JPH0620487U - 衣料用素材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 新しいタイプのスポーツ衣料として適する、
衣料用素材を提供する。 【構成】 経糸にメタリックヤーン（１）を有し、緯糸
に熱収縮糸（２）を有する織物の片面に防水透湿性フィ
ルム（３）を積層し、他面にプリント加工してなると共
に、全体がしわ様凸凹形状を有する積層布帛からなる衣
料用素材。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、衣料用素材に関し、特にスポーツ衣料に適する新規衣料素材に関す る。

【０００２】

【従来の技術とその課題】

スキーウェア等も含め、スポーツ衣料は耐久性等の物性や発汗対策等に優れた 特性を持つことを要求されるだけでなく、近年では、色彩、風合、デザイン等に も多様な要求が出されている。メタリック調の衣料用素材への要求も高まってい るが、現在のところスポーツ衣料としての要求特性を満たす衣料用素材は、開発 されているとは言い難い。

【０００３】 例えば、メタリックヤーンを部分的に利用したドビー織物やジャガード織物は 、種々市場に供されているが、メタリックヤーンそのものを直接表現した素材で あり、その用途は大幅に制限される。

【０００４】 また、経糸にフィルムスリットヤーンを使用し、後加工でプリントを施したも のも知られているが、引裂き強度が低く、またフィルム感が強すぎ、衣料、とり わけスポーツ衣料には利用し得ない。

【０００５】 本考案の目的は、ナチュラルなしわがあり、金属光沢を有すると共に、スポー ツ衣料としての強度特性や発汗対策等を十分に具備し、且つ色彩等の外観特性に も優れた全く新しいタイプの衣料用素材を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案のスポーツ衣料に適する衣料用素材は、経糸にメタリックヤーン（１） を有し、緯糸に熱収縮糸（２）を有する織物の片面に防水透湿性フィルム（３） を積層し、他面にプリント加工してなると共に、全体が凸凹形状を有することを 特徴としている。

【０００７】 以下、本考案の衣料用素材についてより詳しく説明する。

【０００８】 経糸は、メタリックヤーンだけで構成してもよいが、ポリエステル等の合成繊 維フィラメント糸を一部併用することが好ましく、具体的にはメタリックヤーン を２０〜８０％用い、機部をポリエステル等のフィラメント糸とすることが好ま しい。メタリックヤーンとしては、例えば５０〜１５０切、より好ましくは８０ 〜１２０切のシルバーメタリックヤーンやゴールドメタリックヤーンが用いられ る。かかるメタリックヤーンと例えば５０〜２５０デニール、より好ましくは７ ５〜１５０デニールのポリエステルフィラメント糸を交互に配して整経する。

【０００９】 緯糸としては、熱収縮糸を必須とする合成繊維フィラメント糸が用いられる。 熱収縮糸としては、例えば１００℃の加熱により、少なくとも１０％、特に少な くとも２０％収縮するものが好ましく用いられる。好ましくは、緯糸として通常 のポリエステル等のフィラメント糸と、熱収縮性ポリエステルフィラメント糸を ランダムに入れて製織する。これら緯糸は、通常５０〜２００デニール、特に７ ５〜１５０デニールのものが好ましく用いられる。熱収縮糸の割合は、後加工で 布帛を熱収縮させて、シワ（凸凹）を形成させるに足る割合であればよく、通常 緯糸当り２０〜１００％、好ましくは３０〜７０％用いられる。

【００１０】 かくして、得られた布帛に後加工の熱セットによりナチュラルなシワを発生さ せる工程、全体をプリント加工する工程及び、一面に防水性且つ透湿性フィルム を接着加工する工程を経て、本考案の目的物が得られる。フィルムとしては、ポ リウレタンフィルム等が好ましく用いられる。厚さは通常１０〜１００μ、特に ２０〜５０μが好ましい。熱セット加工、プリント加工、フィルム接着加工の順 序は、適宜変更しうる。

【００１１】 次に実施例を図面にもとづき説明する。 実施例： 経糸として８０切シルバーメタリックヤーン（１）と７５ｄのポリエステルフ ィラメント糸（４）を１本交互に配し、整径し、緯糸に７５ｄの通常のポリエス テルフィラメント糸（５）と７５ｄのポリエステル熱収縮糸（２）とをランダム に入れて織成し、熱セット加工、全面プリント加工、防水透湿性フィルム（３） として２０μのウレタンフィルムの接着加工をした。 得られた積層布帛は、金属光沢とナチュラルなしわ状の凸凹感を表現したプリ ント模様を有すると共に、１０００ｇ／ｃｍ以上の引裂き強度を有し、且つ防水 性と透湿性をも有しており、スポーツ衣料として最適のものである。

【００１２】

【考案の効果】

かくして、得られる積層布帛は、十分な引裂き強度を有すると共に、防水性と 透湿性を具備し、且つ金属光沢がありながら、ナチュラルなしわ状凸凹を有し、 フィルム感がなく、また全面プリントによりその特性がさらに強調されており、 高級スポーツ衣料用素材として最適のものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施態様を示す断面図。

【符号の説明】

１ シルバーメタリックヤーン ２ ポリエステル熱収縮糸 ３ 防水透湿性フィルム ４ ポリエステルフィラメント糸 ５ ポリエステルフィラメント糸 ６ プリント層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｄ０６Ｍ 101:32

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 経糸にメタリックヤーン（１）を有し、
   緯糸に熱収縮糸（２）を有する織物の片面に防水透湿性
   フィルム（３）を積層し、他面にプリント加工してなる
   と共に、全体が凸凹形状を有することを特徴とする、ス
   ポーツ衣料に適する衣料用素材。