JPH061913U - 変速機の遠隔操作装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遠隔操作を行う変速機のチェンジレバーの操
作力を軽減する。 【構成】 チェンジレバーと連結するシフトロッド４
と、チェンジレバーの近傍に設けられて出力軸３０を変
速機と連結したパワーシリンダ３と、シフトロッド４の
動きをパワーシリンダ３の入力ロッド３１に伝達するス
ライドピン３２を摺動自由に挿通したクランクとしての
案内板４１を備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両の変速機の遠隔操作装置、特にリアエンジンバスなどの車体後 部に変速機を備えた車両の遠隔操作装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

運転席に設けたチェンジレバーと連結される変速機が車両後方の離れた位置に 配設されるリアエンジンバスなどでは、変速機を遠隔操作するチェンジレバーの 操作力を軽減するために、実開平３−１０５７５６号公報に開示されるように変 速機を駆動するパワーシリンダを設け、このパワーシリンダとシフトロッドとを 連結してチェンジレバーの操作力を低減するものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、車体が大型となってシフトロッドの全長が増加すると、シフト ロッドの作動抵抗も増大し、チェンジレバーの操作に多大な力が必要となるとい う問題が発生した。

【０００４】 そこで本考案は、チェンジレバーの操作力を軽減する変速機の遠隔操作装置を 提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、チェンジレバーと連結するシフトロッドと、チェンジレバーの近傍 に設けられて出力軸を変速機と連結したパワーシリンダと、前記シフトロッドの 動きをパワーシリンダの入力ロッドに伝達するクランクとを備える。

【０００６】

【作用】

チェンジレバーでシフトロッドを回動させる方向に動かすと、シフトロッドの クランクが回動して入力ロッドに直線方向の変位を与え、パワーシリンダは加え られた変位に応じて出力軸を所定のトルクで回動させて変速機を操作する。

【０００７】

【実施例】

この実施例は車体後部にエンジンを備えたバスの変速機に本考案を適用した場 合の実施例を示している。

【０００８】 図１〜３に示すように、シフトロッド４は図示しない運転席に設けられたチェ ンジレバー１と車体後部に設けられた変速機２を連結しており、チェンジレバー １が発生する軸方向の変位及び軸回りの角変位を変速機２へ伝達する。

【０００９】 運転席床下などのチェンジレバー１の近傍の所定の位置には、パワーシリンダ ３がシフトロッド４に近接した車体１０に固定され、このパワーシリンダ３は入 力ロッド３１の入力に応じて出力軸３０に結合したセレクトロッド５を所定のト ルクで回動し、変速機２は連結されたシフトロッド４とセレクトロッド５の変位 の組み合わせでギアを選択する。なお、パワーシリンダ３の動力は図示しない加 圧流体源によって供給される。

【００１０】 シフトロッド４のパワーシリンダ３に近接した位置にはクランクとしての案内 板４１が突設されており、この案内板４１には長円状の案内孔４２が設けられ、 入力ロッド３１の先端のヨーク３４に支持されたスライドピン３２を摺動自由に 挿通している。シフトロッド４の角変位を入力ロッド３１の直線往復運動に変換 する一方、シフトロッド４の軸方向の変位では、案内板４１がスライドピン３２ と軸方向に摺動するだけで入力ロッド３１には変位を与えない。

【００１１】 以上のように構成され、次に作用について説明する。

【００１２】 チェンジレバー１でシフトロッド４を回動させると、シフトロッド４の回動に 伴って案内板４１も回動し、スライドピン３２が案内孔４２の長手方向に摺動さ せつつ入力ロッド３１に直線方向の変位を与える。

【００１３】 パワーシリンダ３は入力ロッド３１に加えられた変位に応じて出力軸３０を所 定のトルクで回動し、セレクトロッド５を介して変速機２を操作する。

【００１４】 一方、チェンジレバー１でシフトロッド４を軸方向に動かすと、案内孔４２が スライドピン３２に沿って摺動して入力ロッド３１は変位せず、変速機２はシフ トロッド４の軸方向の変位のみによって操作される。

【００１５】 すなわち、シフトロッド４を回動させる方向にチェンジレバー１を操作すると 、パワーシリンダ３が常時所定のトルクでセレクトロッド５を回動して変速機２ を操作するため、チェンジレバー１に加える力が少なくてすみ、また、パワーシ リンダ３をチェンジレバー１の近傍に配置してシフトロッド４の操作抵抗を低減 すると共にたわみ等も低減でき、チェンジレバー１の操作性も向上する。

【００１６】 図４は第２の実施例を示し、変速機２のシフト操作とセレクト操作を１本のロ ッド４０で行うようにしたもので、シフトロッド４の回動をパワーシリンダ３で 所定のトルクに変換してロッド４０を回動させると共に、パワーシリンダ３は出 力軸３０と同軸上のスライド軸７及び円柱部３３を備え、これらスライド軸７及 び円柱部３３がそれぞれケース６に設けられた軸受８を介して軸方向に摺動自由 に支持されており、また、パワーシリンダ３はスライド軸７及びケース６に設け られたスプライン７１によって軸回りの回動を防いで所定の角度に保持される。

【００１７】 シフトロッド４とパワーシリンダ３との連結は、前記第１の実施例と同様にク ランクとしての案内板４１と入力ロッド３１が連結し、シフトロッド４の角変位 を入力ロッド３１の直線方向の変位に変換する。ただし、入力ロッド３１の先端 に固定したスライドピン３２はシフトロッド４に突設した案内板４１に挟持され 、シフトロッド４の軸方向の変位に伴ってパワーシリンダ３も軸方向へ変位させ 、ロッド４０に軸方向へのシフト変位を与える。シフトロッド４の回動方向の変 位は前記第１の実施例と同様にパワーシリンダ３の出力回転を生じ、このパワー アシストを受けつつロッド４０をセレクト回動する。

【００１８】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、シフトロッドを回動させる方向にチェンジレバ ーを操作すると、パワーシリンダが常時所定のトルクで変速機を操作するため、 変速機とチェンジレバーとの間隔が離れていてもチェンジレバーに加える力が少 なくてすみ、また、パワーシリンダをチェンジレバーの近傍に配置してシフトロ ッドの操作抵抗を低減すると共にたわみ等も低減でき、チェンジレバーの操作性 も向上するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す概略図である。

【図２】パワーシリンダとシフトロッドの関係を示す概
略図である。

【図３】変速機とチェンジレバーの位置を示す概略図で
ある。

【図４】他の実施例を示す概略図である。

【符号の説明】

３ パワーシリンダ ４ シフトロッド ５ セレクトロッド ３０ 出力軸 ３１ 入力ロッド ３２ スライドピン ４１ 案内板 ４２ 案内孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チェンジレバーと連結するシフトロッド
   と、チェンジレバーの近傍に設けられて出力軸を変速機
   と連結したパワーシリンダと、前記シフトロッドの動き
   をパワーシリンダの入力ロッドに伝達するクランクとを
   備えたことを特徴とする変速機の遠隔操作装置。