JPH06190585A - サブマージアーク溶接用シームレスパイプワイヤ - Google Patents

サブマージアーク溶接用シームレスパイプワイヤ

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JPH06190585A
JPH06190585A JP34493492A JP34493492A JPH06190585A JP H06190585 A JPH06190585 A JP H06190585A JP 34493492 A JP34493492 A JP 34493492A JP 34493492 A JP34493492 A JP 34493492A JP H06190585 A JPH06190585 A JP H06190585A
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JP
Japan
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wire
welding
submerged arc
arc welding
steel
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Pending
Application number
JP34493492A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Motomatsu
隆一 元松
Masami Yamaguchi
将美 山口
Nobuaki Tobishima
伸昭 飛嶋
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd filed Critical Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 極厚のSM400、SM490、SM520
鋼の1層サブマージアーク溶接方法において、溶接作業
性が良好で、溶接割れがない溶接部を得ることのできる
サブマージアーク溶接用中空シームレスパイプワイヤを
提供する。 【構成】 中空シームレスワイヤであって、ワイヤ外径
Dが6〜10mmφで、内径dが(1/3〜2〜3)×
Dmmであることを特徴とするサブマージアーク溶接用
中空シームレスパイプワイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はJIS G3106に規
定のSM400、SM490およびSM520鋼の鉄骨
ボックス柱の角継手あるいは板継ぎなどに用いるサブマ
ージアーク溶接用ワイヤに関し、さらに詳しくは厚板の
大入熱溶接において安定したビード形状を得ることがで
きるサブマージアーク溶接用シームレスパイプワイヤに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、建築物の高層化あるいは鋼構造物
の大型化などにより被溶接鋼材の板厚が厚くなる傾向が
著しく、板厚50〜100mmの厚板の溶接が各所で行
われている。このような厚板の溶接では高能率溶接が必
要となり、その溶接方法として、溶接電流を高くするこ
とが可能で高溶着量が得られ、かつアークがフラックス
中で発生して不可視アークであり、大電流高能率溶接に
適していることからサブマージアーク溶接が広く用いら
れている。
【0003】特に、SM490およびSM520の鉄骨
ボックス柱の角継手のサブマージアーク溶接では、板厚
70mm程度まで1層で仕上げている。この場合のサブ
マージアーク溶接では、鉄粉を30%程度含有したボン
ドフラッスと4.8mmφおよび/または6.4mmφ
の中実ワイヤを用い、2電極もしくは3電極で80kJ
/mm程度までの大入熱で溶接を行っている。
【0004】2電極1層溶接では、第1極のワイヤは開
先ルート部を完全に溶融し、かつ裏当て板まで溶込ま
せ、第2極のワイヤは溶接金属の凝固方向を上向きとし
てビード中央の高温割れを防止し、かつ表面のビード形
状を整えることにより良好な溶接金属を得るものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】1層溶接においては、
板厚が厚くなるにしたがって、被溶接鋼材からの溶接金
属の冷却度合いが大きくなるため溶接金属が突き合わせ
凝固となり易く、ビード中央の最終凝固部に高温割れが
発生し易くなる。本発明者等はこの高温割れを防止する
ため、溶接条件の点よりを種々検討した結果、被溶接鋼
材表面での溶接ビード幅(以後ビード幅という)と被溶
接鋼材表面から裏当て板までの溶込み深さ(以後溶込み
深さという)の比(以後ビード形状係数という)を0.
80以上とする必要があることを見出した。
【0006】鉄骨ボックス柱の溶接では、溶込み深さは
被溶接鋼材の開先ルート部を溶かし、かつ裏当て板への
溶込みは5±2mm程度と限定されるため、ビード形状
係数を大きくするためにはビード幅を大きくすることが
必要となる。一般的にサブマージアーク溶接では、ビー
ド幅を大きくするためには溶接電圧を増加し、溶接速度
を小さくする方法を適宜採用する。
【0007】鉄骨ボックス柱の2電極1層のサブマージ
アーク溶接では、たとえば板厚が60mmの場合、通常
使用されている角度35°、ルートフェイス2mmの開
先形状で6.4mmφの中実ワイヤと鉄粉を30%程度
含有したボンドフラッスを用い、ルート部の安定した溶
込みを得る下限の溶接速度である200mm/min程
度を採用した場合、必要溶着量から溶接電流は、第1極
は電流2300A程度、第2極は電流1800A程度と
なる。
【0008】この場合、溶接電圧は溶込み確保の点から
第1極は36〜40V程度と限定されるため、ビード幅
を大きくするためには第2極の電圧を大きくすることが
必要となる。通常、板厚50mmまでの溶接では50V
程度を用いるが、板厚60mmでは、第2極では使用電
流が大きいためこの電圧を用いてもビードの広がりが小
さく、部分的に開先を溶け残す場合が生じる。また、現
状の溶接機では制御できる上限電圧は55V程度である
が、50Vを超える電圧を使用するとかえってビードの
揃いが不安定になり、さらに鉄粉の未溶融物がビード表
面に生じるようになり、満足な溶接金属が得られない。
【0009】このような経緯から本発明者らは、従来の
溶接条件に加え、ワイヤの形状を検討し、ここに板厚6
0mm程度以上でもビードが安定して広がり、それによ
り高温割れの発生もなく、かつ良好な溶接作業性が得ら
れるワイヤを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の要旨
は、中空シームレスワイヤであって、ワイヤ外径Dが6
〜10mmφで、内径dが(1/3〜2/3)×Dmm
であることを特徴とするサブマージアーク溶接用シーム
レスパイプワイヤにある。
【0011】
【作用】以下に本発明を作用とともに詳細に説明する。
まず、本発明のワイヤは、中空ワイヤに限定するもので
ある。2電極溶接で第2極に中空ワイヤと中実ワイヤを
用いた場合のマクロ断面の溶込みの模式図を図1(a)
および図1(b)に示すが、通常使用されている中実ワ
イヤを用いた場合の図1(b)に比し、中空ワイヤを用
いた場合の図1(a)はビード幅が広くなる。
【0012】その理由は定かではないが、中実ワイヤに
比べ中空ワイヤでは溶接時のアークの発生点が部分的で
あり、かつ高速で変動していると考えられる。このため
アークが1箇所に集中することなくビードが広がると考
えられる。また、本発明の中空ワイヤは内径dが(1/
3〜2/3)×Dmmであることが必要である。
【0013】すなわち、内径dが(1/3)×Dmm未
満であると、中空ワイヤとはいえ、中実ワイヤとの差が
なくなり、ビード幅を広げる効果が十分得られない。一
方、内径dが(2/3)×Dmmを超えると肉厚が小さ
くなるため高電流で使用した場合、電流密度が過大とな
り電圧制御が不安定になり良好なビードが得られなくな
る。
【0014】また、本発明のワイヤは外径Dが6〜10
mmφであることが必要である。すなわち、高電流で使
用するためアークを広げ、ビード幅を広くするためには
ワイヤ径が6mmφ以上であることが必要であり、それ
未満ではその効果が十分得られない。一方、ワイヤの外
径Dが10mmφを超えると現状の溶接機ではワイヤ矯
正が十分行えず、かえってセンターずれの原因となり使
用性が劣るので、10mmφまでとした。
【0015】また、本発明の中空ワイヤはシームレスパ
イプワイヤであることが必要である。ここでいうシーム
レスパイプワイヤは図2(a)に示す如くであり、図2
(b)に一例を示す折込ワイヤとは区別される。すなわ
ち、帯鋼から成形した折込ワイヤではワイヤ断面が非対
象となり、溶接時にワイヤ自体がねじれ易く、高電流で
溶接する場合には高速でワイヤを送給するため開先中心
とのセンターずれが生じ易いという問題が生じ、使用性
が劣る。
【0016】これに対し本発明の中空ワイヤは断面がほ
ぼ同心円に近く、すべての方向に対象なシームレスパイ
プワイヤであり、柔軟性があり、扱い易く、ねじれの発
生し難いワイヤを得ることができる。
【0017】
【実施例】以下実施例により、本発明の効果をさらに具
体的に示す。表1に示すW1〜W12の12種類のワイ
ヤを作製した。化学成分は表2に示す通りである。表1
のうちW1〜W5は本発明例のワイヤ、W6〜W12は
本発明の効果を明確にするための比較例のワイヤであ
る。
【0018】このワイヤを市販の鉄粉を30%含有する
15%SiO2 −17%MgO−12%Al2 3 −1
0%TiO2 系のボンドフラックスと組み合わせて板厚
60mmの1層溶接試験を行った。鋼板はJIS G3
106のSM490B該当品で、図3に示す開先条件で
長さは1500mmの試験体に組み上げて溶接に供し
た。
【0019】溶接条件は表3に示す通りで、1極目は市
販の6.4mmφの中実ワイヤで本発明のワイヤおよび
比較のためのワイヤは2極目に用いた。この場合第1極
目の溶接条件は一定とし、第2極目の電流はワイヤ径に
応じて調整した。尚、図3において、θ=32°、R=
3mm、t1=60mm、t2=25mmである。
【0020】溶接終了後、溶接作業性を評価し、超音波
探傷試験により溶接部の割れの有無について調査し、さ
らに各溶接体より溶接長ほぼ中央からマクロ試験片を1
個採取し、ビード幅、母材表面から裏当て鋼板までの溶
け込み深さを測定した。各種試験結果を表4に示した。
表4のNo.1〜No.5は本発明の実施例、No.6
〜No.12は比較例である。
【0021】これらの結果、本発明のNo1〜No5は
いずれもビード外観が良好で割れもなく、良好であっ
た。比較例のうちNo.6は中空ワイヤの内径dが過小
で溶接ビード幅の変動が大きく、不安定で不良となっ
た。比較例のNo.7は中空ワイヤの外径Dが過小で溶
接ビード幅が狭く、割れが発生し不良となった。
【0022】比較例のNo.8は中空ワイヤの内径dが
過大で溶接ビード幅の変動が大きく、不安定で不良とな
った。比較例のNo.9は中空ワイヤの外径Dが過大で
ビード幅の変動が大きく、不安定で不良となった。比較
例のNo.10は中空ワイヤであるが折込ワイヤのため
溶接中ワイヤの矯正が不良となり、ワイヤの狙い位置が
ずれ、ビードが蛇行し、ビード外観が不良となった。マ
クロ試験は中止した。
【0023】比較例のNo.11およびNo.12は中
実ワイヤであるため溶接ビード幅が狭く、割れが発生し
て不良となった。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【発明の効果】以上説明したごとく本発明のワイヤを用
いれば、実施例にも示した通り極厚のSM400、SM
490、SM520鋼の1層サブマージアーク溶接方法
において、溶接作業性が良好で、溶接割れがない溶接部
が得られ、工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):2電極溶接で第2極に中空ワイヤを用
いた場合のマクロ断面の模式図である。 (b):2電極溶接で第2極に中実ワイヤを用いた場合
のマクロ断面の模式図である。
【図2】(a):シームレスパイプワイヤの断面模式図
である。 (b):折込パイプワイヤの断面模式図である。
【図3】本発明の実施例で用いた溶接試験板の開先形状
を示す断面図である。
【符号の説明】
1、1′:被溶接鋼材 2:裏当て鋼材 3:溶接金属 4:ワイヤ鋼部 5:ワイヤ中空部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空シームレスワイヤであって、ワイヤ
    外径Dが6〜10mmφで、内径dが(1/3〜2/
    3)×Dmmであることを特徴とするサブマージアーク
    溶接用シームレスパイプワイヤ。
JP34493492A 1992-12-24 1992-12-24 サブマージアーク溶接用シームレスパイプワイヤ Pending JPH06190585A (ja)

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JP34493492A JPH06190585A (ja) 1992-12-24 1992-12-24 サブマージアーク溶接用シームレスパイプワイヤ

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