JPH0619534Y2 - 加圧焼結炉 - Google Patents

加圧焼結炉

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JPH0619534Y2
JPH0619534Y2 JP11904487U JP11904487U JPH0619534Y2 JP H0619534 Y2 JPH0619534 Y2 JP H0619534Y2 JP 11904487 U JP11904487 U JP 11904487U JP 11904487 U JP11904487 U JP 11904487U JP H0619534 Y2 JPH0619534 Y2 JP H0619534Y2
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chamber
pressure
sintering
furnace
gas
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恵生 小船
伸明 田中
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、金属粉末等をパラフィン、ワックス等を介し
て圧縮成形し、これを焼結処理して成形品を得るための
焼結炉として、その脱ワックス処理、真空焼結処理、更
には加圧焼結処理を、単一の炉体内において連続処理可
能としたものの提供に関する。
(従来の技術) 超硬合金成形品等を得るに当って粉末焼結手段によるこ
とは公知であり、このさい粉末の予備的な圧縮成形に際
し、バインダとして用いるパラフィン、ワックス等は焼
結処理前に、略完全にこれを除去して置かねば、得られ
る成形品における目的の金属特性を損なうおそれがあ
る。従来はこのためバインダを比較的低温で気化させて
除去する炉と、高温で焼結を行なう炉との2つを準備し
て、ハインダ除去と焼結とを別工程で行なっていたので
あるが、勿論これは非効率であり、近来は同一の炉を用
いて、その脱ワックス処理と焼結処理とを連続的に行な
うようにしたものが開発されている。次にその概要を第
3図および第4図によって説示する。第3図に示したも
のは特開昭59-20404号公報に開示されたものであり、ま
た第4図に示したものは実開昭60-110436号公報に開示
されたものであり、その詳細は両公報記載に譲るが、両
者における基本構成並びに主要動作内容は何れも同一で
あり、便宜上、第4図に開示されたものについて総括す
れば、ガス導入口2と排気口3を有するチャンバー(真
空炉)1内に、ガス排出口8を有する開閉自在なタイト
ボックス(内室)4を、断熱層7およびヒータ6を介し
て配置して成るとともに、前記タイトボックス4の閉状
態で、チャンバー(真空炉)1内とタイトボックス(内
室)4とを連通するように設けられた通気系路14,16を
介し、タイトボックス(内室)4の内外に該ボックス内
を相対的に低圧とする差圧を発生させ、前記ガス排出口
8からタイトボックス(内室)4内の雰囲気ガスを直接
チャンバー(真空炉)1外に排出可能とした構成によ
り、被焼結材に対し、脱ワックスを行なうに当っては、
タイトボックス(内室)4内に被焼結材をセットして、
タイトボックス(内室)4を閉じ、ボックス内に脱ワッ
クスのため比較的低温のガスを導入して、ボックス内外
に差圧を生じさせ、気化されたワックスを雰囲気ガスと
ともに炉外に直接排出させるガス流制御によって、脱ワ
ックスを行なって後、前記タイトボックス(内室)4を
開放して、昇温しながらチャンバー(真空炉)1内を真
空に維持して、真空焼結工程を行なうのであり、また真
空焼結の完了した成形品の冷却工程に当っては、前記タ
イトボックス(内室)4の開放状態で、チャンバー(真
空炉)1内に設けた攪拌ファン18の回転により強制冷却
し、冷却後、成形品の取出しが行なわれるようにしたも
のである。
(考案が解決しようとする問題点) 上記したように、脱ワックスおよび焼結を単一の炉体で
行なうようにしたものは、2つの炉体を使用するものに
比し、効率的な点で優れている。
このさい真空焼結された成形品は、そのままで製品とな
る場合もあるが、最近では真空焼結時に焼き固められた
成形品組織内に残留する空孔をなくすため、別の炉を用
いて加圧焼結加工し、より圧密な製品を得ることが一般
的になりつつある。このため単一の焼結炉によって、従
来の脱ワックス処理、真空焼結に加えて加圧焼結まで
を、一連に処理可能として炉の出現が要望されている処
である。第3、4図において説示した脱ワックス処理お
よび真空焼結を連続的に処理可能として焼結炉の構造に
よれば、そのチャンバー(真空炉)1に設けられるガス
導入口2を利用して、加圧焼結に当って必要な圧媒であ
る高圧ガスを供給することにより、そのタイトボックス
(内室)4において加圧焼結が可能であるかのように見
られるが、第3,4図に示した焼結炉構造では、以下の
点において大きな問題点があって実施困難である。
即ち加圧焼結工程においては、その加圧源である圧媒ガ
スの対流による熱放散を防ぐ必要があるため、第3,4
図に示した焼結炉においては、そのタイトボックス(内
室)4を閉じて加圧焼結を行なうことになる。この場合
同ボックス(内室)4の気密性が良好であると、圧媒ガ
スの熱膨脹によってボックス(内室)4内は高圧化し、
タイトボックス(内室)4が破損するおそれが生じ、ま
た逆に同ボックス(内室)4の気密性が不良であると、
加熱によって軽くなった高温高圧ガスが、上部の隙間か
ら漏れることになり、これによってチャンバー(真空
炉)1の過熱トラブルが生じ、きわめて危険な状態とな
るのである。また加圧焼結終了後は冷却工程に移行する
が、高圧高温下ではガスの熱容量が大きいため、高温の
ままタイトボックス(内室)4を開状態にすると、高温
ガスが直接チャンバー(真空炉)1に触れるため、きわ
めて危険である。従ってタイトボックス(内室)4内が
冷却するまで、タイトボックス(内室)4を閉じた状態
で外部から冷却を行なうことを余儀なくされ、その冷却
工程がきわめて長時間を要する不利があり、第3、4図
に示した焼結炉構造では脱ワックス処理、真空焼結処
理、更に加圧焼結処理を一連に行なうことは困難であ
る。
(問題点を解決するための手段) 本考案は、従来技術における上記した問題点を解決する
ことによって、単一の焼結炉を用いて、その脱ワックス
処理、真空焼結処理、更に加圧焼結処理を連続的に行な
うことを可能としたものであり、具体的には、炉外から
の通気路を具備した圧力室を持つ圧力容器と、該圧力容
器内に被焼結材支承台、同支承台を囲む断熱層および加
熱ヒータによって囲まれ、かつ炉外からの通気路を具備
した被焼結材処理室から成るとともに、前記断熱層は前
記支承台に対して昇降可能に設けられ、かつ内外気密の
ケーシングと両ケーシング間に充填される通気性断熱材
とから成るとともに、断熱層下降時に前記支承台と閉合
して処理室を密閉する内側ケーシングの下部に前記圧力
室との通気孔を設け、外側ケーシングの上部に圧力室上
部と連通遮断可能な通気孔を設けるとともに、下部に圧
力室下部と常時連通の通気孔を設けることにある。
(作用) 本考案の前記した技術的手段によれば、第1図に例示す
るように、圧力容器1はその上下両端が上蓋2、下蓋3
によって開閉可能に密閉されるとともに、図例ではその
下蓋3側に炉外からの通気路9がバルブ9aとともに設け
られることによって、圧力室4の形成可能とされ、この
圧力容器1における前記下蓋3上に被焼結材をセットす
る支承台7を設けるとともに、同支承台7を囲んで配置
する断熱層5、その内側に位置する加熱ヒータ6によ
り、被焼結材の処理室8を形成するのである。前記被焼
結台7並びに下蓋3に亘って、炉外からの通気路10がバ
ルブ10aとともに設けられることによって、処理室8内
の雰囲気制御が外部から可能とされるとともに、断熱層
5を気密な内側ケーシング5aと外側ケーシング5bとの間
に通気性断熱材5cを充填した構造で、かつ上部が閉塞さ
れ、下部は開口された略倒コップ状の筒形とし、同断熱
層5の全体を被焼結材支承台7に対し、前記上蓋2に摺
動可能に貫挿した昇降部材15によって昇降可能に設ける
とともに、断熱層5が下降した時、被焼結材支承台7と
閉合するフランジ16を内側ケーシング5aに設けることに
よって、前記圧力室4と隔絶された処理室8が形成され
るようにし、フランジ16に圧力室4と連通する通気孔13
を設けるとともに、前記外側ケーシング5bの上下に、圧
力室4の上下と連通する通気孔11a,11bを設け、上部通
気孔11aを前記昇降部材15に設けたバルブ12によって、
圧力室4と連通遮断可能に設けることにより、以下のよ
うに被焼結材に対する脱ワックス処理、真空焼結処理お
よび加圧焼結処理を連続的に行なえるのである。即ち、
ワックスその他の比較的低温で気化可能なバインダを用
いて圧縮成形された被焼結材17を、図示のように支承台
7上にセットし、断熱層5を下降させて支承台7と閉合
した状態において、通気路9より圧力室4内にガスを供
給するか、または通気路10によって処理室8内を吸引す
るか、あるいは両者の併用手段を用いて、処理室8の内
外に差圧を発生させるのである。このさいバルブ12は勿
論閉鎖位置にある。これによって相対的に高圧とされた
圧力室4から通気孔13をへて、相対的に低圧とされた処
理室8内にガスが一方的に流入し、加熱ヒータ6により
バインダ気化のために必要な温度とされたガスにより、
被焼結材17のバインダは気化し、同気化分の含有された
ガス雰囲気は、通気路10により圧力室を経由することな
く、直接的に炉外へ排出され、脱ワックス処理が完了す
る。
脱ワックス処理終了後は、炉内温度を焼結温度に昇温さ
せて真空焼結処理を行なうのであるが、この処理に当っ
ては、昇降部材15により断熱層5を上昇させて、圧力室
4と処理室8とを直通させた状態で、通気路9により真
空ポンプを用いて両室4,8全体を真空状態とし、焼結温
度に昇温させることにより、真空焼結処理が行なわれる
のであり、このさいより高い真空度を得たい場合には、
通気路10からも真空吸引を行なうことができる。
真空焼結工程が終了すれば、最後の加圧焼結処理に移る
のであり、この加圧焼結に当っては高圧ガスを用いるこ
とになるが、加圧状態ではガス対流を起生し易く、かか
るガス対流は熱損失を大きくするので、対流起生を少な
くするため、昇降部材15により断熱層5を下降させて、
再び第1図の閉鎖状態とし、通気路9によって圧力室4
内に高圧ガスを供給することにより、同ガスは通気孔13
より処理室8内に流入されることにより、被焼結材17に
対する加圧焼結が行なわれるのである。以上のように単
一の炉体を用いて、脱ワックス、真空焼結、加圧焼結処
理が、被焼結材17に対して連続施行可能であるととも
に、加圧焼結の終了した被焼結材17に、炉外に取出す事
前処理として必要な冷却を施すに当っても、第1図の状
態からバルブ12を上昇させて外側ケーシング5bにおける
上部通気孔11bを開とすることにより、同図矢印で示す
ように圧力室4内のガスは自然対流により、下部通気孔
13a→通気性断熱材5c→上部通気孔11b→断熱層5と容器
1の内面との間に存在する隙間通路→下部通気孔13aと
いう大きな流動を生じ、これによって処理室8内の高温
ガスの熱を効率良く排出させ、直接外部へ取出すことの
できない処理室8内の高温ガスを、外部へ取出すことの
できる温度にまで降下させる一次冷却が行なわれること
になる。次いでこの一次冷却が得られた段階で、先に述
べたように圧力室4と処理室8との間に差圧を付けて
後、通気路9からガスを圧力室4内に導入して通気孔13
から処理室8内に導入または断熱層5を上昇させた圧力
室4から処理室8内に直接導入し、外部取出し可能に一
次冷却された処理室8内のガスを、通気路10を介して炉
外へ追い出し排出させることにより、処理室8内および
被焼結材17に対する冷却が、二次冷却として施されるこ
とになり(このさい処理室8内のガスの追い出し排出に
当り、通気路10側から二次冷却用のガスを導入し、通気
路9側から排出させることも可能)、この冷却処理を終
了して後、容器1を開き、断熱層5を取出し、被焼結材
17の搬出が得られる。
(実施例) 本考案焼結炉の適切な実施例を、第1図および第2図に
ついて説示する。
第1図に示した実施例は、縦型焼結炉として構成したも
のを示しているが、勿論本考案は横型焼結炉としても構
成可能である。図示実施例では、その上下両端が開口さ
れた円筒状の圧力容器1と、その両開口に嵌脱可能に密
封止着される上蓋2および下蓋3とによって炉本体が形
成され、これら三者1,2,3により圧力室4が気密に形成
される。前記下蓋3の中心位置には被焼結材17の支承台
7が固設されるとともに、同支承台7および下蓋3に亘
って、バルブ10aを具備し、必要なガス供給源、また真
空ポンプに連絡される炉外からの通気路10が貫挿状に設
けられ、同通気路10が支承台7の上面に開口することに
より、後述する被焼結材処理室8内のガス流、また雰囲
気の制御可能とされる。前記支承台7の下部を除く全周
を包囲して被焼結材処理室8を、閉ざされた空間として
構成する断熱層5は、何れもその上部が閉鎖された筒形
の、かつ気密な内側ケーシング5aと外側ケーシング5bと
の間に通気性断熱材5cが充填された倒コップ形のものと
され、内側ケーシング5aの内面に内向き突出状に設けた
フランジ16が、支承台7の上部外周に形成した係止部7a
にテーパ斜面接合を介して係止されることにより、圧力
室4と隔絶した処理室8が形成されるようにしてある。
前記フランジ16に圧力室4の下部側と連通する通気孔13
が設けられるとともに、外側ケーシング5bの下端には圧
力室4の下部側に通気性断熱材5cとを連通する通気孔11
aが設けられ、更に同ケーシング5bの上部中央に通気性
断熱材5cと圧力室4の上部側とを連通する通気孔11bが
設けられる。また外側ケーシング5bの上面には昇降用同
行部18が突設されるとともに、圧力容器1側の上蓋2に
摺動可能に貫挿した昇降部材15に、前記同行部18と係合
する昇降用係合部19が設けられることにより、図示省略
してあるが昇降用シリンダ等の適宜の駆動手段により昇
降部材15、係合部19および同行部18を介して、断熱層5
の全体が被焼結材支承台7に対して昇降開閉可能とされ
るのである。前記昇降部材15の下端には外側ケーシング
5bにおける通気孔11bを連通遮断可能とするバルブ12が
設けられ、また下蓋3には、バルブ9aを具備し、必要な
ガス供給源、また真空ポンプに連絡される炉外からの通
気路9が設けられることにより、圧力室4内のガス流、
また雰囲気の制御可能とされるとともに、前記した断熱
層5における内側ケーシング5aの内側に位置して、同ケ
ーシング5aまたは支承台7を支持部材として加熱ヒータ
6を配置し、雰囲気加熱を行なうようにしたものであ
る。
この実施例によれば、上蓋2に開閉、これに伴なう断熱
層5の出入を介し、支承台7に対する被焼結材17の装入
セット、また加圧焼結済み製品の取出しが可能であると
ともに、先に作用の項において述べたように、第1図に
おいて示すとおり、支承台7上に被焼結材17をセットし
て、断熱層5を支承台7に閉合させ、通気孔11bをバル
ブ12により閉じた状態で、通気路9からの圧力室4内へ
のガス供給、または通気路10からの処理室8の吸引、あ
るいは両者の併用を介し、圧力室4側を高圧、処理室8
を低圧とする差圧の発生により、供給ガスの加熱ヒータ
6による加熱をへて、被焼結材17に含有するワックス等
のバインダの気化、同気化分の混有されたガスの通気路
10よりの炉外排出による脱ワックス処理、続いて断熱層
5の上昇による圧力室4と処理室8の直接連通、同状態
下においての通気路9または通気路9,10による炉内全体
の真空雰囲気生成、加熱ヒータ6による炉内温度の昇温
を介しての真空焼結処理(予備焼結処理)、引続き断熱
層5の下降による第1図状態の再現下における、通気路
9からの高圧ガス供給、同ガスの通気孔13からの処理室
8内への導入を介し、被焼結材17に対する最終の加圧焼
結処理が一連に行なえるのである。更に加圧焼結された
製品の取出しのための冷却処理に当っては、バルブ12の
開放により外側ケーシング5bの上部通気孔11bを開とし
て、圧力室4内のガスを自然対流により下部通気孔11a
→通気性断熱材5c→上部通気孔11b→断熱層5と容器1
との隙間通路→下部通気孔11aへと流動させることによ
り、処理室8内の熱を排出して処理室8内の高温ガスを
直接炉外へ取出し可能な程度に降下させる一次冷却、次
いでそのままの状態または断熱層5を上昇させた状態に
て圧力室4と処理室8との間に差圧をつけ、ガスを通気
路9から圧力室8内をへて通気路10から排出させ(ある
いは通気路10から通気路9へ)る二次冷却により、迅速
な冷却を行なわせることができ、製品取出しを短時間で
可能とすることができるのである。
第2図に示したものは、本考案における変形実施例であ
って、断熱層5における支承台7との閉合用フランジ16
を利用し、処理室8内において断熱層5における内側ケ
ーシング5aと加熱ヒータ6との間に位置し、同ケーシン
グ5aと平行状に導入内筒14を立設し、圧力室4との通気
孔13を導入内筒14とケーシング5aとの間に設けたもので
あり、その他は第1図に示したものと同一構造とされ
る。このように導入内筒14を設ければ、脱ワックス処理
に当り、圧力室4から通気孔13をへて処理室8内に供給
されるガスは、内側ケーシング5aと導入内筒14との間を
通って、処理室8の上方から導入され、通気路10側に排
出されることになるので、被焼結材17に対して円滑、確
実にガスを集中させ、また気化したバインダを同じく円
滑、確実に通気路10側に集束させ、効率のよい気化、排
出が得られるのであり、同様に冷却処理に当っても二次
冷却に用いるガスを放散することなく被焼結材17に対し
集中させ、被焼結材17の熱を効果的に取去ることが可能
となるのである。
(考案の効果) 本考案の焼結炉によれば、従来技術における脱ワック
ス、真空焼結処理を一連に行なう焼結炉においては、行
なうことのできなかった加圧焼結を一連に行なえるよう
にした点において著しく有利でありかつ優れている。す
なわち本考案においては断熱層5を、内、外側ケーシン
グ5a,5bと両者間に充填される通気性断熱材5cによる構
造とし、かつ断熱層5全体を被焼結材支承台7に対して
昇降可能とするとともに、内側ケーシング5aによって閉
塞される処理室8を隔絶状に形成し、内側ケーシング5a
に圧力室4下部との通気孔13、また外側ケーシング5bに
圧力室4の上下と、連通遮断可能な上部通気孔11bおよ
び常時連通の下部通気孔11aを設けることによって、脱
ワックス処理に当っては、断熱層5を下降させて処理室
8を内側ケーシング5aにより圧力室4とは通気孔13のみ
によって連通させ、通気路9,10によって圧力室4と処理
室8との間に差圧を発生させることにより、通気路9か
ら通気孔13、処理室8、通気路10に亘る一方的なガス流
動を起生することにより、気化ワックスの混有されたガ
スを圧力容器1側に触れることがなく炉外に排出させ、
バインダの付着、汚染のおそれなく、その除去が容易に
得られ、また真空焼結(予備焼結)処理に当っては、断
熱層5を上昇させて処理室8を圧力室4と連通させ、真
空雰囲気生成下の焼結が容易に得られるのである。特に
これに続く加圧焼結に当っては、圧媒ガスの対流による
熱放散を防ぐため、処理室8を隔絶させ(下降閉合状
態)にて行なうのであるが、先に第3、4図において例
示した従来技術の構造では、そのタイトボックス(内
室)4を閉じて加圧焼結を行なった場合、同ボックス
(内室)4の気密性が良好でないと、加熱ヒータにより
加熱されて軽くなった高温ガスが、隙間から漏れてチャ
ンバー1側の過熱を生じる危険があるに対し、本考案の
処理室8では、内側ケーシング5aの構造によって、高温
ガスの漏出を生じるおそれがなく、きわめて安全に加圧
焼結が得られる。またタイトボックス(内室)4の気密
性が良好な場合には、高温ガスの熱膨脹によって同ボッ
クス(内室)4の高圧化による破損の危険があるのに対
し、本考案の処理室8においては、通気孔13によって同
室8と圧力室4とは連通しているので、両者は均圧に保
たれ、内側ケーシング5aの破損等は全く生じないのであ
り、これによって従来技術では行なえなかった加圧焼結
が、安全かつ容易に施行できるのである。更に本考案の
断熱層5の構造によれば、冷却処理に当り、外側ケーシ
ング5bにおける通気孔11bを開とすることにより、高圧
ガスを下部通気孔11a→通気性断熱材5c→上部通気孔11b
→容器1と断熱層5との隙間通路→下部通気孔11aのよ
うに対流を、積極的に起生させることによって処理室8
内の高熱を効率的に排出でき、処理室8内の高温ガスを
炉外取出し可能な温度に迅速降温させることができ、こ
のままの状態または断熱層5を上昇させた状態でこの低
温度化されたガスを、圧力室4と処理室8との差圧付
与、通気路9よりのガス導入と通気路10からの一方向排
出によって容易に炉外に排除できる。この冷却は従来技
術におけるタイトボックス(内室)4を閉じたままで、
同ボックス内が冷却するまで外表からファン送風により
冷却するもののように、きわめて長時間を要するものに
比し、所要冷却時間を著しく短縮できる点において、は
るかに有利である。以上のように本考案の焼結炉は、脱
ワックス処理、真空焼結(予備焼結)処理および加圧焼
結処理を連続処理可能とし、かつその必要構造を従来よ
りも簡単化したものとして、大きな特長をもつものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案焼結炉実施例の縦断正面図、第2図は同
変形実施例の同正面図、第3図および第4図は従来焼結
炉例の各縦断正面図である。 1……圧力容器、2……上蓋、3……下蓋、4……圧力
室、5……断熱層、5a……内側ケーシング、5b……外側
ケーシング、5c……通気性断熱材、6……加熱ヒータ、
7……被焼結材支承台、8……処理室、9,10……通気
路、9a,10a……バルブ、11a……下部通気孔、11b……上
部通気孔、12……バルブ、13……通気孔、14……導入内
筒。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉外から通気路を具備した圧力室を持つ圧
    力容器と、該圧力容器内に被焼結材支承台、同支承台を
    囲む断熱層および加熱ヒータによって囲まれ、かつ炉外
    からの通気路を具備した被焼結材処理室から成るととも
    に、前記断熱層は前記支承台に対して昇降可能に設けら
    れ、かつ内外気密のケーシングと両ケーシング間に充填
    される通気性断熱材とから成るとともに、断熱層下降時
    に前記支承台と閉合して処理室を密閉する内側ケーシン
    グの下部に前記圧力室との通気孔を設け、外側ケーシン
    グの上部に圧力室上部と連通遮断可能な通気孔を設ける
    とともに、下部に圧力室下部と常時連通の通気孔を設け
    ることを特徴とする加圧焼結炉。
  2. 【請求項2】被焼結材処理室において、断熱層と加熱ヒ
    ータとの間に導入内筒が設けられ、該内筒と断熱層との
    間に内側ケーシング下部の通気孔を配設する実用新案登
    録請求の範囲第1項記載の加圧焼結炉。
JP11904487U 1987-08-03 1987-08-03 加圧焼結炉 Expired - Lifetime JPH0619534Y2 (ja)

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JP11904487U JPH0619534Y2 (ja) 1987-08-03 1987-08-03 加圧焼結炉

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