JPH0619317U - 表面実装型の圧電共振子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 耐振動、耐衝撃特性の優れた保持構造を有す
る表面実装型の圧電共振子を提供する。 ［構成］ ベース２１の外側に形成した実装電極２３と
内側に形成した保持電極２４とを導通させて保持電極に
固着した金属薄板を成形した保持部材２５によって圧電
片を保持するものにおいて、保持部材は上記保持電極に
固着する基部２５ａと、この基部の両側から延出されて
略Ｕ字状に形成され湾曲部を対向させた一対の橋絡部２
５ｂと、この橋絡部の先端に設けられ上記橋絡部で折り
返して上記基部の板面に平行に保持される保持部２５ｃ
と、この保持部の外側縁を切り起こして設けられ保持部
で保持する圧電片の位置を規制する衝立部２５ｄとを具
備する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、表面実装型の圧電共振子に係わり、特に圧電片の保持構造の改良に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

近時、種々の電子機器では周波数、時間等の基準として圧電共振子が多用され ている。とりわけ圧電体として水晶を用いた水晶振動子は化学的、物理的な特性 に優れ、しかも製造技術の進歩と相俟てコストも安価で高性能なために大量に使 用されている。 従来このような水晶振動子としては、たとえば図４に示すような構造のものが 知られている。すなわちコバール等の金属薄板をプレス成形して小判型のベース １を得る。そしてベース１に２本の端子２を貫装して溶融ガラス等の絶縁材を充 填して互いに絶縁して保持する。 そして端子２の先端にピアノ線等のバネ性を有する保持部材３の基端部を巻回 して固着し、先端部にクリップ４を成形している。そして水晶片５を上記保持部 材３の対向面間に挿入して、その周縁部を上記クリップ４で挟持し導電性接着剤 を塗布して固着する。 なお上記ベース１には断面が小判形の有底筒状のカバー６をかぶせて、抵抗溶 接等によりカバー６の開口縁部をベース１に溶着して気密に封止するようにして いる。 上記水晶片５は、水晶の結晶をその結晶軸に対して所定角度に切断して板状に 成形する。そして表裏板面に蒸着等により電極を形成するとともに、この電極を それぞれ両端部へ導出し、導出端を上記クリップ４で挟持して上記端子２に電気 的に接続するようにしている。

【０００３】 しかしながら近時、電子機器では形状を小型化、軽量化し組立工程を自動化す ることが望まれている。このため抵抗、コンデンサ、集積回路等の電子部品では リード端子のない、表面実装型のものが多用される傾向にある。 このような表面実装型の電子部品を用いた電子機器の組立では、たとえば半田 付けすべき部位にクリーム半田等を塗布し、チップマウンタ等の自動機を用いて 全ての部品をプリント基板の所定位置に配置する。そして、このプリント基板を トンネル炉等を通過させて半田を加熱、溶融させることによって部品の実装作業 を合理化することが行われている。 このような表面実装型の電子部品を用いた電子機器の組立では、従来のように プリント基板に部品のリード端子を挿入するための透孔を穿設して部品を実装し た後に半田付けを行うものに比して容易に自動化を行え、形状を小型化するとと もに軽量化することができる。 このため、このような電子機器に用いる圧電振動子もリード端子のない表面実 装型のものが望まれている。 しかしながら圧電振動子の場合は中空の容器に気密に収納する必要があり、し かも圧電体は脆性を有するために振動、衝撃等によって破損し易くあまり強固な 保持構造を用いることは問題がある。 図５はこのような表面実装型の圧電振動子の一例を示す側断面図でセラミック 等の絶縁材を有底箱型に成形したベース１１の外側底面に実装電極１２を形成し 、ベース１１の内部に上記実装電極１２に導通して枕状の保持電極１３を形成し ている。そして保持電極１３に圧電片１４を載置して、たとえば導電性接着剤を 塗布して保持するとともに電気的な導通を図るようにしている。 そしてベース１１の上端縁に固着したシールリング１５に金属板状の蓋体１６ を半田付け、溶接等を行って封止するようにしている。 しかしながらこのようなものでは、外部からの振動、衝撃等が直接、圧電片に 作用するために耐振動、耐衝撃特性が低い問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、耐振動、耐衝撃特性の優れた保 持構造を有する表面実装型の圧電共振子を提供することを目的とするものである 。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ベースの外側に形成した実装電極と内側に形成した保持電極とを導 通させて保持電極に固着した金属薄板を成形した保持部材によって圧電片を保持 するものにおいて、保持部材は上記保持電極に固着する基部と、この基部の両側 から延出されて略Ｕ字状に形成され湾曲部を対向させた一対の橋絡部と、この橋 絡部の先端に設けられ上記橋絡部で折り返して上記基部の板面に平行に保持され る保持部と、この保持部の外側縁を切り起こして設けられ保持部で保持する圧電 片の位置を規制する衝立部とを具備することを特徴とするものである。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１に示す組立斜視図、図２に示す側断面図、図３ に示す保持部材の平面図を参照して詳細に説明する。 図中２１は、セラミックからなる、たとえば５．０ｍｍ×７．５ｍｍで高さが １．２ｍｍの有底箱型のベースである。そして、ベース２１の開口縁部には矩形 のシールリング２２を固着し、底面の外側には実装電極２３を形成している。 そして実装電極２３に導通してベース２１の底面の内側に保持電極２４を形成 している。この実装電極２３および保持電極２４はメタライズ等によって形成し てもよいし、あるいは薄い金属板を所定の形状に成形して埋め込むようにしても よい。 そして２５は一対の保持部材で、厚みが０．０５ｍｍ程度の洋白等の金属薄板 を図３に示すような形状に成形して相対向して配置している。すなわち上記保持 電極２４に固着する基部２５ａと、この基部２５ａの両側から延出され略Ｕ字状 に形成されて湾曲部を対向させた一対の橋絡部２５ｂとを設けている。 そして橋絡部２５ｂの先端に保持部２５ｃを設けている。この保持部２５ｃは 上記橋絡部２５ｂで折り返して上記基部２５ａの板面に平行に位置するように成 形する。 そして、保持部２５ｃの外側端を切り起こして衝立部２５ｄを設け、保持部２ ５ｃに圧電片２６を載置した際に保持位置を規制するようにしている。 そしてベース１１に形成した保持電極２４に保持部材２５を相対向して固着し 、その保持部２５ｃに圧電片２６を載置して導電性接着剤等で固定するとともに 電気的な導通を図るようにしている。 そしてベース２１に固着したシールリング２２に金属製の蓋体２７を載置して シーム溶接等で気密に封止するようにしている。

【０００７】 このような構成であれば、金属薄板からなる保持部材２５はＵ字状の橋絡部２ ５ｂで二つ折りに折り返して、その一方の基部２５ａを保持電極２４に固着し、 他方の保持部２５ｃに圧電片２６を載置するようにしているので、橋絡部２５ｂ は幅狭で、かつ長さが長く部材の弾性を充分に利用することができる。 そして、この保持部材２５によって圧電片２６を保持するようにしているので 外部からの振動、衝撃等によって圧電片２６が破損したり特性が変化するような こともなく良好な共振特性を維持することができる。

【０００８】

【考案の効果】

以上詳述したように本考案によれば、耐振動性、耐衝撃性が良好で大量生産に 適し形状も小型な表面実装型の圧電共振子を提供することができる。

【０００９】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す組立斜視図である。

【図２】図１に示す実施例の側断面図である。

【図３】図１に示す実施例の保持部材の平面図である。

【図４】従来の水晶振動子の一例を示す組立斜視図であ
る。

【図５】従来の表面実装型の水晶振動子の一例を示す組
立斜視図である。

【符号の説明】

２１ ベース ２２ シールリング ２３ 実装電極 ２４ 保持電極 ２５ 保持部材 ２５ａ 基部 ２５ｂ 橋絡部 ２５ｃ 保持部 ２５ｄ 衝立部 ２６ 圧電片 ２７ 蓋体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ベースの外側に形成した実装電極と内側に
   形成した保持電極とを導通させて保持電極に固着した金
   属薄板を成形した保持部材によって圧電片を保持するも
   のにおいて、 上記保持部材は上記保持電極に固着する基部と、 この基部の両側から延出され略Ｕ字状に形成され湾曲部
   を対向させた一対の橋絡部と、 この橋絡部の先端に設けられ上記橋絡部で折り返して上
   記基部の板面に平行に保持される保持部と、 この保持部の外側縁を切り起こして設けられ保持部で保
   持する圧電片の位置を規制する衝立部と、 を具備することを特徴とする表面実装型の圧電共振子。