JPH0620648A - 冷陰極放電灯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ゲッターの保持量を多くすることができる冷陰
極放電灯を提供する。 【構成】バルブ１の端部に円筒形冷陰極４を封装し、こ
の円筒形冷陰極の内部にゲッター１１を取着した冷陰極
放電灯において、上記ゲッター１１を金属製の短冊片１
０に取り付け、この短冊片を上記円筒形冷陰極の内部に
取着したことを特徴とする。 【作用】ゲッターを金属製の短冊片に取着し、この短冊
片を円筒形冷陰極の内部に収容したから、ゲッターの保
有量を多くすることができ、よってランプ電圧の上昇に
よるちらつきや、バルブの早期黒化を防止することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＯＡ機器などの液晶表
示装置のバックライトに使用して有効な冷陰極放電灯に
係り、その冷陰極の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】各種ＯＡ機器に用いられている液晶表示
装置には、バックライトとしてけい光ランプを使用した
ものがある。この種のバックライトは、機器の内部で使
用されるから小形であり、しかも発熱が少ないことが要
請されるので、バルブ径を細くし、かつ電極として熱負
荷の低い冷陰極を用いた冷陰極けい光ランプが有利であ
り、すでに多用されている。

【０００３】冷陰極けい光ランプは、図３に示すよう
に、内面にけい光体被膜２を形成したバルブ１の端部
に、ジュメット線などからなるリード線３…を介して冷
陰極４、４を封装してあり、このバルブ内に水銀と希ガ
スを封入した構造をなしている。冷陰極３としては図４
および図５に示すような円筒形電極を用いたものが知ら
れている。円筒形の冷陰極４は、ニッケルスリーブまた
は鉄スリーブにニッケルメッキを施してなる円筒体５に
上記リード線３…を接合した構造をなしており、内部に
ゲッター６を保持している。ゲッター６はＺｒ−Ａｌ合
金などからなり、図５に示すように、支持リング７に充
填されており、この支持リング７は円筒体５の先端に形
成した嵌合溝８に嵌合されている。嵌合溝８は円筒体５
の先端を縮径して内側に屈曲成形することにより一体に
形成されている。なお、支持リング７には、図示しない
水銀放出合金が付着されており、冷陰極４をランプ内に
封着したのち外部から加熱することにより、水銀をバル
ブ１内に放出するようになっている。

【０００４】このような構造の冷陰極４の場合、円筒形
の構造をなしているから表面積が大きく、電子の放出が
多くなる。しかも熱容量が大きいので電極の熱劣化が少
なくなる。また、蒸発した電極物質やゲッターなどが円
筒形の壁で遮られるからバルブ壁に付着する割合が少な
く、よって早期黒化を防止するなどの利点がある。

【０００５】そして、この種の冷陰極４は、点灯中にバ
ルブ１内に放出される水分を含む不純物を吸着し、放電
空間の純度を保ってランプ電圧の上昇を防止し、かつ不
純物が管壁に付着して黒化を発生するのを防止する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな冷陰極けい光ランプにおいてはランプの小径化およ
び高輝度が要請されており、そのためにはランプ電流を
大きくする必要があり、例えば内径６mmの冷陰極けい光
ランプの場合、従来のランプ電流は５〜６ｍＡ程度の正
規グロー放電にて使用されているが、上記の要請により
ランプ電流を１０〜１５ｍＡ程度の大電流にする必要が
ある。

【０００７】このような状況下では、ランプ動作中に電
極の温度およびバルブ壁の温度が非常に高くなり、管内
に多量の不純物が放出される。このような不純物は電極
４に保持したゲッター６により捕獲するが、従来の場合
はゲッター６が支持リング７に充填されていたため、ゲ
ッターの保持量が相対的に少なく、加えてランプが小形
になると電極も小形になるからゲッター保持量が一層少
なくなり、したがって不純物を吸着し切れず、ランプ電
圧が上昇してちらつきが発生したり、不純物がバルブ壁
に付着して早期黒化を発生する不具合がある。

【０００８】また、上記ゲッター６は支持リング７に充
填され、この支持リング７は円筒体５の後端開口から挿
入して嵌合する構造になっているので、嵌合が面倒であ
り、ゲッター６が脱落する場合もあった。

【０００９】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、ゲッターの保持量
を多くすることができ、早期にランプ電圧が上昇したり
バルブ黒化を発生するのを防止することができる冷陰極
放電灯を提供しようとするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、バルブの端部
に円筒形冷陰極を封装し、この円筒形冷陰極の内部にゲ
ッターを取着した冷陰極放電灯において、上記ゲッター
を金属製の短冊片に取り付け、この短冊片を上記円筒形
冷陰極の内部に取着したことを特徴とする。

【００１１】

【作用】本発明によると、ゲッターを金属製の短冊片に
取着し、この短冊片を円筒形冷陰極の内部に収容したか
ら、ゲッターの保有量を多くすることができる。

【００１２】

【実施例】以下本発明について、図１および図２に示す
一実施例にもとづき説明する。本実施例において、ラン
プに全体構造は図３の場合と同様であってよく、従来と
異なる冷陰極の構造について説明する。

【００１３】本実施例の円筒形冷陰極３は、ニッケルス
リーブまたは鉄スリーブにニッケルメッキを施してなる
円筒体５に従来と同様なリ−ド線３…を接合した構造を
なしている。

【００１４】この円筒体５の内部には、２枚の金属製短
冊片１０、１０が挿入されている。これら短冊片１０、
１０は、例えばニッケル、または鉄にニッケルメッキし
たリボン形状をなしている。これら短冊片１０、１０に
は、それぞれ一側面にゲッター１１、１１が保持されて
いる。ゲッター１１はＺｒ−Ａｌ合金などからなり、短
冊片１０、１０の一側面に塗布されている。また、これ
ら短冊片１０、１０の他側面には、水銀合金１２、１２
が塗布されている。水銀合金１２、１２はＴｉ−Ｈｇな
どからなる。

【００１５】このような短冊片１０、１０は、そのゲッ
ター１１、１１の塗着面が互いに向き合うようにして上
記円筒体５の内部に収容され、これらは所定の隙間を存
して対向し、それぞれ円筒体５に溶接されている。

【００１６】このような構造の円筒形冷陰極であれば、
ゲッター１１が短冊片１０の表面に塗布されているので
ゲッター１１の保持量が多く、よって不純物の吸着性能
が高くなる。特に、短冊片１０を複数枚用いると、一層
ゲッター１１の保持量が多くなる。

【００１７】このため、バルブの径が細くなり、したが
って電極４も小形になり、加えて輝度の向上のためにラ
ンプ電流を１５〜１６ｍＡ程度の高い電流にして使用す
る場合であっても、高温となった電極４やバルブ壁から
放出される多量の不純物を上記多量のゲッター１１によ
り確実に吸着することができる。したがって、ランプ電
圧の上昇を抑え、ちらつきが防止され、かつ不純物がバ
ルブ壁に付着することにより発生する黒化を防止するこ
とができる。また、ゲッター１１は短冊片１０の側面に
塗着したので脱落することがない。なお、本発明はけい
光ランプに限らず、水銀を封入しない冷陰極希ガス放電
灯の場合でも実施可能である。

【００１８】また、ゲッター１１が付着された短冊片１
０は、２枚装着することには限らず、１枚であってもよ
く、また円筒体５内で、短冊片１０を円形や角形に屈曲
して収容してもよい。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ゲ
ッターを金属製の短冊片に取着し、この短冊片を円筒形
冷陰極の内部に収容したから、ゲッターの保有量を多く
することができる。このため、点灯状況が過酷なために
バルブ内に不純物が多量に放出されても、ゲッターによ
り確実に吸着し、ランプ電圧が上昇したりバルブが黒化
するのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の円筒形冷陰極を示し、
（Ａ）図は横断面図、（Ｂ）図は（Ａ）図中Ａ−Ａ線の
断面図。

【図２】同実施例の冷陰極を分解した横断面図。

【図３】冷陰極けい光ランプの構造を示す断面図。

【図４】従来の円筒形冷陰極を示し、（Ａ）図は横断面
図、（Ｂ）図は（Ａ）図中Ａ−Ａ線の断面図。

【図５】同実施例の冷陰極を分解した横断面図。

【符号の説明】

１…バルブ、３…リード線、４…冷陰極、５…円筒体、
１０…短冊片、１１…ゲッター、１２…水銀放出合金。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バルブの端部に円筒形冷陰極を封装し、
   この円筒形冷陰極は内部にゲッターを保持した冷陰極放
   電灯において、 上記ゲッターを金属製の短冊片に取り付け、この短冊片
   を上記円筒形冷陰極の内部に取着したことを特徴とする
   冷陰極放電灯。
2. 【請求項２】 上記短冊片の一側面にゲッターを設ける
   とともに、他側面に水銀放出合金を付着したことを特徴
   とする請求項１に記載の冷陰極放電灯。
3. 【請求項３】 円筒形冷陰極の内部に、上記ゲッター取
   り付けた短冊片を複数枚取着したことを特徴とする請求
   項１に記載の冷陰極放電灯。
4. 【請求項４】 上記バルブは、内径が６mm以下の小径で
   あることを特徴とする請求項１に記載の冷陰極放電灯。