JPH062026B2 - コーヒー豆の焙煎方法 - Google Patents

コーヒー豆の焙煎方法

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JPH062026B2
JPH062026B2 JP33378288A JP33378288A JPH062026B2 JP H062026 B2 JPH062026 B2 JP H062026B2 JP 33378288 A JP33378288 A JP 33378288A JP 33378288 A JP33378288 A JP 33378288A JP H062026 B2 JPH062026 B2 JP H062026B2
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賢治 荒井
邦彦 小宮
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  • Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)
  • Tea And Coffee (AREA)
  • Apparatuses For Bulk Treatment Of Fruits And Vegetables And Apparatuses For Preparing Feeds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は遠赤外線を効果的に発生する成型木炭を用いた
コーヒ豆の焙煎方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、所謂備長炭と称せられる硬度の極めて高く燃焼性
に優れた白炭があり、この木炭は、所謂炭焼焙煎コーヒ
ーの焙煎機の熱源として、珍重されている。
これは、焙煎機の熱源として用いられるオイル、ガス、
電力、炭、薪などに比べ殊に味と香りの優れたコーヒー
を焙煎し得る熱源であるためで、備長炭は単にコーヒー
焙煎用に使用出来るばかりでなく、小麦、大麦、大豆等
穀類の焙煎にも同様に利用されるし、更には、焙煎以外
の用途として、古来ウナギの蒲焼用に欠くべからざる燃
料として良く知られるものである。
所で、この備長炭は製造するに際し二つの重要な条件が
必要とされる。即ち、一つには耐火性の極めて高い岩石
及び粘土を使用して窯を築く必要のあること、二つには
炭材として必ずウバメガシを使用しなければならないこ
とである。このウバメガシは房州、紀州の南部、室戸、
足摺岬とか暖地の海岸・崖地に生育している。しかし、
ウバメガシの生育している所は地勢急峻な痩せ地が多
く、産出量も決して多くはない。
従ってこれより製造される備長炭については価格も高
く、これをコーヒーの焙煎に使用する場合、その燃料費
の全体に占める割合たるや極めて大きいものがあった。
このため製紙工程で大量に排出される製紙スラッヂを利
用して成型木炭を製造する方法が特公昭58−2935
1号公報に記載されている。また、特公昭55−384
00号公報にはゼオライトを混合した煉炭が開示されて
おり、かかる煉炭によれば、ゼオライトの吸着機能、イ
オン交換機能を用いて燃焼生成物の二硫化炭素などの悪
臭を吸着し環境悪化を防止することができる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前者の成型木炭では木炭の組織自身がゆ
るいため、燃焼速度が早く、かつ砕け易い。
このため備長炭に匹敵する燃焼性は得られない。また、
ゼオライトを混入した煉炭では、環境悪化防止効果は得
られるものの、燃焼性や食品等に対する加熱性が悪い。
本発明者らはかかる事態に着目し鋭意研究の末、遂に本
発明に到達したものである。
即ち、本発明は備長炭による焙煎方法と略々同等の品質
を有しながら価格的に極めて低コストの高品質焙煎方法
を提供するものである。本発明の他の目的は焙煎に用い
る成型木炭が含有するセラミックス即ち純度95%以上
のアルミナ、ジルコニア、マグネシアから遠赤外線の放
射が極めて効率的に行なわれ、これによりコーヒー豆や
小麦、大麦、大豆等穀物類の焙煎或はウナギの蒲焼等の
食品に対し、効果的な加熱即ち、加熱せられる材料の内
部組織に対し輻射線である遠赤外線の放射が直接行なわ
れる結果、該材料の表面が必要以上に焦げ過ぎることも
なく、適度の色、香り、形状を以て焼き上げることので
きる焙煎方法を提供するものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、炭火より発生する火力を網目状回転ドラムに
充填したコーヒ豆に直接照射する焙煎方法において、該
炭火として、粒径0.5〜0.8mmの炭焼された微小木片より
なり、純度95%以上のアルミナ、ジルコニア、マグネ
シアより選ばれた無機化合物からなるセラミックス粒子
を0.5重量%以上、10重量%未満含有した成型木炭を
用いることを特徴とするものである。
本発明で用いる成形木炭を構成する微小木片は、必ずし
も前記ウバメガシ若しくはカシ類に依ることはなく、通
常の製材工場から副産物として産生するところのオガク
ズで良い。しかしながら好ましくは一般にタンニンを多
く含む所の木材即ち、クヌギ、コナラ、ミズナラ、カシ
類の製材の結果産生されたオガクズ若しくは微小木片が
良質の炭を作る。その他カエデ、トネリコ、リョウブ、
ヤチダモ、マテバシイ、ツバキ、サザンカ等の本来通常
の炭焼方法の木炭の原料木から生じたオガクズ若しくは
微小木片からも良質の炭を生成せしめることについては
論を持たぬところであるが必ずしもこれらのものに限定
されるものではない。前記のカシ、クヌギを初めとする
各種木片はいずれも広葉樹であるが本発明にて適用され
る樹種としては広葉樹、針葉樹のいずれであってもよ
い、また微小木片としては前記オガクズの他チッパー
屑、カットバーク、サンダー屑、カッター屑など含水率
50%以下のものならばいずれも使用できる。
かかる木片はその粒径、即ち長辺の長さが0.5〜8.0mmの
範囲にあることが必要で、かかる範囲を外れては、加熱
加圧して成型する際に十分な硬さ、緻密度が得られず、
脆い炭材しか得られない。
次に、該成形木炭が含有するセラミック粒子に分類され
るものとしては、酸化物系セラミックス、非酸化物系セ
ラミックス、非金属、金属、合金、結晶等が挙げられ、
例えば、酸化物系セラミックスとしてはアルミナ(Al
23)系、マグネシア(MgO)系、ジルコニア(Zr
2)系の他、酸化チタン(TiO2)、二酸化ケイ素
(SiO2)、酸化クロム(Cr23)、フェライト
(FeO2,Fe34)、スピネル(MgO・Al
23)、セリウム(CaO2)、バリウム(BaO)等
があり、炭化物系セラミックスとしては、炭化ホウ素
(B4C)、炭化ケイ素(SiC)、炭化チタン(Ti
C)、炭化モリブデン(MoC)、炭化タングステン
(WC)等があり、窒化物系セラミックスとしては、窒
化ホウ素(BN)、窒化アルミ(AlN)、窒化ケイ素
(Si34)、窒化ジルコン(ZrN)等があり、非金
属としては炭素(C)グラファイトがあり、金属として
はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、バナジウ
ム(V)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、マンガン
(Mn)、ニッケル(Ni)、酸化銅(Cu2O)、酸
化鉄(Fe23)があり、合金としてはニクロム、カン
タル、ステンレス、アルメルがあり、また、結晶として
は雲母、蛍石、方解石、明ばん、水晶等が有る。
これらのうち、特に有用な遠赤外線放射特性を有するセ
ラミックスとしては、アルミナ系、マグネシア系、ジル
コニア系があり例えばアルミナ系ではアルミナ、ムライ
ト、マグネシア系ではマグネシア、コージュライト(2M
gO・2Al2O3・5SiO2)ジルコニア系ではジルコンサンド(Z
rO2、ZrO2・SiO2)等が挙げられる。而して、本発明では
かかる特定のセラミックスを用いることが必要である。
また、以上の群から選ばれた複数のものを混合使用する
ことも有効であり、更に、これらと他のセラミックス
(例えば炭化物系セラミックス)とを混合使用すること
も有効である。かかるセラミックス粒子の粒径について
は、木炭の成型に際し作業の行ない易い程度のものであ
れば良く、20μ以下、好ましくは5〜10μ程度のも
のが使用しやすい。
次に、該成型木炭中に含有するセラミックスの含有率は
0.5重量%以上10.0重量%未満が適当であるが、
更に好ましくは2重量%〜8重量%が良い。0.5重量
%未満であると遠赤外線の放射量が不十分であり、逆に
10.0重量%以上となると該木炭の全体としての発熱
量が不足である。
セラミックス粒子は、木炭中に均一に分散されているこ
とが好ましく、微小木片と必要に応じ塩化ビニール系や
ポバール系等の接着剤とを混合して成型工程に供する
際、添加混合するとよい。又、微小木片、接着剤、セラ
ミック粒子を混和した混合物は、含水率が16%程度と
なるまで乾燥せしめた後、200〜250℃、25〜2
8トン/m2程度で加熱加圧して炭材を形成し、これを
白炭又は黒炭として焼き上げ成型木炭となすとよい。
以上の如き成型木炭を用いて、コーヒー豆を焙煎する際
には、網目状回転ドラムにコーヒー豆を充填し本成型木
炭より発生する遠赤外線を直接照射する。
(作用) 電磁波の一種である赤外線は物体内部への浸透する力が
強く、内部加熱方式の加熱方法として極めて効率が良
く、加熱や乾燥に利用できるものである。
しかしながら、食品の乾燥に利用できる赤外線としては
限定され、水やコーヒー豆等の多くの高分子化合物の分
子運動領域と一致する波長10μm以上の遠赤外線が、
食品を内部より加熱することのできるものである。
本発明で用いる成形木炭中に存在する特定のセラミック
ス粒子は、前記遠赤外線を極めて効率的に放射し、食品
等に理想的な加熱を施す。
(実施例) 〔実施例1〕 通常の製材工場より入手した広葉樹および針葉樹よりな
るオガクズの100kgに対しセラミックスとしてアルミ
ナ系セラミックス(FIR−N1,10μm,昭和電工
製)を所定量混和した後、ロータリードライヤー(TO
−80型、高橋製作所製)にて含水率16%まで乾燥を
行ない、成型機(TO−80型、高橋製作所製)にて直
径50mm長さ500mm空孔径10mmの製炭用の筒状物に
加熱加圧して成型した。
この筒状成型品を炭材として用い白炭がま(吉田がま)
にて白炭として焼きあげた。即ち、口だき、炭化、冷
却、出炭の順に精炭を行ない最後に精煉(ねらし)を行
なった。精煉(ねらし)は標準的な白炭用の消粉を使用
して実施した。
アルミナ径セラミックスFIR−N1の混和量は3水準
設けることとし、1%、5%、10%に相当する1kg,
5kg及び10kgとした。
この様にして出来た成型炭3種及び比較品としてのウバ
メガシ備長炭の計4種を用い、コーヒー豆の焙煎テスト
を行なった。即ち先ず網目状回転ドラムを有する炭火熱
風式焙煎機(ユニカフェ34−D型)の予熱補助バーナ
ーを起動し、温度を5℃アップしてから生豆(BWサン
トスM/18)を投入した。続いて5分後に予熱補助バ
ーナーを遮断し、代りに炭火ブロワーを始動して炭火を
起し徐々に火力をアップした。続いてもう一台のブロワ
ーを始動して炭火を更に強め、炎の高さを15〜20cm
にまで高めてローストを続け、焙煎豆の焼け色を目視で
チェックしつつブロワーを次第に弱めて行き、最後に
音、色、香り、形を総合的に判断して焙煎を終了した。
テストの期間中炭は何れも着火性も良く、途中の立消え
も無かった。4種類の焙煎実験においてコーヒー豆が4
種とも略々同程度に焼き上るのに要した(1)所要時間(2)
燃料量(3)焙煎機内温度を纒めると表1のとおりであ
る。即ち、No.3の成型炭を除きNo.1,No.2
の成型炭は備長炭燃焼にほぼ匹敵する成績を収めた。ま
た焼き上げられた豆をコーヒーミルで挽いたあとドリッ
プ法でコーヒーとし、風味、フレーバー、色調を比較し
た。結果は同じく表1に記載したごとく、備長炭で焙煎
したコーヒーと比べ全く遜色のないものであった。
〔実施例2〕 通常の製材工場のオガクズの50kg及び木工工場からの
チッパー屑、カットバーク、サンダー屑、カッター屑等
計50kgに対しセラミックスとしてアルミナ系セラミッ
クス(FIR−N1,10μm,昭和電工製)を5kg加
えた場合とジルコニア系セラミックス(KZH−300
0,0.82μm,協立セラミックス製)を5kg加えた
場合の2通りの方法でそれぞれ混和した後、ロータリー
ドライヤー(TO−80型、高橋製作所製)にて含水率
16%まで乾燥を行ない、成型機(TO−80型、高橋
製作所製)にて直径50mm長さ500mm空孔径10mm製
炭用の筒状物に成型し、かつ引続き炭に焼きあげた。
この様にして出来た成型炭2種及び比較品としてのウバ
メガシ備長炭の計3種を用いて、〔実施例1〕と同様に
コーヒー豆の焙煎テストを行なった。即ち、網目状回転
ドラムを有する熱風式焙煎機(ユニカフェ34−D型)
の予熱補助バーナーを起動し、温度を5℃アップしてか
ら生豆を投入した。続いて5分後に予熱補助バーナーを
遮断し、代りに炭火ブロワーを始動して炭火を起し徐々
に火力をアップした。続いてもう一台のブロワーを始動
して炭火を更に強め、炎の高さを15〜20cmにまで高
めてローストを続け、焙煎豆の焼け色を目視でチェック
しつつブロワーを次第に弱めて行き、最後に音、色、香
り、形を総合的に判断して焙煎を終了した。テストの期
間中炭は何れも着火性も良く、途中の立消えも無かっ
た。3種類の焙煎実験においてコーヒー豆が4種とも略
々同程度に焼き上るのに要した(1)所要時間(2)燃料量
(3)焙煎機内温度を纒めると表2のとおりである。所要
時間においては3者いずれも同じであるが燃料の量にお
いて差が生じ、少ない方から備長炭、アルミナ、ジルコ
ニアの順でセラミックス2種がやや多い量で焼き上がっ
た。焼き上げられた豆をコーヒーミルで挽いたあとドリ
ップ法でコーヒーとし、風味フレーバー、色調を比較し
た。結果は同じく表2に記載したごとく、備長炭で焙煎
したコーヒーと比べどちらのセラミックの場合も全く遜
色のないものであった。
〔実施例3〕 実施例1で試作された3種類の成型炭と備長炭に更にブ
ランクとしてセラミックスを加えずに製造された成型炭
の計5種類の検体について、JISM8812,M881
4の方法で発生熱量を測定した。発熱量についての結果
は、表3に示す通りでブランク、1%、5%,混入の2
種類の成型炭は何れもウバメガシ備長炭の発熱量より高
く10%混入のもののみやや低い発熱量を示した。セラ
ミックス混の成型炭について、その混和量が増すに連れ
て発熱量が減少するのは、セラミックス粒子が遠赤外線
は放射するものの、自身は燃焼によって熱を生成しない
ので当然である。この測定において試料木炭片(粉)の燃
焼によって生成する熱を吸収する容器は鋼鉄製容器であ
り、遠赤外線を吸収しにくいため、遠赤外線による輻射
熱が発熱量の一部を構成することは極めて少ない。しか
し、これはあくまで発熱量測定上の特殊な事情によるも
のであり利用する本発明の方式においてコーヒー豆に対
し遠赤外線の作用を十分にうけさせ得ることに変りはな
い。加熱に寄与しないが、何れにしても、本発明の製炭
法により備長炭以上の発熱量の成型炭が完成されたこと
が証明された。
〔実施例4〕 実施例1で試作された3種類の成型炭と備長炭に更にブ
ランクとしてセラミックスを加えずに製造された成型炭
の計5種類の検体について、遠赤外線放射スペクトルを
測定した。遠赤外線放射スペクトルは放射特性測定装置
(日本分光工業(株)EM−101型)を用い、黒体に
対する試料片の放射率を波長3μm〜30μmに亙り曲線
の形で取り出すもので、結果を第1図に示した。第1図
より明らかなように、備長炭あるいはブランクに比べセ
ラミックス入りの成型炭は何れも10μm以上の波長領
域において、非常に高い放射率を示した。
(発明の効果) 此のように、本発明で用いたセラミックス含有成型炭
は、火のつきも良く、立ち消えもなく効果的な加熱がで
るものであり、該本成型木炭をコーヒー豆の焙煎に使用
すれば高価な備長炭使用時と同等の高品質のコーヒーの
得られることが確かめられた。しかも、本発明は単にコ
ーヒー焙煎に使用出来るばかりでなく、小麦、大麦、大
豆等穀類の焙煎にも同様に利用することができる。ま
た、焙煎以外の用途として、ウナギの蒲焼用にも用い
得、極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で用いる成型木炭の放射特性を示す図表
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭火より発生する火力を網目状回転ドラム
    に充填したコーヒー豆に直接照射する焙煎方法におい
    て、該炭火として、粒径0.5〜8.0mmの炭焼された微小木
    片よりなり、純度95%以上のアルミナ、ジルコニア、
    マグネシアより選ばれた無機化合物からなるセラミック
    ス粒子を0.5重量%以上、10重量%未満含有した成型
    木炭を用いることを特徴とするコーヒー豆の焙煎方法。
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JP4568490B2 (ja) * 2003-11-06 2010-10-27 株式会社ポッカコーポレーション 揮発性成分の製造方法、揮発性成分を含む飲食品及びコーヒー飲料又は茶飲料の製造方法
WO2006092922A1 (ja) * 2005-02-01 2006-09-08 Grapestone Co., Ltd. チョコレート及びその製造方法

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