JPH0619196Y2 - マイクロ波加熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は液体や粘稠性流体等の流動物をマイクロ波で連
続的に加熱処理するマイクロ波加熱装置に関するもので
ある。

〔従来技術〕

従来各種の飲料、ソース、スープ等の液体食品や味噌、
練り製品等の粘稠性食品等の流動物を加熱処理又は加熱
殺菌処理するのに蒸気や過熱水による処理装置が主とし
て用いられているが、近年マイクロ波による処理装置も
用いられてきている。

〔考案が解決しようとする課題〕

蒸気や過熱水等による処理装置にあっては、ボイラー等
の蒸気発生装置や過熱水製造装置等が付設されるため、
設備も過大となり、又間接加熱であるため加熱時間も長
くかかり、更にエネルギー消費量も多い欠点を有する。
従来のマイクロ波による処理装置にあっては、マイクロ
波照射室（以下照射室という）内に貫通して設けた流動
物流通導管（以下導管という）が流動物一過性の直管で
あるため、マイクロ波との接触時間が短く、同一のマイ
クロ波利用効率を得るためには、長手方向に長い照射室
としなければならず、設備費も嵩み、且つ設備設置面積
も過大となる欠点があった。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであり、マイ
クロ波の加熱効率を高め、設備設置面積を小さくできる
装置を提供するものであり、その要旨とするところは、
マイクロ波照射室１内に、直管のマイクロ波透過性の流
動物流通導管２を、両端部がマイクロ波照射室１の側壁
を貫通して複数本並設し、マイクロ波照射室１外に突出
した夫々の端部を離接可能なＵ字管７で直列的に接続
し、流動物がマイクロ波照射室１内を複数回流通するよ
うにしたことを特徴とするマイクロ波加熱装置である。
また流動物流通導管２内にスタティックミキサー６を内
設するのが好ましい。

〔作用〕

マイクロ波発振器３から発振された一定周波数のマイク
ロ波は、導波管４で照射室１内へ導入され、スターラフ
ァン５や照射室１内壁で反射することにより均一化され
る。照射されたマイクロ波は導管２を透過し、導管２内
を流通する流動物に吸収され熱エネルギーに変換して流
動物が加熱される。流動物はＵ字管７により直列的に接
続された導管２により照射室１内を複数回流通するため
一過流よりもマイクロ波照射時間が極めて長くなり、効
率よくマイクロ波エネルギーが吸収されると共に、混合
しにくい粘稠性流体にあっては照射室内でマイクロ波照
射方向に対し反転することになり、更に加熱が均一に行
なわれる。又、マイクロ波は導管２内を流通する流動物
の表面に近い部位の方が吸収され易く、表面付近の方が
早く加熱されるため、加熱温度にムラが生じる可能性が
あるが、スタティックミキサー６を内設することにより
均一混合が計られ、均一加熱がなされる。

〔実施例〕

本考案を実施例を示した図面に基いて詳述する。第１図
は一実施例のマイクロ波加熱装置の概略縦断面図であ
る。マイクロ波加熱装置は、流動物が照射室１内を複数
回流通すべく複数本の導管２をＵ字管７を介して直列に
接続して設けてあり、又、マイクロ波発振器３から発振
されたマイクロ波を照射室１内に導入する導波管４が接
続され、更に照射されたマイクロ波を羽根部で反射して
均一拡散させるスターラファン５を具備しており、必要
により導管２内にスタティックミキサー６を内設してい
る。照射室１はマイクロ波が漏洩しないよう完全に密閉
された金属製の函体となっている。導管２は照射室１内
においては、誘電損失の少ない材質、例えばテフロン等
で作られた管体とし、その孔径は、２〜150mmが好まし
い。孔径が２mm以下では流動物の流通抵抗が大きくなり
過ぎ、150mm以上では加熱流動物の半径方向での温度勾
配が大きくなり均一加熱が困難となる恐れがある。上記
導管２を直管とし、照射室１の側壁を貫通して複数並設
し、当該導管２が直列に接続されるよう照射室１外に突
出した夫々の端部をテフロン製又は金属製等のＵ字管７
で接続しクランプで締着している。又流動物の入口側及
び出口側配管との接続もＵ字管７と同様にクランプで締
着しており、更に上記複数の導管２は照射室１内の垂直
方向及び水平方向で夫々位相をずらせて並設するのが好
ましい。上記の如く離接可能なＵ字管７部を設けること
により、照射室１内を開閉せずにスタティックミキサー
６の内設や導管２の内壁清掃等を容易に行なうことがで
き、開閉部のシール不完全等によるマイクロ波の漏洩を
防止することが可能となった。導管２の照射室１内の全
体長さは流動物の性状、加熱温度及び処理量等により設
定され、内設されるスタティックミキサー６の全体長さ
も導管２と同様に任意に設定される。又スタティックミ
キサー６は金属製やセラミック製が強度やサニタリー性
等から好ましい。マイクロ波発振器３で発振されるマイ
クロ波の周波数は、わが国の法規制により通常2,450MHZ
帯が用いられる。上記構成のマイクロ波加熱装置におい
て、導管２内を流通する流動物は、導波管４から導入さ
れたスターラファン５で照射室１内に均一拡散したマイ
クロ波を複次にわたって繰り返えし吸収するため加熱が
効率的に行なわれる。更に粘稠性流体等の混合しにくい
流動物にあっても、スタティックミキサー６により効果
的に混合されるため全体の均一加熱が計られる。

〔効果〕

本考案のマイクロ波加熱装置は下記効果を奏する。

イ）加熱効率が高いため、飲料、ソース、スープ等の液
体食品や味噌、練り製品等の粘稠性食品或は医薬品、油
脂等の流動物の加熱処理又は加熱殺菌処理を効果的に行
なうことができる。

ロ）設備設置面積が小さく、操作性もよい。

ハ）照射室内を開閉することなく、スタティックミキサ
ーの内設や導管内の清掃が行なえるため、開閉に伴って
起す恐れが高いシール不完全によるマイクロ波の漏洩が
完全に防止され、又導管の清掃も極めて容易に行なうこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の概略縦断面図である。 １；マイクロ波照射室、２；導管、３；マイクロ波発振
器、４；導波管、５；スターラファン、６；スタティッ
クミキサー、７；Ｕ字管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】マイクロ波照射室１内に、直管のマイクロ
   波透過性の流動物流通導管２を、両端部がマイクロ波照
   射室１の側壁を貫通して複数本並設し、マイクロ波照射
   室１外に突出した夫々の端部を離接可能なＵ字管７で直
   列的に接続し、流動物がマイクロ波照射室１内を複数回
   流通するようにしたことを特徴とするマイクロ波加熱装
   置。