JPH0620211Y2 - 硬貨処理機の硬貨搬出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、硬貨を載置して搬出する搬送ベルトの放出側
端部の上方にシャッターを垂設した硬貨処理機の硬貨搬
出装置に関する。

〔従来の技術〕

従来は、上方から落下する硬貨を搬出する搬送ベルトの
両側にはガイド側板をそれぞれ立設するとともに、搬送
ベルトの放出側端部の上方には上部を回動自由に枢着し
たシャッターを垂設して構成する硬貨処理機において、
搬送ベルト上に投下される硬貨がシャッターに当たつて
こぼれるのを防止するとともに、硬貨がシャッターを押
し開いて放出されるような構造になっていたのである
が、上方から落下する硬貨が正確にベルト上に落入せず
硬貨の側面上部などが両側に添設する側板(2a)、(2b)に
係止し、更にはこの係止状態にある硬貨に阻ぎられて後
続の落入硬貨も円滑に運ばれないということがしばしば
であった。

また、特開昭６０−１４４８９１号公報や特開昭６１−
６０１９５号公報に見られるような硬貨処理機には、ソ
レノイドを備えてシャッターを開閉駆動させるような構
造になつていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、硬貨を搬出する際に、ガイド側板にもた
れかかつて傾斜状態になるような硬貨は、シヤツターに
突き当たると、その位置に停滞したまま、搬送ベルトの
回動にともなつて回転し続ける状態となり、放出不良と
なる、といつた問題点を有していた。

また、ソレノイドをシヤツターの開閉駆動源として具備
した硬貨処理機では、装置が大型化し、該硬貨処理機の
小型軽量化及び低コスト化を制限するといつた問題点を
有していた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、そのような問題点を解決し、簡単な構造にし
て確実良好に硬貨を放出できるようにしたものであり、
そのため、シヤツターの両側部からは、両ガイド側板の
端縁に端部が接近し対面できるようにして彎曲状にした
両延出部をそれぞれ延出形成して構成したものである。

〔作用〕

したがつて、搬送ベルト上に硬貨が投出されると、硬貨
がこぼれるのをシヤツターにより従来同様に良好に防止
できることになり、また、搬送ベルトの側部上方でガイ
ド側板にもたれかかつて傾斜状態で搬出される硬貨は、
シヤツター側部の彎曲した延出部にあたると、その彎曲
面に案内されて搬送ベルトの中央側上面にそのまま倒れ
こんで他の硬貨と同様に放出側端部より放出されること
になる。

〔実施例〕

次に、図面に示す実施例について説明する。

第２図は硬貨処理機の正断面図を示すが、金融業務を行
なう２人のオペレータの間に設置して、それぞれに硬貨
を放出できるようにした金銭収納放出機（テラーズマシ
ン）である。

その機体の前部カバー(6)の後方には、６本の硬貨収納
筒(7)を着脱自在に嵌装したホルダ(8)を上方へ引き出し
可能にして横設し、各硬貨収納筒(7)の下部前後には硬
貨繰出し孔(9)と透孔(10)をそれぞれ形成し、機体後部
に内装した各モータ(11)によつて駆動することができる
とともにフオトセンサーユニツト(12)により移動検出を
行なうことができる各繰出し片(13)が前記透孔(10)側へ
出退するように装設し、前記フオトセンサーユニツト(1
2)の検出信号が図外の制御装置に出力されて該制御装置
は各硬貨収納筒(7)から繰り出される硬貨の枚数を計数
できるように装設して従来形構造同様に構成する。

また、前記カバー(6)内の下部両側に軸架した駆動プー
リ(14)と従動プーリ(15)には、各硬貨収納筒(7)の下部
より放出される硬貨を受止めることができる搬送ベルト
(1)を掛装し、正逆転モータ(10)の軸上のプーリ(17)
と、前記駆動プーリ(14)と同軸の入力プーリ(18)には伝
導ベルト(19)を掛合するとともに、前記搬送ベルト(1)
を正逆転駆動自在に装設し、該搬送ベルト(1)の両端側
となる左右の払出し口(20)(21)の下方にはカルトン(22)
(22)をそれぞれ出し入れ自在にして構成する。

前記搬送ベルト(1)の両側にはガイド側板(2a)(2b)をそ
れぞれ立設するとともに、搬送ベルト(1)の両端放出側
端部の上方には、上方に軸架した支軸(23)、(23)に上部
を枢着したシャッター（３）をそれぞれ垂設して従来形
構造同様に構成するが、両シャッター（３）の両側方に
接近する位置となる両ガイド側板(2a)、(2b)の両端側に
は搬送ベルト（１）により上方位となって起立する端縁
(4a)、(4b)をそれぞれ形成し、その端縁(4a)、(4b)の外
側方となるそれぞれの外面側には外側ガイド板(24)、(2
4′）および払い出し口側板(25)、(25)をそれぞれそわ
せて立設し、また、それぞれ２枚の板材を接着してなる
シャッター（３）の両側部からは、両ガイド側板(2a)(2
b)の端縁(4a)(4b)に端面(5a)(5b)が接近し対面できるよ
うにして彎曲状にした両延出部(3a)(3b)をそれぞれ延出
形成して構成する。

したがつて、搬送ベルト(1)は矢印(イ)で示すように正逆
回転させることができることになり、両シヤツター(3)
(3)は支軸(29)(23)を中心にして矢印(ロ)で示すように回
動できることになり、各繰出し片(13)が矢印(ハ)方向に
可動して、硬貨収納筒(7)内下端部の硬貨を繰り出し孔
(9)から押し出して搬送ベルト(1)上に投出すると、所望
の方向に搬送ベルト(1)を回動させることにより、その
方向側のカルトン(22)に硬貨全てを受取ることができる
ことになる。

その場合、搬送ベルト(1)上に硬貨が投出されると、硬
貨がこぼれるのをシヤツター(3)(3)により従来同様に良
好に防止できることになり、また、搬送ベルト(1)の側
部上方でガイド側板(2a)もしくは(2b)にもたれかかつて
傾斜状態で搬出される硬貨がシヤツター(3)の両側方に
接近してくると、シヤツター側部の彎曲した延出部(3a)
もしくは(3b)にあたりながらそのまま案内されて搬送ベ
ルト(1)の中央側上面に倒れこみ、他の硬貨と同様に放
出側端部より放出されることになる。

〔考案の効果〕

このように本考案は、搬送ベルト(1)上に投出されてく
る硬貨がこぼれないようにシヤツター(3)により従来同
様に良好に防止できるとともに、搬送ベルト(1)の側部
上方でガイド側板(2a)(2b)にもたれかかつて傾斜状態と
なり搬出されにくかつた硬貨は、シヤツター(3)側部の
彎曲した延出部(3a)(3b)により良好に案内しながら搬送
ベルト(1)の中央側に倒れこませることができることに
なり、従来のように停滞して放出不良となることなく確
実良好に硬貨を搬出できることになり、且つ機体を大形
にしたりコストアツプさせることなく簡単な構造にして
好適に実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部の平面図、第２図は
硬貨処理機の正断面図、第３図は第２図の一部の側断面
図、第４図は第１図の一部の正断面図である。 (1)……搬送ベルト、(2a)(2b)……ガイド側板、 (3)……シヤツター、(4a)(4b)……端縁、 (5a)(5b)……端面、(3a)(3b)……延出部、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上方から落下する硬貨を搬出する搬送ベル
   ト（１）の両側には、ガイド側板(2a)、(2b)をそれぞれ
   立設するとともに、搬送ベルト（１）の放出側端部の上
   方には上部を回動自在に枢着したシャッター（３）を垂
   設して構成する硬貨処理機において、前記シャッター
   （３）の両側部にはそれぞれ弧面状に彎曲する延出部(3
   a)、(3a)を形成し、該延出部(3a)、(3a)の前端縁は前記
   搬送ベルトの両側に添って立設するガイド側板(2a)、(2
   b)の端縁とそれぞれ相接触する様形成し、更に上記シャ
   ッター延出部端縁とガイド側板端縁との相接触する個所
   の外側には、ガイド板(24)、側板(25)とを添設してなる
   硬貨処理機の硬貨搬出装置。