JPH06195754A - 光記録媒体および光記録方法 - Google Patents

光記録媒体および光記録方法

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JPH06195754A
JPH06195754A JP5262221A JP26222193A JPH06195754A JP H06195754 A JPH06195754 A JP H06195754A JP 5262221 A JP5262221 A JP 5262221A JP 26222193 A JP26222193 A JP 26222193A JP H06195754 A JPH06195754 A JP H06195754A
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recording
substrate
layer
wavelength
tracking
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Application number
JP5262221A
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English (en)
Inventor
Hidemi Yoshida
秀実 吉田
Masaaki Mizuno
正明 水野
Chika Ueda
千賀 上田
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度記録が可能で十分なトラッキング信号
が得られる光記録媒体を提供する。 【構成】 トラックピッチが0.4μm以上0.9μm
未満であり、ディスク基板上の情報を記録する記録部分
が案内溝を有さない平坦部分であるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光記録媒体及び記録方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報量の飛躍的な増加にともな
い、情報記録媒体に対する高密度化・大容量化の要求は
高まるばかりである。光ディスクは、記録密度が高く、
大容量であり、ランダムアクセスに優れるという特徴を
有する。更に、ヘッドと非接触で記録再生が行われるた
めに記録媒体の損傷も少なく、塵埃やディスク表面の傷
にも強く、記録データの長期保存安定性に優れている。
これらの特徴を有する光ディスクは、まさに社会の要請
に応える記録媒体であり、今後ますますその需要が広が
ると期待される。
【0003】現在、光ディスクについてはさまざまな記
録方式が提案されている。コンピュータの外部記憶装置
の分野では、トラッキング用の案内溝を有し、溝のあい
だの平坦部(ランド)に情報を記録するランド記録タイ
プと呼ばれる方式が主流となっている。情報の記録再生
には、通常対物レンズで微小サイズに集束させた半導体
レーザ光を使用する。レーザビームの最小スポット径d
minは、使用するレーザ光の波長λと対物レンズの開
口数NAにより次式で表される。(kは、レンズの開口
形状、入射光束の強度分布によって決まる定数である。
【0004】dmin=k・λ/NA (1) 現在、光ディスクシステムに実用化されている半導体レ
ーザは、波長825nm帯域と780nm帯域の2種類
である。また、対物レンズは、開口数0.55以下のも
のが通常使用されている。光ディスクの記録密度は、レ
ーザビーム径dminにより大きく制限される。記録再
生可能な最小マーク長は、超解像などの特殊技術を使用
する場合を除けば、dminによってほぼ決まってしま
う。したがってdminを小さくすることで、線記録密
度と半径方向記録密度の両方を増大させることが可能と
なる。
【0005】dminを小さくするためには、まず開口
数の大きなレンズを使用することが考えられる。しかし
ながら、NAを大きくすると、式(2)に示すように焦
点深度が浅くなり、さらにディスクの傾きに対する許容
度も急激に低下してしまうため、この方策は実際のシス
テムには採用しにくい。 焦点深度=λ/(NA)2 (2) また、基板側入射タイプのデイスクの場合、NAを大き
くすると対物レンズがディスクに接触するおそれがあ
り、現行の1.2mm厚の基板ではNAは0.70程度
が限界である。
【0006】そこで、波長のより短いレーザを光源とす
ることが、高密度記録実現には有効である。レーザ光の
波長を500nm以下とすれば、マーク長記録方式(P
WM方式)やMCAV(Modified Const
ant Angular Velocity)方式と組
み合わせることによって、記録容量を現行光ディスクの
10倍以上にすることが、理論的には可能である。
【0007】しかしながら、短波長レーザを使用した場
合、光ディスクの線記録密度と半径方向記録密度は理論
的には同等に高密度化できるはずであるにもかかわら
ず、現状では、半径方向の記録密度は線記録密度ほど大
きくない。光ディスクにはランド記録方式とともに、溝
記録方式がある。いずれの方式でもレーザー光は溝又は
ランドにより回折散乱されてしまう分だけ、信号検出器
に入る光量が低下してしまい、信号強度が低下する。半
径方向密度を上げるためにトラックピッチを狭めれば、
当然回折散乱される光は多くなり、光量低下が著しくな
る。
【0008】例えばランド記録方式の場合、案内溝その
ものも狭小化されつつはあるが、十分なトラッキング信
号が得られる深さを保ったまま溝を狭くするのにはやは
り限界がある。また、溝が深く狭いと斜面の傾斜が急峻
であるため記録層を均一に成膜することが困難である。
さらに、溝とランドのエッジ部分は平滑ではなく微小凹
凸があるため、ノイズの原因となる。そして、このよう
な信号への影響は、徐々にというよりはある程度トラッ
クピッチが狭くなった所で急激に大きくなる傾向があ
る。ここがトラックピッチの狭小化の限界であり、NA
が一定であればレーザ波長によって一義的に決まる。
【0009】例えば、NAが0.55の場合、実用レベ
ルからみた現行波長780nmでのトラックピッチの限
界は1.35μm程度であるから、波長500nmで
は、1.35(μm)×500(nm)/780(n
m)=0.87(μm)、すなわち0.9μm程度が案
内溝がある場合のトラックピッチの限界となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】さらに、短波長のレー
ザ光を用いる場合には、短波長域特有の以下のような問
題がある。第一に、再生時の光検出器の感度低下であ
る。現在、光ディスクドライブで用いられている光検出
素子、フォトダイオードにおいては、光がpn接合付近
の電子を伝導帯に励起し、伝導帯の電子がpn接合を移
動し、それによって生じる電流を測定することにより光
の検出を行う。フォトダイオードを構成するSi半導体
の光吸収係数は短波長側で大きくなるため、短波長の光
はフォトダイオード表面付近で吸収されてしまい、pn
接合付近まで到達しにくくなる。その結果pn接合付近
で励起される電子の数が減少するため、光の検出感度が
低下してしまう。例えば波長780nmの場合と比べ
て、500nmでは感度が約2分の1まで落ちる。つま
り同じ反射率でも信号強度が約半分に低下してしまう。
【0011】一方、信号強度の低下に比べてノイズの低
下は少ない。光ディスクシステムにおけるノイズは、媒
体から発生するノイズの他に、発振されたレーザ光その
ものに含まれるレーザノイズ、検出系で発生するシステ
ムノイズなどがある。このうちシステムノイズは信号強
度に関わらず一定であるため、全ノイズ強度は信号強度
に比べて大きくなり、C/Nは低下する。従って、検出
器側には短波長域での高感度化が、光ディスク側には信
号強度の増加とノイズを低下することが課題となる。
【0012】第二に、基板複屈折の問題がある。基板の
複屈折は、信号強度低下やノイズ上昇の原因となる。特
に、光磁気ディスクにおいては、記録信号を偏光面の回
転を検出することで読み出しているため、基板複屈折は
再生信号の特性に直接影響を及ぼす。例えば信号強度低
下ならびにノイズの上昇をもたらすことになる。さら
に、複屈折は、収差を引き起こすために、レーザ光を式
(1)で示した回折限界まで集束することができなくな
ってしまい、やはり信号強度の低下をまねいたり、ジッ
ターやクロストーク等に影響を及ぼす。しかも、これら
の複屈折による影響は、レーザ波長が短くなるほど顕著
になる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要旨は、
トラックピッチが0.4μm以上0.9μm未満であ
り、ディスク基板上の情報を記録する記録部分が案内溝
を有さない平坦部分であることを特徴とする光記録媒体
に存する。本発明の第2の要旨は、トラックピッチが
0.4μm以上0.9μm未満の光ディスクの記録層上
に波長500nm以下のレーザ光を照射して情報の記録
再生を行う方法であって、該レーザ光を開口数が0.5
5〜0.70の対物レンズを用いてディスク基板側から
投射し、ディスク基板上の情報を記録する記録部分が案
内溝を有さない平坦部分であることを特徴とする光記録
方法に存する。
【0014】本発明により、波長500nm以下のレー
ザ光でNA0.55〜0.70の対物レンズを用いて、
トラックピッチが0.4μm以上0.9μm未満であ
り、情報の記録部が案内溝をなくした平坦部である光記
録媒体に記録再生を行うことで再生光の散乱を防ぐこと
により反射率低下をおさえ、且つノイズ増加を防ぐこと
ができる。
【0015】記録再生に用いるレーザ光の波長は高密度
記録を実現するために500nm以下であることが必須
である。また、ディスク基板の紫外吸収を考慮すると3
00nm以上が好ましい。レーザ光としては、例えばA
r、Kr、He−Cdなどのガスレーザが出力する40
0〜500nmのレーザ光、ZnCdSe、ZnSe、
ZnCdS、ZnSeSなどのII−VI族半導体レーザの
出力する400〜500nmのレーザ光、III −V族半
導体レーザ出力光をSHG(第二次高調波発生)素子を
通して得られる340〜390nmのレーザ光、半導体
レーザ励起によるYAGレーザ出力光をTHG(第三次
高調波発生)素子を通して得られる350nmのレーザ
光が挙げられる。光ディスクシステムの小型化を考慮す
れば、半導体レーザのレーザ光が好ましい。
【0016】また、レーザ光の集光投射に用いる対物レ
ンズの開口数は、0.55〜0.70の範囲である。N
Aが0.55未満では、レーザ光を小さく絞ることがで
きないため、高密度記録を行うことができない。一方、
NAが0.70を越えると、焦点深度が小さくなり、光
ディスクのサーボを行なうのが困難となる。例えばレー
ザ波長300nmにおける焦点深度は0.6μm程度と
なり、現行サーボ技術ては焦点深度0.6μmの光学系
によって光ディスクのサーボを行うのは極めて困難であ
るし、また、それに適した光ディスクを製造するのも現
状では極めて困難である。
【0017】光ディスクの信頼性を高めるために、記録
再生用レーザ光はディスク基板側より入射させる。基板
が塵、埃などに汚染された場合でもレーザ光がその影響
を受けにくいからである。厚さ1mm程度の基板を通し
てレーザ光を絞り込んだ場合、入射側の基板表面でのス
ポット径は1mm程度あるため、数十μmの大きさの塵
埃が付着していてもレーザ光にはほとんど影響がない。
【0018】記録再生用トラックのトラックピッチは、
0.4μm以上0.9μm未満である。0.9μm以上
では高密度記録が達成できず、0.4μm未満ではクロ
ストークの影響が大きくなってしまう。波長500nm
以下の短波長光源および高開口数の対物レンズを用いる
本発明の光ディスク基板には従来に比べ、低複屈折で、
かつ、高機械精度の基板を用いることが好ましい。
【0019】低複屈折基板が好ましい理由は、前述のよ
うに、基板の複屈折はレーザ波長が短くなる程、波長に
反比例してその影響が顕著になるためである。光ディス
ク基板の複屈折は、好ましくは、面内方向で20×10
-6以下、厚み方向で300×10-6以下、さらに好まし
くは面内方向で10×10-6以下、厚み方向で200×
10-6以下である。このような複屈折を有するディスク
基板を使用することで信号強度低下、ノイズ増加を抑え
ることができ、光ディスクの高密度化が実現できる。
【0020】また、低い面振れ(加速度)および低いチ
ルトといった高機械精度の基板が好ましいのは、以下の
理由による。本発明の光ディスクでは焦点深度(波長に
比例、開口数の2乗に反比例)が非常に浅くなり、あま
り面振れ(加速度)が大きいとフォーカスサーボが追従
できなくなる。また、高開口数のレンズの使用は、チル
トに対するコマ収差(開口数の3乗に比例)および非点
収差(開口数の2乗に比例)を著しく増大させることに
なり、その結果として記録信号特性を劣化させてしま
う。
【0021】このような光ディスクの基板として、ガラ
ス、ガラス/2Pおよびプラスチックを用いることがで
きる。低複屈折かつ高機械精度の基板としては、ガラ
ス、ガラス/2P基板が最適と考えられるが、割れ易
い、プリフォーマット基板を得る工程が複雑で高コスト
になる等の理由から、光ディスクの基板としてはプラス
チック基板が好ましい。プラスチック基板用材料として
は、通常、ポリカーボネート樹脂が用いられている。こ
の材料を用いた場合、複屈折が大きくなりがちだが、射
出成形条件等を最適化することで本発明に使用可能な基
板の作製が可能である。
【0022】また、ポリメチルメタクリレート樹脂やポ
リオレフィン樹脂を用いれば、射出成形により容易に低
複屈折基板を得ることができるため、比較的簡単に本発
明に使用可能な基板の作製が可能である。基板としては
一般的に1.2mm厚のものが用いられている。本発明
の光ディスクに用いられる基板の厚さとしては、0.3
〜1.2mmの範囲のものが好ましい。また下記の理由
で、0.4〜0.8mmの範囲のものが更に好ましい。
本発明では短波長光源、高開口数の対物レンズを用いて
いるため、基板に許容されるチルトの値も現行のもの
(例えば4mラジアン)より厳しくなる。一方、チルト
により発生する集光ビームの収差は基板厚みに比例する
ため、基板厚みを薄くすることによりチルトによる収差
を減少させることができ、その結果として、チルトの許
容値を緩和することが可能となる。例えば、基板厚を
1.2mmから0.8mmにすることで、波長500n
m、開口数0.60の対物レンズの場合、チルトの許容
値が0.2ミリラジアンから0.3ミリラジアンまで緩
和される。基板厚を薄くすれば薄くするほど、実効的に
複屈折の影響は低減され、かつ、チルトの許容値も緩和
されるが、あまり薄くしすぎると射出成形でのせん断歪
が大きくなり複屈折そのものが大きくなってしまう。ま
た、あまり薄いと、射出成形時にトラックサーボ用ピッ
トやアドレス用ピットの転写性が著しく低下することも
考慮すると、0.4mmが実際に薄くできる基板厚の下
限である。これら基板は、最終製品になった時、もちろ
ん単板で用いられてもよいが、0.8mm以下の場合、
2枚を貼り合わせて用いた方が、広範囲の温度および湿
度環境において機械特性が安定するため、好ましい。
【0023】本発明においては、案内溝を有しない平坦
部分に情報が記録される。この場合においても従来と同
様にフォーカシングサーボとトラッキングサーボは必要
となる。フォーカシングサーボには従来用いられている
方法、例えば、非点収差法、ナイフエッジ法、フーコー
去、臨界角法等が用いられる。また、トラッキングサー
ボには下記の方法が用いられる。
【0024】第1の方法は、トラッキングサーボ用のピ
ットをディスク上に予め設けておき、集光ビームのピッ
ト位置からのずれをサンプリングして検知することによ
ってトラッキングサーボを行うものである。具体的に
は、ディスク上に、トラックの中心上に並んだピット
群、トラックの中心から互いに反対側にずれているピ
ット群などのようなピットをある間隔を隔てて設け、レ
ーザビームのこれらのピットセンター位置からのずれ量
をサンプリングして検知することによりトラッキングサ
ーボを行う方法である。
【0025】図1はの方法の一例を示したものであ
る。この例では1ビーム方式であるが、ビーム2aがピ
ット1aから得られるプッシュプル信号をサンプリング
することによりトラッキングエラー信号が得られる。ま
た、CDで用いられている3ビーム方式のように、トラ
ックに対して少し角度を持たせた3ビーム列を用いても
トラッキングエラー信号を検知することは可能である。
の場合の一例を図2に示す。この場合にはトラックの
中心から互いに反対側にずれているピット1bからの信
号強度が等しくなるように制御することによってトラッ
キングサーボが行われる。
【0026】サンプルサーボ方式を図3に示す。この方
式はの方法の応用例であるが、トラック一周上に10
00〜1500個程度のサーボエリア3を設け、ここに
ウォブルマーク、すなわちトラック中心から互いに反対
側にずれているピット1bをプリフォーマットしてお
き、これらサーボエリア3からすべてのサーボ信号を得
る不連続サーボ方式である。図3においてトラッキング
エラー信号はウォブルピット1bから検出され、フォー
カスエラー信号は後ろ側のウォブルピットとクロックピ
ット1cとの間の鏡面部で検出される。また、記録再生
用のデータクロックは後ろ側のウォブルピット位置とク
ロックピット位置の間の距離から生成される。この方式
は、通常用いられている連続溝を用いた連続サーボ方式
に比べ、以下の特徴がある。
【0027】1)データエリア4とサーボエリア3が時
間的、空間的に完全に分離されているため、データ信号
とサーボ信号の干渉がなく、サーボ特性が安定である。 2)トラッキングエラー検出系にオフセット成分が発生
しないため光学系の精度を大幅に緩和でき、ディスクの
互換性もとりやすい。 本発明では短波長光源と高NAレンズを用いるため、デ
ィスクのチルトに対する許容度がかなり厳しくなるが、
サンプルサーボ方式を用いればチルトに対する許容度も
かなり緩和される。それ故、サンプルサーボ方式は本発
明の光記録方式で用いられるフォーカシングおよびトラ
ッキングサーボ方式として最適なサーボ方式である。
【0028】この方法において、トラックおよびセクタ
アドレス信号は、プリピットもしくは記録ビットとして
セクタサイズに対応した間隔でトラック上に形成され
る。第2の方法は連続サーボを用いてサーボを行い、溝
のない平坦部分に情報を記録する方法である。この場
合、サーボ用とデータの記録・再生用に少なくとも2つ
以上のレーザビームが必要となる。図4は4ビームを用
いた場合の例を示したもので、1ビーム2bをサーボ用
に、残り3ビーム2cを記録・再生用に用いている。
【0029】この例では、トラックサーボのための連続
溝5が用いられているが、もちろんピット列が用いられ
ても良い。この方法においてもトラックおよびセクタア
ドレス信号は、プリピットもしくは記録ビットとしてセ
クタサイズに対応した間隔でトラック上に形成される。
また第3の方法として、全くプリピットも案内溝も有し
ないディスクにサーボ用の信号とデータをフォーカスサ
ーボだけで記録し、再生時にはこれら記録信号を検出す
ることでトラッキングサーボを行うという方法がある。
この方法を用いれば、ディスクの構造を非常に単純にで
きるというメリットがある反面、記録時にトラックが重
なったりしないよう精密な駆動系が要求される。
【0030】500nm以下の波長のレーザを用いた場
合、前述のように、現在信号検出器として一般に用いら
れているシリコン・フォトダイオードの受光感度が、現
行のレーザ波長(780nm)領域の1/2から1/3
になるため、特に光磁気ディスクでは良好な信号特性が
とれなくなる。これは、現在の光磁気ディスクに用いら
れている記録材料(TbFeCo等の重希土類・遷移金
属アモルファス合金)では、短波長になると記録再生特
性の信号強度を支配するカー回転角が小さくなることに
も起因している。例えば、TbFeCoの場合、カー回
転角は波長800nmで0.3度、波長450nmで
0.2度と約2/3に減少する。そのため、短波長域で
カー回転角が大きい記録材料の研究も盛んに行われてい
るが、例えばPt/Co多層膜の場合、波長450nm
でカー回転角は0.4度と大きいものの、保磁力が小さ
く、かつ、結晶性薄膜のためノイズが大きく、まだ実用
に供されうるレベルのものではない。
【0031】このような光信号検出器の感度減少および
記録材料のカー回転角の減少をリカバーするためには、
レーザ光の基板表面での反射を低く抑える、もしくは実
質的にゼロにすることが好ましい。記録・再生用レーザ
光は基板側から基板を通して記録層に照射されるため
に、光信号検出器には記録層からの反射光のみならず、
信号とは無関係の基板表面からの反射光も戻ってくる。
この基板表面からの反射光は、実効的にカー回転角を小
さくする方向に働くため、本発明の場合のように、カー
回転角が小さく、かつ、信号強度がとれない場合におい
て、基板表面からの反射光を少なくすることは特に効果
的である。現在実用化されている光磁気ディスクの場
合、多層構造からなる記録層からの反射率は15〜20
%であり、基板表面からの反射率は約5%もある。特に
光源の波長が短波長化されると基板の屈折率が増大する
ために、基板表面からの反射率は6〜7%にもなる。
【0032】それ故、基板表面からの反射光を少なくす
るこの方法は、光源の波長が短波長化された場合、特に
有用である。基板表面からの反射光を低く抑える方法と
しては、基板表面に基板とは異なる屈折率(n)を持つ
単層の薄膜を形成するか、異なる屈折率を持つ多層の薄
膜を形成する方法が最も実用的な方法である。
【0033】単層のコーティングの場合には、基板材料
(n=〜1.60)よりも屈折率が小さい材料であるフ
ッ化マグネシウム(n=1.38)や氷晶石Na3 A1
6(n=1.34)をλ/4n(λ=光源の波長、n
コーティング層の屈折率)程度の厚さコーティングする
ことにより、基板からの反射率を0.5%程度まで低く
することができる。これらの材料のコーティングは、真
空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法
により行うことができる。
【0034】また、屈折率の異なる多層膜をコーティン
グすることで基板表面からの反射光をほとんどゼロにす
ることも可能である。例えば2層膜では、基板の上に屈
折率1.70の材料をλ/4nの層厚コーティングし、
更にその上に屈折率1.38の材料をλ/4nの層厚コ
ーティングすることにより基板反射率を0.02%以下
にすることができる。また、3層、4層更には5層膜に
よって反射防止層は可能である。このような多層膜によ
る反射防止の手法は、実際にメガネレンズやカメラ用レ
ンズに応用されている。しかしながら、生産性の観点か
らすると反射防止層の層数は少ない方が望ましいという
ことは言うまでもない。
【0035】記録層は、レーザー光照射によって光学的
な変化を生ずる物質により形成される。一般的には、光
磁気型、相変化型、穴あけ型などの方式が知られてい
る。光磁気記録方式では垂直磁化層を記録層とし、レー
ザー光を照射してこれをキュリー点以上に昇温し、同時
に磁場をかけることにより磁気記録を行う。磁場として
は外部磁場を用いることが多いが、媒体中に磁性層を形
成しておくことにより、外部磁場を不要にする方式も知
られている。再生は磁気カー効果を利用して行う。直線
偏光を磁性層に照射し、反射光の偏光面の角度が回転し
た度合いから磁化の向きを読み取る。再生信号の品質は
一般に、性能係数、すなわち反射率の平方根と磁気カー
回転角の積により示される。
【0036】現在商品化されている光磁気記録層材料と
しては、TbFeCoに代表される、重希土類−遷移金
属アモルファス合金が一般的である。しかしながら、こ
れらの合金のカー回転角は、前述のように光の波長が短
くなるにつれて小さくなり、500nm以下では800
nmに比べて30%近くも減少してしまう。このため、
前述したドライブのフォトダイオードの感度低下と相俟
って、短波長側で光磁気媒体の再生信号の品質は極端に
低下する。
【0037】レーザー光波長が短くなると集光されたビ
ームスポット径が小さくなり、単位面積あたりのエネル
ギー密度が高くなるため、再生光を照射したときの記録
層の温度は高くなりやすい。カー回転角は記録層の温度
が高いほど減少するが、この傾向はキュリー温度が低い
ほど顕著になる。したがって、記録層のキュリー温度を
上げることによって高温でのカー回転角を大きくするこ
とができる。これにはCo濃度を増すことが有効であ
る。
【0038】TbFeCo合金記録層においては、3d
遷移金属中のCo濃度を15原子%以上、NdTbFe
Co合金では3d遷移金属中のCo濃度を35原子%以
上にすることで、500nm以下の短波長域においても
品質のよい再生信号を得ることができる。また、反射層
材料として従来よりAl合金が使用されているが、A
g、およびその合金を用いることによって、短波長域で
のカー回転角をさらに増大させることができる。
【0039】これらを総合して検討した結果、500n
m以下の短波長域においては、例えば、以下のような構
成が好ましいことがわかった。基板上に誘電体層、記録
層および反射層をこの順に設け、記録層に上述の材料を
使用した場合、それぞれの厚さは20〜55nm、10
〜30nmおよび30〜100nm程度が好ましい。
【0040】相変化記録方式は、2種類以上の異なる状
態を用いて記録を行う。通常、結晶状態とアモルファス
状態の2つの相を用いることが多いが、互いに異なる結
晶状態や準結晶状態を使用することもできる。以下、結
晶状態にアモルファス状態の記録ピットを形成する方式
を例にとって説明する。記録、すなわちアモルファス化
は、レーザー光を照射して記録層を融点以上に加熱し、
急冷する事によってなされる。消去、すなわち結晶化
は、同じくレーザ光で結晶化温度より高い融点近傍の温
度まで記録層を加熱する、または融点以上から徐冷する
ことによってなされる。再生は結晶とアモルファスとの
反射率の差または反射光の位相差を利用して、光量差を
検出することによって行う。
【0041】相変化記録方式の記録層材料としては、G
eSbTeに代表されるカルコゲン系合金薄層がよく用
いられる。当然ながら記録層の材料とその組成は、結晶
化温度、繰返し特性、保存安定性などの特性を決定する
大きな要素である。例えば、通常はGeTeとSb2T
e3を混合したものにSbを少量加えた組成を用いる
が、Sb量を下げると結晶化温度は低くなる。
【0042】通常の相変化媒体は、基板上に、誘電体
層、記録層、誘電体層、反射層、保護層など複数の層を
設ける構成をとる。誘電体層は、加熱・冷却過程におけ
る記録層の溶融・体積変化に伴う変形や、基板への熱的
ダメージ等を防ぎ、湿気による記録層の劣化を防止する
保護層としての効果があり、また、記録層の上側の誘電
体層については記録層の冷却速度のコントロールをする
効果も大きい。この層厚が厚いものは一般に徐冷構造と
呼ばれ、熱が逃げにくいため記録層の冷却速度が小さ
く、結晶化が起こりやすい。一方この層厚の比較的薄く
したものは急冷構造と呼ばれ、記録層の冷却速度が大き
く、アモルファス化しやすい。
【0043】さらに誘電体層は、層厚をレーザー波長に
対して適切に設定して、干渉効果により再生光のコント
ラストを高めるためにも使用される。ところで、レーザ
ー光波長が短くなり、ビーム径が小さくなると、一旦記
録した信号の消去がしにくくなる。レーザー照射箇所の
温度分布が急峻になり、冷却速度が速くなるため、結晶
化しにくくなってしまうのである。
【0044】結晶化しやすくするには、結晶化温度を下
げる方法と、媒体構成を徐冷構造にする方法がある。記
録層の材料や組成を変えれば、結晶化温度は容易に下げ
られる。ただし、結晶化温度を下げることは、アモルフ
ァスビットが自然環境中でも再結晶化し、消えやすくな
り、保存安定性が落ちることにもつながりやすい。一
方、徐冷構造も、次に述べる粗大結晶の問題がある。
【0045】アモルファスビット形成時には周辺部に粗
大結晶域ができる。一旦溶融したものの周辺部は冷却速
度が比較的小さいため、再結晶化してしまうのである。
徐冷構造のように冷却速度が遅いと粗大結晶ができやす
くなり、ビット周辺の粗大結晶域が広がってしまう。粗
大結晶は融点以下で結晶化したときの微細結晶とは反対
率が若干異なるため、再生信号の品質を悪化させる。し
かも、再生ビーム径が小さくなるにつれてビーム面積内
に占める粗大結晶の面積の割合が相対的に大きくなって
いくため、短波長になるほど、この影響は重大なものと
なる。
【0046】このような粗大結晶や保存安定性への影響
を最小限にとどめつつ、消去率を上げるためには、層構
成と記録層組成の両方を変更することが好ましい。検討
の結果、500nm以下の短波長域においては、例え
ば、基板上に、(ZnS)80(SiO2 20誘電体層、
GeSbTe記録層、(ZnS)80(SiO 2 20誘電
体層およびAl合金反射層がこの順に設けられている媒
体においては、それぞれの層厚が160nm、20n
m、20nmおよび200nm程度である構成が好まし
いことがわかった。この場合、記録層中のSb量を35
〜31at%まで変化させることにより、記録消去に適
した線速度を1〜25m/s程度まで自由に設定するこ
とができる。
【0047】また、それぞれの層厚が160nm、80
nm、100nm、200nm程度で、かつ記録層中の
Sb量が22at%程度の構成も好ましい。ただし、こ
のような相変化媒体においては、各層の材料、組成、層
厚の組み合わせによって実に様々な最適点が存在し、上
述の組成はごく一例にすぎない。誘電体層材料は種々の
組み合わせが可能であり、屈折率、熱伝導率、化学的安
定性、機械的強度、密着性等に留意して決定される。一
般的には透明性が高く高融点であるMg、Ca、Sr、
Y、La、Ce、Ho、Er、Yb、Ti、Zr、H
f、V、Nb、Ta、Zn、Al、Si、Ge、Pb等
の酸化物、硫化物、窒化物や、Ca、Mg、Li等のフ
ッ化物を用いることができる。これらは屈折率等の制御
のために混合して用いることもできる。
【0048】反射層材料は、Ag、Au、Pt、Al或
いはこれらの混合物、及びそれらに多少の添加物を加え
たものなどが好適である。線速度を上げすぎると、記録
層の冷却速度が速くなり結晶化、すなわち消去が十分に
行えないし、また線速度を下げすぎると、アモルファス
ビットを形成するだけの冷却速度が得られなくなる。
【0049】ところで、相変化型媒体は、逆に構成を、
ずっと結晶化しにくい方向にもっていくことによって追
記型媒体にも使用可能である。この場合は、例えば、前
述の構成において、それぞれの層厚は、160nm、2
0nm、20nm、200nm程度が好ましく、かつ記
録層の組成はGe12Sb37Te51が好ましい。また、よ
り結晶化しやすい組成を用い、アモルファス中に結晶ビ
ットを記録する追記型媒体とすれば初期化の必要がなく
安価にディスクを作製することが可能となる。この場合
には、例えば前述の構成において、それぞれの層の厚さ
は、160nm、20nm、140nm、100nm程
度が好ましく、記録層組成はGe12Sb31Te57が好ま
しい。
【0050】記録を行う際の線速度は5〜30m/sが
好ましい。これ以上線速度を上げると多大なレーザーパ
ワーが必要となり、結晶ビットも十分には形成されなく
なる。またこれより線速度を下げると、熱干渉によりビ
ット形状が乱れる。ただし、パルストレイン等、記録方
式を工夫すればより低線速でも使用可能である。相変化
型の追記媒体は、記録層の形状変化を伴わないので、記
録ビット周辺にリムができるということがなく、再生信
号の品質がよい。また、エアーサンドイッチ構造をとる
必要もない。
【0051】穴あけ型記録方式は、レーザー光を照射し
て記録層を溶融、除去し、穴(ピット)を形成すること
によって記録を行う。ピット部では記録層が完全に除去
され、下層あるいは基板が剥き出しとなるので、再生光
に対して反射率の変化として検出される。この方式は、
穴あけという物理的な変化を伴う不可逆記録であるため
記録内容の長期保存性が非常に高いという利点がある。
【0052】穴あけ型記録層の材料としては、Te、B
iなどの金属があり、経時安定性を増すためにSeを含
有させたTeSe系合金などがよく用いられる。これら
は低融点であるため、記録に要するレーザーパワーが小
さくて済み、記録感度の点で有利である。記録層層厚は
例えば280nm程度が好ましい。上記ピットの形成に
は、溶融した記録層物質が基板との付着力に打ち勝って
分離することが必要である。そこで付着力を適度に弱め
るために、記録層と基板との間にフルオロカーボンやニ
トロセルロースなどの下引き層を設けることも知られて
いる。下引き層の厚さは、例えば400nm程度であ
る。
【0053】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0054】実施例1 ポリメチルメタクリレート(PMMA)の1.2mm厚
鏡面基板上に誘電体層Ta2 5 、記録層TbFeCo
および反射層AgTiをそれぞれ40nm、20nmお
よび50nmの層厚でスパッタリング法により順次形成
した光磁気ディスクを線速度15m/sで回転させ、波
長488nmのアルゴンレーザ光を開口数0.60の対
物レンズで集光して記録・再生を行った。周波数17.
5MHz、パルス幅20nsの条件でトラックピッチ
0.85μmの記録を行ったところ、47dBのCNR
が得られ、ビットエラーレートは1×10-5と良好であ
った。また、記録波形の振幅変動は10%以下と小さか
った。なお、用いたPMMAの基板の複屈折は、面内方
向で10×10-6、厚さ方向で100×10-6であっ
た。
【0055】実施例2 1.2mm厚の鏡面ガラス基板上に、実施例1と同じ層
構成の記録層を形成した光磁気ディスクを線速度15m
/sで回転させ、波長488nmのアルゴンレーザ光を
開口数0.60の対物レンズで集光して記録・再生を行
った。周波数17.5MHz、パルス幅20nsの条件
でトラックピッチ0.85μmの記録を行ったところ、
48dBのCNRが得られ、ビットエラーレートは1×
10-5と良好であった。また、記録波形の振幅変動は1
0%以下と小さかった。なお、用いたガラス基板の複屈
折は、面内方向で2×10-6以下、厚さ方向で10×1
-6以下であった。
【0056】実施例3 実施例1と同じ光磁気ディスクを線速度15m/sで回
転させ、波長407nmのクリプトンレーザ光を開口数
0.70の対物レンズで集光して周波数17.5MH
z、パルス幅20nsの条件てトラックピッチ0.50
μmの記録を行ったところ、47dBのCNRが得ら
れ、ビットエラーレートは2×10-5と良好であった。
また、記録波形の振幅変動は10%以下と小さかった。
【0057】実施例4 実施例1のディスクのレーザが入射する側の基板表面に
フッ化マグネシウムを真空蒸着で100nm成膜した光
磁気ディスクを線速度15m/sで回転させ、波長48
8nmのアルゴンレーザ光を開口数0.60の対物レン
ズで集光して周波数17.5MHz、パルス幅20ns
の条件でトラックピッチ0.85μmの記録を行ったと
ころ、48.5dBのCNRが得られ、ビットエラーレ
ートは1×10-5と良好であった。また、記録波形の振
幅変動は10%以下と小さかった。
【0058】実施例5 1.2mm厚の鏡面ポリカーボネート基板上に、実施例
1と同じ層構成の記録層を形成した光磁気ディスクを線
速度15m/sで回転させ、波長488nmのアルゴン
レーザ光を開口数0.60の対物レンズで集光して周波
数17.5MHz、パルス幅20nsの条件でトラック
ピッチ0.85μmの記録を行ったところ、45dBの
CNRが得られ、ビットエラーレートは3×10-5と良
好であった。また、記録波形の振幅変動は10%以下と
小さかった。なお、用いたポリカーボネート基板の複屈
折は、面内方向で15×10-6、厚さ方向で250×1
-6であった。
【0059】実施例6 サンプルサーボトラッキング用プリピットがトラックピ
ッチ0.85μmで形成された1.2mm厚ポリカーボ
ネート基板を用い、実施例1と同じ層構成の記録層を形
成した光磁気ディスクを線速度15m/sで回転させ、
波長488nmのアルゴンレーザ光を開口数0.60の
対物レンズで集光してトラッキングサーボを行い、周波
数17.5MHz、パルス幅20nsの条件での記録を
行ったところ、47dBのCNRが得られ、ビットエラ
ーレートは1×10-5と良好であった。この時、記録波
形の振幅変動は10%以下と小さかった。なお、用いた
ポリカーボネート基板の複屈折は、面内方向が15×1
-6、厚さ方向が250×10-6であった。
【0060】実施例7 複屈折が、面内方向で15×10-6、厚さ方向で250
×10-6である、1.2mm厚の鏡面ポリカーボネート
基板上に、誘電体層ZnS−SiO2 、記録層GeSb
Te、誘電体層ZnS−SiO2 および反射層AlTa
をそれぞれ160nm、20nm、20nmおよび20
0nmの層厚でスパッタリング法により順次形成し、相
変化型光ディスクを得た。このディスクを、線速度15
m/sで回転させ、波長488nmのアルゴンレーザ光
を開口数0.60の対物レンズで集光して記録・再生を
行った。周波数17.5MHz、パルス幅20nsの条
件でトラックピッチ0.85μmの記録を行ったとこ
ろ、51dBのCNRが得られ、ビットエラーレートは
1×10-5と良好であった。また、記録波形の振幅変動
は10%以下と小さかった。
【0061】実施例8 複屈折が、面内方向で15×10-6、厚さ方向で250
×10-6である、1.2mm厚の鏡面ポリカーボネート
基板上に、六フッ化セレンガスを用いた反応性スパッタ
リング法により、記録層TeSeFを25nmの厚さ形
成した穴あけタイプのライトワンス型光ディスクを得
た。このディスクを、線速度15m/sで回転させ、波
長488nmのアルゴンレーザ光を開口数0.60の対
物レンズで集光して記録・再生を行った。周波数17.
5MHz、パルス幅20nsの条件でトラックピッチ
0.85μmの記録を行ったところ、48dBのCNR
が得られ、ビットエラーレートは2×10-5と良好であ
った。また、記録波形の振幅変動は10%以下と小さか
った。
【0062】比較例1 溝幅0.4μm、溝深さ60nmの案内溝がトラックピ
ッチ0.85μmで形成されたポリカーボネートの1.
2mm厚基板上に、実施例1と同じ記録層を形成した光
磁気ディスクを得た。このディスクを線速度15m/s
で回転させ、波長488nmのアルゴンレーザ光を開口
数0.60の対物レンズで集光して周波数17.5MH
z、パルス幅20nsの条件で記録を行ったところ、4
0dBのCNRしか得られず、ビットエラーレートも6
×10-4と悪かった。また、記録波形の振幅変動は10
%以下と小さかった。なお、ポリカーボネート基板の複
屈折は、面内方向で15×10-6、厚さ方向で250×
10-6であった。
【0063】比較例2 実施例1と同じ光磁気ディスクを、線速度15m/sで
回転させ、波長488nmのアルゴンレーザ光を開口数
0.80の対物レンズで集光して周波数17.5MH
z、パルス幅20nsの条件でトラックピッチ0.85
μmの記録を行ったところ、47dBのCNRが得られ
たが、ビットエラーレートは9×10-4と悪かった。ま
た、記録波形の振幅変動は、フォーカスサーボが完全に
追従できなかったためか20%と大きかった。
【0064】比較例3 実施例1と同じ光磁気ディスクを、線速度15m/sで
回転させ、波長488nmのアルゴンレーザ光を開口数
0.45の対物レンズで集光して周波数17.5MH
z、パルス幅20nsの条件でトラックピッチ0.85
μmの記録を行ったところ、40dBのCNRしか得ら
れず、ビットエラーレートは3×10-3と非常に悪かっ
た。また、記録波形の振幅は実施例1に比べ半分以下
で、かつ、振幅変動は20%と大きかった。
【0065】比較例4 実施例1と同じ光磁気ディスクを、線速度15m/sで
回転させ、波長407nmのクリプトンレーザ光を開口
数0.70の対物レンズで集光して周波数17.5MH
z、パルス幅20nsの条件でトラックピッチ0.35
μmの記録を行ったところ、40dBのCNRしか得ら
れず、ビットエラーレートは5×10-3と非常に悪かっ
た。また、記録波形の振幅変動は、隣のトラックからの
信号もれ(クロストーク)のため20%と大きかった。
【0066】比較例5 複屈折が、面内方向で20×10-6、厚さ方向で500
×10-6である、1.2mm厚の鏡面ポリカーボネート
基板を用い、実施例1と同じ層構成の記録層を形成した
光磁気ディスクを得た。このディスクを線速度15m/
sで回転させ、波長488nmのアルゴンレーザ光を開
口数0.60の対物レンズで集光して周波数17.5M
Hz、パルス幅20nsの条件でトラックピッチ0.8
5μmの記録を行ったところ、40dBのCNRが得ら
れず、ビットエラーレートは6×10-4と悪かった。ま
た、記録波形の振幅変動は10%以下と小さかった。
【0067】以上の実施例および比較例で得られたデー
タをまとめて表1に示す。なお、総合評価は、CNR、
ビットエラーレート、記録波形の振幅変動、クロストー
ク、記録容量などに基づいて、以下のように判断した。 ○ 優 △ 可 × 不良
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】本発明によれば高密度記録が可能で、十
分なトラッキング信号が得られる光記録媒体が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラッキングサーボ用ピットの配列の一例の説
明図
【図2】トラッキングサーボ用ピットの配列の一例の説
明図
【図3】サンプルサーボ方式のピットの配列の一例の説
明図
【図4】4ビームを用いたサーボ方式の一例の説明図
【符号の説明】
1a ピット 1b ピット 1c ピット 2a ビーム 2b ビーム 2c ビーム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラックピッチが0.4μm以上0.9
    μm未満であり、ディスク基板上の情報を記録する記録
    部分が案内溝を有さない平坦部分であることを特徴とす
    る光記録媒体。
  2. 【請求項2】 該ディスク基板がトラッキング用のピッ
    トを有することを特徴とする請求項1に記載の光記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 トラックピッチが0.4μm以上0.9
    μm未満の光ディスクの記録層上に波長500nm以下
    のレーザ光を照射して情報の記録再生を行う方法であっ
    て、該レーザ光を開口数が0.55〜0.70の対物レ
    ンズを用いてディスク基板側から入射し、ディスク基板
    上の情報を記録する記録部分が案内溝を有さない平坦部
    分であることを特徴とする光記録方法。
  4. 【請求項4】 該ディスク基板がトラッキング用のピッ
    トを有することを特徴とする請求項3に記載の光記録方
    法。
  5. 【請求項5】 トラッキングがサンプルサーボ方式によ
    って行われることを特徴とする請求項4に記載の光記録
    方法。
JP5262221A 1992-10-20 1993-10-20 光記録媒体および光記録方法 Pending JPH06195754A (ja)

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JP4-281967 1992-10-20
JP28196792 1992-10-20
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010033712A (ja) * 2009-11-18 2010-02-12 Sony Corp 光ディスクおよび光ディスクの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010033712A (ja) * 2009-11-18 2010-02-12 Sony Corp 光ディスクおよび光ディスクの製造方法

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