JPH06194685A - アクティブマトリクス型液晶素子 - Google Patents

アクティブマトリクス型液晶素子

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JPH06194685A
JPH06194685A JP22902692A JP22902692A JPH06194685A JP H06194685 A JPH06194685 A JP H06194685A JP 22902692 A JP22902692 A JP 22902692A JP 22902692 A JP22902692 A JP 22902692A JP H06194685 A JPH06194685 A JP H06194685A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 画素境界部の光もれを防ぐと同時に画素電極
周縁部に発生する液晶の配向異常を抑制及び隠ぺいする
ことを、画素開口部を狭めることなく、あるいは基板張
り合わせ工程に高い位置合わせ精度を要求することなく
実現する。 【構成】 画素電極106の周囲に不透明電極107を
近接して配し、これと対向電極109との間に液晶駆動
電圧を加える。この不透明電極107に加える電圧は、
対向電極109との間に発生する実効電圧が液晶112
の飽和電圧を越え、且つ画素電極106との間に発生す
る電圧が対向電極109との間に発生する実効電圧の
1.6倍以下であれば、矩形波交流電圧に限らずいかな
る電圧でも良く、この不透明電極107には新たに設け
る電極のほか既存の配線電極も利用することができる。
これにより液晶配向異常が画素内部に侵入しなくなるた
め、開口部を大きくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶を用いた表示素子
及び光変調素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶素子は表示素子もしくは光変調素子
として精力的な研究開発が行われており、現在これを用
いた直視型表示装置が広く用いられているほか、投射型
表示装置などに適用されている。
【0003】上記液晶素子は一般に相対する2枚の電極
板とこれに狭持された液晶材を基本構成要素として持つ
が、複数の画素を持つ液晶素子の場合双方の電極の大き
さが異なることが多い。特にTFT(薄膜トランジス
タ)などの能動素子をもつ液晶素子では一方の基板(主
基板)に能動素子とこれに接続された画素電極が設けら
れ、他方の基板(対向基板)に一面共通の対向電極が設
けられる。
【0004】図6(a)は一般的なアクティブマトリク
ス型液晶表示装置を成す主基板の画素部を拡大視したも
のであり、図6(b)は主基板と対向基板を組み合わせ
てTN(ツイスト・ネマチック)液晶を詰めることによ
り液晶表示装置としたものを、図6(a)における破線
部の断面について示したものである。主基板601、対
向基板608にそれぞれ透明な画素電極606及び対向
電極609が形成され、その上に配向膜611が形成さ
れており、これらの間にTN液晶材612が狭持されて
いる。この種の素子は通常、液晶に駆動電圧を与えない
ときに光が透過し、電圧を与えたときに遮光する、いわ
ゆるノーマリホワイトモードで利用される。こうした素
子は画素電極の隙間では液晶を制御できないため、その
ままでは画面全体の明暗比を上げることができない。ま
た画素電極606の周縁部では電場の方向が電極に対し
て垂直でなくなるため液晶層に配向異常(ディスクリネ
ーション等)が発生し、画像の焼き付き、残像といった
表示不良の原因となる。
【0005】このため通常は何らかの遮光部が画素境界
部に設けられる。一般には図6(b)のごとく対向基板
上に画素間遮光層610を設け、透過光を制御できない
境界部及びその近傍を画素開口部から隠ぺいすることが
行われる。また特に配向異常の現れ易い部位については
画素間遮光層610の面積を広げる(特開平1−266
512号公報)、あるいは画素電極606を拡大する
(特開平2−13927号公報)といった手段により、
問題となる箇所を重点的に隠ぺいすることも行われてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】液晶配向異常は電圧印
加持に画素電極周縁部に発生し、ノーマリホワイトモー
ドの液晶素子は電圧印加持に遮光することからこうした
素子では開口面積を画素電極の大きさにまで広げること
はできない。対向基板上に画素間遮光部を設けた場合、
基板張り合わせ時のずれに相当する張り出し部分が必要
となる。また画素電極に対して視野角も考慮せねばなら
ず、画素電極の面積に対し開口面積を大幅に狭めなけれ
ばならない。基板張り合わせ工程に高い位置合わせ精度
が要求されればそれだけ製作が困難となる。投射型表示
装置に用いる素子などでは視野角を考慮する必要が殆ど
ないためそれを見込んで開口率を下げる必要はなくなる
が、基板全体が小型化するため電極間隔が狭くなり電極
間の相互作用が起こり易くなる結果、液晶配向異常が画
素部分に発生しやすくなる。画素間遮光層を主基板上に
設けた場合、画素電極との位置合わせはフォトリングラ
フィの精度で決定できるため容易に高精度が得られるも
のの、画素間遮光層と飽和電圧の印加された画素(オン
画素)との間に横方向電界がかかると画素電極内部に液
晶配向異常が発生する。以上の理由によりこの種の素子
では光利用効率が上げられず、消費電力を増加させる原
因となる。こうしたことから表示品位を落とさずに開口
率を確保できる手段が要求され、更に基板張り合わせ精
度を従来より極端に挙げずとも実現されることが望まし
い。
【0007】本発明は上述の問題点を解決し、画素境界
部の光もれを防ぐと同時に画素電極周縁部に発生する液
晶の配向異常を隠ぺいすることを、画素開口部を必要以
上に狭めることなく、あるいは基板張り合わせ工程に高
い位置合わせ精度を要求することなく実現し、液晶素子
の性能を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】マトリクス状に配置され
た複数の画素電極並びにこれと接続するアクティブ素子
及び配線を有する主基板と対向電極を有する対向基板と
の間隙に液晶材料が狭持されており電圧印加時に遮光状
態となる液晶素子において、不透明な電極を画素間遮光
層もしくはその一部として画素電極の周囲に近接して配
置し、この電極に対向電極との間に少なくとも飽和液晶
駆動電圧以上の実効電圧を生じ、かつ画素電極との間に
発生する実効電圧が対向電極との間に発生する実効電圧
の1.6倍以下となるような電位を与えることを特徴と
する。
【0009】図1(a)は本発明を用いたアクティブマ
トリクス型液晶表示装置における主基板の画素部を拡大
視したものであり、図1(b)は主基板と対向基板を組
み合わせて液晶材を詰めた液晶表示装置を、図1(a)
における破線部の断面について示したものである。図1
(b)に示すように不透明な遮光電極107は主基板1
01上に設けられるため、画素電極106との位置合わ
せが、容易に高精度の得られるフォトリソグラフィで決
定できる。また対向基板108に遮光層がないため基板
張り合わせ時に高精度を要求されず、製作が容易にな
る。
【0010】また画素電極106と対向電極109の間
に液晶駆動電圧が加えられ、かつ画素電極周囲近傍の液
晶112に基板と垂直方向の駆動電圧が与えられない場
合には横方向電界の影響で液晶配向異常が画素内に発生
するが、画素電極106に近接して配した遮光電極10
7と対向電極109との間に少なくとも飽和液晶駆動電
圧以上の電圧を与えることにより配向異常を抑止するこ
とができる。このとき遮光電極107と画素電極106
との間に発生する実効電圧が遮光電極107と対向電極
109との間に発生する実効電圧の1.6倍を越えるあ
たりから再び画素内に配向異常が発生するためこれを越
えないような波形の電圧を与える必要がある。この電圧
波形は矩形波交流電圧に限らず上記の条件を満たすもの
であればいかなる電圧波形でも適用可能である。
【0011】以上の作用により画素明暗比を低下するこ
となく、また目合わせ精度を従来より改善せずとも開口
率を向上することができる。
【0012】
【実施例】
(実施例1)図2(a)は本発明を用いたTFT(Th
in Film Transistor:薄膜トランジ
スタ)を用いた液晶表示装置の一実施例における主基板
の画素部を拡大視したものであり、図2(b)は主基板
と対向基板を組み合わせて液晶材を詰めた液晶表示装置
を、図2(a)における破線部の断面について示したも
のである。主基板となるガラス基板201にはクロムか
らなる走査配線202、信号配線203、非晶質シリコ
ンを用いた能動素子205、透明なITO(Indiu
m Tin Oxide:酸化インジウム錫)からなる
画素電極206、さらにクロムからなる独立した不透明
電極207を画素電極周囲の下部に絶縁層204を介し
てそれぞれ形成し、対向基板となるガラス基板208に
はITOからなる対向電極209とクロムからなる画素
間遮光層210を形成した.画素間遮光層210は基板
間の目合わせが最大限ずれても開口部にかからないよう
な形状であり、不透明電極207により画素開口部の大
きさを決めるよう設計されている。また不透明電極20
7は配線202,203とは独立しており画素電極20
6と絶縁層204を挟んで約3μmの重なりを持つ。双
方の基板表面にポリイミド配向膜211を塗布、焼成
し、それらを基板張り合わせ時に各基板表面における配
向方向が互いにほぼ90°をなすような方向にラビング
により配向処理した後、約5μmの間隙を持つよう基板
を張り合わせ、TN液晶材212を注入、封止して液晶
表示素子を得た。
【0013】かかる素子において図7のごとく走査配線
202に周波数120Hz、非選択時−5V、選択時2
5V、選択期間400分の1の走査電圧701、対向電
極209に7Vのコモン電圧703を各々与え、信号配
線203に周波数24kHz、中心電圧7V、振幅2〜
5Vの信号電圧を印加するいわゆる走査線反転駆動を行
った。このとき画素電極に与えられる電圧は、一画面を
走査するあいだ走査信号の選択期間中の信号電圧が保た
れるため、周波数60Hz、中心電圧7V、振幅2〜5
Vの矩形波交流電圧704となる。なおここで液晶材2
12のしきい値駆動電圧は2V、飽和駆動電圧は5Vで
ある。不透明電極207には信号電圧の最大電圧と同じ
周波数24kHz、中心電圧7V、振幅5Vの矩形波交
流電圧707を与えた。不透明電極207対向電極20
9の間にかかる実効電圧は飽和液晶駆動電圧5Vである
のに対し、不透明電極207と近接する画素電極206
の間には約5.4〜7.1Vの実効電圧がかかり,後者
は前者の約1.4倍を越えることはない.このような駆
動電圧を与えてノーマリホワイトモードにて表示を行っ
たところ、電圧印加時の画素内には液晶配向異常は全く
観察されず、60μmピッチの画素で開口率40%以
上、明暗比100:1以上の鮮明な画像を容易に実現す
ることができ、本発明の効果が確かめられた。
【0014】さらに不透明電極207に走査配線電圧の
非選択期間に相当する−5Vの直流電位を与えてみた。
このとき不透明電極207と対向電極209の間には飽
和液晶駆動電圧を大きく越える12Vの直流電圧が印加
される。また不透明電極207と近傍する画素電極20
6の間には13Vの実効電圧がかかる。この場合にもや
はり前述の例と同様の効果が確認された。
【0015】比較のため従来構造の液晶表示素子を作成
して確認したところ開口率35%では明暗比が10:1
以下となり100:1の明暗比を得るためには開口率を
15%以下まで落とさねばならなかった。
【0016】なお図2(a)では不透明電極207は画
素電極206周囲全体をとりまくよう配置されている
が、必ずしもその必要はなく図3のごとく画像電極30
6においてラビングの始まる側の周辺近傍に設けること
により所定の効果を上げることが期待される。
【0017】(実施例2)図4(a)は本発明を適用し
たTFT液晶表示装置の他の実施例における主基板の画
素部を拡大視したものであり、図4(b)は主基板と対
向基板を組み合わせて液晶材を詰めた液晶表示装置を、
図4(a)における破線部の断面について示したもので
ある。主基板401にはクロムからなる走査配線40
2、信号配線403、非晶質シリコンからなる能動体素
子405、ITOからなる画素電極406、さらに絶縁
層404を介してクロムからなる不透明電極407をそ
れぞれ形成し、対向基板となるガラス基板408にはI
TOからなる対向電極409を形成した。ここで不透明
電極407は走査配線402に沿って連続した複数の電
極からなり、画素電極406の周縁部に約1μmの幅で
重なりを持っている。双方の基板表面にポリイミド配向
膜411を塗布、焼成し、それらを基板張り合わせ時に
各基板表面における配向方向が互いにほぼ90°をなす
ような方向にラビングにより配向処理した後、約5μm
の間隙をを持つよう基板を張り合わせ、しきい値電圧2
V、飽和電圧5VのTN液晶材412を注入,封止して
液晶表示素子を得た。
【0018】かかる素子において実施例1と同条件で表
示を行ったところ、80μmピッチの画素で開口率45
%以上、明暗比80:1以上の鮮明な画像を容易に実現
することができた。画素部を顕微鏡にて拡大観察したと
ころ不透明電極と画素電極の境界部に液晶の配向異常に
起因する光漏れが若干察されたもののその程度はごく軽
微であり、本発明の効果が確かめられた。
【0019】さらに不透明電圧207に−5Vの直流電
位を与えてみた。この場合にもやはり実施例1と同様の
効果が確認された。
【0020】(実施例3)図5(a)は本発明を適用し
たTFT液晶表示装置のもう一つの実施例における主基
板の画素部を拡大視したものであり、図5(b)は主基
板と対向基板を組み合わせて液晶材を詰めた液晶表示装
置を、図5(a)における破線部の断面について示した
ものである。主基板にはクロムからなる走査配線50
2、信号配線503、非晶質シリコンからなる能動素子
505、ITOからなる画素電極506をそれぞれ形成
し、対向基板508にはITOからなる対向電極509
とクロムかなる画素間遮光層510を形成した。双方の
基板表面にポリイミド配向膜511を塗布、焼成し、そ
れらを基板張り合わせ時に各基板表面における配向方向
が互いにほぼ90°をなすような方向にラビングにて配
向処理した後、約5μmの間隙を持つよう基板を張り合
わせ、しきい値電圧2V、飽和電圧5VのTN液晶材5
12を注入、封止して液晶表示素子を得た。
【0021】この画素は走査配線502の一部が蓄積容
量電極を兼ねるいわゆるゲートストレージ型の構造を持
つが、特に画素電極506においてラビングの始まる側
に走査配線502と重なる部位がくるように各電極を配
置しており、その部分が前述の実施例における画素電極
に近傍する不透明電極に相当するような構造を持つ。
【0022】かかる素子において走査配線502に周波
数120Hz、非選択時−5V、選択時25V、選択期
間400分の1の走査電圧701、対向電極509に7
Vのコモン電圧703を各々与え、信号配線503に周
波数24kHz、中心電圧7V、振幅2〜5Vの信号電
圧702を与える走査線反転駆動を行い、ノーマリホワ
イトモードにて表示を行った。この場合走査配線502
と対向電極509の間には約12Vの電圧がかかり、走
査配線502と画素電極506の間には約13Vの電圧
がかかる。このような画素を駆動したところ、60μm
ピッチの画素で開口率40%以上、明暗比90:1以上
の鮮明な画像を容易に実現することができた。
【0023】以上の実施例では走査配線、信号配線、画
素間遮光部の各電極材料としてクロムを用いたが適する
材料はこれに限らず、アルミ、モリブデン等の遮光性導
電対であれば何を用いてもかまわず、また画素電極及び
対向電極の材料は光透過成導電材料であればITOに限
るものではなく、能動素子の材料は非晶質シリコンに限
らず多結晶シリコンなど他の材料を用いてもかまわない
のはそれぞれいうまでもない。
【0024】なおこれまでの説明は表示素子に関するも
のであるが、本発明による効果はこれに限るものではな
く、例えばプリンタヘッドやイメージセンサ、あるいは
光演算素子など液晶の光変調効果を利用した素子に適用
する場合に有効である。
【0025】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明を適用すれ
ば、能動素子を持つ液晶素子において画素電極周縁部に
発生する液晶の配向異常を抑制し、画素境界部の光もれ
を防ぐことが、画素開口部を狭めることなく高い位置合
わせで可能となる。このことにより素子の光利用効率を
下げることなく高品位の表示が実現でき、特に液晶表示
素子を小型化高密度化する際に大きな利点となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略を示す図である。
【図2】本発明の一実施例を示す概略図である。
【図3】図2の例に対して補足的な例を示す概略図であ
る。
【図4】本発明の他の実施例を示す概略図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す概略図である。
【図6】従来の液晶表示素子の例を示す概略図である。
【図7】本発明の実施例における各電極に与える電圧波
形の概略図である。
【符号の説明】
101,201,401,501,601 主ガラス基
板 102,202,402,502,602 走査配線 103,203,403,503,603 信号配線 204,404 絶縁層 105,205,405,505,605 能動素子 106,206,306,406,506,606 画
素電極 107,207,307,407 不透明電極 108,208,408,508,608 対向ガラス
基板 109,209,409,509,609 対向電極 110,210,510,610 画素間遮光
層 211,511,611 配向膜 112,212,512,612 液晶層 313,513 主基板のラ
ビング方向 701 走査電圧 702 信号電圧 703 コモン電圧 704 画素電極電
圧 705 画素電極電
圧の最大値 706 画素電極電
圧の最小値 707 不透明電極
に与える電圧

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリクス状に配置された複数の画素電
    極並びにこれと接続するアクティブ素子及び配線を有す
    る主基板と対向電極を有する対向基板との間隙に液晶材
    料が狭持されており電圧印加時に遮光状態となる液晶素
    子において、不透明な電極を画素間遮光層もしくはその
    一部として画素電極の周囲に近接して配置し、この電極
    に対向電極との間に少なくとも飽和液晶駆動電圧以上の
    実効電圧を生じ、かつ画素電極との間に発生する実効電
    圧が対向電極との間に発生する実効電圧の1.6倍以下
    となるような電位を与えることを特徴とする液晶素子。
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