JPH06205619A - 植物育成用マット - Google Patents

植物育成用マット

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JPH06205619A
JPH06205619A JP5002194A JP219493A JPH06205619A JP H06205619 A JPH06205619 A JP H06205619A JP 5002194 A JP5002194 A JP 5002194A JP 219493 A JP219493 A JP 219493A JP H06205619 A JPH06205619 A JP H06205619A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 土壌を用いずに、簡易に植物を育成できる植
物育成用マットを提供することを目的とする。 【構成】 上層不織布と、中層不織布と、下層不織布と
から構成した植物育成用マットにおいて、上層不織布を
50デニール以上の繊維から構成し、かつ10〜200
の坪量(g/m2)/厚み(mm)比を有するようにし、中層
不織布に保水性を持たせ、かつ上層不織布の坪量(g/
m2)/厚み(mm)比の1.3〜5.6倍の坪量(g/m2
/厚み(mm)比を有するようにし、下層不織布を50デ
ニール以上の繊維から構成し、かつ10〜200の坪量
(g/m2)/厚み(mm)比を有するようにし、しかもこれ
らの上層不織布、中層不織布及び下層不織布を相互に結
合した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物育成用マットに関
し、特に土壌を用いず、簡易に植物を成育することので
きる植物育成用マットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ビルやマンション等の建物の
屋上やベランダにおいては、土等の土壌の管理が煩雑な
ため、土壌を施工し、そこに植物を植え、育成すること
はほとんど行われていない。このような場所では、専ら
人工芝を施工したり、比較的大型のポットやプランター
等の容器を設置し、その容器内に土壌を導入し、植物を
栽培する、所謂、コンテナ植物によるものが多かった。
しかしながら、人工芝は、都会におけるビル等で要求さ
れている緑化としては自然感に乏しく、不十分であるな
ど問題となっていた。また、コンテナ植物の施工には、
コストがかかり、更に、使用する土等が風や雨等で流失
したり、その周囲を汚染するため、依然として土壌の管
理に気を配る必要があるなど問題となっていた。特に、
屋内においては、衛生面等を考慮すると、土壌を持ち込
めないか又は持込んでも土壌の管理を十分に行う必要が
あるため、従来より土壌を使用しないで、簡易に植物を
成育できる手段が強く要望されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は土壌
を用いずに、簡易に植物を育成できる植物育成資材を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、鋭意検討した結果、植物体の部位及び
その機能等に着目して、緑化用育苗マットを上層不織布
と、中層不織布と、下層不織布とから構成し、前記各不
織布を植物の部位及び機能等に適するように構成するこ
とによって、上記目的が達成できることを見い出し、本
発明に到達したものである。即ち、本発明は、上層不織
布と、中層不織布と、下層不織布とを含む植物育成用マ
ットに関し、前記上層不織布が、50デニール以上の繊
維から構成され、かつ10〜200の坪量(g/m2)/厚
み(mm)比を有し、前記中層不織布が、保水性を有し、
かつ前記上層不織布の坪量(g/m2)/厚み(mm)比の
1.2〜5.6倍の坪量(g/m2)/厚み(mm)比を有
し、前記下層不織布が、50デニール以上の繊維から構
成され、かつ10〜200の坪量(g/m2)/厚み(mm)
比を有し、しかも前記上層不織布、中層不織布及び下層
不織布を相互に結合させた植物育成用マットに関する。
【0005】以下、図面を参照しながら、本発明の植物
育成用マットについて詳細に説明する。図1は、本発明
の好ましい態様を示す植物育成用マット1の斜視図であ
る。この植物育成用マット1は、上層不織布2と、中層
不織布3と、下層不織布4との三層から構成されてい
る。この植物育成用マット1で使用される上層不織布2
は、植物体の生茎部を保持する機能を有する。このよう
な観点から、上層不織布2は強度の高い繊維が使用され
る。繊維の強度は、一般に繊維の太さ(デニール)によ
ってほぼ決まる。このような強度の高い繊維としては、
例えば繊度が50デニール以上、好ましくは80〜16
0デニールの天然繊維、合成繊維又は再生繊維を使用で
きる。天然繊維としては、例えば、パーム、サイザル
麻、アバカ、シュロ、ジュート等の繊維が挙げられる。
合成繊維としては、例えば、ナイロンや、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の合成繊維が挙げられる。再生繊
維としては、レーヨン等が挙げられる。
【0006】本発明の植物育成用マット1は、一般に長
期間使用されるものであるから、上層不織布2を構成す
る繊維は、腐食し難い繊維であることが好ましい。この
観点から、合成繊維が有利である。しかし、合成繊維
は、植物体との馴染みや、自然感に欠けるものが多いの
で、耐腐食性の高い天然繊維が特に有利である。このよ
うな天然繊維としては、パーム繊維が好ましい。また、
上層不織布2において、生茎が伸びる際にその成長を阻
害しない程度の目の粗さ(隙間)が必要である。この目
の粗さは、不織布の坪量と厚みとによって規定される。
上層不織布2の坪量は、一般に300〜600g/m2、好
ましくは400〜500g/m2である。一方、上層不織布
2の厚みは、一般に3〜30mm、好ましくは10〜20
mmである。従って、本発明の植物育成用マット1に使用
される上層不織布2の目の粗さは、坪量(g/m2)/厚み
(mm)比として、10〜200、好ましくは20〜50
である。なお、この坪量(g/m2)/厚み(mm)比の範囲
に入る限り、坪量又は厚みの何れかが上記各範囲から逸
脱しても、本発明の範囲内に入る。
【0007】この目の粗さは、育成する植物体の種類、
例えば芝や、観葉植物等の生茎の大きさに応じて、種々
変動させることができる。また、このような目の粗さの
範囲内にあれば、種子を上層不織布2から散布しても、
種子は上層不織布2を容易に通過して、中層不織布3ま
で落下することができる。上層不織布2を構成する繊維
は、曲げ加工や折れ加工されていることが好ましい。こ
のような加工をすることにより、繊維同志の交絡が生じ
やすくなり、上層不織布2の隙間を作りやすくする。こ
のような曲げ加工及び折れ加工は、従来より公知の方法
で行うことができる。例えば、曲げ加工は、繊維束に撚
りをかけることによって行うことができる。
【0008】また、繊維の長さは長い程、交絡し易いの
で、長繊維が好ましい。一般に、繊維の長さは、15mm
以上、好ましくは20〜100mmである。上層不織布2
は、従来より不織布の製造に使用されている公知の方法
により、製造することができる。一般に、上層不織布2
は、繊維をカードにかけて、繊維方向の揃った繊維ウェ
ブを形成し、このウェブを幾層か積層した後、ニードル
パンチングを行い、ウェブ内の繊維を相互に絡ませるこ
とによって製造することができる。この場合、上層不織
布の厚みの調整は、例えば一対のロール間に上層不織布
を通過させることよって行うことができる。また、上層
不織布2の坪量は、繊維の繊度や、ニードルパンチング
において通常使用されている針の種類、処理時間及び使
用する針の密度等によって容易に調整することができ
る。これらの要因は、目的とする上層不織布2の坪量に
応じて容易に決定することができる。
【0009】本発明の植物育成用マット1で使用される
中層不織布3は、種子を保持するとともに、発芽や発根
を促進する機能を有する。この観点から、中層不織布3
は、種子を保持できる(通過させない)目の粗さを有す
るとともに、発芽や発根を促進するための保水性を有す
る必要がある。一般に、中層不織布3の坪量は、100
〜500g/m2、好ましくは300〜400g/m2である。
また、その厚みは、3〜15mm、好ましくは5〜10mm
である。従って、本発明の植物育成用マット1に使用さ
れる中層不織布3の目の粗さは、坪量(g/m2)/厚み
(mm)比として、6〜170、好ましくは30〜80で
ある。実際上は、中層不織布3の目の粗さは、育成する
植物の種類に応じて、上層不織布の目の粗さとの相対的
な割合で示すことが好ましい。従って、中層不織布3の
坪量(g/m2)/厚み(mm)比は、上層不織布2のそれに
対して、一般に1.2〜5.6倍、好ましくは、1.4
〜4.6倍である。
【0010】中層不織布3を構成する繊維としては、保
水性の観点から、例えば、ラミー、リネン、コットンな
どの天然繊維や、水酸基等の親水性基を有する合成繊
維、例えば架橋ポリビニルアルコール等が使用できる。
繊維に親水性基を有さないものを使用する場合において
も、高い水吸収性の樹脂を、例えば粒状形態で中層不織
布3に含ませることもできる。中層不織布3を構成する
繊維の太さは、上記坪量(g/m2)/厚み(mm)比内にお
いて自由に選択することができる。一般に、中層不織布
3を構成する繊維の太さは10デニール以下、好ましく
は2〜7デニールである。なお、坪量(g/m2)/厚み
(mm)比を一定にした場合、繊維の太さは細い程繊維密
度が高まるので、保水性は高まる。しかしながら、あま
りにも密になると、保水性が強すぎ、過湿となり、中層
不織布において種子から成長する根が根腐れを起こし、
養分吸収力が低下し、成育不良を起こし易い。一方、中
層不織布3の目の粗さは、保水性の観点からは、密な程
(坪量(g/m2)/厚み(mm)比が大きい)好ましいが、
あまりにも密に構成すると、上記と同様に中層不織布3
の保水性が強すぎ、過湿となり、根腐れにより、養分吸
収力が低下し、成育不良を起こし易い。
【0011】但し、中層不織布3の保水性が強すぎる場
合においても、疎水性の合成繊維又は再生繊維を一部配
合することよって、保水性の程度を調整することができ
る。また、中層不織布3の目の粗さを調整することによ
って、保水性を制御することができる。保水性の調整に
使用される疎水性の合成繊維又は再生繊維としては、例
えば、ポリエステル系繊維や、ポリ塩化ビニル、ポリア
クリル、ポリエチレン、ポリウレタン、ナイロン、ポリ
プロピレン等の合成繊維、或はレーヨン等の再生繊維を
使用することができる。この内、ポリエステル系繊維が
好ましい。これらの合成又は再生繊維の配合率は、中層
不織布3の重量に基づいて、一般に10〜60%、好ま
しくは20〜50%である。また、中層不織布3におけ
る繊維の長さは、長い程好ましい。一般に、繊維の長さ
は、9mm以上、好ましくは10〜100mmである。本発
明の植物育成用マット1に使用される中層不織布3は、
上記上層不織布2の製造と同様にして製造することがで
きる。なお、中層不織布3の場合には、ニードルパンチ
ング処理の後に、ロール等による厚み調整を特にする必
要がない。
【0012】本発明の植物育成用マット1に使用される
下層不織布4は、中層不織布3で保持された種子の根部
の成長を促進する機能を有するとともに、上層不織布2
及び中層不織布3の重量に耐える強度を有する必要があ
る。このような観点から、下層不織布4の構成は、上層
不織布2の構成と同様とすることができる。上層不織布
2と同様の構成を有する限り、下層不織布4は、根の成
長に適したものとなり、また所定の強度することにな
る。一方、下層不織布4が上層不織布2と同様な構成に
あれば、下層不織布4には通気性が付与されることにな
る。従来、無土壌栽培の場合、失敗する最大の原因は植
物根圏が過湿になることであった。過湿になると、根腐
れを生じ、植物体が生育不良を起こしてしまう。このよ
うな根腐れは、水との接触によるものではなく、酸素不
足によるものが大きい。例えば、本質的に水に溶解する
酸素量は高々8〜9ppm 程度とされているが、このよう
な量の溶存酸素のみで植物根圏の呼吸を十分に賄うこと
は困難である。このため、根圏へ如何に十分な酸素を供
給するかが従来からの課題であった。本発明において
は、下層不織布4を上記のように構成することによっ
て、従来問題となっていた酸素不足による根腐れを起こ
すことなく、根を成長させることができる。
【0013】上記上層不織布2、中層不織布3及び下層
不織布4は、図1に示されるように積層され、ニードル
パンチングで各不織布間に繊維の絡みを形成させ、相互
に結合させることによって、本発明の植物育成用マット
1が形成する。絡みの程度は、ニードルパンチング処理
における針の種類や、針密度、処理時間等を調整するこ
とによって容易に調整することができる。必要に応じ
て、このように形成した緑化用育苗マット1の相互結合
を更に高めるために、バインダーを使用してもよい。こ
のようなバインダーとしては、例えばラテックスや、澱
粉、ポリビニルアルコール等が挙げられる。バインダー
としては、植物に有害な生育影響を与えない限り、従来
より公知のバインダーを適宜用いることができる。バイ
ンダーは、植物育成用マット1の重量に対して一般に1
〜70%、好ましくは30〜50%の量で使用される。
バインダーは、例えば、適当な水等の媒体に溶解又は分
散した後、形成したバインダーの溶液又は分散液を、上
層不織布2の上から散布し、これを乾燥することによっ
て、各層間の結合を改良することができる。
【0014】なお、必要に応じて、本発明の植物育成用
マット1の自然感を改良するために又は育成する植物体
の色との調和を図るために、上層不織布2に、例えば、
種々の色の着色を施すことができる。典型的な場合とし
ては、上層不織布2を緑色に着色する場合が挙げられ
る。着色には、例えば、顔料や染料等を使用することが
できる。このような顔料としては、植物体に有害な生育
影響を与えない限り、従来より使用されている顔料や染
料を制限なく適宜使用することができる。緑色顔料とし
ては、例えば、フタロシアニン系の顔料が挙げられる。
本発明の植物育成用マット1の全体の坪量は、一般に7
00〜1700g/m2、好ましくは1000〜1500
g/m2である。全体の厚みは、一般に10〜75mm、好
ましくは20〜40mmである。従って、坪量(g/m2)/
厚み(mm)比は、一般に9〜170であり、好ましくは
25〜75である。
【0015】本発明の植物育成用マット1の大きさは、
任意であり、用途又は使用方法に応じて、自由に選択す
ることができる。また、この大きさは、不織布の製造装
置等によってある程度決定される。一般に、本発明の植
物育成用マット1の長さ及び幅は、製造面や使用する場
所の点から長さ1〜5m、幅0.5〜2mが適当である。
一方、本発明の植物育成用マット1は、室内における板
の間の大きさに合わせてカットして使用してもよいし、
ポットの大きさに合わせて小さくカットして使用しても
よい。更に、本発明の植物育成用マット1を複数組合せ
て、花卉等の育苗に使用することもできる。本発明の植
物育成用マットは、一般に、植物体を種子の段階から成
育するのに適している。例えば、種子を上層不織布の上
から散布し、次いで水を適宜与えて成育する場合が挙げ
られる。必要に応じて、肥料を水等に溶解又は分散等さ
せて、この肥料を適宜与えながら、育成させることもで
きる。散布された種子は、上層不織布を通過して、中層
不織布に至り、そこに留まり、必要な水分や養分の下
で、発芽し、発根する。発芽生育した植物体の茎部は、
上層不織布の間隙にしっかりと支持され伸長し、根部
は、中層不織布から成育して、下層不織布にまで達し、
そこで、適度な酸素供給を受けながら、更に成長して行
く。
【0016】
【実施例】以下、実施例により、本発明について更に詳
細に説明する。 実施例1上層不織布の製造 パーム繊維(100デニール、長さ30mm)をカードに
かけ、ウェブを形成した後、ニードルパンチング(針番
16、針密度40p/cm2 )にかけることにより、繊維相
互の交絡を生じさせ、坪量(g/m2)/厚み(mm)比が4
0(坪量400g/m2、厚さ10mm)で、長さが2.0
mで、幅が1.2mの上層不織布を形成した。中層不織布の製造 ラミー(4デニール、長さ51mm)とポリエステル(4
デニール、長さ51mm)との混合物(ポリエステル40
%)をカードにかけ、ウェブを形成した後、ニードルパ
ンチング(針番40、針密度50p/cm2)にかけることに
より、繊維相互の交絡を生じさせ、坪量(g/m2)/厚み
(mm)比が60(坪量300g/m2、厚さ5mm)で、長
さが2.0mで、幅が1.2mの中層不織布を形成した。下層不織布の製造 ニードルパンチングにおける針密度を20p/cm2 とした
ことを除いて、上層不織布の製造と同様の方法により、
坪量(g/m2)/厚み(mm)比が40(坪量400g/
m2、厚さ10mm)で、長さが2.0mで、幅が1.2mの
下層不織布を形成した。
【0017】このようにして形成した上層不織布、中層
不織布及び下層不織布を、図1に示されるように積層
し、ニードルパンチング(針番16、針密度40p/c
m2 )にかけることにより、各層間における繊維を交絡
させ、育苗マットを形成した。この育苗マットの坪量
(g/m2)/厚み(mm)比は、44(坪量1100g/
m2、厚さ25mm)で、長さは2.0mで、幅は1.2mであ
った。次いで、ゴムラテックスからなるバインダー(3
5重量%)を385g散布し、105℃で2時間乾燥し
た。更に、上層不織布に、フタロシアニン系顔料(東洋
インキ製のGreen B50)の分散液(2重量%)22gを散
布し、25℃で乾燥して、上層不織布のみを緑色に着色
した。この育苗マットを用いて芝の育苗試験を行った。
この育苗マットを、ベランダに置き、芝(ケンタッキー
ブルーグラス)の種子40g/m2を上層不織布の上から
蒔いた。種子は上層不織布の隙間に入り込み、中層不織
布の上に到達し、そこで保持された。次いで、育苗マッ
トに上層不織布の上から散水し、中層不織布の種子に吸
水させた。次いで、中層不織布が湿潤状態を保つよう
に、定期的に水と液肥(住友化学製尿素複合液肥)を散
布しながら栽培を続けた。この結果、種子散布から40
日目まで問題なく生育し、更に、根部の繁殖が密になる
40日を過ぎても、順調に成育した。また、播種後60
日を経過してもなお緑色の芝芽が生育を続けた。
【0018】比較例1 上層不織布のみを使用することを除いて、実施例1と同
様にして芝種子の成育状況を観察した。この結果、種子
のほとんどは上層不織布を通過してしまい、上層不織布
に留まる種子も、上層不織布に保水性がないため、種子
の乾燥が著しく、湿潤状態を保持するために、頻繁な散
水が必要であった。また、一部発芽した芝も水分不足の
為、生育が悪く、育苗マットとして全く実用性のないも
のであった。 比較例2 下層不織布を使用しないことを除いて、実施例1と同様
にして芝種子の成育状況を観察した。この結果、40日
目までは問題なく生育したが、根部の繁殖が密になる4
0日を過ぎたころから、根が褐変を初め、その後芝芽の
方も緑色から黄緑色になり茶色に変化し、次第に枯死し
てしまった。これは根部が成長する中層不織布は通気性
が乏しく、過湿により根圏が酸素不足となったことによ
り、根の活性が失われ根腐れが生じたものと考えられ
る。これに対して、実施例1の緑化用育苗マットにおい
ては、中層不織布は保水性を有し、下層不織布は通気性
を有しているので、種子を保持する中層不織布では水分
不足が生じず、また下層不織布では、過湿ぎみでの酸素
不足が生じないので、播種後60日を経過してもなお緑
色の芝芽が生育を続けた。 比較例3 上層不織布を使用しないことを除いて、実施例1と同様
にして芝種子の成育状況を観察した。その結果、根部は
実施例1の場合と同様に成長するが、発芽した芽部の成
長とともに、種子の上部が重量を増し、倒れてしまい、
そのまま成長を続けるので、芝の生茎は、直立して成長
せず、倒れたまま成長することになる。そのため、比較
例3のマットは、全く実用性がなかった。
【0019】
【発明の効果】本発明の植物育成用マットにおいては、
植物体の生茎部、種子保持部及び根部に対応して、それ
ぞれの機能を発揮できるように、3層構造の不織布マッ
トを構成したので、土壌を用いずに簡易に植物を育成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の植物育成用マットの斜視図である。
【0001】
【符号の説明】
1 植物育成用マット 2 上層不織布 3 中層不織布 4 下層不織布

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上層不織布と、中層不織布と、下層不織
    布とを含む植物育成用マットであって、 前記上層不織布が、50デニール以上の繊維から構成さ
    れ、かつ10〜200の坪量(g/m2)/厚み(mm)比を
    有し、 前記中層不織布が、保水性を有し、かつ前記上層不織布
    の坪量(g/m2)/厚み(mm)比の1.2〜5.6倍の坪
    量(g/m2)/厚み(mm)比を有し、 前記下層不織布が、50デニール以上の繊維から構成さ
    れ、かつ10〜200の坪量(g/m2)/厚み(mm)比を
    有し、 更に、前記上層不織布、中層不織布及び下層不織布が相
    互に結合されている、植物育成用マット。
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