JPH06198507A - 天井面又は梁下面の穿孔装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天井面又は梁下面の穿孔作業を、容易且つ迅
速に行い得る装置を提供すること。 【構成】 移動自在な台車上に架溝が設けられた装置本
体と、その本体上にＸ軸位置決め体及びＹ軸位置決め体
を水平方向に移動及び任意位置に係止自在に配置する。
そして、Ｙ軸位置決め体上に穿孔体を設け、その穿孔体
を昇降手段により上下動自在に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主として天井面や梁下
面にアンカーを打ち込むための穿孔装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】各種のプラント設備において、天井面や
梁に吊りボルトを取付け、ケーブルラックやケーブルト
レイを吊り下げることが一般に行われている。この吊り
ボルトを取付けるには、天井面等にハンドドリルで穿孔
し、そこにアンカーを打ち込む作業が必要である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来、このような作業
のため、多くの足場資材と準備作業とが必要であった。
さらに、準備された足場上でハンドドリルにより天井面
に穿孔する作業は、比較的重労働であった。又、穿孔作
業に伴いコンクリート粉が作業者の顔にかかり作業性を
さらに悪化させていた。そこで本発明は、上記の問題点
を解決するため、次の構成をとる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の天井面又は梁下
面の穿孔装置は、移動自在な台車上に架構を設けて装置
本体１とする。そして、その本体１の上面にＸ軸位置決
め体２を、装置本体１に対して水平なＸ方向へ、移動及
びその任意位置に停止自在に設ける。さらに、そのＸ軸
位置決め体２に、Ｙ軸位置決め体３を前記Ｘ方向に交差
した水平なＹ方向へ、移動及び任意位置に停止自在に設
ける。そして、Ｙ軸位置決め体３に穿孔体５を設け、そ
の穿孔刃４の軸線が重力方向に配置される。さらに、昇
降手段６を設け、穿孔刃４をその軸線方向に昇降させる
ように構成したことを特徴とする。

【０００５】

【作用】先ず、装置本体１を穿孔しようとする天井面の
真下に移動する。次に、Ｘ軸位置決め体２及びＹ軸位置
決め体３をリモートスイッチにより駆動し、穿孔体５の
軸線を天井面の穿孔位置に整合させる。次いで、穿孔体
５の穿孔刃４を回転しつつ、エアシリンダ12からなる昇
降手段６を上昇させ穿孔作業を開始する。穿孔が終わる
と、昇降手段６を下降させると共に、穿孔体５の穿孔刃
４の回転を停止する。このようにして、順次天井面に多
数の穿孔を効率良く行うことができる。

【０００６】

【実施例】次に、図面に基づいて本発明の穿孔装置の実
施例につき説明する。図１は本装置の正面図であり、図
２は同側面図、図３はその要部平面図であり、図４及び
図５は本装置により穿孔された後にアンカーを取付ける
取付説明図である。又、図６及び図７は本装置により穿
孔作業が必要となるケーブルラックの支持状態の断面図
及び側面図である。この実施例の穿孔装置は、特にこの
ようなケーブルラックやケーブルトレイを吊りボルトに
より吊り下げる工事に最適なものである。装置本体１
は、下面の少なくとも四隅にキャスタ40が設けられた台
車９を有し、その台車９上に架溝７が立設される。この
架溝７は複数のフレームブロックからなり、その一部を
取り替えることにより最上面高さを調節することができ
る。なお、この高さ調節のためにリフターを架溝７内に
設け、架溝７上面を昇降自在に構成してもよい。この架
溝７の上面には作業床14が設けられ、その作業床14上に
テーブル取付台13を介しＸ軸位置決め体２とＹ軸位置決
め体３とが順次上方に重ねられている。Ｘ軸位置決め体
２は、テーブル取付台13に対し水平面内にて横方向又は
縦方向の何れか一方方向に移動する。そして、Ｙ軸位置
決め体３はＸ軸位置決め体２の移動方向に直交する方向
に水平面内で移動する。

【０００７】このＹ軸位置決め体３上には、中央に制御
箱８が設けられ、両端に支柱27が立設される。この制御
箱８内には、各種電磁弁その他の空気圧制御部品が内装
される。一対の支柱27には、夫々エアシリンダ12からな
る昇降手段６がブラケットを介して固定される。そし
て、このエアシリンダ12のピストンロッド上端に穿孔体
５が夫々固定され、その穿孔刃４の軸線とエアシリンダ
12の軸線とが一致されている。この穿孔体５の上端には
図示しない集塵装置が設けられ、穿孔作業に伴うコンク
リート粉を集塵する。この実施例では、一対の穿孔体５
が夫々Ｙ軸位置決め体３の両側で且つ装置本体１の前面
側に取付けられ、その後面側には図３の如く、アンカー
打込ハンマ15及びアンカー保持装置10が配置されてい
る。このアンカー打込ハンマ15及びアンカー保持装置10
は、穿孔体５により穿設された孔にアンカーを打ち込む
ためのものである。これは、図４に示すように構成され
ている。

【０００８】この図４は、図３におけるIV−IV矢視図で
あり、図３において穿孔体５の後方に立設した支柱27に
一対のエアシリンダ12が設けられ、夫々のピストンロッ
ド上端にアンカー打込ハンマ15及びアンカー保持装置10
が固定されている。アンカー保持装置10は、アーム11を
介し筒部28がアンカー打込ハンマ15の軸線上に整合し得
るように設けられ、筒部28にスライド棒39が所定距離上
下動自在に支持されている。そして、スライド棒39の上
端にアンカーボルト16が着脱自在に嵌着されるものであ
る。なお、この実施例では図３におけるＸＹ座標におい
て、アンカー打込ハンマ15及びアンカー保持装置10のス
ライド棒39は、穿孔体５のＸ座標と同一である。又、図
２に示す如く装置本体１の作業床14上には、固定用エア
シリンダ25及びそのピストンロッド上端に突き当て板26
が設けられている。これは作業現場において、必要に応
じ装置本体１を固定するためである。即ち、固定用エア
シリンダ25のピストンロッドを伸長し、突き当て板26を
天井面に突き当てて、押圧することにより、装置本体１
が穿孔作業中に移動するのを防止するものである。

【０００９】

【使用方法】次に、この実施例の穿孔装置の使用方法に
つき述べる。一例として、図６及び図７に示すようなケ
ーブルラックを支持するための穿孔を行うには次のよう
にすればよい。先ず、図６に示すケーブルラックの幅方
向に図１の一対の穿孔体５が並列するように装置本体１
をキャスタ40により移動する。次いで、必要に応じ図２
の固定用エアシリンダ25のピストンロッドを伸長し、突
き当て板26を天井面に押圧する。次に、Ｘ軸位置決め体
２及びＹ軸位置決め体３を図示しないリモートスイッチ
により駆動し、一方の穿孔体５の穿孔刃４の軸線を、穿
孔しようとする天井位置の真下に整合させる。その状態
で、昇降手段６を構成するエアシリンダ12を伸長すると
共に、一方の穿孔体５の穿孔刃４を駆動回転させる。そ
して、天井面又は梁下面に穿孔を行う。一つの穿孔作業
が終了すると、エアシリンダ12を下降させると共に一方
の穿孔体５の駆動を停止させる。次に、図１において例
えば左側の穿孔体５を使用して一つの穿孔作業を終了
し、次いで右側の穿孔体５を使用し、図６における右側
のアンカーボルト16取付け用の穿孔を行う。そのため
に、Ｘ軸位置決め体２及びＹ軸位置決め体３を駆動させ
る必要がある場合には、それを行う。なお、一対の穿孔
体５は同一のＹ座標軸上に配置されているから、Ｙ軸位
置決め体３の移動量は極めて僅かで良い。

【００１０】このようにして天井面に並列された一対の
穿孔を行った後に、その穿孔部にアンカーが取付けられ
る。本装置は、アンカーの取付装置をも有するものであ
る。即ち、図３〜図５に示すアンカー保持装置10とアン
カー打込ハンマ15が夫々一対設けられている。夫々のア
ンカー打込ハンマ15及びアンカー保持装置10のスライド
棒39の軸線のＸ座標は、図３における各穿孔体のＸ座標
と同一である。そこで、先ず図５の如くアンカー保持装
置10のスライド棒39の上端にアンカーボルト16を嵌着す
る。即ち、スライド棒39の上端に穿設された凹陥部20に
アンカーボルト16のボルト部を挿入する。この凹陥部20
の底面には、コイルスプリング21の下端が着座し、その
スプリングの上端に押し上げ体22が設けられている。こ
のコイルスプリング21は、押し上げ体22を上方に弾圧す
るように付勢される。そして、アンカーボルト16のボル
ト部下面が押し上げ体22の上端に当接する。アンカーボ
ルト16上端には凹陥部18が設けられ、そこに円錐台形状
のテーパ部材17が装着される。なお、アンカーボルト16
の外周には放射状のスリット19が穿設され、テーパ部材
17を凹陥部18内に圧入することより、外周が拡開されア
ンカーボルトが孔内に咬着されるものである。

【００１１】このようにアンカーボルト16がスライド棒
39にセットされると、次いでそのアンカーボルト16の軸
線を図４の如く一例として梁32下面に穿設された穿孔31
の軸線に整合する。そのためには、図１におけるＸ軸位
置決め体２及びＹ軸位置決め体３を駆動する。なお夫々
の穿孔作業か終了したとき、その穿孔体５の後面側にあ
るアンカー打込ハンマ15を使用することができる。この
後面側のアンカー打込ハンマ15のＸ座標は、前面側の穿
孔体５のＸ座標と略同一であるのでＸ軸位置決め体２の
移動量は極めて僅かですむ。なお、一対のアンカー打込
ハンマ15の夫々のＹ座標は同一である。アンカー打込ハ
ンマ15の軸線及びアンカーボルト16の軸線を整合させ、
それを穿孔31に整合させた後に、アンカー保持装置10の
エアシリンダ12のピストンロッドを上昇し、アンカーボ
ルト16を穿孔31内に挿入する。そして、アンカー保持装
置10のコイルスプリング21（図５）の弾発力によりテー
パ部材17上端面を穿孔31の底面に押圧する。次いで、ア
ンカー打込ハンマ15が固定されているエアシリンダ12の
ピストンロッドを伸長させ、スライド棒39の下面を一以
上衝打する。すると、テーパ部材17が凹陥部18内に圧入
され、外周が拡開されてアンカーボルト16は穿孔31内に
咬着する。このようにして、穿孔31内に取付けられたア
ンカーボルト16に図６及び図７に示す如くチャンネル材
36，ナット38を介し、吊り部材33の吊りボルト35を取付
ける。そして、適宜位置にアングル材41を配置し、アン
グル材41上にケーブルラック37を固定すれば良い。

【００１２】

【発明の効果】本発明の天井面又は梁下面の穿孔装置
は、装置本体１が台車からなるため、工事現場において
多数の穿孔位置に装置本体１を夫々迅速に移動すること
ができ、次いでその上方に設けられたＸ軸位置決め体２
とＹ軸位置決め体３とにより、穿孔体５の軸線を正確な
穿孔位置に位置合わせすることができる。即ち、本装置
は大まかな位置合わせを台車で行い微調整をＸ軸位置決
め体２及びＹ軸位置決め体３で行うように構成されてい
るから、効率良く位置決めが行い得る。そして、昇降手
段６により、穿孔体５の位置決めを天井面等に正確に行
うことが可能となる。又、請求項２記載の発明によれ
ば、一対の穿孔体５がＹ軸位置決め体３に互いに離間し
て配置されているので、複数の穿孔作業を行うときに位
置決めのための移動量を少なくし、迅速な作業を行い得
る。さらには、床面上に各種障害物があっても、一方の
穿孔体５を壁面近傍まで近づけて穿孔することが可能と
なる。しかも、Ｘ軸位置決め体２又はＹ軸位置決め体３
の移動量を小さくできるため、それらの装置を小型化す
ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の穿孔装置の正面図。

【図２】同側面図。

【図３】同要部平面図。

【図４】本装置に附属されたアンカー取付け装置の要部
正面図であって、図３のIV−IV矢視図。

【図５】図４におけるアンカー保持装置10の保持部拡大
図。

【図６】本装置を用いて取付けたケーブルラックの断面
図。

【図７】同要部側面図。

【符号の説明】

１ 装置本体 ２ Ｘ軸位置決め体 ３ Ｙ軸位置決め体 ４ 穿孔刃 ５ 穿孔体 ６ 昇降手段 ７ 架溝 ８ 制御箱 ９ 台車 10 アンカー保持装置 11 アーム 12 エアシリンダ 13 テーブル取付台 14 作業床 15 アンカー打込ハンマ 15ａ 打ち込み部 16 アンカーボルト 17 テーパ部材 18 凹陥部 19 スリット 20 凹陥部 21 コイルスプリング 22 押し上げ体 23 鍔部 25 固定用エアシリンダ 26 突き当て板 27 支柱 28 筒部 29 ストッパ用リング 30 ボルト 31 穿孔 32 梁 33 吊り部材 35 吊りボルト 36 チャンネル材 37 ケーブルラック 38 ナット 39 スライド棒 40 キャスタ 41 アングル材 42 軸

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動自在な台車上に架構７が設けられた
   装置本体１と、 その本体１の上面に設けられ、その本体に対して水平な
   Ｘ方向へ移動及びその任意位置に停止自在なＸ軸位置決
   め体２と、 そのＸ軸位置決め体２に設けられ、そのＸ方向に交差し
   た水平なＹ方向へ移動及びその任意位置に停止自在なＹ
   軸位置決め体３と、 そのＹ軸位置決め体３に設けられ、穿孔刃４の軸線が重
   力方向に配置される穿孔体５と、 その穿孔刃４を前記軸線方向に昇降させる昇降手段６
   と、を具備する天井面又は梁下面の穿孔装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記Ｙ軸位置決め体
   ３に一対の穿孔体５が互いに離間して設けられた穿孔装
   置。