番号4)およびLeu-エンケファリン(NH2-Tyr-Gly-Gly-Phe-Leu-COOH;配
列番号5)のアミノ酸配列を持つペプチドを、実施例7に記述のように合成し、精
製し、特徴づけた。さらに、β-エンドルフィン、Met-エンケファリンまたはLeu
-エンケファリンにペプチド結合したプロテインCの活性化ペプチドのアミノ酸配
列を含有する融合ペプチドも上述のように合成した。実施例9:ペプチドのマイクロカプセル化
実施例7および8に記述のように合成したペプチドを次の操作でリポソーム中に
マイクロカプセル化した。
50モル%1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、20モル%1,2-ジ
パルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロールおよび30モル%コレステロー
ルの混合物をクロロホルムに溶解した。脂質濃度を10mg/mlにした。ロータリー
エバポレーターを用いて減圧下、30℃で溶媒を留去した。溶媒を完全に除去した
後、減圧状態を30ミリバールで30分間維持し、0.1ミリバールでさらに6時間維持
した。得られたリン脂質薄層を緩衝液(20mM Tris、150mM NaCl、pH7.4)の添加
によって室温で水和させた。
このようにして得たリン脂質懸濁液をペプチド(例えば配列番号1、配列番号3
〜5と混合もしくは融合した配列番号1など)と混合して、0.1mgのペプチドと1.0
mgの脂質を含む混合物を調製した。この混合物を凍結乾燥した。多層小胞の分散
液を形成させるため、その凍結乾燥物を再び水に懸濁した。10ml-Thermo Barrel
Extruder(Lipex Biomembranes Inc.,カナダ・バンクーバー)を用いて、この
分散液を2枚の重ねた100nmポリカーボネートフィルターに押し出した。押し出し
た溶液はペプチドを含んだリポソームと遊離のペプチドとを含有する。20mM Tri
s-HCl、150mM NaClを含む緩衝液(pH7.4)を用いて、遊離のペプチドをスーパー
ロースR6HR10/30(Pharmacia)によるクロマトグラフィーで除去した。間隙体積
に溶出した画分がペプチド含有リポソームを含み、これらを合わせて凍結乾燥し
た。
生体用のマイクロカプセル化ペプチド製剤を0.9%(w/v)NaCl溶液に分散させ
た。
このような製剤は約1〜1000μgのリン脂質と約1〜1000μgのペプチドを含有す
る。生体用マイクロカプセル化ペプチド製剤は約10〜1000μgのリン脂質を約1〜
100μgのペプチドと共に含有することが好ましい。したがって、脂質に対するペ
プチドの比は約1:100から1:1(w/w)までの範囲であり、好ましい比は約1:100か
ら1:5(w/w)までの範囲である。実施例10:プロテインCの活性化ペプチドの抗侵害受容効果
実施例7に記述したように調製したプロテインCの活性化ペプチド(配列番号1
)の抗侵害受容効果を基本的に実施例4と6に記述したように決定した。炎症応答
と痛みを誘発するためにラットの足にカラギーナンを足底内(i.pl.)投与する
と同時に、3.125μg/kg〜50μg/kgの濃度のペプチドを一定の注射体積2ml/kgで
ラットに静脈内投与した。もう一組の試験動物には、ペプチド(配列番号1)の
静脈内投与後ただちにHPC-4抗体(1mg/kg)を静脈内投与した。6時間後に測定し
たペプチド(配列番号1)投与の抗侵害受容効果とHPC-4抗体によるその拮抗作用
を図
3に示す。
図3では、ペプチド(配列番号1)のみを与えた動物を(▲)で表し、ペプチド
(配列番号1)とHPC-4を与えた動物を(■)で表す。X軸は投与したペプチド(
配列番号1)の量をμg/kgの単位で表している。Y軸は痛み域値を%で表す。
各点を標準誤差と共に表す。試験グループは次の通りとした。
(1)下記の量のペプチド(配列番号1)を静脈内投与する6時間前に3mg/100μ
lのカラギーナンを足底内投与した:3.125μg、6.25μg、12.5μg、25μgおよび
50μg/kg(各10匹);100μg/kg(5匹)。
その結果を(◆)±S.E.でプロットする。
(2)下記の量のペプチドと同時に3mg/100μlのカラギーナンを足底内注射し
た後、1mg/kgのHPC-4抗体を静脈内投与した:3.125μg、12.5μg、25μg、50μg
、200μg/kg。
その結果を(■)±S.E.でプロットする。
対照群は次の通りとした。
(3)下側の線:3mg/100μlカラギーナン(i.pl.)(25匹)。
(4)上側の線:100μlの0.9%NaCl(i.pl.)(25匹)。
プロテインCの活性化ペプチド(配列番号1)がHPC-4抗体によって拮抗される
抗侵害受容効果を持つことは、上の結果から明らかである。実施例10:血管透過性に対するプロテインCの効果
実施例4と5は、プロテインCをラットに静脈内投与するとラットの痛み域値が
上昇することを示し、カラギーナンの足底内注射によって誘発される痛みをラッ
トが感じにくくなったことを示している。さらに、プロテインCをラットに投与
すると、浮腫などの炎症の兆候が減少した。
また実施例5は、プロテインCの抗侵害受容効果と抗炎症効果がピンドロルやプ
ロパノロールなど(共にβ-アドレナリン受容体遮断剤)の拮抗薬によってほぼ
排除されることをも示している。他方、プロテインCの効果はβ-交感神経興奮剤
フェノテロールによって模倣された。したがってプロテインCは生体内β-アドレ
ナリン受容体の刺激を媒介すると思われ、末梢管拡張を誘発することによる抗高
血圧治療や気管支の平滑筋の拡張による喘息治療としての用途も示される。さら
にプロテインCは、心臓に正変力効果と変時効果を誘発するにも有用だろう。
ラット足試験では、プロテインCの投与後のラットの足を組織学的に調べた結
果、未処置の動物と比較して血管周囲の白血球数が減少していることがわかった
。したがってプロテインCは、白血球の血管から血管周囲領域への移動を可能に
する管透過性に対して何らかの効果を持つようである。
麻酔したモルモットの増大した管透過性を拮抗するプロテインCの効力を確認
するため、細管漏出に対するプロテインCの効果をモルモットで研究した。この
研究は次のように行なった。
エバンズブルー(Evan's Blue)の静脈内投与後、麻酔したモルモットにプロ
テインC濃縮物か製剤緩衝液を与えた。その後、試験動物にヒスタミンかトロン
ビンを皮膚内投与して管透過性の増大を誘発するか、対照として食塩水を皮膚内
投与した。次に、結果として生じた膨疹の退色の発生について目視で調べた。そ
の結果を図4(ヒスタミン処置、プロテインCまたは食塩水)、図5(トロンビン
処置、プロテインCまたは食塩水)および図6(トロンビン処置、緩衝液または食
塩水)に示す。
これらの研究では、無色の膨疹を負(陰性)の観察(すなわち透過性の障害な
し)と記録し、注射部位の青い皮膚着色を正(陽性)の観察(すなわち血管透過
性の増大)と定義した。各処置動物群(1処置群あたりn=12)内で同じ物質と投
与量によって生じた全膨疹に対する陽性膨疹の百分率を計算した。
図4の結果は、様々な量のヒスタミン(Y軸に示す)を皮膚内注射した後の陽性
(青色)膨疹率(%)をプロットしたものである。○と●はそれぞれ、静脈内投
与した食塩水(n=12)と静脈内投与した800IUプロテインC/kg-体重の効果を表す。
図5の結果は、様々な量のトロンビン(X軸に示す)を皮膚内注射した後の陽性
膨疹率(%)をプロットしたものである。□と■はそれぞれ、静脈内投与した食
塩水(n=12)の効果と静脈内投与した800IUプロテインC/kg-体重(n=12)の効果
を表す。
図6の結果は、様々な量のトロンビン(X軸に示す)を皮膚内注射した後の陽性
膨疹率(%)をプロットしたものである。□と×はそれぞれ静脈内食塩水(n=12
)と静脈内緩衝液(n=12)を表す。
これらの結果は、プロテインCのよる予備処置が、内皮透過性の増大に対する
ヒスタミンとトロンビンの効果を防止する効力をもつことを示している。服量応
答曲線はそれぞれヒスタミンの場合は4倍(図4)、トロンビンの場合は9倍(図5
)、右に移動した。プロテインCと同等の体積と濃度で与えた製剤緩衝液はトロ
ンビンの服量応答曲線に対して効果を持たなかった(図6)。
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(72)発明者 トゥレツェク,ペーター
オーストリア、アー−1190ヴィーン、フー
トヴァイデンガッセ41番