JPH06190465A - 均圧クッション装置の均圧条件診断方法およびその方法を用いた均圧条件設定装置 - Google Patents

均圧クッション装置の均圧条件診断方法およびその方法を用いた均圧条件設定装置

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JPH06190465A
JPH06190465A JP5131398A JP13139893A JPH06190465A JP H06190465 A JPH06190465 A JP H06190465A JP 5131398 A JP5131398 A JP 5131398A JP 13139893 A JP13139893 A JP 13139893A JP H06190465 A JPH06190465 A JP H06190465A
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hydraulic pressure
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一成 桐井
Shigehiro Kirii
茂弘 桐井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の油圧シリンダおよびクッションピンを
介してしわ押え荷重を伝達する均圧クッション装置にお
いて、しわ押え荷重を複数のクッションピンに均等に分
配できる油圧シリンダの初期油圧や発生油圧を簡単にし
かも正確に求められるようにする。 【構成】 非プレス加工時における油圧シリンダの初期
油圧を変更しつつプレス加工時の発生油圧を検出してそ
れ等の関係を調べ、初期油圧の変化に拘らず発生油圧が
略一定となる領域Cを求めて、その領域C内の初期油圧
を均圧時の初期油圧と判断し、領域Cにおける発生油圧
を均圧時の発生油圧と判断する。プレスを下死点に保持
して油圧回路内の作動油を流出させながら発生油圧を検
出し、作動油の流出に拘らず発生油圧が殆ど変化しない
領域を均圧領域と判断して、その時の発生油圧を均圧時
の発生油圧とすることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプレス機械の均圧クッシ
ョン装置に係り、特に、しわ押え荷重を略均等に分配す
るための均圧条件を診断する方法およびその方法を用い
た均圧条件設定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(a)しわ押え荷重付与手段によりしわ押え荷重が作用
させられるクッションパッドと、(b)そのクッション
パッドに配設されるとともに油圧室が互いに連通させら
れた複数の油圧シリンダと、(c)その油圧シリンダ上
にそれぞれ配設されるとともに上端部でしわ押え型を支
持している複数のクッションピンとを備え、プレス上型
が下降させられることにより、そのプレス上型と前記し
わ押え型との間でワークを挟圧しつつそのプレス上型と
プレス下型との間でプレス加工が行われる際に、前記し
わ押え荷重付与手段によって前記しわ押え型に作用させ
られるしわ押え荷重を前記油圧シリンダにより前記複数
のクッションピンに略均等に分配するようにしたプレス
機械の均圧クッション装置が知られている。実開平1−
60721号公報に記載されている装置はその一例であ
り、このようなプレス機械においては、クッションピン
の長さ寸法のばらつきやクッションパッドの傾き等に拘
らず、しわ押え荷重が略均等にしわ押え型に作用させら
れるようになり、しわ押えの面圧分布が略一定となって
常に良好なプレス加工を行い得るようになる。
【0003】ここで、上記のようにしわ押え荷重を均等
に分配するためには、クッションピンの長さ寸法のばら
つき等に拘らずプレス加工時に総ての油圧シリンダのピ
ストンがシリンダ内へ追い込まれるとともにストローク
端に達することがないように、言い換えればピストンが
中立状態に保持されるようにする必要がある。このた
め、油圧シリンダのピストンの平均追い込み寸法Xav、
油圧シリンダの受圧面積As、使用する作動油の体積弾
性係数K、油量V、しわ押え荷重Fs、クッションピン
の使用本数nに基づいて、油圧シリンダの均圧初期油圧
Po すなわち均等にしわ押え荷重を分配できる非プレス
加工時の油圧を、次式(1)を満足するように定めてい
る。上記平均追い込み寸法Xavは、総てのクッションピ
ンをしわ押え型に当接させるためのピストンの追い込み
ストロークであり、クッションピンの長さ寸法のばらつ
きやクッションパッドの傾き等に拘らず、総てのピスト
ンがクッションピンによってシリンダ内へ押し込まれる
とともに、プレス加工時の衝撃等に拘らずストローク端
に達することがないように、予め実験等によって定めら
れる。また、油量Vは、総ての油圧シリンダのピストン
が突き出し端に位置させられた状態において、その油圧
シリンダの油圧室内やその油圧室に連通している一連の
油圧回路内の作動油の全容量である。
【0004】
【数1】 Xav=(Fs−n・As・Po )V/n2 ・As2 ・K ・・・(1)
【0005】上記(1)式を満足するように初期油圧P
o が設定されると、基本的にはプレス加工時に各油圧シ
リンダのピストンが平均追い込み寸法Xavだけシリンダ
内に追い込まれ、各クッションピンを介してしわ押え荷
重を略均等にしわ押え型に作用させることができるが、
体積弾性係数Kは空気の混入や作動油の劣化などによっ
て変化するなど、上記初期油圧Po は必ずしも正確でな
い。このため、しわ押え荷重Fs、しわ押え型の重量W
r、クッションピンの平均重量Wp、クッションピンの
使用本数n、油圧シリンダの受圧面積Asに基づいて、
次式(2)に従って均圧時のプレス加工時の油圧である
均圧発生油圧PXo を求め、テストプレスを行ってプレ
ス加工時の発生油圧PXが均圧発生油圧PXo と略一致
するように均圧初期油圧Po を補正している。
【0006】
【数2】 Fs+Wr+n・Wp=n・As・PXo ・・・(2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に均圧初期油圧Po および均圧発生油圧PXo を算出す
るために必要な平均追い込み寸法Xavや受圧面積As、
体積弾性係数K、油量V等は、できるだけ正確でなけれ
ばならないため、設計値でなく実際のプレス機械を用い
て予め実験等によりプレス機械毎に求める必要があり、
極めて面倒な作業が必要であった。しかも、そのように
して求めた値も所定の誤差を有するため、上記均圧初期
油圧Po や均圧発生油圧PXo にも誤差が生じ、それ等
の油圧に基づいて油圧制御を行っても均圧状態が得られ
ず、しわ押えの面圧分布の不均一によってプレス不良を
生じることがあった。また、上記均圧発生油圧PXo と
実際のプレス加工時の発生油圧とを比較し、均圧状態で
プレス加工が行われているか否かを監視することも行わ
れているが、均圧状態であるか否かを正確に判断するこ
とはできないのである。
【0008】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、しわ押え荷重を複数
のクッションピンに均等に分配できる初期油圧や発生油
圧に関する均圧条件を簡単にしかも正確に求められるよ
うにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するために、第1発明は、前記(a)クッションパッド
と、(b)複数の油圧シリンダと、(c)複数のクッシ
ョンピンとを備え、プレス上型が下降させられることに
より、そのプレス上型と前記しわ押え型との間でワーク
を挟圧しつつプレス上型とプレス下型との間でプレス加
工が行われる際に、前記しわ押え荷重付与手段によって
前記しわ押え型に作用させられるしわ押え荷重を前記油
圧シリンダにより前記複数のクッションピンに略均等に
分配するプレス機械の均圧クッション装置において、前
記しわ押え荷重を略均等に分配するための前記油圧シリ
ンダの油圧に関する均圧条件を診断する方法であって、
(d)非プレス加工時における前記油圧シリンダの初期
油圧を変更しつつ、プレス加工時におけるその油圧シリ
ンダの発生油圧を検出することにより、初期油圧と発生
油圧との関係を調べる油圧検出工程と、(e)その初期
油圧と発生油圧との関係に基づいて、初期油圧の変化に
拘らず発生油圧が略一定となる均圧初期油圧領域を判断
する判断工程とを有することを特徴とする。
【0010】
【作用】すなわち、しわ押え荷重等の他のプレス加工条
件を一定として初期油圧を変更しつつ発生油圧を調べる
と、それ等の初期油圧および発生油圧は図1に示すよう
な関係を有し、初期油圧が最も高いAの領域では総ての
油圧シリンダのピストンが全く作動しないが、それより
低圧のBの領域では、クッションピンの長さ寸法のばら
つき等により一部の油圧シリンダのピストンがシリンダ
内へ押し込まれるようになる。しかし、他の一部の油圧
シリンダ、例えば支持しているクッションピンの長さ寸
法が短い油圧シリンダのピストンは作動せず、完全な均
圧状態にはならない。初期油圧の低下により作動油圧シ
リンダの押込みストロークが長くなると、それに伴って
作動する油圧シリンダの数が増加するとともに、しわ押
え荷重はそれ等の油圧シリンダに分配されるため、領域
Bでは、初期油圧の低下に伴って発生油圧が小さくな
る。
【0011】そして、Cの領域では、総ての油圧シリン
ダのピストンがシリンダ内へ追い込まれるとともにスト
ローク端に達することのない中立状態に保持され、しわ
押え荷重は、それ等の油圧シリンダの油圧を介して均等
に各クッションピンに分配される。このC領域が均圧初
期油圧領域で、この範囲では初期油圧の低下に伴ってピ
ストン位置が少しずつストローク端側へ移動するのみ
で、発生油圧は略一定である。また、D領域では、一部
の油圧シリンダのピストンがストローク端に達する胴突
き状態となり、均圧状態が崩れる。胴突き状態になる
と、油圧を介することなくしわ押え荷重が伝達されるよ
うになるため、初期油圧の低下に伴って発生油圧は小さ
くなる。
【0012】なお、上記総ての油圧シリンダとは、クッ
ションパッドに配設された全部の油圧シリンダを意味す
るものではなく、クッションピンが配置されるとともに
プレス加工時にしわ押え型によりクッションピンを介し
てピストンがシリンダ内へ追い込まれる油圧シリンダ、
すなわち実際にしわ押えに関与する油圧シリンダのこと
である。
【0013】また、クッションピンの長さ寸法のばらつ
きが大きかったり、油圧シリンダのピストンストローク
が小さかったりして、一部の油圧シリンダが非作動状態
で他の一部の油圧シリンダが胴突き状態となる場合に
は、上記均圧初期油圧領域Cが現れなくなるなど、均圧
初期油圧領域Cを明確に区別できなかったり複数の均圧
初期油圧領域が現れたりした時は、均圧クッション装置
に何等かの異常が存在することを意味している。
【0014】したがって、初期油圧を変更しつつ発生油
圧を検出して初期油圧と発生油圧との関係を調べ、初期
油圧の変化に拘らず発生油圧が略一定となる均圧初期油
圧領域(図1のC領域)を判断することにより、その均
圧初期油圧領域に基づいてしわ押え荷重を略均等に分配
するための油圧に関する均圧条件、すなわち前記均圧初
期油圧Po および/または均圧発生油圧PXo を知るこ
とができる。具体的には、均圧初期油圧領域内の初期油
圧が、プレス加工時にしわ押え荷重を各クッションピン
に均等に分配することができる均圧初期油圧Po であ
り、プレス加工前の初期油圧を均圧初期油圧Po に調圧
すれば、プレス加工時のしわ押えの面圧分布を略一定と
することができる。また、上記均圧初期油圧領域におけ
る発生油圧は均圧発生油圧PXo であり、例えば発生油
圧が均圧発生油圧PXo と略一致するように初期油圧を
補正したり、実際のプレス加工時の発生油圧がその均圧
発生油圧PXo と略一致するか否かを監視することによ
り、油圧シリンダの異物の噛込み等に起因するプレス不
良を判断したりすることができるし、この均圧発生油圧
PXo からしわ押え荷重を求めることもできる。一方、
均圧初期油圧領域を明確に判断できない場合には、均圧
クッション装置に何等かの異常が存在するものと診断で
きる。
【0015】
【第1発明の効果】このように本発明の均圧条件診断方
法によれば、平均追い込み寸法Xavや受圧面積As、体
積弾性係数K、油量V等を用いて前記(1)式や(2)
式に従って演算することなく、簡単にしかも正確に油圧
シリンダの油圧に関する均圧条件を求めたり、均圧クッ
ション装置の異常診断を行ったりすることができるので
ある。
【0016】
【課題を解決するための第2の手段】前記目的を達成す
るために、第2発明は、前記(a)クッションパッド
と、(b)複数の油圧シリンダと、(c)複数のクッシ
ョンピンとを備え、プレス上型が下降させられることに
より、そのプレス上型と前記しわ押え型との間でワーク
を挟圧しつつプレス上型とプレス下型との間でプレス加
工が行われる際に、前記しわ押え荷重付与手段によって
前記しわ押え型に作用させられるしわ押え荷重を前記油
圧シリンダにより前記複数のクッションピンに略均等に
分配するプレス機械の均圧クッション装置において、前
記しわ押え荷重を略均等に分配するための前記油圧シリ
ンダの油圧に関する均圧条件を診断する方法であって、
(d)前記プレス上型が前記しわ押え型を押圧する所定
のしわ押え状態までそのプレス上型を下降させるしわ押
え工程と、(e)そのしわ押え状態において、前記油圧
シリンダに連通する油圧回路内の作動油の油量を変化さ
せつつその作動油の油圧を検出する油圧検出工程と、
(f)前記作動油の油量変化に拘らず前記油圧が略一定
となる領域を均圧領域と判断する判断工程とを有するこ
とを特徴とする。
【0017】
【作用】すなわち、油圧シリンダに連通する油圧回路内
の作動油の油量変化は、前記第1発明において初期油圧
を変更することと実質的に同じことで、しわ押え荷重を
略均等に分配できる均圧領域では、作動油の油量変化に
伴ってピストン位置が変化するだけで油圧は変化しない
のである。したがって、下死点など所定のしわ押え状態
までプレス上型を下降させた状態で、油圧シリンダに連
通する油圧回路内の作動油の油量を変化させつつその作
動油の油圧を検出し、作動油の油量変化に拘らず油圧が
略一定となる領域を均圧領域と判断すれば良い。その均
圧領域の油圧は前記均圧発生油圧PXo であり、前記第
1発明と同様に、例えば発生油圧が均圧発生油圧PXo
と略一致するように初期油圧を補正したり、実際のプレ
ス加工時の発生油圧がその均圧発生油圧PXo と略一致
するか否かを監視することにより、油圧シリンダの異物
の噛込み等に起因するプレス不良を判断したりすること
ができるし、この均圧発生油圧PXo からしわ押え荷重
を求めることもできる。また、均圧領域を明確に判断で
きない場合には、均圧クッション装置に何等かの異常が
存在するものと診断できる。
【0018】
【第2発明の効果】このように、第2発明においても、
平均追い込み寸法Xavや受圧面積As、体積弾性係数
K、油量V等を用いて前記(1)式や(2)式に従って
演算することなく、簡単にしかも正確に油圧シリンダの
油圧に関する均圧条件、すなわち均圧発生油圧を求めた
り、均圧クッション装置の異常診断を行ったりすること
ができる。しかも、この第2発明では、所定のしわ押え
状態で作動油の油量を変化させつつ油圧を検出すれば良
いため、第1発明のように初期油圧を変更する毎にプレ
スを作動させて発生油圧を検出する場合に比較して、均
圧条件を容易且つ迅速に診断できるとともに、かかる均
圧診断の自動化が容易となる。
【0019】
【課題を解決するための第3の手段】前記目的を達成す
るために、第3発明は、図2のクレーム対応図に示すよ
うに、前記(a)クッションパッドと、(b)複数の油
圧シリンダと、(c)複数のクッションピンとを備え、
プレス上型が下降させられることにより、そのプレス上
型と前記しわ押え型との間でワークを挟圧しつつプレス
上型とプレス下型との間でプレス加工が行われる際に、
前記しわ押え荷重付与手段によって前記しわ押え型に作
用させられるしわ押え荷重を前記油圧シリンダにより前
記複数のクッションピンに略均等に分配するプレス機械
の均圧クッション装置において、前記しわ押え荷重を略
均等に分配するための前記油圧シリンダの油圧に関する
均圧条件を設定する装置であって、(d)前記油圧シリ
ンダの油圧を検出する油圧検出手段と、(e)非プレス
加工時における前記油圧シリンダの初期油圧を所定の間
隔で変更する初期油圧変更手段と、(f)プレス加工時
に前記油圧検出手段によって検出される前記油圧シリン
ダの発生油圧に基づいて、前記初期油圧変更手段による
初期油圧の変更に伴う発生油圧の変化量を算出する変化
量演算手段と、(g)その変化量演算手段によって算出
された発生油圧の変化量が予め定められた所定値以下か
否かを判断する判断手段と、(h)その判断手段により
発生油圧の変化量が前記所定値以下と判断された均圧初
期油圧領域に基づいて、前記油圧シリンダの油圧に関す
る均圧条件を求めて設定する設定手段とを有することを
特徴とする。
【0020】
【作用】このような均圧クッション装置の均圧条件設定
装置においては、初期油圧変更手段によって初期油圧を
変更しつつ油圧検出手段によって発生油圧が検出され、
初期油圧の変更に伴う発生油圧の変化量が変化量演算手
段によって算出される。そして、その変化量が予め定め
られた所定値以下か否か、言い換えれば初期油圧の変化
に拘らず発生油圧が略一定であるか否かが判断手段によ
って判断され、その所定値以下と判断された均圧初期油
圧領域に基づいて、設定手段により油圧シリンダの油圧
に関する均圧条件、すなわち前記均圧初期油圧Po およ
び/または均圧発生油圧PXo が求められて設定され
る。均圧初期油圧Po は、上記均圧初期油圧領域内にお
いて設定されれば良く、これにより、プレス加工時にし
わ押え荷重を各クッションピンに均等に分配することが
できる。また、均圧発生油圧PXo は、均圧初期油圧領
域における発生油圧が設定されれば良く、これにより、
例えば発生油圧が均圧発生油圧PXo と略一致するよう
に初期油圧を補正したり、実際のプレス加工時の発生油
圧がその均圧発生油圧PXo と略一致するか否かを監視
することにより、油圧シリンダの異物の噛込み等に起因
するプレス不良を判断したりすることができる。
【0021】すなわち、この均圧条件設定装置は前記第
1発明の診断方法を用いて均圧条件を設定する装置で、
上記初期油圧を変更しつつ発生油圧を検出する部分は、
第1発明の油圧検出工程に相当し、初期油圧の変更に伴
う発生油圧の変化量を求めるとともに、その変化量が予
め定められた所定値以下か否かを判断する部分は、第1
発明の判断工程に相当する。
【0022】
【第3発明の効果】このように、かかる第3発明におい
ても、前記第1発明と同様に平均追い込み寸法Xavや受
圧面積As、体積弾性係数K、油量V等を用いて前記
(1)式や(2)式に従って演算することなく、簡単に
しかも正確に油圧シリンダの油圧に関する均圧条件が設
定され、しわ押え荷重の不均一によるプレス不良が低減
される。また、発生油圧の検出や変化量の算出、均圧初
期油圧領域の判断、および均圧初期油圧領域に基づく均
圧条件の設定等が自動で行われるため、作業者の負担が
少ないとともに、作業者の操作ミス等による均圧条件の
誤った設定が良好に回避される。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図3において、ポンチ型10が取り付け
られるボルスタ12はプレスキャリア14を介してベー
ス16上に配設されている一方、ダイス型18が取り付
けられるプレススライド20は図示しない駆動機構によ
り上下駆動されるようになっている。ボルスタ12に
は、クッションピン22を配設するために多数の貫通孔
24が設けられており、ボルスタ12の下方には、それ
等のクッションピン22を支持するクッションパッド2
6が配設されている。クッションピン22は、上記ポン
チ型10と共に配設されるしわ押えリング28を支持す
るもので、そのしわ押えリング28の形状に応じて予め
定められた所定の位置に任意の数だけ配設される。クッ
ションパッド26は、上記貫通孔24に対応して多数の
油圧シリンダ30を備えており、クッションピン22の
下端部はそれぞれその油圧シリンダ30のピストンロッ
ドに当接させられるようになっている。上記ポンチ型1
0はプレス下型に相当し、ダイス型18はプレス上型に
相当し、しわ押えリング28はしわ押え型に相当する。
【0024】上記クッションパッド26は、前記プレス
キャリア14内に上下方向の移動可能に配設されてお
り、常にはエアシリンダ32により上方へ付勢されてい
る。エアシリンダ32の圧力室はエアタンク34に連通
させられているとともに、そのエアタンク34には、エ
ア圧源36からエアレギュレータ38を介して所定のエ
ア圧Paの圧力エアが供給されるようになっている。こ
のエア圧Paはしわ押え荷重に応じて設定される。すな
わち、前記ダイス型18がプレススライド20と共に下
降させられることにより、そのダイス型18としわ押え
リング28との間でワーク40の周縁部を挟圧しつつ、
ダイス型18とポンチ型10との間で絞り加工が行われ
る際に、しわ押えリング28,クッションピン22,油
圧シリンダ30,およびクッションパッド26を介して
エアシリンダ32が押し下げられると、上記エア圧Pa
に対応するしわ押え荷重がしわ押えリング28に作用さ
せられるのである。
【0025】本実施例では、上記エアシリンダ32,エ
アタンク34,エア圧源36,およびエアレギュレータ
38を含んでしわ押え荷重付与手段42が構成されてお
り、そのしわ押え荷重付与手段42および前記油圧シリ
ンダ30,クッションピン22等を含んで、しわ押えリ
ング28に所定のしわ押え荷重を略均等に作用させる均
圧クッション装置44が構成されている。
【0026】前記複数の油圧シリンダ30の油圧室は、
配管46を介して互いに連通させられているとともに、
配管46はフレキシブルチューブ48を介して配管50
に接続され、エア駆動式の油圧ポンプ52によってタン
ク54から汲み上げられた作動油が逆止弁56を経て供
給されるようになっている。配管50には、コントロー
ルユニット58により制御されるリリーフ弁等を備えた
油圧制御回路60が接続されており、油圧制御が行われ
るようになっている。この油圧制御は、非プレス加工時
における油圧シリンダ30の油圧が予め設定された均圧
初期油圧Po となるように制御するもので、コントロー
ルユニット58には、配管50に接続された油圧センサ
62から増幅器64,A/Dコンバータ66を経て、配
管50や油圧シリンダ30内の油圧Pを表す信号が取り
込まれるようになっている。コントロールユニット58
は、CPU,RAM,ROM等を備えたマイクロコンピ
ュータを含んで構成されており、予め定められたプログ
ラムに従って信号処理を行うことにより、上記油圧制御
を行ったり均圧初期油圧Po および均圧発生油圧PXo
を設定したりプレス加工時の発生油圧PXを監視したり
するようになっている。コントロールユニット58には
表示・操作盤68が接続されているとともに、プレス機
械の試打スイッチがON操作されたことを表す試打スイ
ッチ信号SS、およびプレススライド20が略下降端
(下死点またはそれより少し前)に達したことを表す下
死点信号SDが供給されるようになっている。表示・操
作盤68は、図4に示されている表示器や操作スイッチ
等を備えており、上記油圧Pは表示器70に表示され
る。
【0027】上記均圧初期油圧Po および均圧発生油圧
PXo の設定は、図5のフローチャートに従って行われ
る。かかる図5において、ステップS1では表示・操作
盤68の切換スイッチ72が自動均圧設定を表す「自
動」へ切り換えられたか否かを判断し、ステップS2で
は、同じく表示・操作盤68の運転準備押釦74が押込
み操作されたか否かを判断する。切換スイッチ72が
「自動」へ切り換えられるとともに運転準備押釦74が
押込み操作されると、ステップS3において均圧化初期
油圧Pn (n=1〜10)を設定する。均圧化初期油圧
n は、20kgf/cm2 から200kgf/cm2
までの範囲で20kgf/cm2 間隔で予め記憶されて
おり、高圧側から順番に設定するようになっている。な
お、1kgf/cm2 は約9.8×104 Pa(パスカ
ル)である。
【0028】次のステップS4では、非プレス加工時に
おける油圧回路の油圧Pが上記ステップS3で設定され
た均圧化初期油圧Pn 、すなわち最初は200kgf/
cm2 となるように、油圧センサ62からの油圧信号を
読み込みつつ油圧ポンプ52および油圧制御回路60を
制御する。油圧P≒Pn になると、ステップS5におい
て準備完了を示す所定パターンでブザーを鳴らし、ステ
ップS6ではプレス機械の試打スイッチがON操作され
たか否かを判断する。ブザーを聞いた作業者により試打
スイッチがON操作されて試打スイッチ信号SSが供給
されると、ステップS7においてブザーを停止し、次の
ステップS8では、上記試打スイッチのON操作により
プレス機械が1回のプレス加工を行う際に発生油圧PX
n を読み込んで記憶するとともに、表示・操作盤68の
表示器76に表示する。このプレス加工時の油圧変化
は、図6に示すように衝撃による振動を伴うため、本実
施例では、その振動が小さくなる下死点SLの近傍の油
圧P、すなわちプレス機械から下死点信号SDが供給さ
れた時の油圧センサ62の油圧信号が表す油圧Pを発生
油圧PXn として読み込むようにしている。なお、下死
点SLまでの油圧Pの最大値や最小値、或いは平均値な
ど、他の油圧値を発生油圧とすることもできる。
【0029】次のステップS9では、今回の発生油圧P
n と前回の発生油圧PXn-1 との変化量ΔPX=|P
n −PXn-1 |を算出し、ステップS10において、
その変化量ΔPXが予め設定された判断値α以下か否か
を判断する。判断値αは、均圧化初期油圧Pn の変化に
拘らず発生油圧PXn が略一定であるか否かを判断する
ためのもので、発生油圧PXn のばらつきや油圧検出誤
差等を考慮して例えば5kgf/cm2 程度の値が設定
される。そして、変化量ΔPX≦αの場合には、ステッ
プS11においてフラグFを「1」とした後、ステップ
S12において、表示・操作盤68に均圧化初期油圧P
n 毎に10個設けられた均圧初期油圧領域表示ランプ7
8のうち、前回の均圧化初期油圧Pn-1 に対応するラン
プを点灯する。また、変化量ΔPX>αの場合には、ス
テップS13においてフラグF=1か否かを判断し、F
=1の場合にはステップS14でフラグFを「0」とし
た後前記ステップS12を実行する。続くステップS1
5では、均圧化初期油圧Pn =20kgf/cm2 であ
るか否か、言い換えれば総ての均圧化初期油圧Pnにつ
いて発生油圧PXn の検出を終了したか否かを判断し、
n =20kgf/cm2 となるまで、均圧化初期油圧
n の設定を変更しながらステップS3以下の実行を繰
り返す。なお、均圧化初期油圧Pn が200kgf/c
2 の最初のサイクルでは、上記ステップS9〜S14
を省略し、ステップS8に続いてステップS15を実行
する。
【0030】図7は、上記ステップS3以下の実行が繰
り返されることにより、各均圧化初期油圧Pn 毎に検出
された発生油圧PXn の一例を示すグラフで、均圧化初
期油圧P4 =140kgf/cm2 の時の発生油圧PX
4 は200kgf/cm2 、均圧化初期油圧P5 =12
0kgf/cm2 の時の発生油圧PX5 は198kgf
/cm2 である。このため、均圧化初期油圧P5 =12
0kgf/cm2 の場合には、変化量ΔPX=|PX5
−PX4 |=2kgf/cm2 でステップS10の判断
はYESとなり、ステップS12において前回の均圧化
初期油圧P4 =140kgf/cm2 のランプを点灯す
る。均圧化初期油圧P6 =100kgf/cm2 ,均圧
化初期油圧P7 =80kgf/cm2 の場合も、同様に
ステップS10の判断はYESで、それぞれステップS
12において均圧化初期油圧P5=120kgf/cm2
,均圧化初期油圧P6 =100kgf/cm2 のラン
プを点灯する。均圧化初期油圧P8 =60kgf/cm
2 の場合には、変化量ΔPX=|PX8 −PX7 |>α
でステップS10の判断はNOとなるが、前回のサイク
ルでフラグF=1とされているためステップS13の判
断はYESとなり、ステップS12において均圧化初期
油圧P7 =80kgf/cm2 のランプを点灯する。図
4の均圧初期油圧領域表示ランプ78は、この場合の点
灯状態(斜線)を示したものである。
【0031】ここで、上記均圧初期油圧領域表示ランプ
78の点灯油圧領域、言い換えれば均圧化初期油圧Pn
の変更に拘らず発生油圧PXn の変化量ΔPXが小さい
均圧化初期油圧Pn の領域で図7のC領域は、前記図1
のC領域と同様に、クッションピン22が配置されてし
わ押えに関与する総ての油圧シリンダ30のピストンが
プレス加工時に中立状態であることを意味しており、均
圧初期油圧領域に相当する。前記ステップS3で設定さ
れる均圧化初期油圧Pn の油圧範囲や間隔は、プレス加
工の種類によるしわ押え荷重やクッションピン22の使
用本数の相違等に拘らず均圧初期油圧領域を判別できる
ように、油圧シリンダ30の数や受圧面積、ピストンス
トローク、しわ押え荷重の設定範囲等を考慮して予め定
められる。しわ押え荷重やクッションピン22の使用本
数などに応じて、例えば前記(1)式に従って予想均圧
初期油圧を求め、その予想均圧初期油圧を含むように均
圧化初期油圧Pn の油圧範囲や間隔が設定されるように
しても良い。
【0032】なお、例えばクッションピン22の長さ寸
法のばらつきが大きかったり、油圧シリンダ30のピス
トンストロークが小さかったりして、一部の油圧シリン
ダ30が非作動状態で他の一部の油圧シリンダが胴突き
状態となる場合には、上記均圧初期油圧領域が現れなく
なるなど、均圧初期油圧領域を明確に判別できなかった
り複数の均圧初期油圧領域が現れたりした時は、均圧ク
ッション装置44の何等かの異常を意味しており、上記
均圧初期油圧領域表示ランプ78の点灯状態から均圧ク
ッション装置44の異常判断を行うことができる。均圧
初期油圧領域表示ランプ78が全く点灯しなかったり、
ランプがばらばらに点灯したりした場合に異常表示を行
うようにすることもできる。また、前記切換スイッチ7
2を「各個」にすれば、均圧化初期油圧設定ダイアル8
0を手動操作して任意に均圧化初期油圧Pn を設定でき
るため、その場合のプレス加工時の発生油圧PXn を表
示器76で確認することにより、均圧化初期油圧Pn
きめ細かく変更しながら発生油圧PXn の変化を調べた
り、均圧初期油圧領域を手動操作で探したりすることが
できる。
【0033】図5に戻って、前記ステップS15の判断
がYESになると、次にステップS16を実行し、フラ
グF=1か否かを判断する。フラグF=1の場合には、
ステップS17において今回の均圧化初期油圧Pn 、す
なわちこの実施例ではP10=20kgf/cm2 のラン
プを点灯し、ステップS18でフラグFを「0」とした
後ステップS19を実行するが、フラグF=0の場合に
はステップS16に続いてステップS19を実行する。
これらのステップは、均圧化初期油圧P9 =40kgf
/cm2 の時の発生油圧PX9 と、均圧化初期油圧P10
=20kgf/cm2 の時の発生油圧PX10との変化量
ΔPXが判断値α以下の場合に、均圧化初期油圧P10
ランプを点灯させるためのものである。
【0034】ステップS19では、均圧初期油圧領域表
示ランプ78の点灯箇所の均圧化初期油圧Pn の平均値
を求め、その平均値を均圧初期油圧Po として設定す
る。例えば図4に示す点灯状態の場合には、(80+1
00+120+140)/4=110kgf/cm2
均圧初期油圧Po として設定される。また、ステップS
20では、均圧初期油圧領域表示ランプ78の点灯箇所
の均圧化初期油圧Pn における発生油圧PXn の平均値
を求め、その平均値を均圧発生油圧PXo として設定す
る。例えば均圧化初期油圧Pn と発生油圧PXn との関
係が図7に示す場合には、(PX4 +PX5 +PX6
PX7 )/4=(200+198+202+201)/
4≒200kgf/cm2 が均圧発生油圧PXo として
設定される。上記均圧初期油圧Po および均圧発生油圧
PXo は、何れも油圧シリンダ30の油圧に関する均圧
条件である。
【0035】以上により均圧初期油圧Po および均圧発
生油圧PXo の設定は終了し、実際のプレス加工時に
は、例えば図8に示すように、上死点等の非プレス加工
時に油圧Pが均圧初期油圧Po となるように前記油圧ポ
ンプ52および油圧制御回路60を制御する。これによ
り、プレス加工時にはしわ押えに関与する総ての油圧シ
リンダ30が中立状態に保持され、しわ押えの面圧分布
が略一定となる状態で絞り加工が行われる。また、図9
に示すように、発生油圧PXを読み込んで均圧発生油圧
PXo と比較し、発生油圧PX≒PXo でない場合に
は、表示・操作盤68の異常表示ランプ82を点灯した
り異常を表す所定パターンでブザーを鳴らしたりして、
作業者にプレス機械の異常を知らせるようになってい
る。なお、発生油圧PXが均圧発生油圧PXo と略一致
するように、非プレス加工時の初期油圧を補正すること
もできるし、均圧発生油圧PXo と油圧シリンダ30の
受圧面積As,クッションピン22の重量Wpおよび使
用本数n,しわ押えリング28の重量Wrから、前記
(2)式に従ってしわ押え荷重Fsを求めることもでき
る。
【0036】ここで、かかる本実施例のプレス機械は、
予め定められた10個の均圧化初期油圧Pn について発
生油圧PXn を調べるとともに、発生油圧PXn の変化
が小さい均圧初期油圧領域を求め、その均圧初期油圧領
域の平均油圧を均圧初期油圧Po とする一方、均圧初期
油圧領域における発生油圧PXn の平均油圧を均圧発生
油圧PXo としている。このため、従来のように平均追
い込み寸法Xavや受圧面積As、体積弾性係数K、油量
V等を用いて前記(1)式や(2)式に従って算出する
場合に比較して、簡単にしかも正確に均圧初期油圧Po
および均圧発生油圧PXo を求めることができ、しわ押
え荷重の不均一によるプレス不良が低減されるととも
に、均圧初期油圧領域表示ランプ78の点灯状態から均
圧クッション装置44の何等かの異常を判断することも
できる。また、作業者は所定のスイッチ操作を行うだけ
で、発生油圧PXn の検出や変化量ΔPXの算出、均圧
初期油圧領域の判断、および均圧初期油圧領域に基づく
均圧初期油圧Po および均圧発生油圧PXo の設定が自
動で行われるようになっているため、作業者の負担が少
ないとともに、作業者の操作ミス等による誤った設定が
良好に回避される。
【0037】本実施例は、第1発明,第3発明の一実施
例を成すもので、コントロールユニット58によって実
行されるステップS3,S4,およびS8が油圧検出工
程に相当し、ステップS9,S10,S12,およびS
17が判断工程に相当する。また、油圧センサ62は油
圧検出手段に相当し、コントロールユニット58による
一連の信号処理のうちステップS3およびS4を実行す
る部分は、油圧制御回路60や油圧ポンプ52と共に初
期油圧変更手段を構成している。更に、ステップS8お
よびS9を実行する部分は変化量演算手段に相当し、ス
テップS10を実行する部分は判断手段に相当し、ステ
ップS12,S17,S19,およびS20を実行する
部分は設定手段に相当する。
【0038】ところで、均圧化初期油圧Pn が低い領域
では、作動油中に混入している空気の影響などにより、
均圧化初期油圧Pn の変化に拘らず発生油圧PXn が殆
ど変化しない場合がある。図10に示すデータはその一
例で、均圧化初期油圧P9 =40kgf/cm2 ,P10
=20kgf/cm2 の時の発生油圧PX9 ,PX10
略同じ値となっている。この場合、上記実施例では均圧
化初期油圧P10=20kgf/cm2 のサイクルでステ
ップS10の判断がYESとなり、ステップS12,S
17の実行により、表示・操作盤68における前記表示
ランプ78のうち、油圧P9 =40kgf/cm2 およ
びP10=20kgf/cm2 のランプも点灯し、均圧初
期油圧Po および均圧発生油圧PXo が誤って設定され
る恐れがある。
【0039】図11乃至図14に示す実施例は、上記の
ように均圧化初期油圧Pn が低い領域で誤った判断が為
されることを防止するようにしたもので、以下に順次説
明する。なお、以下の実施例において前記実施例と共通
する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略す
る。
【0040】図11のフローチャートでは、前記図5の
フローチャートと同じ内容のステップS1〜S8が同様
に実行されたあと、ステップS21においてフラグF1
が「0」か否かを判断する。フラグF1は初期設定で
「0」とされているため、ステップS21を実行する最
初のサイクルではフラグF1=0であり、次にステップ
S9を実行して変化量ΔPXを算出するとともにステッ
プS10においてその変化量ΔPXが判断値α以下か否
かを判断する。そして、変化量ΔPX≦αの場合には、
ステップS22で比較基準油圧PYを設定するととも
に、ステップS23でフラグF1,F2をそれぞれ
「1」とする。比較基準油圧PYは、以後のサイクルで
発生油圧PXn の変化量を算出する基礎となるもので、
例えば今回の発生油圧PXn または前回の発生油圧PX
n-1 、或いはそれ等の平均値(PXn +PXn-1 )/2
等が設定される。その後、ステップS12を実行し、表
示・操作盤68における前記均圧初期油圧領域表示ラン
プ78のうち、前回の均圧化初期油圧Pn-1 に対応する
ランプを点灯する。
【0041】上記ステップS10の判断がYESとな
り、ステップS23でフラグF1=1とされると、以後
のサイクルではステップS21に続いてステップS24
以下を実行する。ステップS24では、今回の発生油圧
PXn の前記比較基準油圧PYに対する変化量ΔPY=
|PXn −PY|を算出し、ステップS25において、
その変化量ΔPYが予め設定された判断値α以下か否か
を判断する。この判断値αは、前記ステップS10にお
ける判断値αと異なる値が設定されても良い。そして、
変化量ΔPY≦αの場合には、ステップS23,S12
を実行し、前回の均圧化初期油圧Pn-1 に対応するラン
プを点灯する。また、変化量ΔPY>αの場合には、ス
テップS26においてフラグF2=1か否かを判断し、
F2=1の場合にはステップS27でフラグF2を
「0」とした後ステップS12を実行する一方、F2=
0の場合にはステップS15以下を実行する。なお、ス
テップS16′ではフラグF2が「1」か否かを判断
し、F2=1の場合にはステップS17で今回の均圧化
初期油圧Pn すなわちP10=20kgf/cm2 のラン
プを点灯する。また、ステップS18′ではフラグF
1,F2をそれぞれ「0」とする。
【0042】この実施例では、最初にステップS10の
判断がYESとなった時、すなわち油圧変化量ΔPX≦
αとなった時の発生油圧PXn または前回の発生油圧P
n-1 、或いはそれ等の平均値が比較基準油圧PYとし
て設定され、以後のサイクルでは、その比較基準油圧P
Yと発生油圧PXn とを比較して均圧判断を行うように
なっているため、前記図10のような発生油圧PXn
検出された場合、発生油圧PX4 またはPX5 、或いは
それ等の平均値が比較基準油圧PYとされ、均圧化初期
油圧P4 〜P7 の領域Cのみが均圧初期油圧領域と判断
される。すなわち、発生油圧PX9 とPX10とが略等し
い場合でも、比較基準油圧PYに対する変化量ΔPYが
大きいため、均圧化初期油圧P9 ,P10の領域が誤って
均圧初期油圧領域と判断されることはないのであり、均
圧初期油圧Po および均圧発生油圧PXo は領域Cの均
圧化初期油圧Pn ,発生油圧PXn に基づいて正しく設
定される。
【0043】本実施例も第1発明,第3発明の一実施例
を成すもので、ステップS3,S4,およびS8が油圧
検出工程に相当し、ステップS9,S10,S12,S
17,S22,S24,およびS25が判断工程に相当
する。また、油圧センサ62は油圧検出手段に相当し、
ステップS3およびS4を実行する部分は、油圧制御回
路60や油圧ポンプ52と共に初期油圧変更手段を構成
している。更に、ステップS8,S9,S22,および
S24を実行する部分は変化量演算手段に相当し、ステ
ップS10,S25を実行する部分は判断手段に相当
し、ステップS12,S17,S19,およびS20を
実行する部分は設定手段に相当する。
【0044】図12は、図11のフローチャートにおけ
る前記ステップS21〜S27の各ステップが同様に設
けられた別態様のフローチャートであり、ステップS8
で発生油圧PXn を読み込んで記憶した後、ステップS
9で変化量ΔPXを算出するとともに、ステップS10
において変化量ΔPXが判断値α以下か否かを判断し、
変化量ΔPX≦αの場合にはステップS21においてフ
ラグF1が「0」か否かを判断する。フラグF1は初期
設定で「0」とされているため、ステップS21以下を
実行する最初のサイクルではF1=0であり、続いてス
テップS22以下を実行する。ステップS22では、前
記実施例と同様にして比較基準油圧PYを設定し、ステ
ップS23ではフラグF1,F2をそれぞれ「1」と
し、ステップS12では前回の均圧化初期油圧Pn-1
対応するランプを点灯する。ステップS10の判断がY
ESとなり、ステップS23でフラグF1=1とされる
と、以後のサイクルではステップS21に続いてステッ
プS24以下を実行する。また、ステップS10におい
て変化量ΔPX>αの場合には、ステップS26以下を
実行する。
【0045】すなわち、この実施例では変化量ΔPX≦
αの場合にのみステップS21以下を実行し、且つ一旦
ステップS22以下を実行して比較基準油圧PYを設定
した後は、ステップS21に続いてステップS24以下
を実行することにより、その比較基準油圧PYと発生油
圧PXn とを比較して均圧判断を行うのである。したが
って、変化量ΔPX≦αであっても、変化量ΔPY≦α
でなければ均圧判断はNOとなり、前記図11の実施例
と同様の効果が得られる。
【0046】図13の実施例は、前記図5のフローチャ
ートと同様にしてステップS1〜S10を実行した後、
変化量ΔPX≦αの場合にはステップS28においてフ
ラグF1を「1」とし、ステップS12を実行して前回
の均圧化初期油圧Pn-1 に対応するランプを点灯する一
方、変化量ΔPX>αの場合には、ステップS29にお
いてフラグF1が「1」であるか否かを判断し、F1=
1の場合にはステップS30でフラグF1を「0」、フ
ラグF2を「1」とした後ステップS12を実行する。
ステップS12に続くステップS31では、フラグF2
が「1」か否かを判断し、F2=0の場合にはステップ
S15以下を実行するが、F2=1の場合、すなわちス
テップS10の判断が一旦YESとなった後NOとな
り、ステップS29に続いてステップS30が実行され
た場合には、直ちにステップS18″以下を実行して一
連の処理を終了する。なお、ステップS16″以下は、
均圧化初期油圧P10=20kgf/cm2 のときにステ
ップS10の判断が肯定された場合、或いは均圧初期油
圧領域を全く検出できなかった場合に実行され、ステッ
プS16″ではフラグF1が「1」か否かを判断し、F
1=1の場合にはステップS17で今回の均圧化初期油
圧Pn すなわちP10=20kgf/cm2 のランプを点
灯する。また、ステップS18″ではフラグF1,F2
をそれぞれ「0」とする。
【0047】すなわち、この実施例では、一旦ステップ
S10の判断がYESとなって均圧初期油圧領域を検出
した場合には、その均圧初期油圧領域から外れた時点で
以後の均圧判断を中止するのであり、これにより、均圧
化初期油圧Pn が低い領域での誤った均圧判断が防止さ
れる。例えば、前記図10のような発生油圧PXn が検
出された場合、発生油圧PXn の変化量ΔPXが小さい
最初の均圧化初期油圧P4 〜P7 の領域Cのみが均圧初
期油圧領域と判断され、均圧化初期油圧P8 =60kg
f/cm2 の時のサイクルでステップS10の判断がN
Oになると、以後の均圧判断を中止し、均圧領域Cのみ
のデータに基づいて均圧初期油圧Po および均圧発生油
圧PXo を設定するのである。
【0048】本実施例も第1発明,第3発明の一実施例
を成すもので、前記第1実施例と同様に、ステップS
3,S4,およびS8が油圧検出工程に相当し、ステッ
プS9,S10,S12,およびS17が判断工程に相
当する。また、油圧センサ62は油圧検出手段に相当
し、ステップS3およびS4を実行する部分は、油圧制
御回路60や油圧ポンプ52と共に初期油圧変更手段を
構成している。更に、ステップS8およびS9を実行す
る部分は変化量演算手段に相当し、ステップS10を実
行する部分は判断手段に相当し、ステップS12,S1
7,S19,およびS20を実行する部分は設定手段に
相当する。
【0049】図14は、図13のフローチャートにおけ
る前記ステップS28〜S31の各ステップが同様に設
けられた別態様のフローチャートで、フラグF2が
「1」か否かを判断するステップS31をステップS8
とS9との間に設け、フラグF2=1の場合にはステッ
プS9以下の均圧判断を中止するが、ステップS15以
下を実行することにより、それ以後の均圧化初期油圧P
n についても発生油圧PXn を検出するようにしたもの
である。すなわち、均圧初期油圧領域表示ランプ78の
点灯、および均圧初期油圧Po および均圧発生油圧PX
o の設定に関しては、前記図13の実施例と同様である
が、最初の均圧初期油圧領域から外れた以後の均圧化初
期油圧Pn についても発生油圧PXn を検出し、表示器
76に表示するようにしたのであり、均圧化初期油圧P
n と発生油圧PXn との関係を最後まで確認することが
できる。
【0050】以上の各実施例は、何れも初期油圧Pn
変更しながらプレスを1サイクル作動させて発生油圧P
n を検出し、均圧判断を行うようになっていたが、前
記ダイス型18がしわ押えリング28を押圧するしわ押
え状態において、油圧シリンダ30内の作動油の油量を
変化させつつ発生油圧PXを検出して均圧判断を行うこ
ともできる。図15は、このようにして均圧領域を診断
できる均圧クッション装置の一例で、前記配管50に
は、油圧シリンダ30に連通する油圧回路内の作動油を
一定流量で流出させる定流量排出弁90が接続され、コ
ントロールユニット58からの信号に従って開閉制御さ
れるようになっており、図16のフローチャートに従っ
て均圧診断が行われる。なお、この場合の表示・操作盤
68には、前記均圧初期油圧領域表示ランプ78は不要
である。
【0051】図16において、切換スイッチ72が自動
均圧設定を表す「自動」へ切り換えられるとともに運転
準備押釦74が押込み操作されると、ステップR3を実
行し、非プレス加工時における油圧回路の油圧Pが予め
定められた設定油圧Pmax 、例えば200kgf/cm
2 程度となるように、油圧センサ62からの油圧信号を
読み込みつつ油圧ポンプ52および油圧制御回路60を
制御する。次に、ステップR4でプレススライド20を
予め定められた下降位置まで下降させ、その状態で、ス
テップR5において定流量排出弁90を開いて油圧回路
内の作動油を一定流量で排出するとともに、ステップR
6で発生油圧PXを読み込んで記憶する。プレススライ
ド20の下降位置は、少なくともしわ押えリング28を
押圧するしわ押え状態となる位置で、例えば前記下死点
信号SDが供給される下死点位置などである。ステップ
R7では、発生油圧PXが予め定められた下限値PXmi
n、例えば150kgf/cm2 程度まで低下したか否
かを判断し、PX≦PXmin となるまで所定のサイクル
タイムでステップR6を繰り返し実行する。そして、P
X≦PXmax になると、ステップR8で定流量排出弁9
0を閉じ、ステップR9で上記発生油圧PXのデータか
ら均圧領域を判断する。上記設定油圧Pmax,下限値P
Xmin は予め一定値が定められても良いが、設定スイッ
チ等により作業者が任意に設定できるようにしたり、し
わ押え荷重やクッションピン22の使用本数などに応じ
て、例えば前記(1)式や(2)式に従って予想均圧初
期油圧、予想均圧発生油圧を求め、それ等の油圧値に基
づいて設定油圧Pmax ,下限値PXmin が設定されるよ
うにしたりすることもできる。
【0052】ここで、上記ステップR6で検出される発
生油圧PXは、作動油の流出に伴って例えば図17のよ
うに変化する。一方、油圧シリンダ30に連通する油圧
回路内の作動油の油量変化は、前述した各実施例におい
て均圧化初期油圧Pn を変更することと実質的に同じこ
とで、総ての油圧シリンダ30のピストンが中立状態と
なる均圧領域では、作動油の油量変化に伴ってピストン
位置が変化するだけで発生油圧PXは殆ど変化しない。
したがって、上記ステップR9では、作動油の流出に拘
らず発生油圧PXが殆ど変化しない領域、すなわちステ
ップR6で逐次検出した発生油圧PXの変化幅が予め定
められた所定値以下の領域Ctを均圧領域と判断すれば
良く、例えば前記各実施例と同様に変化量ΔPXやΔP
Y等を算出して判断する。なお、この均圧領域Ctを判
別できなかったり複数の均圧領域Ctが現れたりした時
は、均圧クッション装置44の何等かの異常を意味して
おり、異常表示ランプやブザー等で異常表示を行うよう
になっている。
【0053】次のステップR10では、上記ステップR
9で判断された均圧領域Ctにおける発生油圧PXを均
圧発生油圧PXo に設定し、ステップR11でプレスス
ライド20を上死点まで戻して一連の均圧診断処理を終
了する。ステップR10で均圧発生油圧PXo が設定さ
れることにより、以後に行われる実際のプレス加工時に
は、発生油圧PX≒PXo となるように初期油圧Po を
調整したり、前記図9のように発生油圧PXを監視した
りする。
【0054】この実施例でも、前記各実施例と同様に平
均追い込み寸法Xavや受圧面積As、体積弾性係数K、
油量V等を用いて前記(1)式や(2)式に従って演算
することなく、簡単にしかも正確に均圧発生油圧PXo
を求めたり、均圧クッション装置44の異常診断を行っ
たりすることができる。しかも、所定のしわ押え状態で
定流量排出弁90を開いて油圧回路内の作動油を流出さ
せつつ発生油圧PXを検出して、その発生油圧PXの変
化から均圧領域を判断しているため、前記実施例のよう
に初期油圧を変更しながらプレスを作動させて均圧診断
を行う場合に比較して、迅速に均圧領域を診断できると
ともに、一々試打スイッチをON操作する必要がなく全
自動で均圧診断が行われる。
【0055】本実施例は第2発明の一実施例を成すもの
で、コントロールユニット58によって実行されるステ
ップR4がしわ押え工程に相当し、ステップR5および
R6が油圧検出工程に相当し、ステップR9が判断工程
に相当する。
【0056】以上、本発明の幾つかの実施例を図面に基
づいて詳細に説明したが、本発明は更に別の態様で実施
することもできる。
【0057】例えば、前記実施例ではステップS4にお
いて油圧調整を行った後ブザーを鳴らし、作業者が手動
操作でプレス機械の試打スイッチをON操作するように
なっていたが、油圧調整後に自動で試打プレスを行うよ
うに構成することもできる。
【0058】また、前記実施例では均圧初期油圧領域を
ランプ78の点灯で知らせるようになっていたが、変化
量ΔPXが判断値α以下の均圧化初期油圧Pn を記憶す
るようになっておれば、ランプ78による点灯表示は必
ずしも必要でない。
【0059】また、均圧化初期油圧Pn と発生油圧PX
n との関係を作業者に明確に知らせるために、図7のよ
うな二次元のグラフを液晶ディスプレイ等に表示させる
ことも可能で、その場合には、その表示に基づいて作業
者が均圧初期油圧Po や均圧発生油圧PXo を求めて設
定することもできる。図15〜図17の実施例でも、図
17のような二次元のグラフを液晶ディスプレイ等に表
示させることが可能である。
【0060】また、前記実施例では高圧側から均圧化初
期油圧Pn が設定されるようになっていたが、均圧化初
期油圧Pn が低圧側すなわち20kgf/cm2 から設
定されるようになっていても差し支えない。均圧化初期
油圧Pn の最大値や最小値、変更油圧間隔を手動操作で
設定できるようにすることもできる。
【0061】また、前記実施例では均圧条件として均圧
初期油圧Po および均圧発生油圧PXo が共に算出さ
れ、設定されるようになっていたが、何れか一方だけを
求めて設定するようになっていても良い。
【0062】また、前記図15〜図17の実施例では定
流量排出弁90により作動油を一定流量で排出するよう
になっていたが、絞り等を介して作動油を流出させると
ともに流量センサで流出油量を検出し、その流出油量と
発生油圧PXとの関係から均圧診断を行うこともでき
る。一定油量ずつ断続的に作動油を流出させて発生油圧
PXを検出するようにしても良い。
【0063】また、低圧状態から油圧ポンプ52により
作動油を供給しながら発生油圧PXを検出して均圧診断
を行うことも可能である。
【0064】また、前記ステップR11でプレスを上死
点まで戻す前に、油圧PがステップR10で設定された
均圧発生油圧PXo となるまで油圧ポンプ52で作動油
を供給し、その後プレスを上死点まで戻して均圧初期油
圧Po を検出することもできる。作動油の流出に拘らず
発生油圧PXの変化がなくなった時点で流出を停止し、
その時の発生油圧PXを均圧発生油圧PXo とするとと
もに、プレスを上死点まで戻して均圧初期油圧Po を検
出するようにしても良い。
【0065】また、前記実施例ではポンチ型10がプレ
スキャリア14を介してベース16上に配設されるよう
になっていたが、ポンチ型10がベース16上に位置固
定に取り付けられるプレス機械にも本発明は同様に適用
され得るなど、ポンチ型10の配設形態は適宜変更され
得る。
【0066】また、前記実施例のしわ押え荷重付与手段
42はエア圧に基づいてしわ押え荷重を付与するもので
あったが、油圧シリンダのリリーフ圧やスプリング等に
よってしわ押え荷重を付与することもできる。
【0067】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】均圧クッション装置の初期油圧と発生油圧との
関係を説明する図である。
【図2】第3発明のクレーム対応図である。
【図3】第1発明を好適に実施できるとともに、第3発
明の一実施例である均圧クッション装置の均圧条件設定
装置を備えたプレス機械の構成を示す図である。
【図4】図3のプレス機械に備えられている均圧クッシ
ョン装置の表示・操作盤を示す図である。
【図5】図3のプレス機械において均圧クッション装置
の均圧初期油圧Po および均圧発生油圧PXo を設定す
る際の作動を説明するフローチャートである。
【図6】図5のS8において読み込む発生油圧PXn
検出位置を説明する図である。
【図7】図5のフローチャートに従って均圧初期油圧P
o および均圧発生油圧PXo を設定する際に検出される
発生油圧PXn の一例を均圧化初期油圧Pn との関係で
示す図である。
【図8】図3のプレス機械において実際にプレス加工を
行う際に均圧クッション装置の初期油圧を制御する部分
を示すフローチャートである。
【図9】図3のプレス機械において実際にプレス加工を
行う際に均圧クッション装置の発生油圧を監視する部分
を示すフローチャートである。
【図10】図5のフローチャートに従って均圧初期油圧
Po および均圧発生油圧PXo を設定する際に検出され
る発生油圧PXn と均圧化初期油圧Pn との関係の別の
例を示す図である。
【図11】第1発明,第3発明の他の実施例を説明する
フローチャートである。
【図12】第1発明,第3発明の更に別の実施例を説明
するフローチャートである。
【図13】第1発明,第3発明の更に別の実施例を説明
するフローチャートである。
【図14】第1発明,第3発明の更に別の実施例を説明
するフローチャートである。
【図15】第2発明を好適に実施できる均圧クッション
装置を備えたプレス機械の構成を示す図である。
【図16】図15のプレス機械において均圧クッション
装置の均圧診断を行う際の作動を説明するフローチャー
トである。
【図17】図16のフローチャートに従って均圧診断を
行う際に検出される発生油圧PXの変化特性を説明する
図である。
【符号の説明】
10:ポンチ型(プレス下型) 18:ダイス型(プレス上型) 22:クッションピン 26:クッションパッド 28:しわ押えリング(しわ押え型) 30:油圧シリンダ 40:ワーク 42:しわ押え荷重付与手段 44:均圧クッション装置 52:油圧ポンプ 58:コントロールユニット 60:油圧制御回路 62:油圧センサ(油圧検出手段) 90:定流量排出弁 ステップS3,S4,S8:油圧検出工程 ステップS9,S10,S12,S17:判断工程 ステップS3,S4:初期油圧変更手段 ステップS8,S9:変化量演算手段 ステップS10:判断手段 ステップS12,S17,S19,S20:設定手段 ステップS9,S10,S12,S17,S22,S2
4,S25:判断工程 ステップS8,S9,S22,S24:変化量演算手段 ステップS10,S25:判断手段 ステップR4:しわ押え工程 ステップR5,R6:油圧検出工程 ステップR9:判断工程

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 しわ押え荷重付与手段によりしわ押え荷
    重が作用させられるクッションパッドと、該クッション
    パッドに配設されるとともに油圧室が互いに連通させら
    れた複数の油圧シリンダと、該油圧シリンダ上にそれぞ
    れ配設されるとともに上端部でしわ押え型を支持してい
    る複数のクッションピンとを備え、プレス上型が下降さ
    せられることにより、該プレス上型と前記しわ押え型と
    の間でワークを挟圧しつつ該プレス上型とプレス下型と
    の間でプレス加工が行われる際に、前記しわ押え荷重付
    与手段によって前記しわ押え型に作用させられるしわ押
    え荷重を前記油圧シリンダにより前記複数のクッション
    ピンに略均等に分配するプレス機械の均圧クッション装
    置において、前記しわ押え荷重を略均等に分配するため
    の前記油圧シリンダの油圧に関する均圧条件を診断する
    方法であって、 非プレス加工時における前記油圧シリンダの初期油圧を
    変更しつつ、プレス加工時における該油圧シリンダの発
    生油圧を検出することにより、初期油圧と発生油圧との
    関係を調べる油圧検出工程と、 該初期油圧と発生油圧との関係に基づいて、初期油圧の
    変化に拘らず発生油圧が略一定となる均圧初期油圧領域
    を判断する判断工程とを有することを特徴とする均圧ク
    ッション装置の均圧条件診断方法。
  2. 【請求項2】 しわ押え荷重付与手段によりしわ押え荷
    重が作用させられるクッションパッドと、該クッション
    パッドに配設されるとともに油圧室が互いに連通させら
    れた複数の油圧シリンダと、該油圧シリンダ上にそれぞ
    れ配設されるとともに上端部でしわ押え型を支持してい
    る複数のクッションピンとを備え、プレス上型が下降さ
    せられることにより、該プレス上型と前記しわ押え型と
    の間でワークを挟圧しつつ該プレス上型とプレス下型と
    の間でプレス加工が行われる際に、前記しわ押え荷重付
    与手段によって前記しわ押え型に作用させられるしわ押
    え荷重を前記油圧シリンダにより前記複数のクッション
    ピンに略均等に分配するプレス機械の均圧クッション装
    置において、前記しわ押え荷重を略均等に分配するため
    の前記油圧シリンダの油圧に関する均圧条件を診断する
    方法であって、 前記プレス上型が前記しわ押え型を押圧する所定のしわ
    押え状態まで該プレス上型を下降させるしわ押え工程
    と、 該しわ押え状態において、前記油圧シリンダに連通する
    油圧回路内の作動油の油量を変化させつつ該作動油の油
    圧を検出する油圧検出工程と、 前記作動油の油量変化に拘らず前記油圧が略一定となる
    領域を均圧領域と判断する判断工程とを有することを特
    徴とする均圧クッション装置の均圧条件診断方法。
  3. 【請求項3】 しわ押え荷重付与手段によりしわ押え荷
    重が作用させられるクッションパッドと、該クッション
    パッドに配設されるとともに油圧室が互いに連通させら
    れた複数の油圧シリンダと、該油圧シリンダ上にそれぞ
    れ配設されるとともに上端部でしわ押え型を支持してい
    る複数のクッションピンとを備え、プレス上型が下降さ
    せられることにより、該プレス上型と前記しわ押え型と
    の間でワークを挟圧しつつ該プレス上型とプレス下型と
    の間でプレス加工が行われる際に、前記しわ押え荷重付
    与手段によって前記しわ押え型に作用させられるしわ押
    え荷重を前記油圧シリンダにより前記複数のクッション
    ピンに略均等に分配するプレス機械の均圧クッション装
    置において、前記しわ押え荷重を略均等に分配するため
    の前記油圧シリンダの油圧に関する均圧条件を設定する
    装置であって、 前記油圧シリンダの油圧を検出する油圧検出手段と、 非プレス加工時における前記油圧シリンダの初期油圧を
    所定の間隔で変更する初期油圧変更手段と、 プレス加工時に前記油圧検出手段によって検出される前
    記油圧シリンダの発生油圧に基づいて、前記初期油圧変
    更手段による初期油圧の変更に伴う発生油圧の変化量を
    算出する変化量演算手段と、 該変化量演算手段によって算出された発生油圧の変化量
    が予め定められた所定値以下か否かを判断する判断手段
    と、 該判断手段により発生油圧の変化量が前記所定値以下と
    判断された均圧初期油圧領域に基づいて、前記油圧シリ
    ンダの油圧に関する均圧条件を求めて設定する設定手段
    とを有することを特徴とする均圧クッション装置の均圧
    条件設定装置。
JP5131398A 1992-11-05 1993-05-07 均圧クッション装置の均圧条件診断方法およびその方法を用いた均圧条件設定装置 Expired - Lifetime JP2711980B2 (ja)

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US08/143,767 US5457980A (en) 1992-11-05 1993-11-02 Method and device for controlling, checking or optimizing pressure of cushion pin cylinders of press by discharging fluid or initial pressure
EP19930308741 EP0596696B1 (en) 1992-11-05 1993-11-02 Cushioning apparatus and method for optimising pressure of its cushion pin cylinders.
EP97200413A EP0773075B1 (en) 1992-11-05 1993-11-02 Method and device for controlling, checking or optimizing pressure of cushion pin cylinders of press by discharging fluid or initial pressure
DE1993631974 DE69331974T2 (de) 1992-11-05 1993-11-02 Verfahren und vorrichtung zur regelung überprüfung oder optimierung des zylinderstiftendrucks einer presse durch flüssigkeits oder anfangsdruckausstoss
DE1993609610 DE69309610T2 (de) 1992-11-05 1993-11-02 Verfahren und Vorrichtung zum Messen und Einstellen der Presskräfte an einer Presse
EP19930308743 EP0596697B1 (en) 1992-11-05 1993-11-02 Device and method for measuring and adjusting pressing load values on a press
DE1993613585 DE69313585T2 (de) 1992-11-05 1993-11-02 Ziehkissen und Verfahren zur Optimierung dessen Zylinderstiftendrucks
CA002102360A CA2102360C (en) 1992-11-05 1993-11-03 Method and device for controlling, checking or optimizing pressure of cushion pin cylinders of press by discharging fluid or initial pressure

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5623848A (en) * 1995-05-22 1997-04-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Pressing method and system wherein cushion platen is lowered by cooperation of shock absorbers and cylinders before holding of blank between die and pressure ring

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