JPH06191208A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH06191208A
JPH06191208A JP43A JP34574692A JPH06191208A JP H06191208 A JPH06191208 A JP H06191208A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 34574692 A JP34574692 A JP 34574692A JP H06191208 A JPH06191208 A JP H06191208A
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Japan
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belt
tire
cord
reinforcing rubber
equator
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JP43A
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English (en)
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Hiroyuki Teratani
裕之 寺谷
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ベルト4として、有機繊維からなるコード9を
1層だけスパイラルに巻回しコーテイングゴムで被覆し
たもの、或いは、同じく有機繊維からなるコードを1層
だけ平行に配しコーテイングゴムで被覆したプライを切
断したもの使用し、これをコードの方向がタイヤの円周
方向に向くように1層だけ巻回するとともに、上記のベ
ルトコードに対して所定方向に配向された短繊維状物質
fを含有する補強ゴム層を適宜配置した空気入りラジア
ルタイヤに関するものである。 【効果】有機繊維からなるベルトコードがタイヤの赤道
に略平行になるように1層だけ巻回されているベルト構
造を有するタイヤ特有の、ベルト層間の剪断歪等に起因
する発熱がなく、直進時の転がり抵抗が小さいという有
利な効果を損なうことなく、このようなベルト構造が有
するコーナリングパワーの低下及び操縦安定性能の悪化
という問題を完全に解決することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気入りラジアルタイ
ヤに関するものであり、特に、発熱及び転がり抵抗の低
減された低燃費空気入りラジアルタイヤに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の空気入りラジアルタイヤにおいて
は、カーカスとトレッドの間に配置された複数層からな
るベルトとして、スチールコード或いは有機繊維コード
をコーテイングゴムで被覆したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】自動車の高性能化に伴
い、耐久性能、操縦安定性能、乗心地性能等の優れた高
性能タイヤの出現が望まれている一方、資源の節約及び
公害等の問題から、低燃費タイヤの出現が望まれてい
る。
【0004】しかしながら、耐久性能、操縦安定性能、
乗心地性能等と低燃費性能とは、所謂、二律背反的な傾
向があり、例えば、タイヤの耐久性能を向上させるため
にベルトコードにスチールコードを使用すると、タイヤ
の重量が増加し、燃費が悪くなる。
【0005】また、タイヤの軽量化のために、ベルトコ
ードとしてナイロン、ポリエステル等の有機繊維コード
を用いたものが知られているが、有機繊維自体、ヒステ
リシスロスに起因する発熱が大きいため転がり抵抗が大
きく、かえって低燃費化に逆行することになる。
【0006】ここで、従来の空気入りラジアルタイヤに
ついて、図1及び図2を用いて説明する。空気入りラジ
アルタイヤ1は、ビード部2、カーカスプライ3、ベル
ト4及びトレッド5とから構成されている。そして、ベ
ルト4は、図1に示されているようにカーカスプライ3
とトレッド5間に配置されており、カーカスプライ3の
放射方向への膨張を抑える、所謂、タガとしての作用を
している。また、6はショルダー部である。
【0007】ベルト4は従来、複数層、例えば、2〜4
層から構成されており(図1及びベルト4のタイヤ半径
方向断面を示している図2においては、2層4’、4”
の場合が示されている。)、図2に示されているよう
に、ベルト4を構成する各ベルト層4’、4”は、タイ
ヤの赤道Eに対して所定の角度で配置された断面略円形
のスチール或いは有機繊維コード7、7’をコーテイン
グゴム8、8’で被覆して構成されている。
【0008】ところで、空気入りラジアルタイヤ1は、
走行時に路面の凹凸或いはコーナリング等により衝撃を
受けるが、このような衝撃は、ベルト層4’、4”のコ
ード7、7’、コーテイングゴム8、8’の変形歪及び
ベルト層4’、4”間の剪断歪等として緩和されてい
る。
【0009】しかしながら、ベルト層4’、4”のコー
ド7、7’とコーテイングゴム8、8’或いはベルト4
とショルダー部6との弾性率、疲労特性或いは歪等に大
きな相違があるため、特に、応力の集中するコード端部
において、所謂、セパレーションがおこり、タイヤの安
全性にとって大きな問題となっている。
【0010】また、セパレーションの発生までには至ら
ないとしても、コード端部においては、ベルト層4’、
4”間の剪断歪が大きいため発熱が大となり、タイヤの
転がり抵抗が大きくなるという問題がある。
【0011】最近では、弾性率が高く、強度の大きいス
チールコードがベルトコードとして使用されているが、
上述したようにスチールコードは有機繊維コードに比べ
重いのでタイヤの低燃費性能の向上にとって好ましくな
いとともに、タイヤの円周方向の剛性が大きく、またエ
ンベロープ効果が少ないために乗心地性能が悪いという
問題がある。
【0012】更に、スチールコードをベルトコードとし
て使用した場合には、有機繊維コードに比べコーテイン
グゴムとの弾性率等の差が極めて大きいため、セパレー
ションが起こる可能性が高くなる。
【0013】一方、ベルトコードとして、有機繊維を使
用した場合には、スチールコードに比べ弾性率が小さ
く、柔らかいために乗心地性能は向上するが、タイヤの
横方向の剛性が小さいためコーナリングに対する応答性
能が悪く、従って、操縦安定性能が悪化するという問題
がある。また、スチールコードほどではないが、依然と
して、コーテイングゴムとの弾性率等の差が大きいため
セパレーションが起こる可能性が残ることになる。
【0014】また、有機繊維をベルトコードとして使用
した場合には、有機繊維自体による発熱が大きいため、
スチールコードに比べ、転がり抵抗が大きいという問題
がある。
【0015】本発明の目的は、有機繊維をベルトコード
として使用した場合の上述した問題を解決し、タイヤの
低燃費性能と操縦安定性能等の他の諸性能をバランスよ
く両立させた空気入りラジアルタイヤを提供することに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の空気入りラジアルタイヤは、ベルトとし
て、有機繊維からなるコードを1層だけスパイラルに巻
回しコーテイングゴムで被覆したもの、或いは、同じく
有機繊維からなるコードを1層だけ平行に配しコーテイ
ングゴムで被覆したプライを切断したもの使用し、これ
を、コードの方向がタイヤの円周方向、即ち、タイヤの
赤道方向と略平行になるように1層だけ巻回するととも
に、上記のベルトコードに対して所定方向に配向された
短繊維状物質を含有する補強ゴム層を適宜配置すること
により、好ましくは更に、カーカスコードとして断面偏
平な有機モノフィラメントを用いることにより、上述し
た従来の空気入りラジアルタイヤが有する問題を解決し
たものである。
【0017】先ず最初に、ベルトとして、有機繊維から
なるコードを1層だけスパイラルに巻回しコーテイング
ゴムで被覆したもの、或いは、同じく有機繊維からなる
コードを1層だけ平行に配しコーテイングゴムで被覆し
たプライを切断したもの使用し、これを、コードの方向
がタイヤの円周方向、即ち、タイヤの赤道方向と略平行
になるように1層だけ巻回するとともに、該ベルトコー
ドに対して所定方向に配向された短繊維状物質を含有す
る補強ゴム層を適宜配置した構成について詳細に説明す
る。
【0018】図3に示されているように、本発明のベル
ト4においては、有機繊維からなるベルトコード9がタ
イヤ1の赤道E方向に略平行になるように1層だけ巻回
されているとともにコーテイングゴム10で被覆されて
いる。
【0019】このような構成のベルト4を有するタイヤ
1は、当然のことながら、主としてベルト層間の剪断歪
等に起因する発熱がなく、直進時の転がり抵抗を減少さ
せるためのベルト構造としては最適なものであるが、タ
イヤ1の赤道Eに対して右上がり方向にタイヤ1の赤道
Eとなす角10〜30°の範囲でベルトコードを配した
ベルト層とタイヤの赤道Eに対して右下がり方向にタイ
ヤ1の赤道Eとなす角10〜30°の範囲でベルトコー
ドを配したベルト層とによりなる従来の2層交錯ベルト
構造に比べると、コーナリングパワーが1/2〜1/3
程度に低下し、操縦安定性能が比較にならないほどに悪
化してしまう。
【0020】従って、有機繊維からなるベルトコード9
がタイヤ1の赤道E方向に略平行になるように1層だけ
巻回された構造のベルト4においては、操縦安定性能と
転がり抵抗の低減を両立させることは極めて困難なもの
であった。
【0021】しかしながら、このようなベルト4に、短
繊維状物質を所定量含有させた補強ゴム層11、12を
配置すると、ベルト4が補強ゴム層11、12と相まっ
て全体として補強され弾性率が増加するので、コーナリ
ングパワーの低下が防止され操縦安定性能が十分に維持
されるとともに、ベルト4の耐カット性能或いは耐疲労
性能等が大幅に改善される。
【0022】そして、このような効果は、図4乃至図7
に模擬的に短線として示されている補強ゴム層11、1
2に配合された短繊維状物質fの配向方向が、タイヤの
赤道E方向に略平行なベルトコード9に対して所定の範
囲内になるように配置させ、補強ゴム11、12に異方
性を持たせることにより、操縦安定性能と転がり抵抗の
減少、即ち、低燃費性能をともに大幅に向上させること
ができる。
【0023】上述した補強ゴム層11、12の異方性は
以下のように構成することが好ましい。 (1)補強ゴム層の短繊維状物質の配向方向の物性 50%歪時のモジュラス・・・50kg/cm2 以上 動的弾性率E’・・・・・・・1×108 dyn/cm
2 以上 動的損失tanδ・・・・・・0.25以下 (2)補強ゴム層の短繊維状物質の配向方向に対して垂
直方向の物性 50%歪時のモジュラス・・・10kg/cm2 以上 動的弾性率E’・・・・・・・4×107 dyn/cm
2 以上 動的損失tanδ・・・・・・0.15以下 (3)短繊維状物質配向方向に対して垂直方向の50%
歪時のモジュラスに対する短繊維状物質配向方向の50
%歪時のモジュラスの比 下限値が1.5倍、好ましくは1.7倍、より好ましく
は2.0倍以上であり、上限値は8.0倍以下であるこ
とが好ましい。
【0024】好ましい、異方性の範囲を上記のようにし
たのは、補強ゴム層の物性が上記の範囲外ではベルトの
剛性が十分でなかったり、或いは、タイヤの転がり抵抗
を著しく低減することができないからである。
【0025】補強ゴム層11、12に配合された短繊維
状物質fの配向方向は、タイヤの赤道E方向に略平行な
ベルトコード9に対して以下のような範囲内になるよう
に配置することが好ましい。
【0026】図4には、有機繊維からなりタイヤ1の赤
道Eに対して略平行に配置されたベルトコード9を有す
るベルト4の上側に、補強ゴム層11を1層だけ配置し
た実施例が示されており、補強ゴム層11に配合された
短繊維状物質fの配向方向がタイヤ1の赤道Eに対して
右上がり方向に赤道Eとなす角を10〜45°としたも
のである。
【0027】図5に示されているように、有機繊維から
なりタイヤ1の赤道Eに対して略平行に配置されたベル
トコード9を有するベルト4の、ともに、上側に配置さ
れる2層の補強ゴム層11、12に配合された短繊維状
物質fの配向方向を、一方の補強ゴム層12の短繊維状
物質fがタイヤ1の赤道Eに対して右上がり方向に赤道
Eとなす角を10〜45°とし、そして、他方の補強ゴ
ム層11の短繊維状物質fがタイヤ1の赤道Eに対して
右下がり方向に赤道Eとなす角を10〜45°とするこ
とが好ましい。
【0028】また、図6に示されているように、有機繊
維からなりタイヤ1の赤道Eに対して略平行に配置され
たベルトコード9を有するベルト4の上側に配置される
補強ゴム層11に配合された短繊維状物質fの配向方向
を、タイヤ1の赤道Eに対して右下がり方向に赤道Eと
なす角を10〜45°とし、そして、ベルト4の下側に
配置される補強ゴム層12に配合された短繊維状物質f
の配向方向をタイヤ1の赤道Eに対して右上がり方向に
赤道Eとなす角を10〜45°とすることもできる。
【0029】更に、図7に示されているように、ベルト
4の上側に配置される補強ゴム層11に配合された短繊
維状物質fの配向方向とベルト4の下側に配置される補
強ゴム層12に配合された短繊維状物質fの配向方向
を、ともに、同方向にタイヤ1の赤道Eに対して10〜
45°とすることもできる。
【0030】また、補強ゴム層11、12の厚みは、薄
すぎると補強ゴム層を設けた効果が少なく、反対に、厚
すぎるとタイヤが重くなり燃費の向上が図れないととも
に、ヒステリシスロスの増大により転がり抵抗が増すこ
とになるので、適当な厚さとすることが好ましい。図4
に示されているように、補強ゴム層11が1層の場合に
は、補強ゴム層11の厚さは1mm以上とすることが好
ましく、また、補強ゴム層11、12が2層の場合に
は、補強ゴム層11、12の厚さは、それぞれ、0.5
mm以上とすることが好ましい。
【0031】次に、有機モノフィラメントからなるカー
カスコード13として断面偏平なコードを用いた構成に
ついて説明する。図8に示されているように、本発明の
好ましい例においては、カーカスコードが、従来の断面
略円形のコードと異なり、断面が偏平形状に形成されて
いる有機モノフィラメント13で構成されており、そし
て、断面偏平形状の長径がタイヤ1の周方向に向くよう
に配置されている。
【0032】上記のようにカーカスプライ3に、断面偏
平な有機モノフィラメント13を、断面偏平形状の長径
がタイヤ1の周方向に向くように配置したので、タイヤ
1の半径方向の縦剛性は低くなり、従って、上記の短繊
維状物質fを含有した補強ゴム層11、12による縦剛
性の増加を緩和することができ乗心地性能を著しく向上
することができる。
【0033】また、断面偏平形状の長径がタイヤ1の周
方向に向くように配置されているため、カーカスプライ
3の厚さを薄くすることができ、タイヤ1を軽量化する
ことができ、従って、燃費の向上が実現できる。断面偏
平な有機モノフィラメントとしては、デュポン社製のハ
イテン(HYTEN:商標、材質は6、6ナイロン)が
知られており、短径/長径は1/2〜1/5が好適であ
る。
【0034】上述したように、本発明においては、カー
カスコードを断面が偏平形状の有機モノフィラメント1
3で構成し、しかも、断面偏平形状の長径がタイヤ1の
周方向に向くように配置されている構成を付加すること
により、タイヤ1の発熱を大幅に減少でき、転がり抵抗
の更なる低減を図ることができるとともに、操縦安定性
能が更に向上するものである。
【0035】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明を具体的に
説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本実施例に
何ら限定されるものではない。
【0036】使用したタイヤのサイズは、175/70
R13で、パターンはスムースタイヤである。
【0037】測定方法及び条件は以下の通りである。転がり抵抗指数(RRC) 外径1708mmのドラム上に、内圧2.00kg/c
2 に調整した試験タイヤを設置し、300kgfの荷
重を負荷させた後、80km/hrで30分間予備走行
させ、空気圧を再調整し、200km/hrの速度まで
ドラム回転速度を上昇させた後、ドラムを惰行させ、1
85km/hrから20km/hrにドラム回転速度が
低下するまでの慣性モーメントから算出した。
【0038】タイヤの転がり抵抗=ds/dt(Id/
Rd2 +It/Rt2 )−ドラム単体の抵抗 式中、Idはドラムの慣性モーメント、Itはタイヤの
慣性モーメント、Rdはドラム半径、Rtはタイヤ半径
である。
【0039】上式にて求めた50km/hr時の転がり
抵抗値を代表値として求めた。なお、環境は24±2°
Cにコントロールされた室内で測定を実施した。指数化
は、転がり抵抗指数=(試験タイヤ代表値÷コントロー
ルタイヤ代表値)×100の小数点以下を四捨五入して
表した。この結果、転がり抵抗指数が小さいほうが、燃
費が良好であることを示すことになる。RRCの測定時
の荷重は300kgfであり、RRCの測定法は一軸惰
行式である。
【0040】50%歪時のモジュラス 室温で、JIS3号ダンベルを300mm/minで引
っ張り、応力を測定した。
【0041】粘弾性 動的弾性率E’及び動的損失tanδは、下記の条件に
より測定して得られる値である即ち、長さが20mm、
幅が4.7mm、厚さが2mmの補強ゴム層の試験片を
粘弾性測定装置(東洋精機(株)L−IR型)に取り付
けた後、ゴム試験片に初期張力1.7kgf/cm2
与え、この状態でゴム試験片に周波数が50Hz,振幅
歪が5%の振動を加え、室温にて測定を行うものであ
る。
【0042】コーナリングパワーの測定法 外径1500mmのドラム上に内圧2.00kg/cm
2 に充填した試験タイヤを設置し、荷重300kgを負
荷させた後、30km/hrの速度で30分間予備走行
させ、無負荷状態で内圧を2.00kg/cm2 に再充
填し、再度300kgの荷重を負荷し、同一直径の前記
ドラム上でスリップアングルを最大±14°迄正負連続
してつける。正負各角度でのコーナリングフォース(C
F)を測定し、次式でコーナリングパワー(CP)を求
めた。 CP(kg/deg)={CF(1°)(kg)+CF
(2°)(kg)/2+CF(3°)(kg)/3+C
F(4°)(kg)/4}/4 なお、指数化は、比較例1のものを100とし、少数点
以下を四捨五入して算出した。
【0043】本発明の実施例に用いたベルトコーティン
グゴム及び補強ゴムの配合例と、そのゴム物性を表1及
び表2に示す。また、本発明の実施例に用いた短繊維補
強マスターバッチ及び短繊維の条件は、以下の通りであ
り、断面偏平なモノフィラメントとして、上述したデュ
ポン社製のハイテンを使用した。 短繊維補強マスターバッチ:宇部興産(株)製、UBE
−FRR−NR 短繊維の条件:〔平均径〕0.05〜0.8μmで、か
つ、90重量部%以上が1μm以下であること。 〔繊維長〕10μm以上で、かつ、90重量部%以上が
1000μm以下であること。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】以下に、表3及び表4に基づいて本発明の
実施例と比較例について、詳細に説明する。なお、表3
及び表4における「補強ゴム層構造」の項に記載されて
いる数字は、短繊維の配向方向がタイヤ1の赤道Eに対
してなす角度を表しており、数字の前に付された「+」
は、短繊維の配向方向がタイヤ1の赤道Eに対して右上
がり方向であることを、そして、数字の前に付された
「−」は、短繊維の配向方向がタイヤ1の赤道Eに対し
て右下がり方向であることを表している。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】表3に示されている比較例1は2層のベル
トの有機繊維ベルトコードが、互いに、タイヤ赤道に対
して20°の角度で交錯しており、しかも、補強ゴム層
を有しないものであり、比較例2はベルト層が1層で有
機繊維ベルトコードがタイヤの赤道方向に平行で、しか
も、補強ゴム層を有しないものである。比較例1は転が
り抵抗及びコーナリングパワーともに実施例に比較し悪
く、比較例2は転がり抵抗は良いがコーナリングパワー
が非常に悪い。
【0050】表4に示されている比較例3はプライコー
ドとして断面偏平な有機モノフィラメントを用いた以外
は比較例2と同じであり、コーナリングパワーが比較例
2のものより多少良くなっているが、実施例のものに比
べると非常に悪い。
【0051】実施例1、実施例2及び実施例3は、図4
に示されているように、有機繊維からなりタイヤ1の赤
道Eに対して略平行に配置されたベルトコード9を有す
るベルト4の上側に、厚さ1mmの補強ゴム層11を1
層だけ配置したもので、補強ゴム層11に配合された短
繊維状物質fの配向方向を実施例毎にタイヤ1の赤道E
に対して変化させてたものである。比較例2のものに比
べ、転がり抵抗は殆ど同一レベルにあるが、コーナリン
グパワー指数が大幅に向上しており、実施例2及び実施
例3のものは、コーナリングパワー指数が比較例1のも
のより向上している。実施例1、実施例2及び実施例3
のものは、いずれも、低燃費性能及び操縦安定性能が高
いレベルで両立されている。
【0052】実施例4は、図5に示されているように、
有機繊維からなりタイヤ1の赤道Eに対して略平行に配
置されたベルトコード9を有するベルト4の、ともに、
上側に2層の、それぞれ、厚さ0.5mmの補強ゴム層
11、12を配置したもので、補強ゴム層11、12に
配合された短繊維状物質fの配向方向を、一方の補強ゴ
ム層12の短繊維状物質fがタイヤ1の赤道Eに対して
右上がり方向に赤道Eとなす角を30°とし、そして、
他方の補強ゴム層11の短繊維状物質fがタイヤ1の赤
道Eに対して右下がり方向に赤道Eとなす角を30°と
したものである。この実施例においては、特に、コーナ
リングパワー指数が大幅に向上されており、低燃費性能
及び操縦安定性能が高いレベルで両立されている。
【0053】実施例5は、図7に示されているように、
ベルト4の上側に配置される厚さ0.5mmの補強ゴム
層11に配合された短繊維状物質fの配向方向とベルト
4の下側に配置される同じく厚さ0.5mmの補強ゴム
層12に配合された短繊維状物質fの配向方向を、とも
に、同方向にタイヤ1の赤道Eに対して30°としたも
のである。この実施例においても、特に、コーナリング
パワー指数が大幅に向上されており、低燃費性能及び操
縦安定性能が高いレベルで両立されている。
【0054】実施例6は、図6に示されているように、
有機繊維からなりタイヤ1の赤道Eに対して略平行に配
置されたベルトコード9を有するベルト4の上側に配置
される厚さ0.5mmの補強ゴム層11に配合された短
繊維状物質fの配向方向を、タイヤ1の赤道Eに対して
右下がり方向に赤道Eとなす角を30°とし、そして、
ベルト4の下側に配置される同じく厚さ0.5mmの補
強ゴム層12に配合された短繊維状物質fの配向方向を
タイヤ1の赤道Eに対して右上がり方向に赤道Eとなす
角を30°としたものである。この実施例においても、
特に、コーナリングパワー指数が大幅に向上されてお
り、低燃費性能及び操縦安定性能が高いレベルで両立さ
れている。
【0055】実施例7、実施例8及び実施例9は、図5
に示されているように、有機繊維からなりタイヤ1の赤
道Eに対して略平行に配置されたベルトコード9を有す
るベルト4の、ともに、上側に2層の、それぞれ、厚さ
0.5mmの補強ゴム層11、12を配置したもので、
補強ゴム層11、12に配合された短繊維状物質fの配
向方向を、一方の補強ゴム層12の短繊維状物質fがタ
イヤ1の赤道Eに対して右上がり方向に赤道Eとなす角
を30°とし、そして、他方の補強ゴム層11の短繊維
状物質fがタイヤ1の赤道Eに対して右下がり方向に赤
道Eとなす角を30°としたものであり、補強ゴム層1
1、12のゴム種及びカーカスコード13を変えたもの
である。
【0056】実施例7は、カーカスコードを断面偏平の
有機モノフィラメントとした以外は実施例4と同じもの
である。実施例4に比べ、カーカスコードを断面偏平の
有機モノフィラメントとしたために転がり抵抗がより少
なくなっており、また、コーナリングパワー指数も向上
されている。比較例3のものは、カーカスコードとして
断面偏平の有機モノフィラメントを使用しているが、各
実施例のような補強ゴム層を有しないものであり、コー
ナリングパワー指数が非常に悪く、実用に供することが
できないものである。
【0057】実施例8及び実施例9は、補強ゴム層のゴ
ム種を代えた点で、実施例4とは相違するものである。
実施例8の補強ゴム層のゴム種Cは、50%歪み時のモ
ジュラスのコード方向/コード直角方向の比が、実施例
4のものより小さく、コーナリングパワー指数が、多
少、実施例4より悪くなっているが、比較例に比べると
非常に良い値になっている。また、実施例9の補強ゴム
層のゴム種Dは、50%歪み時のモジュラスのコード方
向/コード直角方向の比が、実施例4のものより大き
く、実施例4のものより、転がり抵抗が少なく、コーナ
リングパワー指数が大きくなっており、低燃費性能及び
操縦安定性能がより高いレベルで両立されている。
【0058】上述したように、実施例においては、転が
り抵抗及びコーナリングパワーともに比較例のものに比
べ改善されており、低燃費性能及び操縦安定性能が高い
レベルで両立されている。
【0059】
【発明の効果】本発明の空気入りラジアルタイヤは、以
上説明したように構成されているので、以下に記載され
るような効果を奏するものである。上述したような短繊
維状物質を含有した補強ゴム層をベルトに対して配置し
たことにより、有機繊維からなるベルトコードがタイヤ
の赤道に略平行になるように1層だけ巻回されているベ
ルト構造を有するタイヤ特有の、ベルト層間の剪断歪等
に起因する発熱がなく、直進時の転がり抵抗が小さいと
いう有利な効果を損なうことなく、このようなベルト構
造が有するコーナリングパワーの低下及び操縦安定性能
の悪化という問題を完全に解決することができる。
【0060】また、カーカスコードに断面偏平な有機モ
ノフィラメントを、断面偏平形状の長径がタイヤの周方
向に向くように配置したので、タイヤの半径方向の縦剛
性が低くなり、従って、タイヤに縦方向の負荷荷重が加
わった場合にも、ベルトのタガとしての機能を損なうこ
となく柔軟に対応できるので、乗心地性能が著しく向上
する。
【0061】更に、断面偏平形状の長径がタイヤの周方
向に向くように配置されているため、カーカスプライの
厚さを薄くすることができ、タイヤを軽量化することが
でき、従って、燃費の向上が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は従来の空気入りラジアルタイヤの断面図
である。
【図2】図2は従来のベルトのタイヤ半径方向断面図で
ある。
【図3】図3は本発明のベルトの斜視図である。
【図4】図4は本発明のベルト及び補強ゴム層の斜視図
である。
【図5】図5は本発明のベルト及び補強ゴム層の別の実
施例を示す斜視図である。
【図6】図6は本発明のベルト及び補強ゴム層の別の実
施例を示す斜視図である。
【図7】図7は本発明のベルト及び補強ゴム層の別の実
施例を示す斜視図である。
【図8】図8は本発明のカーカスプライの円周方向断面
図である。
【符号の説明】
4 ベルト 6 ショルダー部 11、12 補強ゴム層 13 断面偏平の有機モノフィラメントカーカ
スコード

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機繊維からなるベルトコードがタイヤの
    赤道方向に略平行になるように1層だけ配置されコーテ
    イングゴムで被覆されたベルトを有し、該ベルトコード
    の方向に対して所定方向に配向された短繊維状物質を含
    有する補強ゴム層を該ベルトに適宜配置したことを特徴
    とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】短繊維状物質を含有した補強ゴム層が異方
    性を有することを特徴とする請求項1に記載の空気入り
    ラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】カーカスコードとして断面偏平な有機モノ
    フィラメントを断面偏平形状の長径がタイヤの周方向に
    向くように配置したことを特徴とする請求項1又は2に
    記載の空気入りラジアルタイヤ。
JP43A 1992-12-25 1992-12-25 空気入りラジアルタイヤ Pending JPH06191208A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6805177B2 (en) 1999-07-09 2004-10-19 Pirelli Pneumatici S.P.A. High performance tire with tread band having an anisotropic underlayer stable with temperature variation
US6820666B2 (en) * 1998-10-28 2004-11-23 Pirelli Pneumatici S.P.A. Tire, including fiber-reinforced elastomeric intermediate layer between the belt structure and tread band, and method of making the tire
US20150283859A1 (en) * 2012-10-18 2015-10-08 Kordsa Global Endüstriyel Iplik Ve Kord Bezi Sanayi Ve Ticaret Anonim Sirketi Reinforcing belt package for radial vehicle tires

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US6805177B2 (en) 1999-07-09 2004-10-19 Pirelli Pneumatici S.P.A. High performance tire with tread band having an anisotropic underlayer stable with temperature variation
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