JPH06206674A - エレベーターの故障復旧装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中央監視センター５Ａに設けられた遠隔監視
装置８からの遠隔操作により、制御リレーの接触不良の
ような軽微な故障原因を解消するものである。 【構成】 制御リレー（有接点リレー）を有する制御装
置２は、遠隔操作により作動する制御装置用の電源スイ
ッチ１６と、エレベーターの故障時に異状信号を発生す
る故障検出装置３とを備える。また、中央監視センター
５Ａは、上記異状信号を受信し、所定の故障条件か否か
を判断する診断プログラムを有し、その診断結果に基づ
いて制御装置用の電源スイッチ１６に対して、遠隔操作
指令を発する遠隔監視装置８を備える。 【効果】 短時間で故障を復旧することができると共
に、その都度作業員が出動する必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、遠隔操作により故障
を復旧するエレベーターの故障復旧装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、エレベーターの故障が発生したと
きは、監視員の通報あるいは監視装置により異状発報さ
れるが、その都度作業員が故障の復旧のために出動して
いた。

【０００３】従来のエレベーターの故障復旧装置の構成
を図３を参照しながら説明する。図３は、従来のエレベ
ーターの故障復旧装置を示すブロック図である。

【０００４】図３において、１はエレベーターかご、２
は制御装置、３は故障検出装置、４は公衆電話回線、５
は中央監視センター、６は公衆電話回線、７は中央監視
センター５からの指令を受けて作業員を出動させる拠点
である事業所である。なお、故障検出装置３は、例えば
エレベーターが動かない等の異状が発生した時にその旨
の信号を発する。

【０００５】つぎに、前述した従来のエレベーターの故
障復旧装置の動作を説明する。エレベーターかご１が乗
客を乗せて走行中において、例えば何等かの原因により
急停止すると、乗客はエレベーターかご１の内部に閉じ
込められた状態となり、故障発生の状態となる。

【０００６】この時、故障検出装置３は、異状を検知し
て中央監視センター５へエレベーターかご１内に乗客が
閉じ込められた旨の異状信号を公衆電話回線４を通じて
発する。そして、中央監視センター５から事業所７へ公
衆電話回線６を通じて作業員の出動指令が送信される
と、作業員は故障状態の復旧に出動する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
エレベーターの故障復旧装置では、故障発生の都度、作
業員が修理に出向かなければならないという問題点があ
った。また、制御装置の制御リレーの単なる接触不良の
ような故障の場合には作業員が現地に到着したときには
問題がないというようなこともあり、時間もかかり、出
動そのものが無駄になるという問題点があった。

【０００８】この発明は、前述した問題点を解決するた
めになされたもので、監視センターからの遠隔操作によ
り、短時間で故障を復旧することができると共に、その
都度作業員が出動する必要がないエレベーターの故障復
旧装置を得ることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明に係るエレベー
ターの故障復旧装置は、次に掲げる手段を備えたもので
ある。 〔１〕 エレベーターの異状が発生したときは異状信号
を伝送する故障検出手段。 〔２〕 前記異状信号に基づいて所定の範囲の故障であ
る場合にはエレベーターの制御装置の電源スイッチを遠
隔操作により作動させる遠隔監視手段。

【００１０】

【作用】この発明に係るエレベーターの故障復旧装置に
おいては、故障検出手段によって、エレベーターの異状
が発生したときは異状信号が伝送される。また、遠隔監
視手段によって、前記異状信号に基づいて所定の範囲の
故障である場合にはエレベーターの制御装置の電源スイ
ッチが遠隔操作により作動させられる。

【００１１】

【実施例】

実施例１．この発明の実施例１の構成を図１を参照しな
がら説明する。図１は、この発明の実施例１の構成を示
すブロック図であり、エレベーターかご１〜公衆電話回
線４、公衆電話回線６及び事業所７は上述した従来装置
のものと同様である。なお、各図中、同一符号は同一又
は相当部分を示す。

【００１２】図１において、８は中央監視センター５Ａ
に設けられた遠隔監視装置であって、故障検出装置３か
らの異状信号を受信し、故障の状態を分析する診断プロ
グラムを有する。また、遠隔監視装置８は、Ｉ／Ｏポー
ト９と、ＲＡＭ１１、ＣＰＵ１２及びＲＯＭ１３により
構成されたコンピュータ１０と、故障状態の診断結果、
つまり故障の種類を表示する表示装置１４とを有する。
さらに、１５は公衆電話回線、１６は中央監視センター
５Ａからの遠隔操作によって投入、遮断が可能な制御装
置用の電源スイッチである。

【００１３】なお、制御装置２の内部には図示されてい
ないが、電源に接続されリモコンブレーカーなどから構
成される制御リレーと、この制御リレーに接続された安
全装置とが含まれており、電源スイッチ１６は上記安全
装置に接続されている。

【００１４】この発明の実施例１は、ほこり等による制
御装置２の制御リレーの接触不良のような軽微な原因の
エレベーターの運転不能等の故障を中央監視センター５
Ａからの遠隔操作により、電源スイッチ１６の遮断、投
入の一連の動作を行うことにより、復旧に時間がかかる
等の問題点を解消するものである。

【００１５】ところで、この発明に係る故障検出手段
は、前述したこの発明の実施例１では故障検出装置３に
相当し、この発明に係る遠隔監視手段は、実施例１では
遠隔監視装置８に相当する。

【００１６】つぎに、前述した実施例１の動作を図２を
参照しながら説明する。図２は、この発明の実施例１の
動作を示すフローチャートである。

【００１７】ステップ２０において、故障検出装置３
は、エレベーターが故障か否かを判断する。すなわち、
エレベーターかご１が例えば急停止する等の異状を検出
すると、ステップ２１において、故障検出装置３は公衆
電話回線４を通じて異状信号を発報する。

【００１８】ステップ２２において、中央監視センター
５Ａに備えられた遠隔監視装置８は、公衆電話回線４を
通じて上記異状信号を受信する。なお、上記異状信号に
は、上記安全装置の動作の有無や、エレベーターかご１
の位置等の他の制御情報が含まれている。

【００１９】そして、ステップ２３において、遠隔監視
装置８は、例えば上記安全装置が動作していない等の予
め定めた条件の範囲の故障か否かを遮断プログラムによ
り判断し、所定の範囲の故障の場合は次のステップ２４
に進み、所定の範囲の故障でない場合にはステップ２６
に進み、中央監視センター５Ａから事業所７へ公衆電話
回線６を通じて作業員の出動指令が出される。

【００２０】なお、所定の範囲の故障とは、例えば上記
安全装置が動作しておらず、かつ他の制御情報からエレ
ベーターかご１が途中停止していると判断される場合
や、エレベーターかご１の扉が一定時間開いたままであ
ると判断される場合などで、電源に接続された制御リレ
ーがほこり等により接触不良の可能性が高い場合であ
る。

【００２１】ステップ２４〜２５において、公衆電話回
線１５を通じた遠隔操作により、制御装置２の電源スイ
ッチ１６を作動させて、遮断と投入の一連の動作を１回
又は２回以上行う。その結果、制御装置２に組み込まれ
ている制御リレー（図示しない）が付勢と消勢を繰り返
すことになり、上記制御リレーの接点の接触不良のよう
な軽微な異状が解消されてエレベーターの故障が復旧す
る。なお、表示装置１４には、所定の範囲の故障等の故
障の種類などを表示する。

【００２２】ステップ２５において、エレベーターの故
障が復旧したか否かが判断される。ここで、故障が復旧
したか否かは故障検出装置３から送られてくる異状信号
をみることにより判断することができる。もし、エレベ
ーターの故障が復旧しないときは、ステップ２６におい
て、担当の事業所７へ公衆電話回線６を通じて作業員の
出動指令が出される。

【００２３】このようにして、制御リレーの接触不良の
ような軽微な故障原因のときは、中央監視センター５Ａ
からの遠隔操作により、電源スイッチ１６の遮断、投入
を行うので、制御リレーの接触不良が解消され、わざわ
ざ作業員が現地へ出動する必要がなく、速やかに故障を
復旧することができるという効果を奏する。さらに、エ
レベーターの故障時、エレベーターかご１内に乗客が閉
じ込められているときは故障復旧までの時間が短いの
で、効果は著しい。

【００２４】この発明の実施例１は、前述したように、
中央監視センター５Ａに設けられた遠隔監視装置８から
の遠隔操作により、制御リレーの接触不良のような軽微
な故障原因を解消するものである。すなわち、制御リレ
ー（有接点リレー）を有する制御装置２は、遠隔操作に
より作動する制御装置用の電源スイッチ１６と、エレベ
ーターの故障時に異状信号を発生する故障検出装置３と
を備える。また、中央監視センター５Ａは、上記異状信
号を受信し、所定の故障条件か否かを判断する診断プロ
グラムを有し、その診断結果に基づいて制御装置用の電
源スイッチ１６に対して、遠隔操作指令を発する遠隔監
視装置８を備える。従って、短時間で故障を復旧するこ
とができると共に、その都度作業員が出動する必要がな
いという効果を奏する。

【００２５】なお、上記実施例１では遠隔監視装置８に
よって自動的に電源スイッチ１６を作動させているが、
中央監視センター５Ａにいる監視員が表示装置１４をみ
て手動の遠隔操作により電源スイッチ１６を作動させて
もよい。

【００２６】

【発明の効果】この発明に係るエレベーターの故障復旧
装置は、以上説明したとおり、エレベーターの異状が発
生したときは異状信号を伝送する故障検出手段と、前記
異状信号に基づいて所定の範囲の故障である場合にはエ
レベーターの制御装置の電源スイッチを遠隔操作により
作動させる遠隔監視手段とを備えたので、短時間で故障
を復旧することができると共に、その都度作業員が出動
する必要がないという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例１の構成を示すブロック図で
ある。

【図２】この発明の実施例１の動作を示すフローチャー
トである。

【図３】従来のエレベーターの故障復旧装置を示すブロ
ック図である。

【符号の説明】

１ エレベーターかご ２ 制御装置 ３ 故障検出装置 ４ 公衆電話回線 ５Ａ 中央監視センター ６ 公衆電話回線 ７ 事業所 ８ 遠隔監視装置 １４ 表示装置 １５ 公衆電話回線 １６ 電源スイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベーターの異状が発生したときは異
   状信号を伝送する故障検出手段、及び前記異状信号に基
   づいて所定の範囲の故障である場合にはエレベーターの
   制御装置の電源スイッチを遠隔操作により作動させる遠
   隔監視手段を備えたことを特徴とするエレベーターの故
   障復旧装置。