JPH0620422Y2 - 伸縮パイプ棚 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は台所等で用いるパイプ棚に関するものであ
る。

「従来の技術」 従来から台所の水切用パイプ棚装置は、流し台上方の窓
部や壁部に左右一対の方形吊枠を取付け、この両吊枠間
にパイプ棚を一段または二段に架渡し、両吊枠内に突設
した引掛け爪に棚の前後縁部を掛合する手段により固定
するようにした吊棚装置が多く用いられている。

「考案が解決しようとする課題」 ところで、前記吊棚装置においては、吊枠を取付ける為
の適当な取付部材が必要であって、その取付部材がない
場所においては棚の吊設が困難である。そこで、本考案
においてはパイプ棚の構造を調理台上面や出窓の床面上
に据付けられるよう置棚形式に構成すると共に、その左
右幅を据付け場所の広さに適応させて伸縮調整できるも
のを提供しようとするものである。

「課題を解決するための手段」 前記課題解決のため、大小異径の両管体を内外に差合わ
せて摺動伸縮自在にした数本の差合わせ管を並列状に配
してその両端部と中間部とにおいてそれぞれ連結具で結
合することにより伸縮自在なパイプ棚を構成し、このよ
うな伸縮パイプ棚を一段または二段に配して左右両側部
を両脚体に締付ねじで固定するものであり、前記脚体
は、水平基台の前後部にそれぞれ複線材でなる脚杆を対
立させて前後双脚体となし、前後の各脚杆は複線材を一
定間隙を保持させ平行状に立設することにより、上下方
向に延びる複線間隙が締付ねじの摺動案内溝に形成さ
れ、この案内溝（間隙）に外方から挿通させた締付ねじ
を、パイプ棚の両側端部を連結固定した両連結具に螺入
することにより両脚体に締付け固定するよう構成し、
尚、前記両脚体間において、大小異径の両溝形材を差合
わせて伸縮自在に構成した伸縮横桟を架着し、この伸縮
横桟の差合わせ部分において一方側に設けた弾片と他方
側に設けた窓孔との係合による伸長規制手段と、一方側
から他方側への螺子締付けによる伸縮度固定手段とを兼
備するものである。

尚また、前記伸縮パイプ棚の下側に網棚を配設するもの
であり、該網棚は、両側端の前後部に回動可能に対設し
た両吊棒の各上端部にそれぞれ鉤部を形成し、該両吊棒
の鉤部をパイプ棚または両脚体の前後脚間に横架した横
継ぎ桟に係脱自在に係止して網棚を吊設するものであ
る。

「作用」 水平基台を有する両脚体により、伸縮パイプ棚を調理台
上や出窓部の床面上等に載置して安定よく設置できる。

そして、パイプ棚を構成する差合わせ管の摺動伸縮操作
により棚の左右幅を適当に伸縮調整する。

棚の伸縮調整操作に当って、両脚体間の横桟に設けた伸
長規制手段により過度の伸長を制止して伸縮管の抜け止
め効果を期し、摺動固定手段により、棚の左右幅を適度
の幅で固定できる。

また、両脚体の前後脚杆に形成した摺動案内溝に沿って
締付ねじを弛緩状態で上下摺動させることにより、棚の
高さを適宜に変更調節できる。

「実施例」 本考案の実施例を添付図面に従って説明する。第１図と
第２図はこの伸縮パイプ棚の全体斜視図とその分解図を
示してあって、この伸縮パイプ棚は、大小異径の両管体
群1a，1bを摺動自在に差合わせて各両側端部を連結具３
で結合してなる伸縮自在の両パイプ棚１，１′と、この
両パイプ棚を上下二段に配してその左右両側端連結具
３，３を締付ねじ４で締付け固定する一対の双脚体２，
２と、この両双脚体の各後脚間上下二箇所に架渡して締
付ねじ４′で両後脚に固定する二本の伸縮横桟５，５
と、前記二段パイプ棚の下側に吊棒９により両双脚体に
吊持されて垂下する網棚６と、この網棚の下側に添設さ
れた水受皿７とで構成されている。

前記大径管体群1aと小径管体群1bとはそれぞれ七本づつ
の管体を両群同一等間隔に一致させてその外端部を溝形
の連結具３の溝内に挿入し、溝内にて押圧固定具とねじ
により底部へ締付け固定するものであるが、その溝内の
図示は細かく煩雑になるので省略している。尚、連結具
３の外側面3aには締付ねじ４の挿入螺孔3b，3bを対設し
てある。

双脚体２は、大小相似形一対の逆Ｕ形曲線材2a，2bを一
定間隙Ｇを保有させて内外に重合した複線材を水平な角
棒基台2c上に植立することにより、前後双脚2A，2Bを構
成し、前後双脚間に四本の横継ぎ線材2dを四段状に架着
したもので、水平基台2cの前後両端底面には接面用足片
2eをねじこみにより突設してある。そして、前記間隙Ｇ
は大小両曲線材2a，2bでなる前脚2Aと後脚2Bとの各中心
線上に締付ねじ４の摺動案内溝を形成している。

伸縮横桟５は、大小異径の両溝形材5a，5bを互に摺動伸
縮自在に差合わせることにより、その全長を長短調整で
きるようにし、各溝形材の外端部に後脚2Bの内側面に当
接して外側から締付ねじ４′で締付け固定するための固
定片5cを固着してあり、該伸縮横桟の伸び過ぎを制御す
る伸長規制手段と伸縮度合を適当度合で固定する伸縮固
定手段とを兼備するものであって、その構成を次のよう
にしてある。

第３図及び第４図に拡大して図示したように、小径溝形
材5bの内端部イにおいて後壁内面に、平面視を前向き円
弧状に曲成することにより弾性を付与した弾片5dの一端
を固着し、他端部の先端部は条孔ロから後方へ突出させ
て突出端ハとなり、この突出端ハが大径溝形材5aの後壁
内面に常に摺接していて両溝形材の伸長時の摺動操作に
よりその摩擦力で弾片5dの円弧曲部を更に圧し曲げて突
出端が後壁に対して直角近くになるよう起立する作用に
より大径溝形材5aの内端部後壁ニに設けた係合窓孔5eに
嵌入して係止するようになり、その係止により両溝形材
の伸長を規制する伸長規制手段を構成する。

また、両溝形材の縮小時の摺動操作においては、摩擦力
で弾片5dの円弧曲部が伸びて突出端が前方へ移動するか
ら係合窓孔5eから離脱して摺動自在となり、両溝形材は
互に摺動して横桟全長を縮小させる。

また、小径溝形材5bの内端部後壁に設けた螺孔5gから大
径溝形材5aの後壁に向って締付ねじ5fを緊弛自在に螺挿
するよう設けてあり、該締付ねじを緊締することにより
大径溝形材5aとの差合わせ重合部を固定し、適度の伸縮
度合で固定する伸縮固定手段を構成する。

前記伸縮横桟の伸長規制手段により左右両脚体の間隔を
適当に制限してパイプ棚の伸び過ぎをも制限すると共
に、伸縮固定手段により両脚体間隔を一定しパイプ棚の
長さをも固定するものである。

尚、図中の5gは締付ねじ5fの挿入螺孔、5hは締付ねじ
４′の挿入螺孔を示す。

網棚６は、網板6aの前後両縁に上下両側から縁材6b，6b
を巻き付け、左右両縁の上面に平板製の押え縁材6c，6c
を添設した網板の左右両縁部を、断面溝形の連結具３′
（パイプ棚の連結具３と同形）の溝内に挿入しねじ止め
で固定したものであり、前記連結具３′の下側には断面 形のレール材８が重合固定されるものであって、その重
合固定の手法は、レール材８の上端折曲片8aを溝形連結
具３′の溝内に挿入して溝底壁上に重合し、その上側に
網棚６の一側縁部と押え縁材6cとを重ねて挿入し、下側
のレール材開口部から中間折曲片8bを経て締付ねじを押
え縁材6cに向ってねじこむことにより、重合された各部
材の重合片を一緒に締付固着する。

尚、前記レール材の外側面には一対の舌片8cが突設され
てあり、その舌片中心部に吊棒９の下端部挿入透孔8dが
設けられている。

吊棒９は、線材片の下端に曲部9aを設けてこれを前記舌
片の透孔8dに挿入して係止し、上端部は折曲げて鉤片9b
を形成し、この鉤片を双脚体２の最下段横継ぎ線材2dに
引掛けることにより網棚６を吊下げ支承する。

水受皿７は、横長矩形の平板の周縁部をそれぞれ上方と
外方とへ折曲げて四角皿状に形成したもので、その左右
両側端部を前記レール材８の開口溝内に挿入して前後摺
動自在に挿着し、両レール材により支承され、網棚下側
に接近して吊下する。

尚、前記網棚６の吊設手段は、前実施例の外に、網棚の
右側端部をパイプ棚と同様に締付ねじにより締付固定
し、左側端部を吊棒によりパイプ棚の前後部のパイプへ
引掛けて吊下する手法によっても安定よく吊設できるも
のである。

「考案の効果」 本考案の伸縮パイプ棚は、左右両側に設けた両双脚体と
中間双脚体との水平基台により平面上に安定よく載置で
きるから、台所において調理台上や出窓の床面上、又は
他の部屋においても平面部上に適宜に置いて使用でき
る。

そして大小異径パイプの差合わせ摺動により棚の長さを
伸縮調整することにより、設置場所の広さに応じて左右
幅を調節できる。

その棚の伸縮操作に当っては、伸縮横桟に設けた伸長規
制手段により棚の引伸ばしを過度にならないよう制御し
て伸縮パイプの抜け止め作用をなし、且つ、締付ねじに
よる伸縮固定手段により、適度の左右幅において固定し
棚を安定さす。

尚、前記両伸縮横桟を各双脚体間に架着することにより
棚全体の横振れ及び捻れを防止して棚を強化し安定させ
て安全に使用できる。

尚又、各双脚体に設けた摺動案内溝により、端の締付ね
じを上下摺動させて各棚の高さを任意に調節して使用上
において都合のよい高さに固定できる。

尚更に、水平基台の底面に突設した足片をねじて上下調
節することにより設置平面上の凹凸に対して足の接面状
態を調整してがたつきをなくすることができる。

尚、網棚は吊棒によりパイプ棚下側に吊下されるから、
パイプ棚の伸縮操作に拘らず吊棒の傾斜角度を変更して
吊下される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の伸縮パイプ棚の外観を示す斜視図、第
２図はその分解図、第３図は伸縮横桟の構造を示す一部
破断の斜視図である。第４図は第３図に示す伸縮横桟５
を更に拡大し前後面を反対向きにして示した斜視図であ
って、（ａ）図は伸縮横桟の分解斜視図、（ｂ）図は同
横桟の縮小状態の斜視図、（ｃ）図は伸長状態の斜視図
である。 １，１′……伸縮パイプ棚、1a……大径管体群、1b……
小径管体群、２……双脚体、2a……Ｕ形大曲線材、2b…
…Ｕ形小曲線材、2c……水平基台、2d……横継ぎ線材、
2e……足片、2A……前脚、2B……後脚、３……連結具、
４，４′……締付ねじ、５……伸縮横桟、5a……大径溝
形材、5b……小径溝形材、5c……固定片、5d……弾片、
5e……係合窓孔、5f……締付ねじ、5g……螺孔、5h……
螺孔、６……網棚、７……水受皿、８……レール材、９
……吊棒、9a……曲部、9b……鉤部。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中心線に沿って上下摺動溝を形成した脚杆
   を水平基台上の前後部にそれぞれ植立した左右両脚体に
   より、大小異径の両パイプ群を摺動伸縮自在に差合わせ
   てなる伸縮パイプ棚を螺子と前記摺動溝により軸承した
   伸縮パイプ棚において、伸縮パイプ棚の下側に配設する
   網棚の両側端前後部に回動可能に対設した両吊棒の各上
   端部にそれぞれ鉤部を形成し、該両吊棒の鉤部をパイプ
   棚または両脚体の前後脚間に横架した横継ぎ桟に係脱自
   在に係止して網棚を吊設した伸縮パイプ棚。
2. 【請求項２】網棚の両側端の前後部に内側から打出した
   舌片を形成し、該両舌片に吊棒下端に曲成した曲部を係
   合することにより該吊棒を回動可能に設けた請求項第１
   項記載の伸縮パイプ棚。
3. 【請求項３】大小異径の両溝形材を差合わせて伸縮自在
   に構成すると共に、小径溝形材の内端部の後壁内面に平
   面視前向き円弧状に曲成した弾片の一端を固着し、該弾
   片の他端部を後壁から後方へ突出させて大径溝形材の後
   壁内面に摺接させ、該突出端が嵌入係止する係合窓孔を
   大径溝形材の後壁内端部に設け、小径溝形材の後壁内端
   部から大径溝形材の後壁に向って締付ねじを緊弛自在に
   螺挿するよう構成した伸縮横桟を左右両脚体間に架設し
   た請求項１記載の伸縮パイプ棚。