JPH06200874A - クラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機 - Google Patents

クラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機

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JPH06200874A
JPH06200874A JP4349473A JP34947392A JPH06200874A JP H06200874 A JPH06200874 A JP H06200874A JP 4349473 A JP4349473 A JP 4349473A JP 34947392 A JP34947392 A JP 34947392A JP H06200874 A JPH06200874 A JP H06200874A
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compressor
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Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Masanori Sonobe
正法 園部
Tomohiko Yokono
智彦 横野
Takeshi Mizufuji
健 水藤
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/10Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis having stationary cylinders
    • F04B27/1036Component parts, details, e.g. sealings, lubrication
    • F04B27/1054Actuating elements
    • F04B27/1072Pivot mechanisms

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧縮機の零容量運転時に斜板を零度位置に確
実に保持する。 【構成】 回転軸4に固定された回転支持体9にヒンジ
機構K1を介して斜板13を前後方向への往復傾動可能
に装着する。前記斜板13を零度から傾斜位置に復帰す
るスプール24を回転軸4上に設ける。給油ポンプ27
の油吐出通路29の途中に第1電磁開閉弁31を設け
る。該開閉弁31の上流側の油吐出通路29と前記スプ
ール24に油圧を付与する圧力室26を分岐供給通路3
2により連通する。又、斜板13の重心Gの位置を回転
軸4の中心軸線X−Xに関して斜板13の前後方向への
揺動中心Oと反対側に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は例えば自動車の空調装
置に使用されるクラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用可変容量圧縮機には、
エンジンの動力を断接する電磁クラッチが装着され、車
室内の温度が高くて空調装置(以下エアコンという)の
スイッチのオンにより前記電磁クラッチが作動される
と、エンジンの回転運動がベルト伝達機構及び電磁クラ
ッチを介して圧縮機に伝達される。このためエアコンス
イッチのオン・オフの度に圧縮機が大容量で起動・停止
され、電磁クラッチの断接の頻繁な繰り返しによりその
耐久性が低下するとともに、圧縮機の起動ショックも発
生し、圧縮機が大型、大重量化し、エンジンルーム内で
の装設スペースの関係で装着が困難である。
【0003】上記問題を解消するため、クラッチレス揺
動斜板式可変容量圧縮機が提案されている。この圧縮機
として、従来特開平3−143725号公報に示された
ものがある。この圧縮機は斜板が収容されたクランク室
圧力と吸入行程のシリンダボア内作動室の圧力との差圧
を制御することにより、斜板の傾角を連続的に変化させ
てピストンの最大ストロークを可変としている。又、こ
の圧縮機はエアコンスイッチのオン信号に応答して、前
記斜板を零度位置から押動して零度よりも大きい傾斜位
置に移動する油圧式のアクチュエータを備えている。そ
して、零容量運転から圧縮運転に変更したい場合には、
給油ポンプによりクランク室下部に形成した油貯留室か
ら潤滑油を汲み上げて、ポンプ吐出側に接続したアクチ
ュエータを駆動して斜板を零度位置から傾斜位置に復帰
するように構成されている。さらに、この圧縮機は圧縮
運転から零容量運転に切り換える場合には、吐出室の高
圧の冷媒ガスを給気通路を通してクランク室に導き、ピ
ストンの前後に作用する差圧を急激に増大して斜板を零
度位置に変位するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の可変容量圧縮機
は、斜板の重心の位置が特定されていないので、斜板の
回転による遠心力の影響を受けないようにその重心位置
が回転軸の中心軸線上にあると考えられる。しかし、も
し重心位置が回転軸の中心よりも斜板の揺動中心側に位
置していると、斜板が回転する際、重心に作用する遠心
力により斜板を最小傾角位置から傾角を増大する方向へ
の分力を受けて斜板の傾角が変化するという問題が生じ
る。
【0005】この発明の目的は上記従来の技術に存する
問題点を解消して、斜板の傾角が零度の零容量で圧縮機
が運転される場合に、斜板の重心に作用する遠心力によ
り該斜板が傾角を増大する方向の分力を受けないように
して、斜板を零度位置に確実に保持することができるク
ラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、揺動斜板式可変容量圧縮機において、圧縮
機のオフ信号により前記斜板の傾角を傾斜状態から零度
に変位し、零度に変位後は斜板を拘束しないようにした
斜板傾角零度強制変更手段と、圧縮機のオン信号により
前記斜板の傾角を零度から傾斜位置に復帰するための斜
板傾角復帰駆動手段とを備え、前記斜板の重心位置を回
転軸の中心軸線に関して該斜板の前後方向への揺動中心
と反対側に設定するという手段をとっている。
【0007】
【作用】この発明では、圧縮機が起動されると、回転軸
により斜板が回転される。前記斜板が零度位置にある場
合には、回転される斜板の重心に作用する遠心力が斜板
の揺動中心と重心を結ぶ直線と直交する方向への分力と
して斜板に作用する。このため斜板は零度位置に安定し
て保持され、クラッチレス状態の零容量運転が行われ
る。又、斜板が回転位相等により傾斜位置にあって、圧
縮機が停止された状態で圧縮機が起動されても同様に斜
板には前述した零度位置へ付勢する方向への分力が作用
して、斜板は傾斜位置から零度位置に変位される。
【0008】又、圧縮機の圧縮運転が必要になると、圧
縮機のオン信号により斜板傾角復帰駆動手段が動作され
て斜板が零度位置から傾斜位置に復帰され、圧縮機は圧
縮動作に移行される。
【0009】圧縮機の圧縮運転が不要になると、圧縮機
のオフ信号により斜板傾角復帰駆動手段が停止されると
ともに、斜板傾角零度強制変更手段が動作されて、斜板
が傾斜位置から零度位置に変位され、圧縮機は再びクラ
ッチレス状態の零容量運転に移行される。そして、斜板
傾角零度強制変更手段による斜板の拘束状態が解除され
た後も前記斜板の零度位置は前述したように該斜板の重
心に作用する遠心力の分力により保持される。
【0010】
【実施例】以下、この発明を具体化した一実施例を図面
に基づいて説明する。図2に示すように、複数のシリン
ダボア1aを形成したシリンダブロック1のフロント側
端面にはクランク室2aを形成するフロントハウジング
2が接合固定されている。前記シリンダブロック1の後
端には吸入室3a及び吐出室3bを区画形成するリヤハ
ウジング3が接合固定されている。前記シリンダブロッ
ク1及びフロントハウジング2にはクランク室2a内に
位置するように回転軸4がラジアルベアリング5,6を
介して回転可能に支持されている。前記回転軸4の外端
部にはプーリ7が固定され、エンジンの回転運動がベル
ト8により直接伝達される。
【0011】前記回転軸4には回転支持体9が嵌合固定
され、該支持体9とフロントハウジング2の内壁間には
圧縮動作時のスラスト荷重を支持するスラストベアリン
グ10が介在されている。この回転支持体9には挿通孔
11aを有する支持アーム11が一体に形成されてい
る。一方、回転軸4には球面12aを有するスリーブ1
2が該回転軸4の外周面に沿って前後方向への往復動可
能に支持され、このスリーブ12には斜板13が球面1
2aに沿って前後方向へ傾動可能に支持されている。前
記支持アーム11の挿通孔11aには支持ピン14が回
動可能に、かつ図3に示すように回転軸4と直交する方
向へ貫通支持され、該支持ピン14の左右両端部に形成
した案内孔14a,14aには左右一対の案内ピン1
5,16の上端部が案内摺動可能に、かつ互いに平行に
貫通支持されている。さらに、両案内ピン15,16の
下端部は前記斜板13の背面に一体形成した軸受部13
a,13aの取付孔13b,13bに圧入固定されてい
る。この実施例では前記支持アーム11、スリーブ1
2、案内ピン15,16及び軸受部13a等により斜板
13の前後方向への往復傾動を許容するヒンジ機構K1
を構成している。
【0012】図3に示すように案内ピン15,16には
中空部15a,16aが形成され、斜板13の重心Gの
位置が回転軸4の中心軸線X−Xよりも下方、つまり斜
板13の前後方向の揺動中心Oに関して反対側に位置す
るように設定されている。又、両案内ピン15,16の
斜板側端部には大径部15b,16bが形成され、斜板
13を形成する材料の比重と、案内ピン15,16を形
成する材料の比重の相違により、前記重心Gの位置を回
転軸4の中心軸線X−Xから遠ざけるようにしている。
そして、圧縮機がエンジンにより起動された場合に回転
される斜板13の重心Gに作用する遠心力FG によって
後述するように斜板13が零度位置に付勢されるよにし
ている。
【0013】前記斜板13は図2に示すようにシリンダ
ボア1a内に収容した複数個の片側ピストン17の基端
部に形成した凹所内に進入した状態で前後一対のシュー
18,18を介して係留されている。前記回転軸4の外
周には前記斜板13の傾角を零度、つまりスリーブ12
を位置規制してピストン17のストロークを零にするた
めのストッパ19が取り付けられている。なお、斜板1
3の最大傾角はその軸受部13aが回転支持体9に当接
することにより規制される。
【0014】前記シリンダブロック1のリヤ側端面とリ
ヤハウジング3のフロント側端面との間には、図4に示
すように吸入孔20a、吐出孔20bを形成したバルブ
プレート20が介在されている。又、前記バルブプレー
ト20の前面には吸入弁21aを形成した吸入弁板21
が、後面には吐出弁22aを形成した吐出弁板22が接
合されている。前記吐出弁板22の後面には吐出弁22
aの開放位置を規制するリテーナ23aを有するリテー
ナプレート23が接合されている。
【0015】次に、前記斜板13を傾角零度位置から傾
斜位置に復帰するための油圧式の斜板傾角復帰駆動手段
K2について説明する。図1,2に示すように、シリン
ダブロック1の中心孔1b内には回転軸4の外周面に摺
動案内されて前後方向へ往復動される円筒状のスプール
24が収容されている。前記リヤ側ラジアルベアリング
6とスプール24との間にはリップシール25が設けら
れ、該シール25はストップリング25Aにより位置規
制されている。前記スプール24の先端に形成した大径
筒部24aの外周面は、前記中心孔1bの内周面に摺接
され、小径筒部24bの外周面と中心孔1bとの間には
圧力室26が形成されている。そして、スプール24の
大径筒部24aの先端部を前記スリーブ12のリヤ側端
面に当接した状態で、圧力室26に制御油圧を供給する
と、スプール24が回転軸4に案内されてスリーブ12
が前方へ押動されて、斜板13が零度から傾斜位置に復
帰される。
【0016】前記リヤハウジング3の中心部には図2,
4に示すように回転軸4により駆動される例えばトロコ
イド型の給油ポンプ27が収容されている。この給油ポ
ンプ27の吸入口は、図1,2に示すように油吸入通路
28により前記クランク室2aの底部と連通されてい
る。又、給油ポンプ27の吐出口は油吐出通路29によ
り回転軸4の中心に形成した油通路30のリヤ側開口に
接続されている。そして、油通路30には複数箇所に分
岐油路30aが形成され、ベアリング5,6、クランク
室2a、スリーブ12等に潤滑油Oを供給可能である。
【0017】さらに、前記油吐出通路29の途中には図
1,2に示すように第1電磁開閉弁31が設けられ、該
開閉弁31と前記給油ポンプ27との間の油吐出通路2
9は、シリンダブロック1及びリヤハウジング3に形成
した斜板傾角復帰用分岐供給通路32を介して前記圧力
室26に接続されている。又、該第1電磁開閉弁31に
より前記油吐出通路29が閉鎖されると、油通路30へ
の油の供給が遮断され、かつ前記給油ポンプ27から分
岐供給通路32を通して圧力室26に斜板傾角復帰用の
制御油圧が供給されるようにしている。前記第1電磁開
閉弁31の電磁ソレノイド33には制御装置34が接続
され、該装置には圧縮機のオン・オフを行うエアコンス
イッチ35が接続されている。
【0018】前記回転軸4には前記圧力室26と油通路
30を連通する油排出路30bが形成され、スプール2
4がストッパ19に当接する前進端に移動された場合
に、該油排出路30bが開放されて給油ポンプ27から
分岐供給通路32により圧力室26に供給された制御油
圧を、前記油排出路30bから油通路30へ導くように
している。
【0019】次に、斜板13が傾斜位置にあって圧縮機
の圧縮動作が行われている途中で、前記制御装置34か
らの動作信号により斜板13の傾角を零度に変位し、零
度に変位後は斜板13の拘束状態を解除する斜板傾角零
度強制変更手段K3を図1,2に基づいて説明する。
【0020】前記リヤハウジング3及びシリンダブロッ
ク1には吐出室3bとクランク室2aを連通する給気通
路40が形成され、クランク室2aと吸入室3aを連通
する第1抽気通路41が形成されている。そして、前記
給気通路40の途中には第2電磁開閉弁42が設けられ
ている。この第2電磁開閉弁42の電磁ソレノイドは前
記第1電磁開閉弁31の電磁ソノイド33を共用してい
る。そして、圧縮運転中に第2電磁開閉弁42が給気通
路40を開放すると、吐出室3bから給気通路40を通
して高圧の冷媒ガスがクランク室2aに供給され、ピス
トン17に作用するクランク室圧力Pcと吸入圧力Ps
との差圧が増大して、斜板13の傾角が零度に変位され
る。
【0021】圧縮機の圧縮運転中は冷房負荷に応じて容
量可変制御が自動的に行われる。すなわち、前記クラン
ク室2aと吸入室3aとを連通する前記第1抽気通路4
1の途中に圧力制御弁43が設けられ、冷房負荷に比例
する吸入圧力Psに応じて圧力制御弁43が第1抽気通
路41の開度を調整することによりピストン17に作用
する前記差圧Δpを調整するようになっている。
【0022】図2に示すように前記シリンダブロック1
及びバルブプレート20には、クランク室2aと吸入室
3aを連通する固定絞りを有する第2抽気通路50が形
成されている。そして、ピストン17の圧縮行程時にシ
リンダボア1a内周面とピストン外周面の隙間を通して
クランク室2aにブローバイされる冷媒ガスをこの第2
抽気通路50により吸入室3aに還流するようになって
いる。
【0023】次に、前記のように構成した可変容量圧縮
機の作用を説明する。圧縮機が停止した状態では図2に
示すようにクランク室内の圧力Pc、吸入室3a内の圧
力Ps及び吐出室3b内の圧力Pdが共に同圧力のた
め、スプール24が後退してスリーブ12が後方に移動
され、斜板13が零度位置に停止保持されている。又、
斜板傾角復帰駆動手段K2が停止され、第2電磁開閉弁
42が給気通路40を開放する位置に保持されている。
【0024】この状態でエンジン(図示略)が起動され
ると、ベルト8及びプーリ7を介してエンジンの回転が
回転軸4に直接伝達され、回転支持体9の支持アーム1
1が回転軸4の回りで公転される。このためヒンジ機構
K1により斜板13が図1,2に示す零度位置で回転さ
れ、クラッチレス状態の零容量運転が開始される。この
とき、回転される斜板13の重心Gに作用する遠心力F
G は、斜板13の揺動中心Oと重心Gを結ぶ直線Lと直
交する方向への分力F1 と、直線Lと同方向への分力F
2 となる。そして、前記直交方向への分力F1 は、図1
に示すように斜板13を揺動中心Oを中心として零度位
置へ付勢することになる。従って、斜板13は零度位置
に安定して保持され、クラッチレス状態の零容量運転が
継続される。
【0025】次に、車室内の温度が上昇して冷房負荷が
増大し、エアコンスイッチ35がオンされると、制御装
置34から出力された動作信号により電磁ソレノイド3
3が励磁される。このため第1電磁開閉弁31が油吐出
通路29を閉鎖するので、給油ポンプ27による油通路
30への潤滑油の供給が停止されるとともに、分岐供給
通路32から圧力室26に圧油が供給される。従って、
図5に示すようにスプール24が前進して斜板13が零
度位置から傾斜位置に変位され、圧縮動作が開始され
る。そして、ピストン17がシリンダボア1a内で往復
動され、吸入室3aからシリンダボア1a内に吸入した
冷媒ガスは圧縮された後、吐出室3bへ吐出される。
【0026】又、前記電磁ソレノイド33の励磁により
第2電磁開閉弁42が給気通路40を閉鎖するので、吐
出室3bからクランク室2aへの冷媒ガスの供給が停止
される。
【0027】前記圧力室26への制御油圧の供給により
スプール24は前記ストッパ19により停止されるが、
その後は制御油圧は回転軸4に設けた油排出路30bが
スプール24の前進により開放されるので、該油排出路
30bからクランク室2aに還流される。
【0028】ところで、圧縮動作中において車室内の温
度が低く冷房負荷が小さい場合には、吸入圧力Psが低
いので、図2に示す圧力制御弁43により第1抽気通路
41の開度が減少され、このためピストン17に作用す
る差圧Δpが大きく保たれ、斜板13は小容量運転を行
う小傾角に保持される。反対に、冷房負荷が大きい場合
には吸入圧力Psが大きいので、圧力制御弁43により
第1抽気通路41の開度が増大され、このため前記差圧
Δpが小さくなり、斜板13はスプール24から離隔し
て最大傾角へ移行する。このように圧縮運転中は圧力制
御弁43により第1抽気通路41の開度が冷房負荷に比
例する吸入圧力Psの変動に応じて調整され、ピストン
17に作用する差圧Δpが調整され、冷房負荷に応じて
斜板13の傾角が変更されて吐出容量が調整される。
【0029】図5に示す圧縮動作中においても、斜板1
3の重心Gに作用する遠心力FG の分力F1 が斜板13
を零度位置へ付勢する力として作用する。この分力F1
が大き過ぎると、ピストン17の前後に作用する前記差
圧Δpによる斜板13の傾角制御へ悪影響を与えるの
で、この点を考慮して重心Gの位置設定が行われる。
【0030】圧縮機の圧縮動作中においては、前記シリ
ンダボア1a内圧縮室からピストン17の外周面をブロ
ーバイしてクランク室2aに冷媒ガスが供給される。こ
のガスは第2抽気通路50から吸入室3aに還流され
る。
【0031】そして、冷房負荷の低減によりエアコンス
イッチ35がオフされると、図5において電磁ソレノイ
ド33が消磁され、第1電磁開閉弁31が吐出通路29
を開放するので、圧力室26への圧油の供給が停止さ
れ、スプール24はフリー状態となる。又、第2電磁開
閉弁42により給気通路40が開放されるので、吐出室
3bからクランク室2a内に高圧の冷媒ガスが供給さ
れ、斜板13はピストン17に作用する差圧Δpの増大
により零度位置に強制変位され、圧縮機は図1,2に示
す零容量運転に切り換えられる。
【0032】さらに、エンジンが停止されると、圧縮機
も停止される。この停止状態では圧縮機内の各室が同圧
力となるので、図1に示すように斜板13は零度位置に
保持される。
【0033】又、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、次のように具体化することもできる。 (1)斜板傾角零度強制変更手段K3を図示しないが電
磁ソレノドにより構成するとともに、斜板13が零度位
置に変位された後は、斜板13の拘束を解除するように
構成すること。
【0034】(2)前記実施例では回転軸4により給油
ポンプ27を駆動するようにしたが、給油ポンプ27を
回転軸4から分離し、エアコンスイッチ35がオンされ
た場合のみ、給油ポンプ27を例えば電動モータ(図示
略)あるいは電磁ソレノイドで駆動して潤滑油又は冷媒
ガスを圧力室26へ供給するようにすること。この場合
には、クランク室2a内の各摺動部の潤滑は別機構で行
う。
【0035】(3)前記油排出路油30bを省略し、ス
プール24が前進端まで移動して圧力室26の圧力が設
定値を超えた場合に、第1電磁開閉弁31が油吐出通路
29を開放して、油通路30へ潤滑油を供給するように
構成すること。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明は斜板の
重心位置を回転軸の中心軸線に関して該斜板の前後方向
への揺動中心と反対側に設定したので、斜板の傾角が零
度の零容量で圧縮機が運転される場合に、斜板の重心に
作用する遠心力により該斜板が傾角を増大する方向の分
力を受けないようにして、零容量運転時に斜板を零度位
置に確実に保持することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を斜板式可変容量圧縮機に具体化した
一実施例を示す要部の縦断面図である。
【図2】斜板式可変容量圧縮機全体を示す零容量状態の
縦断面図である。
【図3】ヒンジ機構付近の横断面図である。
【図4】図2のA−A線断面図である。
【図5】斜板傾斜状態の圧縮機の部分断面図である。
【符号の説明】
1…シリンダブロック、1a…シリンダボア、2…フロ
ントハウジング、3…リヤハウジング、2a…クランク
室、3…リヤハウジング、3a…吸入室、3b…吐出
室、4…回転軸、9…回転支持体、11…支持アーム、
13…斜板、17…ピストン、24…スプール、26…
圧力室、27…給油ポンプ、31…第1電磁開閉弁、3
2…傾角復帰用分岐供給通路、33…電磁ソレノイド、
40…給気通路、42…第2電磁開閉弁、O…斜板13
の揺動中心、G…重心、X−X…回転軸の中心軸線、F
G …遠心力、F1 …分力、K1…ヒンジ機構、K2…斜
板傾角復帰駆動手段、K3…斜板傾角零度強制変更手
段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水藤 健 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に片側ピストンを収容する
    ための複数のシリンダボアを互いに平行に形成したシリ
    ンダブロックを設け、前記ハウジングの一方にクランク
    室を設けて回転軸を支持し、該回転軸には回転支持体を
    固定し、該回転支持体にはヒンジ機構を介して斜板を前
    後方向への往復傾動可能に装着し、前記回転軸の回転に
    より前記斜板を前後に揺動させて前記片側ピストンをシ
    リンダボア内で往復動させ、吸入室から吸入した冷媒ガ
    スをシリンダボア内で圧縮して吐出室へ吐出するように
    なし、さらに前記ピストンの背面に作用するクランク室
    圧力と前面に作用する吸入圧力との差圧により斜板の傾
    角を変更してピストンの往復動ストロークを変更するこ
    とにより、吐出容量を調整するように構成した揺動斜板
    式可変容量圧縮機において、 圧縮機のオフ信号により前記斜板の傾角を傾斜状態から
    零度に変位し、零度に変位後は斜板を拘束しない斜板傾
    角零度強制変更手段と、 圧縮機のオン信号により前記斜板の傾角を零度から傾斜
    位置に復帰するための斜板傾角復帰駆動手段とを備え、 前記斜板の重心位置を回転軸の中心軸線に関して該斜板
    の前後方向への揺動中心と反対側に設定したクラッチレ
    ス揺動斜板式可変容量圧縮機。
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