JPH062061A - 常温延性に優れたNiAl系金属間化合物 - Google Patents

常温延性に優れたNiAl系金属間化合物

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JPH062061A
JPH062061A JP18036492A JP18036492A JPH062061A JP H062061 A JPH062061 A JP H062061A JP 18036492 A JP18036492 A JP 18036492A JP 18036492 A JP18036492 A JP 18036492A JP H062061 A JPH062061 A JP H062061A
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JP
Japan
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intermetallic compound
ductility
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precipitation
nial
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Withdrawn
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JP18036492A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Fujitsuna
綱 宣 之 藤
Atsuyuki Miyamoto
本 淳 之 宮
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】B2型NiAl系金属間化合物に、Moが5a
t%未満含有されている構成である。 【効果】Moを含有することにより、常温延性および曲
げ強度が共に優れているB2型NiAl系金属間化合物
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は常温延性に優れたNiA
l系金属間化合物に関し、さらに詳しくは、ガスタービ
ン、ジェットエンジン、高温バルブ、高温ガス炉等の長
時間高温にさらされる構造材料として好適な常温延性に
優れたNiAl系金属間化合物に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、ガスタービン、ジェットエンジ
ン、高温バルブ、高温ガス炉等の長時間高温にさらされ
る構造材料としては、Ni基超合金が使用されて来てい
る。
【0003】しかし、このNi基超合金は含有元素の種
類が極めて多く、溶解および鋳造が難しくこの合金を製
造することは困難であると共に、700℃以上の温度に
おける強度低下が著しく大きいという問題がある。
【0004】そのため、このNi基超合金の主要な強化
相であるNi3Al系金属間化合物に関する研究が多数
行われており、特開昭56−069342号公報、特開
昭62−093332号公報に、常温延性および高温強
度を改善したNi3Al系金属間化合物が記載されてい
る。しかし、この金属間化合物は比重が大きく、強度お
よび耐酸化性においてNi基超合金以上の特性は得られ
ていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に説明し
た従来におけるNi基超合金の問題点に鑑み、本発明者
が鋭意研究を行い、検討を重ねた結果、含有元素の種類
が少なく、軽量、かつ、耐酸化性にも優れ、曲げ強度お
よび常温延性に優れたNiAl系金属間化合物を開発し
たのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る常温延性に
優れたNiAl系金属間化合物の特徴とするところは、
B2型NiAl系金属間化合物に、Moが5at%未
満含有されていることにある。
【0007】本発明に係る常温延性に優れたNiAl系
金属間化合物について、以下詳細に説明する。
【0008】本発明に係る常温延性に優れたNiAl系
金属間化合物において、B2型NiAl系金属間化合物
は、K、Vedula等が示しているように、化学量論
組成で延性を示す(“High− Temperatu
re Ordered Intermetallic A
lloysIII”,ed.by C.T.Liu,A.I.T
aub,N.S.Stoloff and C.C.Koch
(MRS,Pittsburg),p299)、また、
非化学量論組成のNi−49at%Alでも、結晶粒径
を微細にすれば延性を示すことが知られている(例え
ば、E.M.Schulson an d D.R.Bake
r:Script Metall .,35(198
7),643)。
【0009】このように、化学量論近傍の組成で。結晶
粒径を微細にすることができれば、NiAl系金属間化
合物に延性を保有させることができる。そして、この観
点から以下説明することが明らかとなった。
【0010】1)加工熱処理に伴う結晶粒径微細化によ
る延性の改善 結晶粒径を微細化することは、一般の金属材料において
行われているような加工熱処理プロセスを採用すること
が有効である。しかしながら、B2型NiAl金属間化
合物も他の金属間化合物同様に、熱間加工性が悪く加工
が非常に困難な材料であり、加工時に割れが発生し易
く、健全な素材が得られない。
【0011】また、粒界破壊を起こし易い材料であるた
め、加工時に大きな割れが発生しなくても、内部に粒界
ボイド等の欠陥が発生する場合があり、そのため、加工
熱処理により結晶粒径を微細にするためには、加工法を
検討する必要がある。
【0012】2)第三元素を含有させることによる延性
の改善 1)において説明したように、加工熱処理による延性改
善は加工法の問題から困難であることがわかった。その
ため、第三元素を含有させることによって延性の改善を
図ることが必要である。この第三元素を含有させるのに
際して、B2型NiAl金属間化合物の結晶粒内に第二
相を析出させ、界面を作ることができれば、結晶粒微細
化と同様の効果が得られ、延性を改善することができ
る。
【0013】このことから、化学量論組成のB2型Ni
Al金属間化合物の延性を劣化させることなく、析出強
化を達成することができ、このために含有させる元素と
してReを選択したのである。この場合、B2型NiA
l金属間化合物結晶粒内にReがネットワーク状に析出
することにより、常温強度が14kg/mm2から1a
t%Reを含有させることにより34kg/mm2にな
った。しかしながら、延性については、B2型NiAl
金属間化合物の有する延性を劣化させることはなかった
が、延性改善は得られなかった。
【0014】従って、種々研究し、検討を行った結果、
B2型NiAl金属間化合物結晶粒内の析出相の結晶構
造がB2型NiAl金属間化合物と同じである体心立方
構造(BCC)であり、格子定数もB2型NiAl金属
間化合物の近傍であれば(B2型NiAlの格子定数:
2.887)、第二相が析出することによる格子歪等も
なく、延性面においてReを含有させる場合より有利で
あることがわかった。このようなことから、結晶構造の
異なる元素やB2型NiAl金属間化合物と同じBCC
の体心立方構造で格子定数の異なる元素を含有させて、
その影響を調査した。
【0015】その結果、Mo(原子径:2.7253,
結晶構造:BCC,格子定数:3.1469)を含有さ
せることによって化学量論組成のB2型NiAl金属間
化合物より延性が良好となる。そして、この良好な延性
を得るためには、Moの含有量を5at%未満とするの
がよい。
【0016】Mo含有量が0.5at%未満ではMoの
析出が起こらず、第二相析出による微細化効果を得られ
ないが、しかし、B2型NiAl金属間化合物の有する
延性を損なうことなく、Mo含有により固溶体硬化によ
り硬度が上昇する。従って、常温延性を改善するという
効果は得られないが、B2型NiAl金属間化合物の有
する延性を損なわずに強度が上昇しているため、総合的
な常温特性が改善されているのである。
【0017】Mo含有量が0.5〜1at%の場合に
は、Moの析出は起こっているが、析出量が充分ではな
いので、析出相により微細化効果は少なく、大幅な延性
の改善は行われていない。しかし、この場合にも強度が
上昇しているので、総合的な常温延性が改善されてい
る。
【0018】Mo含有量が1〜5at%の場合には、延
性の改善はMoがB2型NiAl金属間化合物結晶粒内
にネットワーク状に析出することにより界面が生成され
て、結晶粒微細化と同等の効果を発揮するものである。
この場合においても、強度は上昇している。
【0019】また、Mo含有量が5at%を越えて含有
されると、Moの析出相がB2型NiAl金属間化合物
粒内全面にわたって生成してくると共に、Moが多く含
有されている晶出物が生成されるので、延性を示さなく
なる。従って、上記に説明したことから、B2型NiA
l金属間化合物のMo含有量は5at%未満とする。
【0020】しかして、5at%未満のMoが含有され
ているB2型NiAl金属間化合物は、鋳造のままでも
延性を示すが、鋳造後に熱処理を行うことによって、ミ
クロ組成の均質化と第二相(Mo)のネットワーク状の
析出をより確実にすることができ、Mo含有による延性
改善がさらに顕著になる。そのため、必要な熱処理条件
としては900℃以上の温度において熱処理を行うので
ある。結果として、偏析がなく、析出相がネットワーク
状に発達することになるになる。
【0021】
【実 施 例】本発明に係る常温延性に優れたNiAl
径金属間化合物の実施例を比較例と共に説明する。
【0022】
【実 施 例】表1に説明するように各種の含有成分、成
分割合の1kg鋳塊を、非消耗式プラズマアーク溶解法
により作製した。この鋳塊から、3mm×4mm×40
mmの曲げ試験片を採取し、3点曲げ試験を行った。ク
ロスヘッド−荷重変位曲線より、塑性歪、曲げ強度を調
査した。表1にその結果を示す。なお、含有成分の結晶
構造、格子定数、原子半径を合わせて示してある。
【0023】表1の試験結果について、以下説明する。
比較例No.7の原子比が1:1のB2型NiAl系金
属間化合物の場合、延性は示してはいるが、曲げ強度が
15kg/mm2と低いことがわかる。本発明No.2の
Mo含有量0.5at%含有のB2型NiAl金属間化
合物は、No.7のB2型NiAl金属間化合物と比較
して、延性(歪)は殆ど変わらないが、曲げ強度は19
kg/mm2と向上している。本発明No.3のMo含有
量1at%、、No.4のMo含有量3at%、No.5
のMo含有量5at%の場合、延性(歪)および曲げ強
度は共に向上していることがわかる。No.7のMo含
有量7at%の場合には、延性(歪)は0.2%と著し
く劣っていることがわかる。
【0024】次に、比較例No.8〜No.21について
説明する。比較例No.8〜No.11のRu、Hfを含
有させた場合、Ru、Hfの析出は認められるが、結晶
構造が最密六方構造であり、B2型NiAl金属間化合
物の体心立方構造とは大きく異なっており、そのため、
これらRu、Hfの析出により格子歪や格子欠陥が導入
されて、変形を阻害しているのである。
【0025】比較例No.12〜No.15のRh、Ir
を含有させた場合、含有量が5at%までの含有では析
出相は認められず、結晶構造は面心立方構造である。そ
のため、結晶粒径は粗大のままであり、析出相による疑
似結晶粒微細化効果が得られないのである。
【0026】比較例No.16〜No.19のTa、Wを
含有させた場合、析出相は認められ、また、結晶構造は
Moと同様に体心立方構造である。しかし、Moを含有
させた時と異なり延性改善効果は認められなかった。特
に、Wについては、格子定数もMoと差がない3.16
53であるが、延性は認められなかった。これは、W自
体が変形能に乏しく常温延性のない材料であるため、W
の析出相が生成されても析出相が変形できず、結果とし
て、延性改善には至らなかったものである。また、Ta
については、Ta自身常温において変形能を有する材料
であるため、Wとは別の原因が考えられるが、明確な原
因は不明である。そして、この原因としては、TaとB
2型NiAl径金属間化合物の格子定数の差がMoとB
2型NiAl金属間化合物よりも大きいことが挙げられ
る。この格子定数に差があることから生じる格子歪等に
よる延性低下と、Taの析出による疑似結晶粒微細化効
果との兼ね合いで、延性が0にはならないけれども、B
5型NiAl系金属間化合物と比較して延性が低下した
ものである。
【0027】比較例No.20およびNo.21はVを含
有した場合であり、結晶構造はMo含有の場合と同様に
体心立方構造であるが、延性(歪)は0である。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る常温
延性に優れたNiAl系金属間化合物は上記の構成を有
するものであるから、常温延性および曲げ強度が共に優
れているMo含有のB2型NiAl系金属間化合物であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】B2型NiAl系金属間化合物に、Moが
    5at%未満含有されていることを特徴とする常温延性
    に優れたNiAl系金属間化合物。
JP18036492A 1992-06-15 1992-06-15 常温延性に優れたNiAl系金属間化合物 Withdrawn JPH062061A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5698006A (en) * 1995-02-09 1997-12-16 Japan Atomic Energy Research Institute Nickel-aluminum intermetallic compounds containing dopant elements
US11408057B2 (en) 2018-06-07 2022-08-09 Manoir Pitres Austenitic alloy with high aluminum content and associated design process

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5698006A (en) * 1995-02-09 1997-12-16 Japan Atomic Energy Research Institute Nickel-aluminum intermetallic compounds containing dopant elements
US5765096A (en) * 1995-02-09 1998-06-09 Japan Atomic Energy Research Institute Method for producing nickel-aluminum intermetallic compounds containing dopant elements
US11408057B2 (en) 2018-06-07 2022-08-09 Manoir Pitres Austenitic alloy with high aluminum content and associated design process

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Effective date: 19990831