JPH06219962A - 花粉症予防・治療剤 - Google Patents

花粉症予防・治療剤

Info

Publication number
JPH06219962A
JPH06219962A JP5251605A JP25160593A JPH06219962A JP H06219962 A JPH06219962 A JP H06219962A JP 5251605 A JP5251605 A JP 5251605A JP 25160593 A JP25160593 A JP 25160593A JP H06219962 A JPH06219962 A JP H06219962A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
human
ige
sfcεriα
chain
pollinosis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5251605A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyasu Ra
智靖 羅
Yukitsugu Naito
幸嗣 内藤
Minoru Hirama
稔 平間
Yasushi Okumura
康 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
Original Assignee
Green Cross Corp Japan
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Green Cross Corp Japan filed Critical Green Cross Corp Japan
Priority to JP5251605A priority Critical patent/JPH06219962A/ja
Priority to US08/238,027 priority patent/US5874404A/en
Publication of JPH06219962A publication Critical patent/JPH06219962A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 ヒトIgEとの結合が可能なペプチド、具体
的には高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖やヒトIg
Eとの結合が可能な高親和性グロブリンE受容体α鎖可
溶性断片を有効成分とする花粉症予防・治療剤。 【効果】 花粉アレルギーをその根源において遮断する
臨床上有用な花粉症予防・治療剤が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトIgEとの結合が
可能なペプチドの新規用途に関する。より詳細には高親
和性免疫グロブリンE受容体α鎖(FcεRIα)やヒ
トIgEとの結合が可能な高親和性免疫グロブリンE受
容体α鎖可溶性断片(sFcεRIα)からなる花粉ア
レルギーによる花粉症の予防・治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、杉等の植物による花粉アレルギー
による、アレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎(鼻
水、鼻づまり、くしゃみ)のいわゆる花粉症の症状を訴
える患者が急増する傾向にある。花粉アレルギーは外来
性因子、即ち花粉の侵入によってマスト細胞や好塩基球
からヒスタミンやロイコトリエン等の化学伝達物質や種
々の酵素が遊離し、特に鼻や目にその症状が現れる。
【0003】花粉症の治療対策としては、抗アレルギー
薬による予防的治療、抗ヒスタミン剤やステロイド製剤
による対症療法、減感作療法などが行われている。しか
しながら、予防的治療として満足のいく効果を有する抗
アレルギー薬は未だ出現しておらず、また、対症療法に
用いられる抗ヒスタミン剤やステロイド製剤もその副作
用がしばしば問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、花粉
アレルギーをその根源において遮断する臨床上有用な花
粉症予防・治療剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ヒトIgEと
の結合が可能なペプチドを、予防的に投与することによ
り花粉症の発症を抑制することができ、又、花粉症が発
症してからでもヒトIgEとの結合が可能なペプチドを
投与すればその症状が改善されることを見い出し、本発
明を完成した。
【0006】本発明は、かかる新知見に基づいて完成さ
れたものであり、ヒトIgEとの結合が可能なペプチド
を用いた花粉症予防・治療剤に関する。
【0007】本発明において、ヒトIgEとの結合が可
能なペプチドとは、ヒトIgEに特異的に結合し、その
機能を阻害するペプチドをいう。具体的には、高親和性
免疫グロブリンE受容体α鎖(FcεRIα)やヒトI
gEとの結合が可能な高親和性免疫グロブリンE受容体
α鎖可溶性断片(sFcεRIα)を含むペプチドが挙
げられる。
【0008】これらは花粉アレルギーの発現機序の発端
である、肥満細胞や好塩基球などの細胞膜上で高親和性
をもってIgEのFc部分と特異的に結合する高親和性
免疫グロブリンE受容体(FcεRI)へのIgEの結
合を阻害するので、花粉アレルギーをその根源において
遮断する。
【0009】FcεRIはα鎖、β鎖及びジスルフィド
結合した2個のγ鎖のサブユニットから成る4量体構造
をした糖蛋白質であり、IgEとの高親和性結合にはα
鎖の細胞外領域のみが関与していることが明らかにされ
ている [Blank. U et al., J. Biol. Chem., 266, 2639
(1991)]。
【0010】FcεRIαは上記FcεRIのα鎖のこ
とであり、sFcεRIαはα鎖の細胞外領域に相当す
る。
【0011】本発明に用いられるヒトIgEとの結合が
可能なペプチドは、少なくともα鎖の細胞外領域、即ち
sFcεRIαを含んでいればよいのであって、Fcε
RIαを用いても、FcεRI自体を用いてもなんら問
題はない。また、遺伝子工学的手法により人工的に改変
された変異体やDDS化された誘導体、例えばアルブミ
ンのコンジュゲートであっても、ヒトIgEとの結合が
可能なものであれば用い得るが、特にsFcεRIαが
好ましい。また、これらはヒト由来のものが好ましい。
【0012】sFcεRIαは細胞培養手法や遺伝子工
学的手法により製造が可能である。Blank.Uらは
ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)欠損CHO細胞を用
いてsFcεRIαを発現することに成功している(上
記文献)。
【0013】本発明者らも、(1)動物細胞での発現を
制御できるプロモーターを上流部に付加したsFcεR
Iα遺伝子及びウロキナーゼ(UK)プロモーターを付
加したDHFR遺伝子を組み込んでなるプラスミドを用
いて形質転換させた動物細胞、(2)動物細胞での発現
を制御できるプロモーターを上流部に付加したsFcε
RIα遺伝子をコードするDNAを担持させたプラスミ
ド及びUKプロモーターを上流部に付加したDHFRを
コードするDNAを担持させたプラスミドを同時に用い
て形質転換させた動物細胞、(3)上記(1)または
(2)の動物細胞を培養することによるsFcεRIα
の大量製造方法を確立している(後記参考例参照)。
【0014】sFcεRIαの遺伝子工学的手法による
製造は上記動物細胞を用いる方法のほか大腸菌や酵母を
用いる方法で製造してもよい。
【0015】本発明に用いられるヒトIgEとの結合が
可能なペプチドは、全身療法、局所療法いずれにおいて
も適用可能であるが、好ましくは眼粘膜や鼻粘膜などの
局所に投与できる剤型がよい。具体的には点眼剤、点鼻
剤、軟膏剤等が挙げられる。これらは公知の方法によっ
て調製可能である。点眼剤、点鼻剤は、注射用蒸留水に
有効成分としてヒトIgEとの結合が可能なペプチドを
溶解し、必要に応じ助剤として、緩衝液、等張化剤、増
粘剤、保存剤、安定剤、界面活性剤、防腐剤等を加え、
pHを4〜9に調整することにより得られる。噴霧用点
鼻剤は例えば特開昭63−101318号公報に記載の
方法で調製できる。軟膏剤としては、ゲル軟膏剤が好ま
しく、例えばカルボキシビニルポリマーをゲル化剤と
し、水酸化ナトリウム等の塩基性増粘化剤を用いて増粘
させて得られるゲル基材に有効成分としてヒトIgEと
の結合が可能なペプチドを混合し、必要に応じて助剤を
加え、pHを4〜9に調整することにより得られる。
【0016】本剤は、花粉の飛散する時期以前から予防
的に用いることにより、その発症を抑制することがで
き、発症してからでも適宜用いることによりその症状を
改善することができる。従来より用いられている抗アレ
ルギー剤等との併用も可能である。予防的に用いる際に
は、外来性因子に対するIgE量の2倍以上投与するの
が望ましい。治療剤としての使用の際には、発症後でき
るだけ早い時期に大量投与、好ましくは外来性因子に対
するIgE量の10倍以上投与するのが望ましい。
【0017】
【発明の効果】本発明により、花粉アレルギーをその根
源において遮断する臨床上有用な花粉症予防・治療剤が
提供される。
【0018】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために参考例、
実施例、試験例を挙げるが、本発明はこれらによって何
ら制限されるものではない。
【0019】参考例 ヒトsFcεRIαの製造 [I] FcεRI/pMT1の構築 [動物細胞での発現を制御できるプロモーター(SV4
0)を上流部に付加したヒトsFcεRIαをコードす
るDNAを組み込んで構成されるプラスミドの構築]Bla
nk らの報告[Blank. U et al., J. Biol. Chem. 266,
2639 (1991)] に従い、プラスミドpko[Doren, K.V.
et al., J. Virol, 50, 606, (1984)] にヒトFcεR
Iαのリーダー配列−ヒトsFcεRIα遺伝子を組み
込んだプラスミドFcεRI/pMT1(図1)を構築
した。尚、ヒトsFcεRIα遺伝子をコードするDN
A配列およびそれから演繹されるアミノ酸配列はNuclei
c Acids Research, Volume 16 Number 8, 3584 (1988)
に開示されている。
【0020】[II] pTT06の構築 [UKプロモーターを上流部に付加したDHFRをコー
ドするDNAを組み込んで構成されるなるプラスミドの
構築]Biosci. Biotech. Biochem., 56 (4), 600-604, 1
992に従い、UKプロモーター,DHFRcDNA, SV4
0ポリA付加シグナルを含むプラスミドpTT06を構
築した(図2参照)。
【0021】 [III] 動物細胞への導入および高産生細胞の樹立 (i) 材料; ・プラスミドDNA FcεRI/pMT1:pkoにヒトFcεRIαのリ
ーダー配列−ヒトsFcεRIα遺伝子を組み込んだプ
ラスミド。 pTT06:UKプロモーター(ウロキナーゼ遺伝子転
写開始点を含む上流約800bpの5’調節領域)に支
配されるDHFR遺伝子発現ユニットからなるプラスミ
ド。 ・細胞; CHO DXB−11細胞株(DHFR欠損株) G. Urlaub et al., Proc, Natl. Acad. Sci. USA, 77,
4216-4220 (1980)に記載の方法で調製、増殖させた。 ・メトトレキセート(MTX);Sigma 社製(+)Amet
hopterinを0.14 M NaCl, 0.02 M HEPES (ナカライテス
ク)に溶解し、2mMストック液を調製した。これを培地
に、目的の濃度になるように添加し使用した。
【0022】(ii) 方法 DNA導入およびトランスフェクタント上清のアッ
セイ α変法イーグルMEM,10%FCS で継代しているDHFR欠
損CHO DXB-11細胞をトリプシン(0.25%) 処理によりディ
ッシュからはがし、107 cell/ml となるよう Hanks液に
懸濁した。この懸濁液0.5 ml,5×106 個の細胞にプラ
スミドDNA(1μgのpTT06と40μgのFcε
RI/pMT1)を同時にエレクトロポレーション法に
より導入した。α変法イーグルMEM(リボ核酸・デオ
キシリボ核酸含まず),10%FCSで培養後、生じたコ
ロニーを拾いあげて順次拡大し、これらトランスフェク
タントの培養上清中のヒトsFcεRIα活性を以下の
に記載の方法に従い測定し、高い活性が見られた株に
ついてMTXによるDNA増幅を行った。
【0023】 ヒトsFcεRIαの定量 ヒトsFcεRIαの濃度は、ラット好塩基球細胞株上
に存在するFcεRIへの 125I標識マウスIgEの結
合阻害で測定した。以下にその材料と方法を示す。 (材料) ・細胞;ラット好塩基球細胞株RBL−2H3は、10%
FCS、100U/ml ペニシリンおよび100 μg/mlストレプ
トマイシンを含むイーグルMEM中で培養した。 ・IgE;抗ジニトロフェニルマウスモノクローナルI
gE(Hi-DNP-E-26-82)、または抗トリニトロフェニル
(TNP)マウスモノクローナルIgEを用いた。抗T
NPマウスモノクローナルIgEは、マウスハイブリド
ーマIGELb4(ATCC No.TIB141)の
培養上清またはマウス腹水より精製した。 ・IgEのヨード標識;バイオラッド社製Enzymobeads
法を用いた。0.2 Mリン酸緩衝液 (pH7.2) 50 μl、マ
ウスモノクローナルIgE(2.14mg/ml) 10 μl、Enzy
mobeads 試薬50μl、Na 125I25μl(95MBq)、1%β
−Dグルコース水溶液25μlを混和し、室温で15〜20分
間反応させた。150 μlの10mg/ml チロシン、10%グ
リセリンおよび0.1 %キシレンシアノールを含むリン酸
緩衝生理的食塩水と混和した後、PD−10カラム(フ
ァルマシア製)を用いたゲル濾過法にて蛋白を回収し
た。 (方法) IgE結合アッセイ; (1) CHO細胞は、10%FCS 添加α変法イーグルME
M(リボ核酸・デオキシリボ核酸含まず)で維持するの
で、この培養液で希釈したサンプルを調製した(125-25
0 μl) 。 (2) 3%牛血清アルブミンおよび0.1 % NaN3 添加ダ
ルベッコリン酸緩衝生理的食塩水(PBS/3% BS
A)で希釈した125 I標識IgEを(1) のサンプルに添
加した。総体積は500 μlで、125 I標識IgEの濃度
は100ng/mlである。この混合物を室温で3〜6時間イン
キュベートした。 (3) PBS/3% BSA中に懸濁したRBL−2H
3細胞(3〜8×107 /ml)50 μlを添加し、氷中で1
〜2時間インキュベートした。また、標識IgEの細胞
への非特異的吸着を調べるための非標識IgE添加群で
は、前もって150μlのRBL−2H3細胞懸濁液と15
μlの2.1mg/ml非標識IgEを混和しておき、この混合
液55μlを(2) の混合液に添加した。 (4) 1000rpm, 5分間遠心により細胞を沈澱させ、上清
を捨てた。 (5) 細胞を、PBS/3% BSAにて一度洗浄した
のち、結合した放射活性をガンマカウンターにて測定し
た。 (6) 添加物なしの放射活性として10% FCS 添加α変法
イーグルMEM(リボ核酸・デオキシリボ核酸含まず)
を加えた際のcpm を用い、以下の式に従い結合阻害率を
測定した。
【0024】
【数1】
【0025】 MTXによる導入遺伝子の増幅 で得られたヒトsFcεRIα産生株を、5〜10×10
5 cells/dishとなるように10nM MTX含有選択培地8〜10
ml入り10cmディッシュに植え込んだ。約3日毎に培地交
換を行い、2〜4週間培養を続けていると充分な細胞数
の10nM MTX耐性細胞が得られるので、次の段階のMTX
濃度の培地に継代した。このように10nMMTX濃度からス
タートして50nM, 100nM, 200nM, 500nM,1μM,2μ
M,4μM,10μMと順次MTX濃度を上げて遺伝子増
幅を行った。
【0026】 ヒトsFcεRIα産生株のクローニング でMTX の増幅を行ったヒトsFcεRIα産生株のう
ちの幾つかについて限界希釈法によるクローニングを行
った。すなわち、各濃度のMTX 耐性細胞を10%FCSおよび
2〜10μM MTX を含むα変法イーグルMEM(リボ核酸
・デオキシリボ核酸含まず)中で培養し、96ウェルプレ
ートに播種した。増殖が観察されたウェルより細胞を回
収して24ウェルプレート、さらに10cmディッシュへ順次
拡大し、コンフルエントになった段階での上清中のヒト
sFcεRIα産生量を調べた。
【0027】[IV] ヒトsFcεRIαの精製 ヒトsFcεRIαを比較的高く産生していたクローン
細胞株の培養上清983ml に、1/20容積の1mM Tris, pH8.
0 および10mMベンザミジン、10mMエチレンジアミン4酢
酸、0.02%アジ化ナトリウムを添加し、0.22μm のフィ
ルターで濾過した試料をIgE Sepharose 4Bカラム
〔マウスハイブリドーマIGELb4(ATCC No.TIB141)培養
上清から精製した抗トリニトロフェニルIgE10mgを0.
1M炭酸水素ナトリウム中で活性化CH Sepharose (Pharma
cia) 1g に結合させたもの〕を用いて精製した。カラム
を0.02%アジ化ナトリウムを含むPBSで洗浄後、カラ
ムに結合した蛋白を0.2M酢酸、0.2M塩化ナトリウム、0.
02%アジ化ナトリウム、pH2.8 で溶出した。得られた精
製ヒトsFcεRIαを10mM重炭酸アンモニウムに対し
て透析した後、200 μlをSpeedVacで乾燥させ、SDS
電気泳動で調べると、クーマジーブルー染色で還元およ
び非還元両方の条件下で分子量50kDa付近に明確な
バンドが検出され、このバンド以外の蛋白は検出されな
かった。この蛋白はラジオイムノアッセイで放射性標識
IgEの好塩基球細胞(RBL−2H3細胞;前出)へ
の結合を阻害する活性を有していた。かかる精製ヒトF
cεRIαの濃度は、Bradford法 [Bradford, M.M., An
al. Biochem. 72, 248(1976)] によって定量した。
【0028】実施例1 注射剤 精製ヒトsFcεRIα 100mg及びブドウ糖100mg を注
射用蒸留水に溶解し、ヒトsFcεRIα濃度が 2 mg/
mlになるように調製した。これを0.45μm のメンブラン
フィルターで濾過後、濾液を無菌的に5ml バイアルに分
注し、窒素ガスを充填した後、密封して静脈内注射剤と
した。
【0029】実施例2 点眼剤 精製ヒトsFcεRIα500mg、ソルビトール50
gおよびパラオキシ安息香酸メチル20mgを注射用蒸
留水に溶解し、リン酸緩衝液にてpHを6.5に調整
し、全量を1000mlとした。これを0.45μmの
メンブランフィルターで濾過後、濾液を無菌的に点眼び
んに分注し、点眼剤とした。
【0030】実施例3 点鼻剤 実施例2と同様にして点鼻剤を調製した。
【0031】実施例4 軟膏剤 カルボキシビニルポリマー(グッドリッチ社製、カーボ
ポール940)2%水溶液25.0重量部に水酸化ナト
リウム2%水溶液25重量部を攪拌しながら徐々に加
え、さらに攪拌してゲル状とした。これに精製ヒトsF
cεRIα2重量部を適当量の精製水に溶かして加え、
さらに精製水を加え全量を100重量部とし、均一に攪
拌して軟膏剤とした。
【0032】 試験例1 マウスのアレルギー性結膜炎に対する作用 2 mg Al(OH)3 gel/ml に10μg のDNP-Ascaris を溶解
し、BALB/Cマウスに腹腔内投与して感作を行った。感作
4週間後から上記実施例2で製造したヒトsFcεRI
αの点眼剤0.1mlを1日1回づつ1週間点眼した。
翌日、0.5 %DNP-ovalbumin 溶液0.1mlを点眼し
た。その結果、対照群のマウスには結膜炎の症状である
眼球結膜の浮腫等が観察されたが、ヒトsFcεRIα
投与群のマウスにはこれらの症状は観察されなかった。
また、上記のような症状を示した対照群のマウスに対し
て、上記点眼剤を点眼したところ、症状が改善された。
【0033】試験例2 マウスを用いた2次的アレルギ
ー反応の抑制作用 (方法)雌BALB/Cマウス(8週令以上)の背部皮
下に、抗−TNP・IgE産生ハイブリドーマIGEL
a2(ATCC No.TIB142)を106 移植
し、モデル動物を作成した。移植8日目に0.4%塩化
ピクリルのアセトン溶液10μlをマウスの左耳に塗布
して第1次抗原チャレンジを行い、14日目に同様の方
法にて第2次抗原チャレンジを行った。一方、ヒトsF
cεRIαは、移植後7、8日目に25μg/匹、移植
後9、11、13、15日目に100μg/匹静脈内投
与した。ヒトsFcεRIαの効果は、抗原チャレンジ
2時間後の耳の厚さを指標とした。測定はダイヤゲージ
(PEACOCK、尾崎製作所製)を用いた。尚、本試
験では、マウスはコントロール群、ヒトsFcεRIα
投与群それぞれ8匹ずつ用いた。
【0034】(結果)第1次抗原チャレンジ2時間後に
ついては、コントロール群とヒトsFcεRIα投与群
との間に差異はなかった。しかしながら、第2次抗原チ
ャレンジ2時間後については、コントロール群では第1
次抗原チャレンジによる耳の腫大と同様の腫大が見られ
たのに対し、ヒトsFcεRIα投与群では耳の腫大は
抑制された(図3)。上記事実により、ヒトsFcεR
Iαは、IgE抗体の関与するI型アレルギー(アナフ
ィラキシー反応)、例えば花粉症に対して2次的発症を
抑制するので優れた予防剤となりえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドFcεRI/pMT1の構造を示
す。
【図2】プラスミドpTT06の調製工程を示す。
【図3】抗原チャレンジ(第1次、第2次)2時間後の
コントロール群とヒトsFcεRIα投与群の耳の腫大
を測定した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/06 V 7329−4C 9/08 V 7329−4C U 7329−4C // C12N 15/12 C12P 21/00 C 8214−4B (C12P 21/00 C12R 1:91) (72)発明者 平間 稔 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株 式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 奥村 康 千葉県千葉市中央区松波1−14−9

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトIgEとの結合が可能なペプチドを
    有効成分として含有することを特徴とする花粉症予防・
    治療剤。
  2. 【請求項2】 ヒトIgEとの結合が可能なペプチドが
    高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖を含むペプチドで
    ある請求項1記載の花粉症予防・治療剤。
  3. 【請求項3】 高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖が
    ヒト由来である請求項2記載の花粉症予防・治療剤。
  4. 【請求項4】 ヒトIgEとの結合が可能なペプチドが
    高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖の可溶性断片を含
    むペプチドである請求項1記載の花粉症予防・治療剤。
  5. 【請求項5】 高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖の
    可溶性断片がヒト由来である請求項4記載の花粉症予防
    ・治療剤。
  6. 【請求項6】 剤型が点眼剤である請求項1〜5記載の
    花粉症予防・治療剤。
  7. 【請求項7】 剤型が点鼻剤である請求項1〜5記載の
    花粉症予防・治療剤。
  8. 【請求項8】 剤型が軟膏剤である請求項1〜5記載の
    花粉症予防・治療剤。
JP5251605A 1992-08-04 1993-10-07 花粉症予防・治療剤 Pending JPH06219962A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5251605A JPH06219962A (ja) 1992-10-08 1993-10-07 花粉症予防・治療剤
US08/238,027 US5874404A (en) 1992-08-04 1994-05-03 Immunoglobulin E receptor α-chain inhibits IgE production and secondary allergic responses

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-270513 1992-10-08
JP27051392 1992-10-08
JP5251605A JPH06219962A (ja) 1992-10-08 1993-10-07 花粉症予防・治療剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06219962A true JPH06219962A (ja) 1994-08-09

Family

ID=26540269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5251605A Pending JPH06219962A (ja) 1992-08-04 1993-10-07 花粉症予防・治療剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06219962A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1478394B1 (en) Stabilized TNFR-Fc composition comprising arginine
AU700819B2 (en) Rheumatoid arthritis remedy containing IL-6 antagonist as effective component
US6627195B1 (en) Binding agents to CD23
US8057802B2 (en) Treatment methods for fibrosis related disorders
US9044436B2 (en) Compositions and methods for the treatment of angiogenesis-related eye diseases
RU2680096C2 (ru) Липосомальные препараты
CA2141685A1 (en) Antiallergic composition
CN104903349A (zh) Il-6拮抗剂及其应用
CN103917563A (zh) 丝氨酸蛋白酶抑制蛋白融合多肽及其使用方法
JP2021507690A (ja) Il−2ムテインおよびその使用
KR20180116359A (ko) 인터루킨-6의 길항제 제제 및 이의 용도
JP2015504675A (ja) アルファ−1アンチトリプシン融合分子の組成物、方法、及び使用
US20210246212A1 (en) Anti-gpiib/iiia antibodies and uses thereof
WO2018032639A1 (zh) 活化的人凝血因子vii融合蛋白及其制备方法与用途
CA2449488C (en) Compositions and methods for treating hyperimmune response in the eye
JP2019513724A (ja) コンジュゲートされたc1エステラーゼインヒビター及びその使用
JPH07118168A (ja) IgE産生抑制剤
JPH06219962A (ja) 花粉症予防・治療剤
JPH06206828A (ja) アトピー性皮膚炎予防・治療剤
US9617325B2 (en) Treatment of IgE-mediated disease
JPH06211685A (ja) 気管支喘息予防・治療剤
JPH06107558A (ja) アナフィラキシーショック予防・治療剤
US5874404A (en) Immunoglobulin E receptor α-chain inhibits IgE production and secondary allergic responses
JPH06510022A (ja) ある種の腫瘍の治療のためのミュラー阻害物質の使用
JP2003171315A (ja) 薬物−ポリエチレングリコール結合体を含有する眼組織内注入剤