JPH06203339A - 磁気抵抗型薄膜磁気ヘッド - Google Patents
磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドInfo
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- JPH06203339A JPH06203339A JP1590793A JP1590793A JPH06203339A JP H06203339 A JPH06203339 A JP H06203339A JP 1590793 A JP1590793 A JP 1590793A JP 1590793 A JP1590793 A JP 1590793A JP H06203339 A JPH06203339 A JP H06203339A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁化の乱れを整えることによってノイズを減
らし安定した再生出力を得ることができる磁気抵抗効果
型薄膜磁気ヘッドを提供する。 【構成】 磁性基板４上に形成された磁気抵抗効果素子
１と、磁気抵抗効果素子１の磁化容易軸方向に対して傾
斜して形成された複数の電極2a〜2dとを備える磁気抵抗
型薄膜磁気ヘッドにおいて、磁気抵抗効果素子１の磁化
困難軸方向に磁界を印加するバイアス導体９を設け、バ
イアス導体９に周期Ｔの交流電流を一定時間印加し、磁
気抵抗効果素子１に直流電流をｔ時間（但しｔ＞Ｔ／
２）印加する。磁気抵抗効果素子１の磁化が外乱磁場で
乱されても、バイアス電流からの磁界ＨBと、傾斜電極2
a〜2dを流れる電流からの磁界Ｈとの作用で磁気抵抗効
果素子１の磁化は、磁化困難軸方向から少し傾いた方向
に揃う。次いで、交流電流を零にすれば、磁気抵抗効果
素子の磁化は磁化容易軸方向に揃う。
らし安定した再生出力を得ることができる磁気抵抗効果
型薄膜磁気ヘッドを提供する。 【構成】 磁性基板４上に形成された磁気抵抗効果素子
１と、磁気抵抗効果素子１の磁化容易軸方向に対して傾
斜して形成された複数の電極2a〜2dとを備える磁気抵抗
型薄膜磁気ヘッドにおいて、磁気抵抗効果素子１の磁化
困難軸方向に磁界を印加するバイアス導体９を設け、バ
イアス導体９に周期Ｔの交流電流を一定時間印加し、磁
気抵抗効果素子１に直流電流をｔ時間（但しｔ＞Ｔ／
２）印加する。磁気抵抗効果素子１の磁化が外乱磁場で
乱されても、バイアス電流からの磁界ＨBと、傾斜電極2
a〜2dを流れる電流からの磁界Ｈとの作用で磁気抵抗効
果素子１の磁化は、磁化困難軸方向から少し傾いた方向
に揃う。次いで、交流電流を零にすれば、磁気抵抗効果
素子の磁化は磁化容易軸方向に揃う。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気抵抗効果を読み出
し原理として磁気記録媒体上に書き込まれた情報を読み
出す磁気ヘッドに関し、特に、安定な再生出力が得られ
るように構成したものである。
し原理として磁気記録媒体上に書き込まれた情報を読み
出す磁気ヘッドに関し、特に、安定な再生出力が得られ
るように構成したものである。
【０００２】
【従来の技術】磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドは、磁気記録
媒体に情報を記録再生する磁気記録再生装置に装着さ
れ、読み出しヘッドとして使用される。
媒体に情報を記録再生する磁気記録再生装置に装着さ
れ、読み出しヘッドとして使用される。
【０００３】この磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドの構成とし
ては、図６に示すものが知られている。このヘッドは、
特開昭５０−１３４６２４号公報に記載されているもの
で、フェライト等から成る磁性基板４と、Ｎｉ−Ｆｅ合
金薄膜等から成る磁気抵抗効果素子１と、磁気抵抗効果
素子１に駆動電流を供給する一対の電極3a、3bと、磁気
抵抗効果素子１上にその長手方向、即ち、磁気抵抗効果
素子１の磁化容易軸方向、に対して一定の角度を持つよ
うに配置された複数の傾斜電極2a，2b，2c，2d，2eと、
磁気テープの摺接する摺動面６から磁気テープの出力す
る信号磁束を磁気抵抗効果素子１に導くためのフロント
ヨーク７およびバックヨーク８とを備えている。フロン
トヨーク７は、磁性基板４上に絶縁層を介して積層さ
れ、また、バックヨーク８は、後端が磁性基板４に接続
する状態で積層されている。
ては、図６に示すものが知られている。このヘッドは、
特開昭５０−１３４６２４号公報に記載されているもの
で、フェライト等から成る磁性基板４と、Ｎｉ−Ｆｅ合
金薄膜等から成る磁気抵抗効果素子１と、磁気抵抗効果
素子１に駆動電流を供給する一対の電極3a、3bと、磁気
抵抗効果素子１上にその長手方向、即ち、磁気抵抗効果
素子１の磁化容易軸方向、に対して一定の角度を持つよ
うに配置された複数の傾斜電極2a，2b，2c，2d，2eと、
磁気テープの摺接する摺動面６から磁気テープの出力す
る信号磁束を磁気抵抗効果素子１に導くためのフロント
ヨーク７およびバックヨーク８とを備えている。フロン
トヨーク７は、磁性基板４上に絶縁層を介して積層さ
れ、また、バックヨーク８は、後端が磁性基板４に接続
する状態で積層されている。
【０００４】磁性基体４の摺動面６側で磁性基体４とフ
ロントヨーク７との間に介在する絶縁層５は、磁気ヘッ
ドのギャップ間隔を定めている。磁気テープは、摺動面
６およびフロントヨーク７の端面に摺接して紙面の上下
方向に走行し、磁気テープから出力された信号磁束は、
フロントヨーク７、磁気抵抗効果素子１、バックヨーク
８および磁性基体４の閉磁路に取り込まれる。
ロントヨーク７との間に介在する絶縁層５は、磁気ヘッ
ドのギャップ間隔を定めている。磁気テープは、摺動面
６およびフロントヨーク７の端面に摺接して紙面の上下
方向に走行し、磁気テープから出力された信号磁束は、
フロントヨーク７、磁気抵抗効果素子１、バックヨーク
８および磁性基体４の閉磁路に取り込まれる。
【０００５】また、磁気抵抗効果素子１には、電極3a，
3bから駆動電流が印加され、この電流は、傾斜電極2a〜
2e上では、この傾斜電極の長手方向に沿って流れる。
3bから駆動電流が印加され、この電流は、傾斜電極2a〜
2e上では、この傾斜電極の長手方向に沿って流れる。
【０００６】磁気抵抗効果素子１は、閉磁路に流れ込む
磁束の強さに応じて抵抗を変える。そのため、電極3a，
3b間の磁気抵抗効果素子１の電圧は、磁束の強さに応じ
て、つまり、磁気テープに記録された信号に応じて変化
することになる。
磁束の強さに応じて抵抗を変える。そのため、電極3a，
3b間の磁気抵抗効果素子１の電圧は、磁束の強さに応じ
て、つまり、磁気テープに記録された信号に応じて変化
することになる。
【０００７】この磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドでは、感度
を良好に保ち、外乱磁場で乱されることの無い安定した
再生出力を出せるようにすることが課題であるが、その
ためには、再生動作時に磁気抵抗効果素子の磁化の方向
が全体的に揃うように磁気抵抗効果素子を単磁区化する
ことが必要となる。
を良好に保ち、外乱磁場で乱されることの無い安定した
再生出力を出せるようにすることが課題であるが、その
ためには、再生動作時に磁気抵抗効果素子の磁化の方向
が全体的に揃うように磁気抵抗効果素子を単磁区化する
ことが必要となる。
【０００８】これは、図５（ａ）に示すように、磁気抵
抗効果素子１の磁化の方向61，65が統一しておらず、互
いに反対方向の磁化が混在している場合には、外部から
の信号磁界64が磁気抵抗効果素子１に流入したとき、磁
気抵抗効果に基づく抵抗変化が磁化の方向によって正負
逆に現われ、これらの重畳された素子全体の再生出力が
減少してしまうからであり、また、磁気抵抗効果素子内
に逆向きの磁化が存在するために磁壁が形成され、この
磁壁の不規則変化に起因するバルクハウゼンノイズが発
生する等、不安定性が増大するからである。
抗効果素子１の磁化の方向61，65が統一しておらず、互
いに反対方向の磁化が混在している場合には、外部から
の信号磁界64が磁気抵抗効果素子１に流入したとき、磁
気抵抗効果に基づく抵抗変化が磁化の方向によって正負
逆に現われ、これらの重畳された素子全体の再生出力が
減少してしまうからであり、また、磁気抵抗効果素子内
に逆向きの磁化が存在するために磁壁が形成され、この
磁壁の不規則変化に起因するバルクハウゼンノイズが発
生する等、不安定性が増大するからである。
【０００９】こうした状態を避けるためには、再生動作
の前に磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子内
の磁化方向を61で示す方向に揃える必要がある。
の前に磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子内
の磁化方向を61で示す方向に揃える必要がある。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の磁気抵
抗型薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗効果素子内の磁化が乱
れたときに、これを揃えるための機構を備えていない。
そのため、外部から１６００Ａ／ｍ（２０Ｏｅ）程度の
外乱磁場が作用すると、この磁気ヘッドは、磁化方向が
乱され易く、再生出力が不安定となり且つノイズを発生
するという問題があった。
抗型薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗効果素子内の磁化が乱
れたときに、これを揃えるための機構を備えていない。
そのため、外部から１６００Ａ／ｍ（２０Ｏｅ）程度の
外乱磁場が作用すると、この磁気ヘッドは、磁化方向が
乱され易く、再生出力が不安定となり且つノイズを発生
するという問題があった。
【００１１】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、乱れた磁化を揃えることによって、ノイ
ズを低減し、安定した再生出力を得ることができる磁気
抵抗効果型薄膜磁気ヘッドを提供することを目的として
いる。
るものであり、乱れた磁化を揃えることによって、ノイ
ズを低減し、安定した再生出力を得ることができる磁気
抵抗効果型薄膜磁気ヘッドを提供することを目的として
いる。
【００１２】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、磁
性基板上に形成された磁気抵抗効果素子と、磁気抵抗効
果素子上にこの磁気抵抗効果素子の磁化容易軸方向に対
して傾斜して形成された複数の電極とを備える磁気抵抗
型薄膜磁気ヘッドにおいて、磁気抵抗効果素子の磁化困
難軸方向に磁界を印加するためのバイアス導体を設け、
このバイアス導体に周期Ｔの交流電流を一定時間印加す
ると共に、磁気抵抗効果素子に一定方向の電流を時間ｔ
（ただし、ｔ＞Ｔ／２）の間印加する構成にしている。
性基板上に形成された磁気抵抗効果素子と、磁気抵抗効
果素子上にこの磁気抵抗効果素子の磁化容易軸方向に対
して傾斜して形成された複数の電極とを備える磁気抵抗
型薄膜磁気ヘッドにおいて、磁気抵抗効果素子の磁化困
難軸方向に磁界を印加するためのバイアス導体を設け、
このバイアス導体に周期Ｔの交流電流を一定時間印加す
ると共に、磁気抵抗効果素子に一定方向の電流を時間ｔ
（ただし、ｔ＞Ｔ／２）の間印加する構成にしている。
【００１３】また、記録ヘッドと読み取りヘッドとの複
合ヘッドにおいて、こうした構成を取り入れている。
合ヘッドにおいて、こうした構成を取り入れている。
【００１４】
【作用】そのため、磁気抵抗効果素子の磁化が外乱磁場
によって乱されていても、バイアス導体に交流電流を印
加し、磁気抵抗効果素子に直流電流を流した場合には、
バイアス電流から生じる磁界ＨBと、磁気抵抗効果素子
上の傾斜電極を流れる電流から生じる磁界Ｈとが磁気抵
抗効果素子に作用し、磁気抵抗効果素子の磁化は磁化困
難軸方向から少し傾いた方向に一様に揃う。次いで、バ
イアス導体に印加している交流電流を零にし、磁気抵抗
効果素子に印加している電流を下げれば、磁気抵抗効果
素子内の磁化は、全てが磁化容易軸方向を向いている初
期の正常な状態に戻る。
によって乱されていても、バイアス導体に交流電流を印
加し、磁気抵抗効果素子に直流電流を流した場合には、
バイアス電流から生じる磁界ＨBと、磁気抵抗効果素子
上の傾斜電極を流れる電流から生じる磁界Ｈとが磁気抵
抗効果素子に作用し、磁気抵抗効果素子の磁化は磁化困
難軸方向から少し傾いた方向に一様に揃う。次いで、バ
イアス導体に印加している交流電流を零にし、磁気抵抗
効果素子に印加している電流を下げれば、磁気抵抗効果
素子内の磁化は、全てが磁化容易軸方向を向いている初
期の正常な状態に戻る。
【００１５】なお、磁気抵抗効果素子に電流を印加する
時間ｔは、バイアス導体に印加する交流電流の一周期Ｔ
の１／２より長く設定しているため、時間ｔの間に少な
くとも１回の交流電流のピークが到来し、磁気抵抗効果
素子の磁化の初期化が行なわれる。
時間ｔは、バイアス導体に印加する交流電流の一周期Ｔ
の１／２より長く設定しているため、時間ｔの間に少な
くとも１回の交流電流のピークが到来し、磁気抵抗効果
素子の磁化の初期化が行なわれる。
【００１６】また、複合ヘッドでは、記録電流によって
磁気抵抗効果素子の磁化が乱され易いが、こうした問題
も、バイアス導体にバイアス電流を印加し、磁気抵抗効
果素子に一方向の電流を流すことによって解決する。
磁気抵抗効果素子の磁化が乱され易いが、こうした問題
も、バイアス導体にバイアス電流を印加し、磁気抵抗効
果素子に一方向の電流を流すことによって解決する。
【００１７】
（第１実施例）第１実施例の磁気抵抗型薄膜磁気ヘッド
は、図１に示すように、磁性基板４上に、絶縁層（図示
せず）を介して、電極端子9a，9bを有するバイアス導体
９を形成し、その上に絶縁層（図示せず）を介してＮｉ
−Ｆｅ合金薄膜等から成る磁気抵抗効果素子１を形成
し、その上に一対の電極3a、3bおよび傾斜電極2a〜2dを
積層している。その他の構成は、従来のヘッド（図６）
と変わりが無い。
は、図１に示すように、磁性基板４上に、絶縁層（図示
せず）を介して、電極端子9a，9bを有するバイアス導体
９を形成し、その上に絶縁層（図示せず）を介してＮｉ
−Ｆｅ合金薄膜等から成る磁気抵抗効果素子１を形成
し、その上に一対の電極3a、3bおよび傾斜電極2a〜2dを
積層している。その他の構成は、従来のヘッド（図６）
と変わりが無い。
【００１８】また、図２に示すように、バイアス導体９
には、その一方の端子9aに交流信号発生回路11を接続
し、他方の端子9bを接地している。また、磁気抵抗効果
素子１の一方の電極3aは、駆動電流を発生する直流信号
発生回路12に接続し、他方の電極3bを接地している。磁
気抵抗効果素子１の電圧は、再生用ヘッドアンプ13で増
幅して取り出される。
には、その一方の端子9aに交流信号発生回路11を接続
し、他方の端子9bを接地している。また、磁気抵抗効果
素子１の一方の電極3aは、駆動電流を発生する直流信号
発生回路12に接続し、他方の電極3bを接地している。磁
気抵抗効果素子１の電圧は、再生用ヘッドアンプ13で増
幅して取り出される。
【００１９】このバイアス導体９には、交流信号発生回
路11から、周期Ｔを有する図３（ｂ）に示す波形の交流
電流を一定時間流し、また、磁気抵抗効果素子１には、
直流信号発生回路12から、図３（ａ）に示すように、定
常値の駆動電流を流す前に、定常値の駆動電流よりも大
きい値の直流電流をｔ時間印加する。この時、 ｔ＞Ｔ／２ となるように、即ち、磁気抵抗効果素子１に値の大きい
直流電流が印加されている間に、バイアス導体９に交流
電流のピークが少なくとも１回加わるように、各電流の
印加時間を設定する。
路11から、周期Ｔを有する図３（ｂ）に示す波形の交流
電流を一定時間流し、また、磁気抵抗効果素子１には、
直流信号発生回路12から、図３（ａ）に示すように、定
常値の駆動電流を流す前に、定常値の駆動電流よりも大
きい値の直流電流をｔ時間印加する。この時、 ｔ＞Ｔ／２ となるように、即ち、磁気抵抗効果素子１に値の大きい
直流電流が印加されている間に、バイアス導体９に交流
電流のピークが少なくとも１回加わるように、各電流の
印加時間を設定する。
【００２０】今、長手方向に磁化容易軸を有する磁気抵
抗効果素子１が、全ての磁化が磁化容易軸方向を向いて
いる初期の正常状態から、磁気的な外乱を受けたため
に、図５（ａ）に示すように、互いに反対方向の磁化6
1、65が混在している状態に変化しているものとする。
抗効果素子１が、全ての磁化が磁化容易軸方向を向いて
いる初期の正常状態から、磁気的な外乱を受けたため
に、図５（ａ）に示すように、互いに反対方向の磁化6
1、65が混在している状態に変化しているものとする。
【００２１】ここで、バイアス導体９に図３（ｂ）の交
流電流を印加すると、磁界ＨBが発生し、この磁界Ｈ
Bは、磁性基板４、バックヨーク７、磁気抵抗効果素子
１およびフロントヨーク８から成る閉磁路に効率よく取
り込まれて、磁気抵抗効果素子１に作用する。この交流
電流から発生した磁界ＨBは、磁気抵抗効果素子１内の6
1方向の磁化を右回転させ、また、65方向の磁化を左回
転させて、バイアス電流の絶対値が最大のとき、磁気抵
抗効果素子１内の磁化を、磁化困難軸方向に揃える（図
５ｂ）。
流電流を印加すると、磁界ＨBが発生し、この磁界Ｈ
Bは、磁性基板４、バックヨーク７、磁気抵抗効果素子
１およびフロントヨーク８から成る閉磁路に効率よく取
り込まれて、磁気抵抗効果素子１に作用する。この交流
電流から発生した磁界ＨBは、磁気抵抗効果素子１内の6
1方向の磁化を右回転させ、また、65方向の磁化を左回
転させて、バイアス電流の絶対値が最大のとき、磁気抵
抗効果素子１内の磁化を、磁化困難軸方向に揃える（図
５ｂ）。
【００２２】このとき、磁気抵抗効果素子１に図３
（ａ）の直流電流を印加すると、磁気抵抗効果素子１上
に配置された傾斜電極2a〜2eを流れる電流62により、磁
気抵抗効果素子１に磁界Ｈが発生する。そのため、磁気
抵抗効果素子１には、磁界ＨBと磁界Ｈとの重畳された
磁界が加わり、磁気抵抗効果素子１内の磁化は、磁界Ｈ
の61方向成分によって、ＨBの方向から61方向に少し傾
いた66方向に一様に揃った状態に変化する。そして、こ
の磁化66は、磁界ＨBの大きさが変わるとき、それに伴
って、揃った状態で方向を変える（図５（ｃ））。
（ａ）の直流電流を印加すると、磁気抵抗効果素子１上
に配置された傾斜電極2a〜2eを流れる電流62により、磁
気抵抗効果素子１に磁界Ｈが発生する。そのため、磁気
抵抗効果素子１には、磁界ＨBと磁界Ｈとの重畳された
磁界が加わり、磁気抵抗効果素子１内の磁化は、磁界Ｈ
の61方向成分によって、ＨBの方向から61方向に少し傾
いた66方向に一様に揃った状態に変化する。そして、こ
の磁化66は、磁界ＨBの大きさが変わるとき、それに伴
って、揃った状態で方向を変える（図５（ｃ））。
【００２３】次いで、バイアス導体９に印加している交
流電流を零にし、磁気抵抗効果素子１に印加している直
流電流を下げると、図５ｄに示すように、磁気抵抗効果
素子１内の磁化は、揃った状態で回転し、磁化容易軸方
向61に向きを取る初期の正常な状態に戻される。
流電流を零にし、磁気抵抗効果素子１に印加している直
流電流を下げると、図５ｄに示すように、磁気抵抗効果
素子１内の磁化は、揃った状態で回転し、磁化容易軸方
向61に向きを取る初期の正常な状態に戻される。
【００２４】このとき、バイアス導体に印加する交流電
流の一周期Ｔ、磁気抵抗効果素子に電流を印加する時間
ｔが、 ｔ＞Ｔ／２ の関係を満たすならば、外乱によって変化した磁化がど
のような方向を向いていても、バイアス電流の絶対値が
最大の時に磁気抵抗効果素子１に直流電流を印加するこ
とができるため、磁気抵抗効果素子１内の磁化を初期の
正常状態に戻すことが可能である。
流の一周期Ｔ、磁気抵抗効果素子に電流を印加する時間
ｔが、 ｔ＞Ｔ／２ の関係を満たすならば、外乱によって変化した磁化がど
のような方向を向いていても、バイアス電流の絶対値が
最大の時に磁気抵抗効果素子１に直流電流を印加するこ
とができるため、磁気抵抗効果素子１内の磁化を初期の
正常状態に戻すことが可能である。
【００２５】本発明の磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドでは、
動作状態でない時に外乱磁場により磁気抵抗効果素子１
の磁化が乱されても、再生動作前に、以上の操作を行な
うことによって、磁気抵抗効果素子１を初期の正常な状
態に戻すことができる。続いて磁気抵抗効果素子の動作
状態に移行した場合には、磁気抵抗効果素子１に駆動電
流が加えられ、傾斜電極2a〜2dを流れる電流62による磁
界Ｈが磁気抵抗効果素子１に印加されるため、磁気抵抗
効果素子１の単磁区状態は維持される。そのため、本発
明の磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドは、常に安定した再生出
力を得ることができる。
動作状態でない時に外乱磁場により磁気抵抗効果素子１
の磁化が乱されても、再生動作前に、以上の操作を行な
うことによって、磁気抵抗効果素子１を初期の正常な状
態に戻すことができる。続いて磁気抵抗効果素子の動作
状態に移行した場合には、磁気抵抗効果素子１に駆動電
流が加えられ、傾斜電極2a〜2dを流れる電流62による磁
界Ｈが磁気抵抗効果素子１に印加されるため、磁気抵抗
効果素子１の単磁区状態は維持される。そのため、本発
明の磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドは、常に安定した再生出
力を得ることができる。
【００２６】また、バイアス導体９に印加する交流電流
は、時間的に減衰する波形のものであっても、同じよう
に、磁気抵抗効果素子１の磁化を初期の正常な状態に戻
すことができる。
は、時間的に減衰する波形のものであっても、同じよう
に、磁気抵抗効果素子１の磁化を初期の正常な状態に戻
すことができる。
【００２７】また、磁気抵抗効果素子１に印加する電流
は、電流の方向が変わらなければ、電流値が変化する電
流であっても良く、パルス状の電流を使用しても同じ効
果を上げることができる。
は、電流の方向が変わらなければ、電流値が変化する電
流であっても良く、パルス状の電流を使用しても同じ効
果を上げることができる。
【００２８】（第２実施例）第２実施例の磁気抵抗型薄
膜磁気ヘッドは、記録ヘッドと読み取りヘッドとを一体
化した複合型ヘッドに対して、第１実施例における技術
を適用したものである。
膜磁気ヘッドは、記録ヘッドと読み取りヘッドとを一体
化した複合型ヘッドに対して、第１実施例における技術
を適用したものである。
【００２９】この複合ヘッドは、図４に示すように、読
み取りヘッドを第１実施例のヘッドと同じ構成にすると
共に、バイアス導体９と磁性基板４との間に、絶縁層を
介して、記録用のコイル10を挿入している。この磁気抵
抗効果素子１の磁化を初期の正常な状態に戻すための操
作は、第１実施例の場合と変わりが無い。
み取りヘッドを第１実施例のヘッドと同じ構成にすると
共に、バイアス導体９と磁性基板４との間に、絶縁層を
介して、記録用のコイル10を挿入している。この磁気抵
抗効果素子１の磁化を初期の正常な状態に戻すための操
作は、第１実施例の場合と変わりが無い。
【００３０】このヘッドでは、コイル10に記録電流を流
して磁気記録を行なうが、この記録電流による磁界が磁
気抵抗効果素子１に印加されるため、磁気抵抗効果素子
１内の磁化が乱され易い。そのため、複合ヘッドにおい
ては、磁気抵抗効果素子１の磁化を正常状態に戻すこと
が大きな効果を発揮する。
して磁気記録を行なうが、この記録電流による磁界が磁
気抵抗効果素子１に印加されるため、磁気抵抗効果素子
１内の磁化が乱され易い。そのため、複合ヘッドにおい
ては、磁気抵抗効果素子１の磁化を正常状態に戻すこと
が大きな効果を発揮する。
【００３１】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明の磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドは、外乱磁場に
よって磁気抵抗効果素子内の磁化が乱された場合にも、
初期の正常な状態に戻すことができるため、再生動作時
の安定性が確保され、バルクハウゼンノイズの発生を抑
制した良好な再生出力を得ることができる。
に、本発明の磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドは、外乱磁場に
よって磁気抵抗効果素子内の磁化が乱された場合にも、
初期の正常な状態に戻すことができるため、再生動作時
の安定性が確保され、バルクハウゼンノイズの発生を抑
制した良好な再生出力を得ることができる。
【００３２】また、この効果は、記録ヘッドと書き込み
ヘッドとを一体化し、あるいは積層した複合型ヘッドに
おいて殊に著しい。
ヘッドとを一体化し、あるいは積層した複合型ヘッドに
おいて殊に著しい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例における磁気抵抗型薄膜磁
気ヘッドの斜視図、
気ヘッドの斜視図、
【図２】実施例の磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドにおける周
辺回路図、
辺回路図、
【図３】実施例のヘッドの磁気抵抗効果素子に印加する
電流波形図（ａ）と、バイアス導体に印加する電流波形
図（ｂ）、
電流波形図（ａ）と、バイアス導体に印加する電流波形
図（ｂ）、
【図４】本発明の第２実施例における磁気抵抗型薄膜磁
気ヘッドの斜視図、
気ヘッドの斜視図、
【図５】実施例における磁気抵抗効果素子の磁化が正常
化される動作を説明する図、
化される動作を説明する図、
【図６】従来の磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドの斜視図であ
る。
る。
１ 磁気抵抗効果素子 2a，2b，2c，2d，2e 傾斜電極 3a，3b 電極 ４ 磁性基板 ５ ギャップ絶縁層 ６ 摺動面 ７ フロントヨーク ８ バックヨーク ９ バイアス導体 9a，9b 端子 10 記録用コイル 11 交流信号発生回路 12 直流信号発生回路 13 再生用ヘッドアンプ 61、65、66 磁化の方向 62 電流の方向 64 磁界の方向
フロントページの続き (72)発明者 中村 和夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 深澤 利雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 和田 久美子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項１】 磁性基板上に形成された磁気抵抗効果素
子と、前記磁気抵抗効果素子上に該磁気抵抗効果素子の
磁化容易軸方向に対して傾斜して形成された複数の電極
とを備える磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記磁気抵抗効果素子の磁化困難軸方向に磁界を印加す
るためのバイアス導体を設け、前記バイアス導体に周期
Ｔの交流電流を一定時間印加すると共に、前記磁気抵抗
効果素子に一定方向の電流を時間ｔ（ただし、ｔ＞Ｔ／
２）の間印加することを特徴とする磁気抵抗型薄膜磁気
ヘッド。 - 【請求項２】 前記磁気ヘッドが、記録ヘッドと読み取
りヘッドとの複合ヘッドであることを特徴とする請求項
１に記載の磁気抵抗型薄膜磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1590793A JPH06203339A (ja) | 1993-01-05 | 1993-01-05 | 磁気抵抗型薄膜磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1590793A JPH06203339A (ja) | 1993-01-05 | 1993-01-05 | 磁気抵抗型薄膜磁気ヘッド |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06203339A true JPH06203339A (ja) | 1994-07-22 |
Family
ID=11901848
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1590793A Pending JPH06203339A (ja) | 1993-01-05 | 1993-01-05 | 磁気抵抗型薄膜磁気ヘッド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06203339A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6025979A (en) * | 1997-09-04 | 2000-02-15 | Oki Electric Industry Co., Ltd. | Magnetoresistive sensor and head with alternating magnetic bias field |
| US7075294B2 (en) * | 2003-08-18 | 2006-07-11 | Tdk Corporation | Method of inspecting thin-film magnetic head and method of making thin-film magnetic head |
-
1993
- 1993-01-05 JP JP1590793A patent/JPH06203339A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6025979A (en) * | 1997-09-04 | 2000-02-15 | Oki Electric Industry Co., Ltd. | Magnetoresistive sensor and head with alternating magnetic bias field |
| US7075294B2 (en) * | 2003-08-18 | 2006-07-11 | Tdk Corporation | Method of inspecting thin-film magnetic head and method of making thin-film magnetic head |
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