JPH0620656B2 - 鉄筋コンクリ−ト建築における壁面および床面穿孔用コアドリルのビット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、一端部の外周面に、螺子を設け、他端部の側
面に適当なる幅と、深さとの角形落し穴を穿設した円形
短寸の金属管体を形成し、その金属管体において、落し
穴を除いた他端部の端面に、管体の厚みよりも稍肉厚に
して、同長同高の円弧形ダイヤモンド刃の複数個を、定
間隔を置き管体と一体的に取着した穿孔用コアドリルの
ビットに関するものである。

鉄筋、鉄骨コンクリート建築の壁、梁、床、天井など
に、冷房房、電気、ガス、水道工事などのため穿孔する
のに、先端にダイヤモンドビットを連着したコアドリル
を使用するものであるが、穿孔中コンクリート内にある
鉄筋、鉄骨、その他補助用鉄筋の一部にコアドリルのビ
ットが接触してそれらの一部分を切り取る場合がある。
この場合ビットの管体に設けた落し穴内に、金属の切り
取り屑を落し込み、金属の切り取り層のため妨害を受け
ることなく、穿孔作業が継続でき、所要の孔をあけるこ
とができるようにしたものである。

（従来の技術） 従来より用いられているコアドリルのビットは一端部の
外周に螺子を設けた短寸の金属管体の他端部の側面に、
複数個のダイヤモンド刃を定間隔を置き一体的に取着し
たものである。

このビットをコアドリルのチューブに連結して鉄筋コン
クリート建築の壁、その他の個所を穿孔する場合、外部
からは見えないが、コンクリート内に埋め込まれている
鉄筋、鉄骨又は補助用鉄筋の一部にビットが接触してダ
イヤモンド刃によりこれを切り取り、その金属の切り取
り屑が抜き取り中のコンクリート塊より離脱してビット
の管体内、又はコアドリルのチューブ内外に挟まって軋
み、次第い廻転を停止せしめ、コアドリルの正常廻転を
妨害し穿孔作業に支障を生じさせることがある。この場
合一時孔作業を停止した上、コアドリルを穿孔部より引
き抜き、金属の切り取り屑を取り除いた後、再び穿孔中
の孔にコアドリルを差込み作業を継続せなければならな
かった。

（発明が解決しようとする問題点） コアドリルはビットと、チューブと、カップリングの３
者を螺合連結して一体としたものであるが、穿孔作業を
行う場合はビットの端側面に取着せるダイヤモンド刃に
よてコンクリートを削り所要の孔を穿設するものであ
る。従ってコンクリート内に鉄筋、その他補助用鉄筋が
埋め込まれておっても、ダイヤモンド刃はコンクリート
と共にそれらを切り取ってしまうことになる。そしてそ
の金属の切り取り屑はコンクリート塊より離脱してコア
ドリルの内面に挟まり廻転に支障を来すことになる。

本発明は金属の切り取り屑を取り除くため、ダイヤモン
ド刃により切り取った金属の切り取り屑をビットの管体
に角形落し穴を設け、その落し穴内に金属の切り取り屑
を落し入れるようにしたものである。

（問題を解決するための手段） コアドリルは、穿孔する穴の大きさにより円径に大小が
ある、又壁、床などの厚みに応じて長短自在にできるよ
うにしている。この場合コアドリルのチューブを取り替
えれば長短は思い通りになるから、ビットとカップリン
グには何等変更を加える必要はない。

本発明はダイヤモンド刃により切り取った金属の切り取
り屑の散逸を防き、コアドリルの廻転に支障を生じさせ
ないため、その儘落し穴内に落し込み排出せないように
するものであるが、１ヵ所の穿孔に際し左程多量の金属
の切り取り屑が出ないからビットの管体には１ヵ所の落
し穴を設ければ足りる。そして落し穴の大きさはビット
の径の大小により金属の切り取り屑も相違するから、角
形落し穴の長さと深さとはビットの径に応じた大きさと
するものである。

（作 用） 本発明はビットの管体他端部の端面に設けたダイヤモン
ド刃により鉄筋コンクリート建築の壁面、その他の個所
を切り取り穿孔するものであって、穿孔する際に生ずる
コンクリートの粉末はビットの管体外周を伝わって外部
に排出するが、切り取った円柱形セメント塊は管体内お
よびチューブ内に進入し、穿孔が終ればこれを取り出し
て捨てることになる。

然しコンクリート内に埋め込んだ鉄筋その他補助用鉄筋
の一部をダイヤモンド刃が切り取った場合、その切り取
り屑はセメント塊に密着せずして分離し、ビットの廻転
に従い管体に設けた落し穴内に進入するものである。落
し穴内に進入せる切り取り屑は穴外に排出することな
く、穿孔が終るまで穴内に拘束されているから、コアド
リルは切り取り屑の妨害を受けることなく正常に廻転し
所要の穿孔を果たすものである。

（実施例） 本発明の実施例を説明すれば金属材を用い、一端向の外
周面に螺子(1)を設け、他端部の側面に円径に応じて適
当なる幅と、深さとの角形落し穴(2)を穿設して円形短
寸の管体(3)を形成し、その管体(3)の落し穴(2)を除い
た他端部の端面(4)に、管体(3)の厚みよりも稍肉厚にし
て、同長同高の円弧形ダイヤモンド刃(5)の複数個を、
定間隔を置き管体と一体的に取着してなるものであっ
て、図中(6)はチューブ、(7)はカップリング、(8)は連
結桿、(9)はモーター、(10)は廻転軸、(11)は補助輪、
(12)は支持用螺桿、(13)は送電線、(14)は送水管、(15)
は排水管、(16)はコンクリート壁面、(17)は抜き取った
円柱形コンクリート塊(18)は金属の切り取り屑離脱孔、
(19)は離脱した金属の切り取り屑である。

本案は叙上のごとき構成によりなるものであって、管体
(3)にチューブ(6)を、チューブ(6)にカップリング(7)を
それぞれ螺合連結してコアドリルとするものである。こ
のコアドリルは、モーター(9)の回転軸(10)にカップリ
ング(7)の連結桿（８）を螺合連着し、モーター(9)を始
動させるとにより廻転し、穿孔作業を行うことができる
ものであって、穿孔せんとする壁面には、予め補助輪(1
1)と支持用螺桿(12)を装着してモーター(9)を支持し、
作業を正確に行うようにするもにである。又穿孔する孔
の大きさは用途によって大径のものと、小径のものとが
ある。この場合ビットの管体(3)、チューブ(6)、および
カップリング(7)の円径を大径、又は小径としたコアド
リルを使用することにより所要の穿孔ができる。又厚壁
を穿孔する場合と、薄壁を穿孔する場合とがある、この
場合チューブ(6)の長いもの、或は短いものを連結する
ことによりコアドリルの長さも長短自在となるから作業
に適合するようにして使用することができる。

（発明の効果） 本発明によるビットは、このように鉄筋、鉄骨コンクリ
ート建築の壁、その他所要の個所を穿孔する際に用いる
コアドリルの先端部となり、ダイヤモンド刃によりコン
クリート塊と共に、埋込み鉄筋、その他の金属の一部を
切り取り、その切り取り屑かコンクリート塊より分離し
ても、ビットの管体(3)の落し穴(2)内に落し込みコアド
リルの廻転を妨害することなきものであるから、どのよ
うな個所でも不安なく、正確に穿孔することができるも
のである。

又本発明によるビットは管体(3)に落し穴(2)を穿設する
けであって、然もその落し穴(2)はビット１個に対し１
ヵ所だけ設ければよいから、経済的に高額な負担を要す
ることなくできるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明ビットに、チューブとカップリングとを
螺合連結してコアドリルとした時の正面図、第２図は本
発明ビットの正面図、第３図は同斜面図、第４図は同平
面図、第５図はモーターの廻転軸に連着して鉄筋コンク
リート建築の壁面を穿孔する状態を示した斜面図、第６
図は穿孔部より取り出した円柱形コンクリート塊の斜面
図、第７図は金属の切り取り屑の斜面図である。 図中、(1)……螺子、(2)……落し穴、(3)……管体、(4)
……他端部の端、(5)……ダイヤモンド刃。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】金属を用い、一端部の外周面に螺子を設
   け、他端部の側面に、円径に応じて適当なる幅と、深さ
   との角形落し穴を穿設して円形短寸の管体を形成し、そ
   の管体の落し穴を除いた他端部の端面に管体の厚みより
   も稍肉厚にして、同長同厚の円弧形ダイヤモンド刃の複
   数個を、定間隔を置き管体と一体的に取着した、鉄筋コ
   ンクリート建築における壁面および床面穿孔用コアドリ
   ルのビット。