JPH06206764A - アルカリガス雰囲気焼成炉用耐火物 - Google Patents

アルカリガス雰囲気焼成炉用耐火物

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JPH06206764A
JPH06206764A JP50A JP1929993A JPH06206764A JP H06206764 A JPH06206764 A JP H06206764A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 1929993 A JP1929993 A JP 1929993A JP H06206764 A JPH06206764 A JP H06206764A
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refractory
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Kazunori Houkaku
一徳 法覚
Katsuyoshi Koyatsu
勝好 小谷津
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Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Na、K、Pb、Bi等を含む高温アルカリ
雰囲気に対して優れた耐久性能を発揮する安価なアルカ
リガス雰囲気焼成炉用耐火物を提供する。 【構成】 Al2 3 が92〜98重量%、CaOが8
〜2重量%の成分組成を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Na、K、Pb、Bi
等を含有するアルカリガス雰囲気に対して優れた耐久性
を発揮するアルカリガス雰囲気焼成炉用の耐火物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】Al2 3 系耐火物は、優れた耐火性、
耐熱性および耐食性を備えていることから工業的に重要
な地位を占めており、従来から高温焼成炉の内張り、焼
成用の治具、サヤ等として多用されている。ところが、
従来組成のAl2 3 粒子単味またはAl2 3 粒子を
珪酸塩化合物で結合したAl2 3 系耐火物は、高温の
アルカリ雰囲気に対しては耐久性に乏しい欠点がある。
【0003】すなわち、上記のAl2 3 系耐火物をア
ルカリガス雰囲気の焼成炉に使用すると、Al2 3
分はアルカリガスと接触反応して材質脆化を生じ、珪酸
塩結合部はアルカリガスと反応して低融点ガラスを生成
し、溶融、亀裂、割れ、剥離などの現象を招く。したが
って、アルカリガス雰囲気焼成炉の内張り材とした場合
には、短期間内に操炉を中断して劣化耐火物を交換補修
する必要がある。
【0004】前記の劣化現象を生じない耐高温アルカリ
ガス雰囲気用の耐火物として、ZrO2 やMgOをAl
2 3 に添加した組成のものが知られている。しかし、
これらの耐火物は構成材料が高価である関係で、工業炉
用の耐火物としてはコスト的に合わない経済面での難点
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】通常、電子部品あるい
は蛍光塗料などを熱処理するための焼成炉においては、
概ね被処理材からの発生や雰囲気調整のために炉内がN
a、K、PbまたはBi等を含むアルカリガス雰囲気と
なる。このため、近時の工業用焼成炉の分野では高温ア
ルカリガス雰囲気に対して優れた耐食性を発揮する安価
な耐火物の開発が強く要求されている。
【0006】本発明者らは、このような要求に沿う耐火
物につき材質成分面から多角的な研究を重ねた結果、安
価なCaOを特定された範囲でAl2 3 に配合した組
成材質がアルカリガス雰囲気の焼成炉用として優れた耐
食性を示すことを確認した。
【0007】本発明は前記の知見に基づいて開発された
もので、その目的は、Na、K、Pb、Bi等を含む高
温アルカリガス雰囲気に対して優れた耐久性を発揮する
安価なアルカリガス雰囲気焼成炉用耐火物を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるアルカリガス雰囲気焼成炉用耐火物
は、Al2 3 が92〜98重量%、CaOが8〜2重
量%の成分組成を有することを構成上の特徴とするもの
である。
【0009】本発明における成分組成は限定的で、Al
2 3 が92重量%を下廻りCaOが8重量%を越える
とCaO成分中の水との反応によるスレーキング(消
化)現象が生じて室温での長期保管が困難となり、他
方、Al2 3 が98重量%を上廻りCaOが2重量%
未満になると高温アルカリガス雰囲気での耐食性が十分
に付与されなくなる。
【0010】上記Al2 3 −CaO質の成分組成を有
する本発明のアルカリガス雰囲気焼成炉用耐火物は、例
えばAl2 3 の骨材粒子とCaOの前駆体となる炭酸
カルシウム(CaCO3) または水酸化カルシウム(Ca(OH)2)
の粉体を混合し、少量の水を加えて所望の形状に成形し
たのち、大気雰囲気下において1400〜1800℃、
好ましくは1600〜1800℃の温度範囲で1〜30
時間焼成処理する方法によって製造することができる。
【0011】
【作用】本発明の成分組成に係るAl2 3 −CaO質
耐火物は、Al2 3 およびCaOの骨格粒子と6Al
2 3 ・CaOからなる粒界結合部によって構成されて
いる。本発明による耐食性の向上効果は、前記の粒界結
合部を形成する6Al23 ・CaOが同時に骨格粒子
となるAl2 3 を被覆し、アルカリガス雰囲気による
Al2 3 の反応侵食の進行を抑制するために有効に機
能するためと推測される。しかし、CaOの複合化比率
が2重量%未満であると耐食性の向上は十分に付与され
なくなり、また8重量%を越えるとスレーキング現象が
生じて長期保管ができなくなる。したがって、Al2
3 が92〜98重量%でCaOが8〜2重量%の範囲を
満たす複合成分組成においてアルカリガス雰囲気焼成炉
用耐火物として優れた耐久性能が発揮される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して詳
細に説明する。
【0013】実施例1 Al2 3 骨材粒子(粒径1mm)96.4重量%とCa
CO3 粉体(粒度100μm)3.6重量%を混合し、こ
れに水5重量%を加えてモールド成形により幅10mm、
高さ10mm、長さ120mmの煉瓦形状に成形した。つい
で、成形体を大気雰囲気に保たれた焼成炉に入れ170
0℃に昇温したのち2時間保持する条件で焼成処理を施
した。得られた耐火物の成分組成はAl2 3 98重量
%、CaO2重量%であった。次に、このAl2 3
CaO質の耐火物を2.8%PbO雰囲気に保持された
加熱温度1000℃のアルカリガス雰囲気焼成炉に入れ
て90日間処理し、処理後の耐火物中のPbO含有量を
定量分析して耐食性の評価をおこなった。また、処理前
後における耐火物の高温曲げ強度(試験温度1200
℃)を測定して材質劣化の度合を評価した。それらの結
果を表1に示した。
【0014】実施例2 Al2 3 骨材粒子(粒度100μm )91重量%とC
aCO3 粉体(粒度100μm )9重量%を混合し、こ
れに水15重量%を加えて流し込み成形により幅10m
m、厚さ10mm、長さ100mmの煉瓦形状に成形した。
ついで、成形体を実施例1と同一条件で焼成処理し、成
分組成がAl2 3 95重量%、CaO5重量%のAl
2 3 −CaO質耐火物を製造した。得られた耐火物に
つき、実施例1と同様に耐食性および材質劣化テストを
おこない、結果を表1に併載した。
【0015】実施例3 Al2 3 骨材粒子量を86重量%、CaCO3 粉体量
を14重量%に代えたほかは実施例1と同一条件によ
り、成分組成がAl2 3 92重量部、CaO8重量%
のAl2 3 −CaO質耐火物を製造した、得られた耐
火物につき、実施例1と同様にして耐食性および材質劣
化テストをおこない、結果を表1に併載した。
【0016】比較例1 Al2 3 骨材粒子量を98.2重量%、CaCO3
1.8重量%に代えたほかは実施例1と同一条件によ
り、成分組成がAl2 3 99重量%、CaO1重量%
のAl2 3 −CaO質耐火物を製造した。得られた耐
火物につき、実施例1と同様にして耐食性および材質劣
化テストをおこない、その結果を表1に併載した。
【0017】比較例2 Al2 3 骨材粒子量82重量%、CaCO3 を18重
量%に代えたほかは実施例1と同一条件により、成分組
成がAl2 3 90重量%、CaO10重量%のAl2
3 −CaO質耐火物を製造した。得られた耐火物につ
き、実施例1と同様にして耐食性および材質劣化テスト
をおこない、この結果を表1に併載した。
【0018】比較例3 Al2 3 骨材粒子(粒径1mm)60重量%とAl2
3 粉体(粒度100μm)40重量%を混合し、これに水
5重量%を加えてモールド成形して幅10mm、厚さ10
mm、長さ100mmの煉瓦形状に成形した。ついで、成形
体を実施例1と同一条件で焼成処理し、Al2 3 10
0重量%の耐火物を製造した。得られた耐火物につき実
施例1と同様に耐食性および材質劣化テストをおこな
い、結果を表1に併載した。
【0019】比較例4 Al2 3 骨材粒子(粒径1mm)65重量%と3Al2
3 −2SiO2 粉体(粒度100μm )35重量%を
混合し、これに水5重量%を加えてモールド成形して幅
10mm、厚さ10mm、長さ10mmの煉瓦形状に成形し
た。ついで、成形体を実施例1と同一条件で焼成処理
し、成分組成がAl2 2 90重量%、SiO2 10重
量%のAl2 3 −SiO2 質耐火物を製造した。得ら
れた耐火物につき実施例1と同様にして耐食性および材
質劣化テストをおこない、結果を表1に併載した。
【0020】比較例5 安定化ZrO2 骨材粒子(粒径1mm)70重量%と安定
化ZrO2 粉体(粒度100μm )30重量%を混合
し、これに水5重量%を加えてモールド成形して幅10
mm、厚さ10mm、長さ100mmの煉瓦形状に成形した。
ついで、成形体を実施例1と同一条件で焼成処理し、成
分組成がZrO2 100重量%の耐火物を製造した。得
られた耐火物につき実施例1と同様にして耐食性および
材質劣化テストをおこない、結果を表1に併載した。
【0021】
【表1】
【0022】表1の結果から、実施例1〜3による耐火
物はPbO含有率が比較例5のZrO2 質耐火物よりも
低位にあり、また高温曲げ強度の低下もなく、高温アル
カリガス雰囲気中で優れた耐食性を示すと共に使用によ
る材質劣化が認められなかった。これに対し、比較例1
の耐火物はCaO成分が2重量%未満であるためPbO
含有率が多くなって耐食性が低下し、材質劣化も大き
い。比較例2の耐火物は良好な耐食性と材質強度を保持
するが、CaO成分が8重量%を越えるために保存中に
スレーキング現象が生じ、長期保管ができないという本
質的な製品欠陥がある。その他のAl2 3 耐火物(比
較例3)、Al2 3 −SiO2 質耐火物(比較例4)
は、アルカリガス雰囲気中で十分な耐食性を示さず、材
質強度の劣化も認められた。
【0023】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればAl2
3 に特定量のCaOを含む複合成分組成をもち、高温ア
ルカリガス雰囲気下において安定した耐久性能を発揮す
るアルカリガス雰囲気焼成用耐火物を提供することがで
きる。しかも、複合成分となるCaOが極めた安価であ
るから、耐火物の製造コストも低廉化する。したがっ
て、Na、K、Pb、Biなどを含有するアルカリガス
雰囲気で使用される焼成炉の内張り、その他の治具、サ
ヤ等の部材として耐久寿命を大幅に延長し、交換補修頻
度の少ない安価な耐火物として供給することが可能とな
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al2 3 が92〜98重量%、CaO
    が8〜2重量%の成分組成を有することを特徴とするア
    ルカリガス雰囲気焼成炉用耐火物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007049822A1 (ja) 2005-10-27 2007-05-03 Nippon Steel Corporation 不定形耐火物
JP2015157724A (ja) * 2014-02-24 2015-09-03 イソライト工業株式会社 軽量耐アルカリ耐火断熱れんが及びその製造方法

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WO2007049822A1 (ja) 2005-10-27 2007-05-03 Nippon Steel Corporation 不定形耐火物
US8076255B2 (en) 2005-10-27 2011-12-13 Nippon Steel Corporation Castable refractory
JP2015157724A (ja) * 2014-02-24 2015-09-03 イソライト工業株式会社 軽量耐アルカリ耐火断熱れんが及びその製造方法

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