JPH06197534A - パルス電源装置 - Google Patents

パルス電源装置

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JPH06197534A
JPH06197534A JP3972993A JP3972993A JPH06197534A JP H06197534 A JPH06197534 A JP H06197534A JP 3972993 A JP3972993 A JP 3972993A JP 3972993 A JP3972993 A JP 3972993A JP H06197534 A JPH06197534 A JP H06197534A
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Takeshi Tanaka
毅 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 出力電圧の設定範囲を広くとっても、還流電
流による余分な電力損失を小さく抑えることが可能なパ
ルス電源装置を提供する。 【構成】 電流設定回路15で、電圧指令値S7で指令
される設定電圧V2Sに応じて任意の定数Kを設定し、こ
の定数Kを乗じて設定電圧V2Sに対応した設定電流I1S
を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばパルスレーザ
ー等に使用されるフライバック式のパルス電源装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は例えば特開平4−181805号
公報に示されたこの種の従来のパルス電源装置の構成を
示す回路図である。図において、1は直流電源、2はト
ランジスタからなる主スイッチング素子、3はこの主ス
イッチング素子2に直列接続されるトランジスタからな
る副スイッチング素子、4は鉄心4aおよびこの鉄心4
aに巻回された一次巻線4b、二次巻線4cからなるト
ランス、5はこのトランス4の一次巻線4bおよび副ス
イッチング素子3で還流回路を形成する還流ダイオー
ド、6は主スイッチング素子2および副スイッチング素
子3にそれぞれ主ベース信号S1および副ベース信号S2
を送出してオン・オフ制御するとともに電流指令値S6
が入力される制御回路である。
【0003】7はこの制御回路6にトリガ信号S3を送
出する発振器、8はトランス4の一次巻線4bを流れる
一次電流I1を検出し、電流信号S4を制御回路6に送出
する電流検出器、9はトランス4の二次巻線4cに接続
された整流ダイオード、10は出力電圧V2を検出し電
圧信号S5を送出する電圧検出器、11は電圧検出器1
0からの電圧信号S5と別に入力される電圧指令値S7
を比較し比較信号S8を制御回路6に送出する比較器
A、12は負荷キャパシタ、13は例えばレーザ発振器
等の負荷、14は負荷キャパシタ12に蓄えられた電荷
を負荷電流I2として負荷13に供給するための高圧ス
イッチである。
【0004】図10は上記のように構成される従来装置
におけるトリガ信号S3、主ベース信号S1、トランス4
の一次電流I1、副ベース信号S2、出力電圧V2および
負荷電流I2について示したタイミングチャートであ
る。
【0005】次に、従来装置の動作を図10に基づいて
説明する。図10に示すように時刻t1において発振器
7よりトリガ信号S3が送出されると、制御回路6は主
ベース信号S1と副ベース信号S2を送出し主スイッチン
グ素子2および副スイッチング素子3をオンさせる。こ
れにより、直流電源1から主スイッチング素子2および
副スイッチング素子3を通じて、トランス4の一次巻線
4bに一次電流I1が流れ時間とともに増加してゆく。
この時、還流ダイオード5は逆バイアスとなりオフして
おり、又、整流ダイオード9は逆バイアスされオフして
いる。そして一次電流I1は電流検出器8によって検出
され電流信号S4として制御回路6に送出される。
【0006】次に時刻t2において、一次電流I1が電流
指令値S6で指令された設定電流I1Sになると、制御回
路6は主スイッチング素子2と副スイッチング素子3と
の両方をオフさせる。これによりトランス4に蓄えられ
ている励磁エネルギーによって二次巻線4cに電圧が発
生し、整流ダイオード9を介して負荷キャパシタ12が
充電され、この充電電圧である出力電圧V2は次第に上
昇する。そしてこの出力電圧V2は電圧検出器10によ
り検出され、電圧信号S5として比較器A11に送出さ
れる。
【0007】時刻t3において、出力電圧V2が電圧指令
値S7で指令された設定電圧V2Sになると、比較器A1
1は比較信号S8を制御回路6に送出し、制御回路6は
副スイッチング素子3をオンさせる。ここで、出力電圧
2が設定電圧V2Sまで上昇する条件は負荷キャパシタ
12の容量をC2、一次巻線4bのインダクタンスをL1
とすると、I1S>√(C2/L1)・V2Sである。従っ
て、設定電流I1Sと設定電圧V2Sとは上式が成り立つよ
うに設定されている。そして、副スイッチング素子3が
オンされると、この時トランス4に残っていた励磁エネ
ルギーは一次巻線4b、副スイッチング素子3および還
流ダイオード5で構成される還流回路に還流電流IF
して流れ出力電圧V2の上昇は停止し設定電圧V2Sで一
定となる。
【0008】次に時刻t4で高圧スイッチ14をオンさ
せると、負荷キャパシタ12に蓄えられていた電荷が負
荷13を通じて放電し、所望の急峻なパルス状の負荷電
流I2が流れる。そして、この負荷電流I2は時刻t5
0になり、同時に高圧スイッチ14をオフする。その
後、所定の時間を経て発振器7からトリガ信号S3が制
御回路6へ送出され、次のサイクルの動作が開始され
る。なお、2回目以降は主スイッチング素子2のオン時
にすでにトランス4の一次電流I1が存在するが、動作
は1回目の場合と同じである。
【0009】ここで、還流電流IFと設定電圧V2Sとは
以下の式(1)が成立するような関係をとる。 1/2・L1・IF 2=1/2・L1・I1S 2−1/2・C2・V2S 2・・・(1) したがって、設定電流I1Sが一定の場合、図10に示す
ように設定電圧V2SがV2S′のように小さくなった場
合、還流電流IFはIF′のように大きくなる。又、上記
式(1)より還流電流IFは以下の式(2)で表され
る。 IF=√(I1S 2−C2/L1・V2S 2)・・・・・・・・
・・・(2) したがって、還流電流IFは負荷キャパシタ12の容量
2と、一次巻線4bのインダクタンスL1によって変化
する。つまり、インダクタンスL1が一定の場合、還流
電流IFは容量C2が大きくなると小さくなり、容量C2
が小さくなると大きくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のパルス電源装置
は以上のように構成され、一次電流I1の値が予め設定
された設定電流I1Sの値に固定されていたため、出力電
圧V2の設定範囲を広くとった場合、一次電流I1の設定
電流I1S値を非常に大きくしておく必要がある。したが
って、出力電圧V2の設定値V2Sを低くしたとき、トラ
ンス4の一次巻線4b、副スイッチング素子3および還
流ダイオード5を流れる還流電流IFは非常に大きな値
となり、余分な電力損失が発生するという問題点があっ
た。
【0011】又、負荷キャパシタ12に負の温度係数を
持ったキャパシタを扱うと、運転時間が経過するにした
がって、負荷キャパシタ12は自己発熱あるいは周囲の
雰囲気により温度が上昇し、容量C2が減少するために
還流電流IFが大きな値となり、上記同様に余分な電力
損失が発生するという問題点があった。
【0012】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、出力電圧の設定範囲を広くとっ
ても、又、負荷キャパシタに負の温度係数を持ったもの
を使用しても、還流電流による余分な電力損失を小さく
抑えることが可能なパルス電源装置を提供することを目
的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るパルス電源装置は、直列接続される主スイッチング素
子および副スイッチング素子、一次巻線が両スイッチン
グ素子を介して直流電源に接続されるトランス、副スイ
ッチング素子を介してトランスの一次巻線に接続される
還流ダイオードおよびトランスの二次巻線に接続される
整流ダイオードを備え、直流電源からの電流を、整流ダ
イオードを介して出力されるパルス電圧に対応して制御
するようにしたものである。
【0014】この発明の請求項2に係るパルス電源装置
は、直列接続される主スイッチング素子および副スイッ
チング素子、一次巻線が両スイッチング素子を介して直
流電源に接続されるトランス、副スイッチング素子を介
してトランスの一次巻線に接続される還流ダイオードお
よびトランスの二次巻線に接続される整流ダイオードを
備え、トランスの一次巻線を流れる電流の低周波成分の
値と、予め設定された還流電流指令値とが等しくなるよ
うに、直流電源からの電流を制御するようにしたもので
ある。
【0015】この発明の請求項3に係るパルス電源装置
は、請求項2におけるトランスの一次巻線を流れる電流
の低周波成分の値と、予め設定された還流電流指令値と
の差値を、トリガ信号のタイミングでホールドするよう
にしたものである。
【0016】この発明の請求項4に係るパルス電源装置
は、主スイッチング素子および副スイッチング素子、一
次巻線が主スイッチング素子を介して直流電源に接続さ
れるトランス、副スイッチング素子を介してトランスの
一次巻線に接続される還流ダイオードおよびトランスの
一次巻線に接続される整流ダイオードを備え、トランス
の一次巻線を流れる電流の低周波成分の値と、予め設定
された還流電流指令値とが等しくなるように、直流電源
からの電流を制御するようにしたものである。
【0017】この発明の請求項5に係るパルス電源装置
は、請求項4におけるトランスの一次巻線を流れる電流
の低周波成分の値と、予め設定された還流電流指令値と
の差値を、トリガ信号のタイミングでホールドするよう
にしたものである。
【0018】
【作用】この発明の請求項1におけるパルス電源装置
は、直流電源からの電流を、出力されるパルス電圧に対
応して制御することにより、還流電流を一定に保持す
る。又、この発明の請求項2ないし請求項5におけるパ
ルス電源装置は、直流電源からの電流を、トランスの一
次巻線を流れる電流の低周波成分値と、予め設定された
還流電流指令値とが等しくなるように制御することによ
り、還流電流を低いレベルで一定に保持する。
【0019】
【実施例】実施例1.以下、この発明の実施例を図につ
いて説明する。図1はこの発明の実施例1におけるパル
ス電源装置の構成を示す回路図である。図において、図
9に示す従来装置と同様な部分は同一符号を付して説明
を省略する。15は電圧指令値S7に任意の定数Kを乗
じて一次電流I1の設定電流I1Sを設定するための電流
指令値S6を送出する電流設定回路、16は電流検出器
8から送出される電流信号S4と、電流設定回路15か
ら送出される電流指令値S6とを比較しその比較信号S9
を送出する比較器Bである。
【0020】図2は上記のように構成される実施例1の
パルス電源装置におけるトリガ信号S3、主ベース信号
1、トランス4の一次電流I1、副ベース信号S2、出
力電圧V2および負荷電流I2について示したタイミング
チャートである。
【0021】次に、動作を図2に基づいて説明する。図
2に示すように時刻t1において発振器7よりトリガ信
号S3が送出されると、制御回路6は主ベース信号S1
副ベース信号S2とを送出し、主スイッチング素子2お
よび副スイッチング素子3をオンさせる。これにより、
直流電源1から主スイッチング素子2および副スイッチ
ング素子3を通じて、トランス4の一次巻線4bに一次
電流I1が流れ時間とともに増加してゆく。この一次電
流I1は電流検出器8によって検出され、電流信号S4
して比較器B16に送出される。
【0022】そして、比較器B16では電流設定回路1
5において電圧指令値S7に任意の定数Kを乗じて送出
された電流指令値S6と、電流信号S4とが比較され時刻
2においてそれらが等しくなったとき、比較信号S9
送出される。この比較信号S9により制御回路6は従来
装置と同様に、主スイッチング素子2と副スイッチング
素子3との両方をオフさせるこれによりトランス4に蓄
えられている励磁エネルギーによって二次巻線4cに電
圧が発生し、整流ダイオード9を介して負荷キャパシタ
12が充電され、この充電電圧である出力電圧V2は次
第に上昇する。そしてこの出力電圧V2は電圧検出器1
0により検出され、電圧信号S5として比較器A11に
送出される。
【0023】時刻t3において、出力電圧V2が電圧指令
値S7で指令された設定電圧V2Sになると、比較器A1
1は比較信号S8を制御回路6に送出し、制御回路6は
副スイッチング素子3をオンさせる。そして、副スイッ
チング素子3がオンされると、この時トランス4に残っ
ていた励磁エネルギーは一次巻線4b、副スイッチング
素子3および還流ダイオード5で構成される還流回路に
還流電流IFとして流れ出力電圧V2の上昇は停止し設定
電圧V2Sで一定となる。
【0024】次に時刻t4で高圧スイッチ14をオンさ
せると、負荷キャパシタ12に蓄えられていた電荷が負
荷13を通じて放電し、所望の急峻なパルス状の負荷電
流I2が流れる。そして、この負荷電流I2は時刻t5
0になり、同時に高圧スイッチ14をオフする。その
後、所定の時間を経て発振器7からトリガ信号S3が制
御回路6へ送出され、次のサイクルの動作が開始され
る。
【0025】又、電流設定回路15において電圧指令値
7に乗ざれる定数Kは次のようにして設定されてい
る。まず、上述の式(1)から一次電流I1の設定電流
1Sと出力電圧V2の設定電圧V2Sとの関係は、 I1S 2=(C2/L1)・V2S 2+IF 2・・・・・・・・・
・・・(3) となる。ここで、還流電流IFは小さい方が損失が低減
されるので、設定電流I1Sと還流電流IFとの関係をI
1S>>IFとすると、上述の式(3)中のIFが無視でき
以下の式(4)に近似できる。 I1S≒√(C2/L1)・V2S・・・・・・・・・・・・
・・・(4)
【0026】また、設定電流I1Sに対する電流指令値S
6の比をS6/I1S=X、設定電圧V2Sに対する電圧指令
値S7の比をS7/V2S=Yとし、式(4)の関係を信号
レベルに置き変えると S6/X≒√(C2/L1)・S7/Y ∴S6≒√(C2/L1)・(X/Y)・S7・・・・・・
・・・(5) よって、上式(5)から定数Kは K≧√(C2/L1)・X/Y となるように設定されている。この定数Kは可変範囲を
有し、この定数Kを調整することにより還流電流IF
大きさを調整することができる。又、電圧指令値S7
指令される設定電圧V2Sが変化しても、電流設定回路1
5ではこの設定電圧V2Sに応じて上記のようにして任意
の定数Kを設定し、これを乗じて設定電圧V2Sに対応し
た設定電流L1Sが設定されているため、還流電流IF
変化しない。
【0027】実施例2.図3はこの発明の実施例2にお
けるパルス電源装置の構成を示す回路図、図4は図3に
示すパルス電源装置におけるトリガ信号S3、主ベース
信号S1、還流電流指令値S11、積分値S10、トランス
4の一次電流I1、副ベース信号S2および出力電圧V2
について示したタイミングチャートである。図におい
て、図1に示す実施例1と同様な部分は同一符号を付し
て説明を省略する。
【0028】17は電流検出器8から送出される電流信
号S4の低周波成分を取り出して積分した後積分信号S
10を送出する積分器、18は予め設定された還流電流指
令値信号S11から積分器17より送出される積分信号S
10を減算して信号S12を送出する加算器A、19はこの
加算器A18から送出される信号S12に所定の定数K1
を乗じて、還流電流制御範囲を決める制御信号S13を送
出する増幅器、20は電流設定回路15から送出される
電流指令値S6に、増幅器19から送出される制御信号
13を加算し、設定電流I1Sを設定するための電流指令
値S14を送出する加算器Bである。
【0029】次に、動作を図4に基づいて説明する。図
4に示すように時刻t1において発振器7よりトリガ信
号S3が送出されると、制御回路6は主ベース信号S1
副ベース信号S2とを送出し、主スイッチング素子2お
よび副スイッチング素子3をオンさせる。これにより、
直流電源1から主スイッチング素子2および副スイッチ
ング素子3を通じて、トランス4の一次巻線4bに一次
電流I1が流れ時間とともに増加してゆく。この一次電
流I1は電流検出器8によって検出され、電流信号S4
して比較器B16および積分器17に送出される。
【0030】そして、積分器17では電流信号S4の低
周波成分を取り出し、積分値S10を加算器A18に送出
する。加算器A18は予め設定された還流電流指令値S
11と、積分器17からの積分値S10との差値信号S12
増幅器19に送出する。この差値信号S12は増幅器19
によって増幅され、制御信号S13として加算器B20に
入力され、加算器B20はこの制御信号S13と、電圧指
令値S7によって決まる電流指令値S6とを加算し、実際
に設定電流I1Sを設定するための電流指令値S14として
比較器B16に送出する。
【0031】比較器B16ではこの電流指令値S14と電
流信号S4とが比較され、時刻t2においてそれらが等し
くなると、比較信号S9として制御回路6に送出され
る。この比較信号S9が入力されると、制御回路6は主
スイッチング素子2および副スイッチング素子3をオフ
させる。そうすると、トランス4に蓄えられている励磁
エネルギーにより二次巻線4cに電圧が発生し、整流ダ
イオード9を介して負荷キャパシタ12が充電され、こ
の充電電圧、すなわち出力電圧V2は次第に上昇する。
そして、この出力電圧V2は電圧検出器10により検出
され、電圧信号S5として比較器A11に送出される。
【0032】出力電圧V2が次第に上昇し、時刻t3にお
いて電圧信号S5が電圧指令値S7と等しくなると、比較
器A11は比較信号S8を制御回路6に送出し、制御回
路6は副スイッチング素子3をオンさせる。そして、副
スイッチング素子3がオンされると、この時点でトラン
ス4に残っている励磁エネルギーは、一次巻線4b、副
スイッチング素子3および還流ダイオード5で構成され
る還流回路に還流電流IFとして流れ、出力電圧V2の上
昇は停止して設定電圧V2Sで一定となる。
【0033】次に時刻t4で高圧スイッチ14をオンさ
せると、負荷キャパシタ12に蓄えられている電荷が負
荷13を通じて放電し、所望の急峻なパルス状の負荷電
流I2が図示はしないが実施例1の場合と同様に流れ、
ある時刻を経過して0となり、同時に高圧スイッチ14
はオフされる。その後、所定の時間を経て発振器7から
トリガ信号S3が制御回路6へ送出され次のサイクルの
動作が開始される。
【0034】このように、時刻t1からt4までを1周期
とする動作が順次繰り返されている間、還流電流IF
1周期の中で大半の時間通電されており、電流検出器8
および積分器17によりトランス4の一次巻線4bを流
れる電流I1の低周波成分を検出することで、ほぼ還流
電流IFの値を模擬でき、設定電流I1Sを決める電流指
令値S14は、積分器17より送出される積分値S10と還
流電流指令値S11との差値信号S12に応じて制御され
る。
【0035】又、上述の式(2)の関係から、還流電流
Fは設定電流I1Sに比例して増減することが明らかで
ある。したがって、積分値S10と還流電流指令値S11
が等しくなるように、電流指令値S14を設定して設定電
流I1Sを制御することにより、例えば時刻t1′から
4′を1周期とするタイミングチャートで示すよう
に、還流電流IF′は減少する。すなわち、還流電流IF
は還流電流指令値S11によって決められた値に制御され
るので、還流電流IFを小さくするためには、還流電流
指令値S11の値を低い値にすれば良く、還流電流指令値
11を予め設定する時に所定の値にしておけば、還流電
流IFは低レベルで一定に保持することが可能である。
【0036】実施例3.図5はこの発明の実施例3にお
けるパルス電源装置の構成を示す回路図、図6は図5に
示すパルス電源装置におけるトリガ信号S3、主ベース
信号S1、還流電流指令値S11、積分値S10、トランス
4の一次電流I1、副ベース信号S2および出力電圧V2
について示したタイミングチャートである。図におい
て、図3に示す実施例2と同様な部分は同一符号を付し
て説明を省略する。21は加算器A18から送出される
還流電流指令値S11と積分値S10との差値信号S12を、
トリガ信号S3によりホールドするとともに、制御信号
13として増幅器19に送出するサンプルホールド回路
である。
【0037】上記のように構成された実施例3によれ
ば、積分器17からの積分値S10と還流電流指令値S11
との差値S12をサンプルホールド回路21で一旦ホール
ドし、増幅器19に送出するようにしているので、電流
指令値S14は図6に示すように、発振器7から送出され
るトリガ信号S3のタイミングでホールドされ、このホ
ールドされた電流指令値S14により設定電流I1Sを制御
し、還流電流IFを予め設定された還流電流指令値S11
に制御しているので、還流電流IFを低レベルで一定に
保持できることは勿論のこと、常に変化している電流指
令値S14で制御する場合に比較し、安定した制御が可能
になる。
【0038】実施例4.尚、上記実施例2は図3に示す
ように、主スイッチング素子2および副スイッチング素
子3を直列に接続し、これをトランス4の一次巻線4b
に接続した場合について説明したが、図7に示すよう
に、副スイッチング素子3および還流ダイオード5を主
スイッチング素子2とは別に独立させトランス4の一次
巻線4bに接続させるような構成にしたパルス電源装置
に適用しても、上記実施例2と同様の効果を得ることが
できる。
【0039】実施例5.又、図7に示す上記実施例4に
おけるパルス電源装置に図5に示す実施例3におけるパ
ルス電源装置のサンプルホールド回路21を付加して、
図8に示すような構成のパルス電源装置に適用しても、
上記実施例3と同様の効果を奏することは言うまでもな
い。
【0040】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば直流電源からの電流を、整流ダイオードを介して出
力されるパルス電圧に対応して制御するようにしたの
で、出力電圧に関係なく還流電流を一定に抑制すること
ができ、又、この発明の請求項2および4によれば直流
電源からの電流を、トランスの一次巻線を流れる電流の
低周波成分の値と、予め設定された還流電流指令値とが
等しくなるように制御しているので、還流電流を低いレ
ベルで一定に保持することができ、さらに又、この発明
の請求項3および5によれば、請求項2および4におけ
る低周波成分の値と、還流電流指令値との差値をトリガ
信号のタイミングでホールドするようにしているので、
より安定した制御が可能となり、出力電圧の設定範囲を
広くとっても、又、負荷キャパシタに負の温度係数を持
ったものを使用しても、還流電流による余分な電力損失
を小さく抑えることが可能なパルス電源装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1におけるパルス電源装置の
構成を示す回路図である。
【図2】図1に示すパルス電源装置におけるトリガ信号
3、主ベース信号S1、トランス4の一次電流I1、副
ベース信号S2、出力電圧V2および負荷電流I2につい
て示したタイミングチャートである。
【図3】この発明の実施例2におけるパルス電源装置の
構成を示す回路図である。
【図4】図3に示すパルス電源装置におけるトリガ信号
3、主ベース信号S1、電流指令値S14、積分値S10
トランス4の一次電流I1、副ベース信号S2および出力
電圧V2について示したタイミングチャートである。
【図5】この発明の実施例3におけるパルス電源装置の
構成を示す回路図である。
【図6】図5に示すパルス電源装置におけるトリガ信号
3、主ベース信号S1、電流指令値S14、積分値S10
トランス4の一次電流I1、副ベース信号S2および出力
電圧V2について示したタイミングチャートである。
【図7】この発明の実施例4におけるパルス電源装置の
構成を示す回路図である。
【図8】この発明の実施例5におけるパルス電源装置の
構成を示す回路図である。
【図9】従来のパルス電源装置の構成を示す回路図であ
る。
【図10】図9に示すパルス電源装置におけるトリガ信
号S3、主ベース信号S1、トランス4の一次電流I1
副ベース信号S2、出力電圧V2および負荷電流I2につ
いて示したタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 直流電源 2 主スイッチング素子 3 副スイッチング素子 4 トランス 4b、4c 一次および二次巻線 5 還流ダイオード 6 制御回路 7 発振器 8 電流検出器 9 整流ダイオード 10 電圧検出器 11 比較器A 12 負荷キャパシタ 13 負荷 14 高圧スイッチ 15 電流設定回路 16 比較器B 17 積分器 18 加算器 19 増幅器 20 加算器B 21 サンプルホールド回路 S3 トリガ信号 S4 電流信号 S5 電圧信号 S6 電流指令値 S10 積分値 S11 還流電流指令値 S14 電流指令値 I1 トランスの一次電流 I2 負荷電流 V2 出力電圧

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直列接続される主スイッチング素子およ
    び副スイッチング素子、一次巻線が上記両スイッチング
    素子を介して直流電源に接続されるトランス、上記副ス
    イッチング素子を介して上記トランスの一次巻線に接続
    される還流ダイオードおよび上記トランスの二次巻線に
    接続される整流ダイオードを備え、上記直流電源からの
    電流によって蓄えられた上記トランスの励磁エネルギー
    を上記整流ダイオードを介してパルス電圧として出力す
    るとともに上記パルス電圧が所定の値になった時に上記
    副スイッチング素子をオンさせて上記還流ダイオードお
    よび上記トランスの一次巻線とで還流回路を形成するフ
    ライバック式のパルス電源装置において、上記直流電源
    からの電流を出力されるパルス電圧に対応して制御する
    ようにしたことを特徴とするパルス電源装置。
  2. 【請求項2】 直列接続される主スイッチング素子およ
    び副スイッチング素子、一次巻線が上記両スイッチング
    素子を介して直流電源に接続されるトランス、上記副ス
    イッチング素子を介して上記トランスの一次巻線に接続
    される還流ダイオードおよび上記トランスの二次巻線に
    接続される整流ダイオードを備え、上記直流電源からの
    電流によって蓄えられた上記トランスの励磁エネルギー
    を上記整流ダイオードを介してパルス電圧として出力す
    るとともに上記パルス電圧が所定の値になった時に上記
    副スイッチング素子をオンさせて上記還流ダイオードお
    よび上記トランスの一次巻線とで還流回路を形成するフ
    ライバック式のパルス電源装置において、上記トランス
    の一次巻線に流れる電流の低周波成分を検出し、この低
    周波成分の値と予め所望の値に設定された還流電流指令
    値とを比較して、上記両値が等しくなるように上記直流
    電源からの電流を制御するようにしたことを特徴とする
    パルス電流装置。
  3. 【請求項3】 低周波成分の値と還流電流指令値との差
    値はトリガ信号のタイミングでホールドされていること
    を特徴とする請求項2記載のパルス電源装置。
  4. 【請求項4】 主スイッチング素子および副スイッチン
    グ素子、一次巻線が上記主スイッチング素子を介して直
    流電源に接続されるトランス、上記副スイッチング素子
    を介して上記トランスの一次巻線に接続される還流ダイ
    オードおよび上記トランスの二次巻線に接続される整流
    ダイオードを備え、上記直流電源からの電流によって蓄
    えられた上記トランスの励磁エネルギーを上記整流ダイ
    オードを介してパルス電圧として出力するとともに上記
    パルス電圧が所定の値になった時に上記副スイッチング
    素子をオンさせて上記還流ダイオードおよび上記トラン
    スの一次巻線とで還流回路を形成するフライバック式の
    パルス電源装置において、上記トランスの一次巻線に流
    れる電流の低周波成分を検出し、この低周波成分の値と
    予め所望の値に設定された還流電流指令値とを比較し
    て、上記両値が等しくなるように上記直流電源からの電
    流を制御するようにしたことを特徴とするパルス電源装
    置。
  5. 【請求項5】 低周波成分の値と還流電流指令値との差
    値はトリガ信号のタイミングでホールドされていること
    を特徴とする請求項4記載のパルス電源装置。
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JP2005184888A (ja) * 2003-12-16 2005-07-07 Ngk Insulators Ltd パルス発生装置
WO2007000839A1 (ja) * 2005-06-29 2007-01-04 Ngk Insulators, Ltd. 電気回路及びパルス電源

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