JPH06202087A - 複合膜の製造方法および液晶素子 - Google Patents

複合膜の製造方法および液晶素子

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JPH06202087A
JPH06202087A JP4348117A JP34811792A JPH06202087A JP H06202087 A JPH06202087 A JP H06202087A JP 4348117 A JP4348117 A JP 4348117A JP 34811792 A JP34811792 A JP 34811792A JP H06202087 A JPH06202087 A JP H06202087A
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JP
Japan
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substrate
composite film
liquid crystal
coating
rotation speed
Prior art date
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Pending
Application number
JP4348117A
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English (en)
Inventor
Kensaku Takada
憲作 高田
Toru Kashiwagi
亨 柏木
Koji Hara
浩二 原
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子材料と液晶材料が微細に相分離した構
造の複合膜の製造方法において、均一な透過率を有する
複合膜を製造する。 【構成】 高分子材料と液晶材料とを低沸点溶媒に溶解
または分散させた塗布液を、基板上に塗布した後、塗布
面中の低沸点溶媒の蒸発を窒素ガス気流下に置くことに
よって制御するか、または基板の回転によって制御し、
同時に、塗布面を気流の風力または回転による遠心力を
利用して平滑化して、均一な透過率を有する複合膜を製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光の散乱−透過を電圧
で制御できるという機能を有し、表示素子、あるいは調
光、光スイッチ等に用いられる複合膜及び該複合膜を用
いた液晶素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複合膜の透過率スペクトルは、液晶と高
分子の分散構造により制御できることが知られている。
たとえば、Japanese Jounal Applied Physics 29、No3
(1990)、P.522によれば冷却速度で制御できるとしてお
り、また、J.Appl.Phys.69、No3(1991)、P.1605によれ
ば硬化温度で制御し、いずれも透過率スペクトルとの関
連性に言及している。また、Polymer Preprints,Japan
vol.40,No8(1991)によれば、蒸発速度により分散構造を
制御している。これは、塗布液の塗布後の排気速度で蒸
発速度を制御して、複合膜の分散構造を制御している。
【0003】しかし、温度、冷却速度で制御する場合、
大面積の複合膜を作製する場合にわずかな温度分布が均
一性を阻害する要因となる。また、排気速度で制御する
場合、排気するための容器が大きくなると、減圧時の気
流により蒸発速度に分布が生じ、均一な透過率の複合膜
の形成が困難であった。このため、表示素子、光制御素
子等に複合膜を応用する場合に透過率の不均一性が表示
品位・特性ばらつきに影響し、実用的な素子を実現する
のが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、特に大面積の複合膜を製造する場合に、蒸発速度の
分布が生じやすく、そのため蒸発速度に基づく複合膜内
の液晶と高分子の分散構造が不均一が生じ、同時に、複
合膜表面が平滑にならず、従って均一な透過率が得られ
ない点である。
【0005】
【課題を解決するための手段】高分子材料と液晶材料と
を低沸点溶媒に溶解または分散させた塗布液を、基板上
に塗布した後、塗布面中の低沸点溶媒を蒸発させること
により高分子材料と液晶材料が微細に相分離した構造の
複合膜を製造する方法において、前記塗布された基板を
気流下に置くか又は基板の移動により前記低沸点溶媒の
蒸発を行うと共に、非接触的力により塗布面の塗布液を
塗布面に沿って流動させることにより、塗布面の塗布液
を流動、平滑化させることにより、特に大面積の複合膜
を製造する場合であっても、均一な透過率を有する複合
膜を製造できるという目的を実現した。
【0006】本発明において、基板上の塗布面中の低沸
点溶媒を蒸発させる方法は、基板上の気体と基板自体の
相対的な移動速度によるもので、送風して気流下に置い
てもよく、基板自体を移動させてもよい。送風する方法
として、例えば、塗布が完了した後、上方から均一な気
流を吹き付けることにより溶媒を蒸発させることによ
り、行うことができ、基板自体を移動させる方法とし
て、例えば、基板は回転速度を調節できる台上に固定さ
れ、回転速度により低沸点溶媒の蒸発速度を制御しても
よい。
【0007】本発明において、非接触的力とは、塗布液
の塗布後において、塗布面に直接接触して平滑化する治
具等の固体の手段による力を意味するのではなく、送風
による風力又は基板を基板面に沿って回転する際に生じ
る遠心力をいう。
【0008】本発明において、基板自体の移動を基板の
回転により行う場合において、更に好ましくは、塗布液
を第1の回転速度で回転させることにより基板上に塗布
した後、第2の回転速度で回転させることにより、塗布
面の塗布液中の高分子材料と液晶材料を均一に相分離を
生じさせると共に、平滑化してもよい。
【0009】上記の方法で作製した複合膜を、少なくと
も一方の基板が透明導電膜である一対の導電膜を有する
基板間に挟着して得られた液晶素子は、上記両導電膜間
に電圧を印加しない時と、十分に大きな電圧を印加した
時の可視光領域での透過率スペクトルが実質的に同等な
ものとなるような機能を付与するには、複合膜を製造す
る際に、吹き付ける気流の流量すなわち送風速度又は基
板の移動速度例えば回転速度を制御することによってで
きる。
【0010】
【作用】従来から、複合膜の透過率スペクトルは、液晶
と高分子の分散構造により制御できることが知られてい
る。本発明では、塗布液を塗布した基板を移動する場合
は、例えば、基板を回転速度を制御できる台座上にを固
定し、回転作用により塗布液を延展することで一定膜厚
に塗布液を塗布し、さらに回転で生じる気流により溶媒
蒸気の除去が効果的に行われるため、低沸点溶媒の蒸発
を促す。
【0011】この作用について検討した結果、回転速度
が大きいほど、分散構造は微細になることがわかった。
これは蒸発速度が、塗布液表面で回転により生じる気流
量の大小により制御されていることによると考えられ
る。本発明においては、この作用を利用して、回転速度
により分散構造を制御し、その結果として光透過スペク
トルを制御するという効果を得ている。しかし、蒸発速
度は一般に、溶媒固有の蒸発エネルギー(一定気圧にお
ける沸点)、温度、蒸発面上の溶媒の分圧に依存する
が、本発明において回転速度を変えることは蒸発面上の
溶媒の分圧を変えることであるから、上記溶媒の沸点及
び温度が一定の場合における回転速度を意味する。回転
により発生する遠心力は、回転速度及び回転軸からの距
離により変化し、塗布液の流動を起こすが、流動の程度
は塗布液の粘度、低沸点溶媒の蒸発の程度によって変化
するので、回転速度は各種の条件に応じ設定することが
できる。
【0012】塗布から溶媒蒸発がおおむね完了するまで
回転速度を一定にした場合、その回転速度と複合膜の膜
厚が関係しているため、蒸発速度と膜厚を独立に制御す
ることができない。たとえば、回転速度が大きいほど、
複合膜の膜厚が薄くなるため、膜の光散乱が小さくな
り、液晶素子として用いる場合のコントラストが悪化す
るという弊害が生ずることがある。この弊害を避けるた
めには、回転数が遅い場合と同等な膜厚が得られるよう
に塗布液の濃度を高くするという方法をとることができ
る。この場合は、塗布液が十分に延展される前に蒸発に
より相分離が生じることがある。
【0013】このような相分離を生じないように、本発
明では、より好ましくは、第1の回転速度により膜厚を
制御し、第2の回転速度により蒸発速度を制御する。第
1の回転速度で回転する間に塗布液は基板上に延展さ
れ、平滑化し、その厚さは回転速度でほぼ決定される。
その間にも溶媒の蒸発が生じているが、ある一定の濃度
になるまでは、相分離が生じないので、その濃度に達す
る直前まで第1の回転を続けることができる。その後、
第2の回転速度に切り換えると、その回転速度に応じた
蒸発速度で溶媒が蒸発し、その蒸発速度で複合膜の分散
構造が決定される。また、回転速度を溶媒の溶媒の蒸発
過程で変更することは、気流の速度を変えることと等価
である。
【0014】この作用効果を利用することにより、複合
膜の透過率スペクトルと膜厚とを独立に制御することが
できる。
【0015】本発明では無電圧時のスペクトルが自在に
制御できるので、液晶素子に電圧を印加して透明状態と
したときのスペクトルと同等なスペクトル分布を有する
ように、回転速度を変えることにより制御することがで
きる。従って、無電圧時と電圧印加時のスペクトルを変
えることなく透過率を制御可能な液晶素子ができる。こ
のような素子は、照明装置用調光素子として用いると効
果が大きい。
【0016】バーコート法あるいは上記の回転法で塗布
液を基板上に延展し、塗布液が相分離を始める直前にノ
ズル等で気流を吹き付けて低沸点溶媒の蒸発を促す。こ
の時の気流は基板全面で均一に生じるように、基板上部
から全面均一に気流を吹き付けるか、あるいは線状に配
置したノズルを走査することにより行うのがよい。その
送風による塗布面の平滑化は、低沸点溶媒の蒸発と同時
に行われる。蒸発速度は気流の流量により制御される。
気流は空気であってもよいが、液晶あるいは高分子の酸
化や吸湿を防ぐために、乾燥した窒素あるいはアルゴン
等の不活性ガスがより好ましい。
【0017】
【実施例】
(実施例1)ネマチック液晶材料(メルクジャパン:品
名E63)70重量部とアクリル系高分子材料25重量
部と、架橋剤(ポリイソシアネート;武田薬品:品名A
−3)5重量部とを、ジクロロエタンを溶媒として、溶
質濃度が20%となるように溶解して塗布液を作製し
た。上記のアクリル系高分子材料は、ヒドロキシェチル
メタクリレートを20重量%の成分として含むアクリル酸
エステル共重合体であり、ヒドロキシェチルメタクリレ
ート末端のOH基と架橋剤との反応により架橋される。
【0018】この塗布液を下記の3条件で基板を3分間
回転させて複合膜を作製した。 (1)100RPM、(2)300RPM、(3)500RPM
【0019】これらの複合膜について、分光光度計(島
津製作所,UV-160)を用いてスペクトルを測定したとこ
ろ、図1のようなスペクトルが得られた。回転速度が小
さい場合は短波長側の方が優勢なスペクトルとなり、回
転速度が大きいと長波長側の方が優勢なスペクトルとな
ることがわかった。このことは、回転速度が大きいほ
ど、分散構造が微細になることを示している。ただし、
回転速度が大きいほど、膜厚が薄くなっており、透過率
が高いものとなっている。
【0020】(実施例2)同じ塗布液について、下記の
3条件で複合膜を作製した。 (4)300rpm−20秒間→100rpm−3分間 (5)300rpm−20秒間→200rpm−3分間 (6)300rpm−20秒間→600rpm−3分間
【0021】この塗布液に関しては、300rpmの回
転数で35秒間回転した時点で、白濁が生じ始め、相分
離が開始する濃度に達することがわかった。したがっ
て、上記条件で設定した300rpm−20秒間の間は
まだ相分離が生じていない状態である。
【0022】これらについて、スペクトルを測定した結
果、図2に示すように、回転速度が小さい場合は短波長
側の方が優勢なスペクトルとなり、回転速度が大きいと
長波長側の方が優勢なスペクトルとなることがわかっ
た。この傾向は実施例1と同じであるが、膜厚は3点と
もほぼ同じでその結果として、透過率レベルはほぼ等し
い。
【0023】(実施例3)(5)の条件で、透明導電膜を
有するPES基板上に複合膜を塗布・加熱した後、もう
1枚の透明導電膜を有するPES基板をラミネート圧着
して液晶素子を作製した。この素子について、無電圧時
と電圧80V印加時のスペクトルを測定したところ、図
3に示すように、ほぼ等しいスペクトルであることがわ
かった。なお、図4は、図3における無電圧時のスペク
トルを拡大したグラフを示す。
【0024】(実施例4)同じ塗布液をバーコートで延
展塗布した後、図5に示すような配置で、整流板を通し
て窒素ガスを吹き付けた。下記の窒素ガス流量の条件で
複合膜を作製した。 (7)5リットル/分、(8)10リットル/分、(9)15リットル/分
【0025】その結果、図5に示すように、流量が小さ
い場合は短波長側の方が優勢なスペクトルとなり、流量
が大きいと長波長側の方が優勢なスペクトルとなること
がわかった。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合膜の
製造方法は、塗布液を塗布した基板を気流下に置くか又
は基板の移動により前記低沸点溶媒の蒸発を行うと共
に、非接触的力により塗布面の塗布液を塗布面に沿って
流動させることにより、複合膜内部の構造を制御し、特
に大面積の複合膜を製造する場合であっても、均一な透
過率を有する複合膜を製造することができる。また、基
板の移動を回転によって行う場合は、回転速度で透過率
スペクトルが制御できるので、所望のスペクトルを容易
に得ることができる。本発明はまた、膜厚とスペクトル
を独立に制御できるから、コントラストを損なうことな
くスペクトルの制御ができる。以上の製造方法によって
得られた複合膜を導電膜間に挟着して得られる液晶表示
素子は、透明状態と光散乱状態のスペクトル分布の制御
が可能であり、従って、色調の表現性に優れ、また、照
明装置の調光素子として用いた場合は、投射光のスペク
トル分布を変えることなく調光することができる。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】塗布液を塗布した基板の回転によって塗布液中
の低沸点溶媒を蒸発させて得た本願発明の複合膜のスペ
クトルを示すグラフである。
【図2】塗布液を塗布した基板の回転を低沸点溶媒の蒸
発過程で変更した場合の得られた本願発明の複合膜のス
ペクトルを示すグラフである。
【図3】塗布液を塗布した基板の回転を低沸点溶媒の蒸
発過程で変更した場合の得られた複合膜を用いて製造し
た液晶素子の無電圧時と電圧80V印加時のスペクトル
を示すグラフである。
【図4】図3における無電圧時(0V)のスペクトルを
拡大したグラフである。
【図5】塗布液を塗布した基板に窒素ガスを吹き付けて
得られた本願発明の複合膜のスペクトルを示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 回転数100RPM 2 回転数300RPM 3 回転数500RPM 4 20秒300RPM回転後、3分間100RPM回
転 5 20秒300RPM回転後、3分間200RPM回
転 6 20秒300RPM回転後、3分間600RPM回
転 7 液晶素子の無電圧時(0V)のスペクトル 8 液晶素子の電圧80V印加時のスペクトル 9 窒素ガスの流量5リットル/分 10 窒素ガスの流量10リットル/分 11 窒素ガスの流量15リットル/分
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 105:32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料と液晶材料とを低沸点溶媒に
    溶解または分散させた塗布液を、基板上に塗布した後、
    該塗布面を気流下に置くか又は該基板を基板面に沿って
    移動させて前記塗布面中の前記低沸点溶媒を蒸発させる
    と共に、非接触的力より前記塗布面の塗布液を流動、平
    滑化して、高分子材料と液晶材料が微細に相分離した構
    造を有する複合膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法で作製した複合膜を、少
    なくとも一方の基板が透明導電膜である一対の導電膜を
    有する基板間に挟着したことを特徴とする液晶素子。
JP4348117A 1992-12-28 1992-12-28 複合膜の製造方法および液晶素子 Pending JPH06202087A (ja)

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JP4348117A JPH06202087A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 複合膜の製造方法および液晶素子

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JP (1) JPH06202087A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001085417A1 (en) * 2000-05-12 2001-11-15 Dalton Paul D Method of producing structures using centrifugal forces

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001085417A1 (en) * 2000-05-12 2001-11-15 Dalton Paul D Method of producing structures using centrifugal forces

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