JP2776136B2 - プレス機械のしわ押え荷重変更装置 - Google Patents

プレス機械のしわ押え荷重変更装置

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JP2776136B2
JP2776136B2 JP4114005A JP11400592A JP2776136B2 JP 2776136 B2 JP2776136 B2 JP 2776136B2 JP 4114005 A JP4114005 A JP 4114005A JP 11400592 A JP11400592 A JP 11400592A JP 2776136 B2 JP2776136 B2 JP 2776136B2
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air pressure
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絞り加工を行うプレス機
械に係り、特に、しわ押え荷重を作用させるしわ押え荷
重付与手段の流体圧を容易に調整できるしわ押え荷重変
更装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一対の金型を接近離間させて絞り加工を
行うプレス機械が従来から多用されている。例えば、図
2および図3はシングルアクション型のプレス機械の一
例で、しわ押えリング30によってしわ押えを行いつつ
ダイス型18およびポンチ型12によって絞り加工を行
うものであり、エアシリンダ42のエア圧Paに基づい
てしわ押え荷重が付与される。また、図11〜図13は
ダブルアクション型のプレス機械の一例で、アウタスラ
イド160に取り付けられたしわ押えリング156によ
ってしわ押えを行うとともに、インナスライド164に
取り付けられたポンチ型162とボルスタ154に配設
されたダイス型152とによって絞り加工を行うもので
あり、シリンダ184のエア圧Peに基づいてしわ押え
荷重が付与される。かかる従来のプレス機械において
は、割れやシワ等を生じない適切なしわ押え荷重が付与
されるように、予め試し打ちを行いながらトライアンド
エラーで上記エア圧Pa,Peや相対距離ha(ダイハ
イトに対応)を調整しているのが普通である。すなわ
ち、適切なプレス加工を行うためのしわ押え荷重は個々
の金型によってそれぞれ相違するとともに、その金型を
構成している上記しわ押えリング30,156の重量は
金型毎に異なる一方、前記エアシリンダ42,シリンダ
184の受圧面積や摺動抵抗、剛性等はプレス機械毎に
異なるため、実際に絞り加工を行うプレス機械に金型を
取り付けて試し打ちを行いながら、シワや割れの無い所
望するプレス品が得られるようにしわ押え荷重、すなわ
ち上記エア圧Pa等を調整する必要があったのである。
【0003】これに対し、金型の重量や適切な絞り加工
を行うことができるしわ押え荷重等を金型毎に予め求め
ておくとともに、摺動抵抗やエアシリンダの受圧面積,
剛性等をプレス機械毎に予め求めておき、それ等の情報
に基づいて、上記しわ押え荷重にて絞り加工が行われる
エア圧Pa,Peや相対距離haが自動的に設定される
ようにしたプレス機械が考えられている。このようなプ
レス機械によれば、トライアンドエラーによる面倒な調
整作業が解消して作業者の負担が大幅に軽減される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等の実験によれば、このようなプレス機械において
も、実際に絞り加工を行った場合にプレス品に割れやシ
ワが発生することがあった。これは、上記エア圧Pa等
の設定に際して、プレス素材の特性、例えば伸びや面粗
さ,潤滑のために表面に付着している油分の量等が考慮
されていないためと考えられる。すなわち、しわ押え荷
重が同じであっても、上記プレス素材の特性によって金
型との間の摺動抵抗がプレス素材によって相違し、その
摺動抵抗の相違に起因して絞り加工時にプレス素材を引
き込む際の張力がばらついてしまうのである。なお、プ
レス素材の材質や厚さ等は金型製作時に予め定められて
おり、そのプレス素材に基づいてしわ押え荷重も設定さ
れるが、一般に板材の化学組成や圧延の程度は所定の公
差を含んでいる一方、潤滑油の付着量にはばらつきがあ
るとともに経時変化等が避けられないため、プレス材の
製造工程におけるそれ等の僅かな相違によって特性がば
らつくのである。したがって、エア圧Pa等をトライア
ンドエラーで設定し直す必要があるが、このエア圧Pa
等としわ押え荷重との関係はプレス機械毎に相違するた
め、シワや割れ等の発生状況が同じであってもエア圧P
a等の変更量は必ずしも同じにならず、熟練者であって
も調整が面倒で時間が掛かるという問題があった。特
に、前記ダブルアクション型のプレス機械は、しわ押え
荷重調整用のシリンダ184を複数備えており、それ等
のエア圧Peをそれぞれ調整する必要があるため、作業
時間が一層長くなってしまうのである。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、プレス機械の機差に
よる影響を受けることなくしわ押え荷重付与手段の流体
圧を速やかに調整できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めには、しわ押え荷重そのものの値を用いてしわ押え荷
重を調整できるようにすれば良く、本発明は、図1のク
レーム対応図に示されているように、絞り加工時に流体
圧シリンダのピストンが後退させられることによりその
流体圧シリンダの流体圧に応じたしわ押え荷重を作用さ
せるしわ押え荷重付与手段を備えたプレス機械におい
て、そのしわ押え荷重を変更する装置であって、(a)
前記しわ押え荷重に関して予め定められた設定値を変更
する設定変更手段と、(b)前記しわ押え荷重付与手段
に関して予め定められたしわ押え荷重と流体圧との関係
に基づいて、前記設定変更手段により変更されたしわ押
え荷重を付与する流体圧を演算する流体圧演算手段と、
(c)その流体圧演算手段によって求められた流体圧と
なるように前記しわ押え荷重付与手段の流体圧を制御す
る調圧制御手段とを有することを特徴とする。
【0007】
【作用】このようなしわ押え荷重変更装置においては、
設定変更手段によりしわ押え荷重の設定値が変更される
と、そのプレス機械のしわ押え荷重付与手段に関して予
め定められたしわ押え荷重と流体圧との関係に基づい
て、上記設定変更手段により変更されたしわ押え荷重を
付与する流体圧が流体圧演算手段によって求められる。
そして、しわ押え荷重付与手段の流体圧が上記流体圧演
算手段によって求められた流体圧となるように調圧制御
手段によって制御され、これにより、設定変更手段によ
って変更されたしわ押え荷重でしわ押えが行われるよう
になる。ここで、上記しわ押え荷重付与手段に関するし
わ押え荷重と流体圧との関係は、摺動抵抗やエア漏れ等
を考慮した流体圧シリンダの真の受圧面積等に基づい
て、個々のプレス機械毎に予め定められているのであ
り、これにより、プレス機械毎の機差に影響されないし
わ押え荷重そのものの値を用いて、シワや割れの無い適
切なプレス品が得られるようにしわ押え荷重付与手段の
流体圧を調整できるようになる。なお、しわ押え荷重を
付与する流体圧シリンダを複数備えたプレス機械におい
ては、上記設定変更手段によりしわ押え荷重が変更され
ると、各流体圧シリンダの流体圧がその受圧面積等に基
づいてそれぞれ調圧される。
【0008】
【発明の効果】このように、本発明のしわ押え荷重変更
装置によれば、プレス機械毎の機差に影響されないしわ
押え荷重そのものの値を用いてしわ押え荷重付与手段の
流体圧を調整できるため、プレス品の割れやシワの発生
状況などからしわ押え荷重の変更量を作業者が経験的に
判断することにより、しわ押え荷重付与手段の流体圧を
比較的短い時間で調整できるようになる。すなわち、シ
ワや割れ等の発生状況が同じであっても流体圧の変更量
はプレス機械によって異なるが、しわ押え荷重の変更量
についてはプレス機械の機差に拘らず略同じであるた
め、作業者の経験に基づいて速やかに調整作業を行うこ
とができるのである。なお、上記のようにプレス機械の
機差に影響されないことから、プレス加工を施すべきプ
レス素材の特性を測定してしわ押え荷重の変更量が自動
設定されるようにすることも可能である。また、しわ押
え荷重を付与する流体圧シリンダを複数備えたプレス機
械においては、しわ押え荷重の変更に伴って各流体圧シ
リンダの流体圧がそれぞれ調圧されるため、個々の流体
圧シリンダの流体圧をそれぞれ変更する従来の場合に比
較して、その調整時間が大幅に短縮される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図2は、絞り加工を行うシングルアクシ
ョン型のプレス機械10の一例で、ポンチ型12が取り
付けられるボルスタ14は、ベッド16を介して図示し
ないベース上に位置固定に配設されている一方、ダイス
型18が取り付けられるスライドプレート20は、4本
のプランジャ22によって上下移動させられるようにな
っている。ボルスタ14には、クッションピン24を配
設するために多数の貫通孔26が設けられており、ボル
スタ14の下方には、それ等のクッションピン24を支
持するクッションパッド28が配設されている。クッシ
ョンピン24は、上記ポンチ型12と共に配設されるし
わ押えリング30を支持するもので、そのしわ押えリン
グ30の形状等に応じて予め定められた所定の位置に任
意の数だけ配設される。上記ポンチ型12およびしわ押
えリング30と、ダイス型18は、プレス機械10に着
脱可能に取り付けられて使用される一対の金型に相当
し、ダイス型18およびしわ押えリング30によってプ
レス素材の周縁部をしわ押えしつつ、ポンチ型12およ
びダイス型18によって絞り加工が行われる。
【0010】上記クッションパッド28は、上記貫通孔
26に対応して多数の油圧シリンダ32を備えており、
クッションピン24の下端部はそれぞれその油圧シリン
ダ32のピストンに当接させられるようになっている。
それ等の油圧シリンダ32の圧力室は互いに連通させら
れており、電動ポンプ34から作動油が供給されるとと
もに電磁式の開閉弁36が開閉制御されることにより、
その圧力室内の油圧Psが調整されるようになってい
る。この油圧Psは油圧センサ38によって検出される
とともに、複数のクッションピン24にしわ押え荷重F
sが略均等に作用するように調整される。
【0011】また、上記クッションパッド28は、ガイ
ド40に案内されつつ上下方向へ移動できるようになっ
ているとともに、常にはエアシリンダ42によって上方
へ付勢されている。エアシリンダ42の圧力室はエアタ
ンク44に連通させられているとともに、そのエアタン
ク44は電磁式のON,OFF給排気バルブ46を介し
て工場内の圧力エア源48に接続されており、ON,O
FF給排気バルブ46が切換制御されることにより、圧
力室内やエアタンク44内のエア圧Paが調整されるよ
うになっている。このエア圧Paはエア圧センサ50に
よって検出されるとともに、しわ押え荷重Fsに応じて
調整される。前記クッションピン24,クッションパッ
ド28,エアシリンダ42,エアタンク44を含んでし
わ押え荷重付与手段51が構成されており、エアシリン
ダ42は流体圧シリンダに相当するとともに、エア圧P
aは流体圧に相当する。
【0012】一方、前記プランジャ22は、図3に示さ
れているように、ダイハイト調整機構52を介してスラ
イドプレート20に連結されている。ダイハイト調整機
構52は、プランジャ22に一体的に設けられたねじ軸
54に配設されており、そのねじ軸54に螺合されたナ
ット部材56と、そのナット部材56に固定されたウォ
ームホイール58と、そのウォームホイール58に螺合
されたウォームを回転駆動するサーボモータ60とを備
えている。そして、サーボモータ60によってウォーム
ホイール58およびナット部材56が正逆両方向へ回転
駆動されることにより、ねじ軸54に対するダイハイト
調整機構52の高さ位置、すなわちプランジャ22に対
するスライドプレート20の相対距離hが変更される。
この相対距離hは、サーボモータ60に設けられたロー
タリエンコーダ59(図4参照)によって検出される。
かかる相対距離hが大きくなる程スライドプレート20
はプランジャ22に対して下降させられ、プランジャ2
2が下降端に達した時の加圧力が変更されるため、相対
距離hは、絞り加工を行う際のプレス荷重Fpに応じて
調整される。なお、4本のプランジャ22は、それぞれ
上記ダイハイト調整機構52を介してスライドプレート
20に連結されており、それぞれ相対距離hが調整され
る。また、各プランジャ22には、それぞれ歪ゲージ6
1が取り付けられ、個々のプランジャ22に作用するそ
れぞれの荷重Foi(i=1,2,3,4)を検出するよ
うになっている。
【0013】上記ダイハイト調整機構52は、オーバロ
ード防止用に設けられた油圧シリンダ62のピストン6
4に一体的に連結されている一方、油圧シリンダ62の
ハウジングはスライドプレート20に一体的に配設され
ている。油圧シリンダ62の圧力室内には作動油が充填
されているとともに、その圧力室はシリンダ66の油室
68に連通させられている。シリンダ66のエア室70
はエアタンク72に連通させられているとともに、その
エアタンク72は電磁式のON,OFF給排気バルブ7
4を介して前記圧力エア源48に接続されており、O
N,OFF給排気バルブ74が切換制御されることによ
り、エア室70内やエアタンク72内のエア圧Pcが調
整されるようになっている。このエア圧Pcはエア圧セ
ンサ76によって検出される。かかるエア圧Pcは、上
記油圧シリンダ62に過大な荷重が作用した場合にピス
トンがエア室70側へ後退してダイハイト調整機構52
とスライドプレート20とが接近することを許容し、プ
レス機械10や金型等の損傷を防止するように、プレス
機械10のプレス能力に応じて調圧される。なお、上記
油圧シリンダ62,シリンダ66,エアタンク72等
は、4本のプランジャ22とスライドプレート20との
連結部にそれぞれ配設されており、それぞれエア圧Pc
が調圧される。
【0014】また、前記スライドプレート20は、プレ
ス機械10の機枠78(図2参照)に配設された4本の
バランサ用エアシリンダ80に連結されている。エアシ
リンダ80の圧力室はエアタンク82に連通させられて
いるとともに、そのエアタンク82は電磁式のON,O
FF給排気バルブ84を介して前記圧力エア源48に接
続されており、ON,OFF給排気バルブ84が切換制
御されることにより、圧力室内やエアタンク82内のエ
ア圧Pbが調整されるようになっている。このエア圧P
bはエア圧センサ86によって検出されるとともに、ス
ライドプレート20およびダイス型18の重量と釣り合
うように調圧される。なお、4本のエアシリンダ80の
圧力室は共通のエアタンク82に接続されている。
【0015】かかるプレス機械10は、図4に示されて
いるようにコントローラ90を備えており、前記エア圧
センサ50,86,76,油圧センサ38,ロータリエ
ンコーダ59,歪ゲージ61から出力されるエア圧P
a,Pb,Pc,油圧Ps,相対距離h,荷重Foiを表
す信号は、それぞれコントローラ90に供給される。コ
ントローラ90は、CPU,RAM,ROM,入出力イ
ンタフェース回路,A/Dコンバータ等を有するマイク
ロコンピュータにて構成されており、RAMの一時記憶
機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに
従って信号処理を行い、前記ON,OFF給排気バルブ
46,84,74,開閉弁36を切り換えたり、ポンプ
34,モータ60の作動状態を変更したりする駆動信号
を出力する。図では、モータ60,歪ゲージ61,O
N,OFF給排気バルブ74,エア圧センサ76が一つ
ずつ示されているだけであるが、プレス機械10が備え
ている数、本実施例では4つずつについてそれぞれ同様
な処理が行われる。かかるコントローラ90にはまた、
キーボード,パソコン等の設定器92、送受信機94が
接続され、設定器92からは予めプレス機械10固有の
マシン情報が入力される一方、送受信機94からは使用
する金型固有の金型情報が入力される。すなわち、前記
ポンチ型12には、その金型固有の金型情報を記憶する
とともに送信機能および電池を内蔵したIDカード96
(図2参照)が取り付けられており、送受信機94から
送信されたデータ取込み信号を受信することにより、I
Dカード96からは金型情報が送信され、その金型情報
が送受信機94を介してコントローラ90に取り込まれ
るのである。
【0016】上記マシン情報および金型情報は、適切な
プレス加工を行うことができる前記エア圧Pa,Pb,
油圧Ps,相対距離hを決定するために必要な情報で、
例えば以下のようなものである。なお、金型情報には、
金型の種類すなわち車種や品番、使用プレス機械、工程
等の情報も含まれている。 (マシン情報) ・クッションパッド28の重量Wa ・クッションピン24の重量Wp ・スライドプレート20の重量Ws ・エアシリンダ42の受圧面積Aa ・エアシリンダ80の受圧面積(4本の合計)Ab ・油圧シリンダ32の受圧面積As ・油圧シリンダ32に供給される作動油の体積弾性係数
K ・油圧シリンダ32のピストンの平均追い込み寸法Xav ・油量V ・h−Fpi仮特性(Fpi=a・h) (金型情報) ・しわ押えリング30の重量Wr ・上型(ダイス型18)の重量Wu ・しわ押え荷重Fso ・プレス荷重Fpoi ・クッションピン24の使用本数n
【0017】ここで、クッションパッド28の重量Wa
は摺動抵抗を差し引いた値であり、例えば図7に示され
ている荷重測定装置100を用いて、エア圧Paを変更
しつつスライドプレート20による荷重を測定すること
により、その荷重−エア圧特性から求めることができ
る。荷重測定装置100は、一対の荷重測定台102お
よび104を備えており、それ等の荷重測定台102,
104にはそれぞれ4本の支柱106,108が立設さ
れているとともに、それ等の支柱106,108にはそ
れぞれ歪ゲージ110、112が取り付けられている。
荷重測定台102には、前記ボルスタ14に形成された
貫通孔26に対応して多数の貫通孔114が設けられて
おり、ボルスタ14上に密着して載置されるとともにク
ッションピン24を配設できるようになっている。ま
た、荷重測定台104は、上記貫通孔114および26
を挿通して配設された複数のクッションピン24上に支
持されるようになっている。そして、上記歪ゲージ11
0,112は動ひずみ計116に接続され、電磁オシロ
スコープ118によって荷重波形が記録される。動ひず
み計116は増幅機能,零点調整機能等を備えており、
電磁オシロスコープ118はスライドプレート20の下
降,上昇に伴う荷重変化を高い追従性で記録する。な
お、上記歪ゲージ110,112は、1本の支柱10
6,108にそれぞれ4個ずつ取り付けられ、ブリッジ
回路を形成するように接続されている。
【0018】シングルアクション型のプレス機械10の
荷重測定に際しては、プランジャ22によってスライド
プレート20が下降させられ、クッションピン24上に
支持されている荷重測定台104の支柱108に当接す
ると、その荷重測定台104はエアシリンダ42の付勢
力に抗して下降させられるとともに、その時の荷重が4
本の支柱108に設けられた歪ゲージ112によってそ
れぞれ検出される。また、スライドプレート20が更に
下降して荷重測定台104が荷重測定台102に当接す
ると、歪ゲージ112によって検出される荷重はプレス
機械10の各部の剛性に対応して急激に上昇する。図8
は、任意の1本の支柱108に設けられた歪ゲージ11
2によって検出される荷重変化を例示したものであり、
荷重Fsiはしわ押え荷重に対応し、荷重Fpiはプレス荷
重に対応する。また、図9は、エアシリンダ42のエア
圧Paを変更しながら上記しわ押え荷重Fsiを測定した
グラフであり、このグラフから求められる荷重Fxiに基
づいて前記クッションパッド28の重量Waが求められ
る。すなわち、4箇所の測定値Fxi(i=1,2,3,
4)の合計荷重Fxから荷重測定台104およびクッシ
ョンピン24の重量を引算することにより、重量Waが
求められる。しわ押え荷重Fsiの合計荷重Fsとエア圧
Paとのグラフから重量Waを求めることもできる。こ
の重量Waは、クッションパッド28の実際の重量から
エアシリンダ42の摺動抵抗等を差し引いたものとな
り、また、エアシリンダ42のエア漏れやエア圧センサ
50の検出誤差などを含んだプレス機械10固有の値と
なる。なお、クッションパッド28の実際の重量と摺動
抵抗とを分けてマシン情報とすることもできる。
【0019】前記クッションピン24の重量Wpは、プ
レス機械10で使用する多数のクッションピン24の平
均値であり、スライドプレート20の重量Wsは、その
スライドプレート20を案内する図示しないガイド部材
との間の摺動抵抗を差し引いた値である。具体的には、
プレス機械10を作動させてスライドプレート20の下
降時における荷重Foiを前記歪ゲージ61によって検出
するとともに、前記エアシリンダ80のエア圧Pbを変
更することにより、4個の歪ゲージ61の合計荷重Fo
−エア圧Pb特性を求め、その合計荷重Fo−エア圧P
b特性から前記クッションパッド28の場合と同様にし
て重量Wsを求めることができる。摺動抵抗分を別個に
マシン情報として設定することもできる。また、エアシ
リンダ42の受圧面積Aaは、エアシリンダ42のエア
漏れ等を加味したもので、例えば前記しわ押え荷重Fsi
の合計荷重Fsとエア圧Paとのグラフの傾きは受圧面
積Aaに相当する。複数のエアシリンダ42を備えてい
る場合には、受圧面積Aaとしてはその合計面積が設定
される。エアシリンダ80の受圧面積Abは4本のエア
シリンダ80の合計で、上記受圧面積Aaと同様に合計
荷重Fo−エア圧Pb特性から求められる。油圧シリン
ダ32の受圧面積Asは多数の油圧シリンダ32の平均
値であり、例えば前記図9のしわ押え荷重Fsiとエア圧
Paとの特性を求める際に、油圧センサ38によって油
圧Psを検出し、合計しわ押え荷重Fs−油圧Ps特性
から求めることができる。
【0020】また、前記体積弾性係数Kは使用する作動
油に応じて定められ、平均追い込み寸法Xavは、複数の
クッションピン24をしわ押えリング30等のしわ押え
部材に均等に当接させるための油圧シリンダ32のピス
トンの下降ストロークであり、クッションピン24の長
さ寸法のばらつきやクッションパッド28の傾き等に拘
らず、総てのクッションピン24によって油圧シリンダ
32のピストンが下方へ追い込まれるとともに、スライ
ドプレート20の下降時にクッションピン24に作用す
る衝撃に拘らず油圧シリンダ32のピストンがストロー
ク端に達することがないように、予め実験的に、或いは
クッションピン24の長さ寸法のばらつきや油圧シリン
ダ32のピストンの最大ストローク等に基づいて定めら
れる。油量Vは、各油圧シリンダ32のピストンが上昇
端に位置させられた状態において、逆止弁39(図2参
照)よりも油圧シリンダ32側に存在する作動油の全体
の容量である。
【0021】h−Fpi仮特性(i=1,2,3,4)
は、プランジャ22が下降端に達した時のプレス荷重F
piと相対距離hとの特性(Fpi=a・h)であるが、こ
れは、使用する金型の剛性によっても異なるため、通常
の金型よりも剛性が高い部材を介在させて、相対距離h
を種々変更しつつ歪ゲージ61によりプランジャ22が
下降端に達した時のプレス荷重Fpiを測定したものであ
り、プレス機械10の剛性を反映している。このh−F
pi仮特性の測定に際しては、スライドプレート20とエ
アシリンダ80による持ち上げ力とが釣り合う状態でス
ライドプレート20がプランジャ22によって下降させ
られるようにエア圧Pbを調整して行われる。図10の
一点鎖線は、かかるh−Fpi仮特性の一例を図示したも
のであり、プレス荷重Fpiが0の場合の相対距離hの最
大値h0 を基準として定められている。また、このh−
Fpi仮特性は4箇所のダイハイト調整機構52について
それぞれ定められ、全体のプレス荷重Fpは各プレス荷
重Fpiの合計である。なお、前記荷重測定装置100を
用いて、前記図8の荷重Fpiからh−Fpi仮特性を求め
ることもできる。
【0022】前記金型情報におけるしわ押えリング30
の重量Wr,ダイス型18の重量Wuは、それ等のしわ
押えリング30,ダイス型18を製作した後に測定した
実測値であり、しわ押え荷重Fso,プレス荷重Fpoi
(i=1,2,3,4)は、しわ押えリング30,ダイ
ス型18,および前記ポンチ型12を試験用のトライプ
レスに取り付けて実際にプレス加工を行い、適正なプレ
ス品が得られる荷重条件をトライアンドエラーで求めた
ものである。上記しわ押え荷重Fsoおよびプレス荷重F
poi は、金型の重量やトライプレス各部の摺動抵抗等に
よる影響を排除したもので、例えば図2および図3のプ
レス機械10と同様に構成されたトライプレスを用いた
場合には、スライドプレート20およびダイス型18と
エアシリンダ80による持ち上げ力とが釣り合う状態で
スライドプレート20がプランジャ22によって下降さ
せられるようにエア圧Pbを調整し、その状態でプレス
加工を行った際に歪ゲージ61により検出される荷重F
oiに基づいて求めることができる。この場合のしわ押え
荷重Fsoは全体の荷重であるが、プレス荷重Fpoi は4
箇所各々のプレス荷重で、全体のプレス荷重はそれらの
プレス荷重Fpoi の合計である。また、クッションピン
24の使用本数nは、しわ押えリング30の形状等に応
じて、適正なプレス品が得られるように定められる。
【0023】図4に戻って、前記コントローラ90には
また、設定変更器340からしわ押え荷重Fsに関する
変更値ΔFsを表す信号が供給されるようになってい
る。設定変更器340は、上記金型情報において予め定
められたしわ押え荷重Fsoを変更する設定変更手段に相
当するもので、図5に示す操作パネルを備えており、2
つの押釦342によって十の位の数字表示344を変更
できるとともに、2つの押釦346によって一の位の数
字表示348を変更できるようになっている。また、そ
の数字表示部の左側には、図示しないキーが差し込まれ
ることにより5段階で回動操作されるキースイッチ35
0が設けられており、そのキースイッチ350と数字表
示部との間に示されている掛算表示により、変更値ΔF
sが5段階で選択されるようになっている。例えば、図
のように2桁数字として「05」が設定されている場合
に最上段の「+2×」が選択された場合はΔFs=+2
×5=+10(tf)となり、2段目の「+1×」が選
択された場合はΔFs=+1×5=+5(tf)とな
り、3段目の「±0×」が選択された場合はΔFs=0
となり、4段目の「−1×」が選択された場合はΔFs
=−1×5=−5(tf)となり、5段目の「−2×」
が選択された場合はΔFs=−2×5=−10(tf)
となるのである。
【0024】また、上記コントローラ90は、ROMに
予め定められたプログラムに従って信号処理を行うこと
により、図6に示されている機能を実行するようになっ
ている。かかる図6において、マシン情報メモリ130
は、前記設定器92によって予め入力されたマシン情報
を記憶しておくもので、金型情報メモリ132は、プレ
ス機械10に金型が取り付けられて前記送受信機94に
よりIDカード96から読み込んだ金型情報を記憶す
る。また、エア圧Pax算出ブロック134は、上記マシ
ン情報メモリ130に記憶されたマシン情報および金型
情報メモリ132に記憶された金型情報に基づいて、そ
の金型情報として設定されたしわ押え荷重Fsoを発生す
るためのエア圧Paxを次式(1)に従って算出する。エ
ア圧Pa調整ブロック136は、エア圧センサ50によ
って検出されるエアタンク44内のエア圧Paが算出さ
れたエア圧PaxとなるようにON,OFF給排気バルブ
46を切換制御する。これにより、金型情報として設定
されたしわ押え荷重Fsoでしわ押えが行われる。エアタ
ンク44の容量は充分に大きく、クッションパッド28
の下降に伴うエアシリンダ42の容積変化に起因するエ
ア圧Paの変動は殆ど無視できる程度であるが、この容
積変化を考慮してエア圧Paxを算出することもできる。
【0025】
【数1】 Pax=(Fso+Wa+Wr+n・Wp)/Aa ・・・(1)
【0026】油圧P0 ,P1 算出ブロック138は、マ
シン情報メモリ130に記憶されたマシン情報および金
型情報メモリ132に記憶された金型情報に基づいて、
各クッションピン24を介してしわ押え荷重Fsoを略均
等にしわ押えリング30に作用させるための初期油圧、
すなわちしわ押えリング30にダイス型18が当接して
いない状態における油圧P0 を次式(2)の関係から算
出するとともに、しわ押えリング30がダイス型18に
よって押圧されるプレス加工時に各クッションピン24
に均等にしわ押え荷重Fsoが作用させられている場合の
目標油圧P1 を次式(3)の関係から算出する。そし
て、油圧Ps調整ブロック140は、先ず、油圧センサ
38によって検出される油圧Psの初期油圧が上記初期
油圧P0 となるように、ポンプ34および開閉弁36を
制御する。これにより、しわ押えリング30がダイス型
18によって押圧されるプレス加工時に、基本的には各
油圧シリンダ32のピストンは平均追い込み寸法Xavだ
け押し込まれ、各クッションピン24を介してしわ押え
荷重Fsoが略均等にしわ押えリング30に作用させられ
るが、体積弾性係数Kは空気の混入等によって必ずしも
一定でないなど、上記初期油圧P0 は必ずしも正確でな
い。このため、油圧Ps調整ブロック140は、油圧P
sを初期油圧P0 に調圧した後、実際にテストプレスが
行われる際にプレス加工時の油圧Psを読み込み、その
油圧Psが目標油圧P1 と略一致するように初期油圧P
0 を補正する。すなわち、プレス加工時の油圧Psが目
標油圧P1 より高い時は、一部のクッションピン24に
しわ押えリング30が当接しておらず、残りのクッショ
ンピン24にしわ押え荷重Fsoが偏って作用している場
合であるため、初期油圧P0 を下げてクッションピン2
4の追い込み量が全体的に大きくなるようにすれば良
い。また、プレス加工時の油圧Psが目標油圧P1 より
低い時は、一部の油圧シリンダ32のピストンがストロ
ーク端に達してしわ押え荷重Fsoの一部が直接クッショ
ンパッド28に作用している場合であるため、ストロー
ク端まで達しないように初期油圧P0 を上げれば良い。
【0027】
【数2】 Xav=(Fso−n・As・P0 )V/(n 2 ・As 2 ・K) ・・・(2) Fso+Wr+n・Wp=n・As・P1 ・・・(3)
【0028】エア圧Pbx算出ブロック142は、前記マ
シン情報および金型情報に基づいて、スライドプレート
20およびダイス型18と釣り合う力でそれ等を持ち上
げるエア圧Pbxを次式(4)に従って算出する。エア圧
Pb調整ブロック144は、エア圧センサ86によって
検出されるエアタンク82内のエア圧Pbが算出された
エア圧PbxとなるようにON,OFF給排気バルブ84
を切換制御する。これにより、スライドプレート20お
よびダイス型18の重量に影響されることなく、金型情
報として設定された各プレス荷重Fpoi でプレス加工を
行うことができるようになる。エアタンク82の容量は
充分に大きく、スライドプレート20の下降に伴う4本
のエアシリンダ80の容積変化に起因するエア圧Pbの
変動は殆ど無視できる程度であるが、この容積変化を考
慮してエア圧Pbxを算出することもできる。
【0029】
【数3】 Pbx=(Wu+Ws)/Ab ・・・(4)
【0030】相対距離h調整ブロック146は、前記マ
シン情報および金型情報に基づいて、金型情報として設
定された各プレス荷重Fpoi でプレス加工が行われるよ
うに、4箇所のダイハイト調整機構52の相対距離hを
それぞれ独立に調整するもので、先ず、歪ゲージ61か
ら供給される荷重Foiに基づいてプレス荷重Fpiが0の
場合の相対距離hの最大値である基準値h0 を決定する
とともに、マシン情報として設定された図10に一点鎖
線で示されているh−Fpi仮特性(Fpi=a・h)から
プレス荷重Fpoi が得られる相対距離h1 を求める。次
に、上記基準値h0 を基準としてサーボモータ60によ
り相対距離hをh1 に調整し、その状態でテストプレス
が行われる際に歪ゲージ61から供給される信号に基づ
いてプレス荷重Fp1 を測定する。予め設定されたh−
Fpi仮特性は、通常の金型よりも剛性が高い場合を基準
として設定されているため、一般にプレス荷重Fp1
プレス荷重Fpoi より小さい。続いて、上記相対距離h
1 より予め定められた変更量Δhだけ小さい相対距離h
2 に相対距離hを変更し、同様にしてプレス荷重Fp2
を測定する。そして、それ等の相対距離h1 ,h2 およ
びプレス荷重Fp1,Fp2 に基づいて、図10に実線
で示されているh−Fpi本特性(Fpi=b・h)を求め
るとともに、そのh−Fpi本特性からプレス荷重Fpoi
が得られる相対距離hxを決定し、サーボモータ60に
より相対距離hがhxとなるように制御する。かかる相
対距離hxの決定および調整は、4箇所のダイハイト調
整機構52についてそれぞれ上記と同様にして独立に行
われる。これにより、プレス機械10毎の剛性の相違等
に拘らず、金型情報として設定された各プレス荷重Fpo
i で良好にプレス加工が行われる。
【0031】コントローラ90はまた、以上の各制御と
は別に、前記歪みゲージ61によって検出される4箇所
の荷重Foiがそれぞれ予め定められたオーバロード防止
荷重Foli (i=1,2,3,4)を超えないように、
前記エア圧Pcを制御する。すなわち、異物の存在など
によりオーバロード防止用の油圧シリンダ62にオーバ
ロード防止荷重Foli が作用した場合には、シリンダ6
6のピストンがエア室70側へ後退して油圧シリンダ6
2内の作動油が油室68内へ流入することを許容し、ス
ライドプレート20とプランジャ22とが接近できるよ
うに、油圧シリンダ62の受圧面積やシリンダ66の油
室68,エア室70の受圧面積に基づいて予めエア圧P
cxが設定されており、上記エア圧Pcがそのエア圧Pcx
となるようにON,OFF給排気バルブ74を切換制御
するようになっているのである。かかるエア圧Pcの調
圧制御は、4個のシリンダ66についてそれぞれ行われ
る。これにより、過大なプレス荷重に起因するプレス機
械10や金型等の損傷が防止される。なお、このエア圧
Pcについては、使用する金型とは無関係に設定できる
ため、手動操作等により予め調整しておくようにしても
差支えない。
【0032】ここで、かかる本実施例のプレス機械10
においては、予めマシン情報メモリ130に記憶された
プレス機械10固有のマシン情報および送受信機94を
介してIDカード96から読み込んだ金型固有の金型情
報に基づいて、個々のプレス機械の剛性や各部の摺動抵
抗等の相違に拘らず、トライプレスによって求められた
適切なプレス加工が行われるプレス条件、すなわちしわ
押え荷重Fsoやプレス荷重Fpoi が再現されるように、
プレス加工条件であるエア圧Pax,Pbx,初期油圧
0 ,相対距離hxがそれぞれ求められるとともに、そ
れ等の値に従ってエア圧Pa,Pb,油圧Ps,および
相対距離hがそれぞれ自動的に初期設定されるため、ト
ライアンドエラーによる面倒な設定作業が解消して作業
者の負担が大幅に軽減されるとともに、優れた品質のプ
レス品が安定して得られるようになる。
【0033】なお、上記エア圧Pa,Pb,油圧Ps,
および相対距離hは、必ずしも厳密にエア圧Pax,Pb
x,補正後の初期油圧P0 ,相対距離hxと一致するよ
うに制御する必要はなく、要求されるプレス品質を満た
すように予め定められた所定の許容範囲内に入るように
制御すれば良い。
【0034】一方、かかるエア圧Pa,Pb,油圧P
s,および相対距離hが、前記金型情報およびマシン情
報に基づいて自動的に初期設定された後、実際にプレス
機械10で絞り加工を行った際にプレス素材の特性のば
らつき等に起因して割れやシワが発生した場合には、前
記設定変更器340によりしわ押え荷重Fsを変更しな
がら試し打ちを行い、適正なプレス品が得られるように
エア圧Paを調整する。前記エア圧Pax算出ブロック1
34およびエア圧Pa調整ブロック136によるエア圧
Paの初期設定は、設定変更器340から供給される変
更値ΔFsと無関係に行われるが、初期設定が終了した
後に図示しないマニュアルON,OFFスイッチ等が操
作されると、エア圧Pax算出ブロック134は変更値Δ
Fsを考慮した次式(5)に従ってエア圧Paxを算出す
る。また、エア圧Pa調整ブロック136は、その新た
に算出されたエア圧Paxに基づいてON,OFF給排気
バルブ46を切換制御し、これにより、しわ押え荷重
(Fso+ΔFs)でしわ押えが行われるようになる。す
なわち、しわ押え荷重Fsが変更値ΔFsだけ変更され
るのである。したがって、押釦342,346により2
桁数字を変更したり前記キースイッチ350の回動位置
を変えたりして変更値ΔFsを変化させながら絞り加工
を行い、シワや割れ等の無い適切な絞り加工が行われる
ようにしわ押え荷重Fs、言い換えればエア圧Paを調
整すれば良い。上記エア圧Pax算出ブロック134は流
体圧演算手段に相当し、(5)式はしわ押え荷重付与手
段51に関して予め定められたしわ押え荷重と流体圧
(エア圧)との関係を表している。また、エア圧Pa調
整ブロック136はON,OFF給排気バルブ46,エ
ア圧センサ50と共に調圧制御手段を構成している。
【0035】
【数4】 Pax=(Fso+ΔFs+Wa+Wr+n・Wp)/Aa ・・・(5)
【0036】ここで、本実施例では設定変更器340に
よりしわ押え荷重Fsそのものを変更することにより、
適正なプレス品が得られるようにエア圧Paを調整でき
るため、従来のようにエア圧Paを直接変更する場合に
比較して個々のプレス機械10の機差、例えばエアシリ
ンダ42の受圧面積のばらつきやエア漏れ、摺動抵抗の
相違などによる影響がなく、プレス品の割れやシワの発
生状況などからしわ押え荷重Fsの変更量ΔFsを経験
的に判断することにより、エア圧Paを比較的短い時間
で調整できるようになる。すなわち、シワや割れ等の発
生状況が同じであってもエア圧Paの変更量はプレス機
械10によって異なるが、しわ押え荷重Fsの変更量に
ついてはプレス機械10の機差に拘らず略同じであるた
め、作業者の経験に基づいて速やかに調整作業を行うこ
とができるのである。
【0037】次に、本発明の他の実施例を説明する。図
11は、絞り加工を行うダブルアクション型のプレス機
械150の一例で、ダイス型152はボルスタ154上
に固設されて使用される一方、しわ押えリング156は
ブランクホルダプレート158を介してアウタスライド
160に固設され、ポンチ型162はインナスライド1
64に固設されて使用される。アウタスライド160は
4本のアウタプランジャ166を介して上下動させられ
るようになっているとともに、インナスライド164は
4本のインナプランジャ168を介して上下動させられ
るようになっており、図12に示されているようにしわ
押えリング156とダイス型152のしわ押え部170
との間でプレス素材171の周縁部を押圧しつつ、ポン
チ型162とダイス型152とによって絞り加工が行わ
れる。これ等のダイス型152と、しわ押えリング15
6およびポンチ型162は、プレス機械150に着脱可
能に取り付けられて使用される一対の金型に相当する。
【0038】図12から明らかなように、上記アウタプ
ランジャ166は、前記実施例のダイハイト調整機構5
2と同様のダイハイト調整機構172を介してアウタス
ライド160に連結されており、サーボモータ174に
よって相対距離haが調整されるようになっている。こ
の相対距離haは、サーボモータ174に設けられたロ
ータリエンコーダ176(図14参照)によって検出さ
れる。かかる相対距離haが大きくなる程アウタスライ
ド160はアウタプランジャ166に対して下降させら
れ、アウタプランジャ166が下降端に達した時のしわ
押え荷重Fsが変更されるため、相対距離haは、しわ
押え荷重Fsに応じて調整される。なお、4本のアウタ
プランジャ166は、それぞれ上記ダイハイト調整機構
172を介してアウタスライド160に連結されてお
り、それぞれ相対距離haが調整される。また、各アウ
タプランジャ166には、それぞれ歪ゲージ178が取
り付けられ、個々のアウタプランジャ166に作用する
それぞれの荷重Fai(i=1,2,3,4)を検出する
ようになっている。
【0039】上記ダイハイト調整機構172は、しわ押
え荷重調整用に設けられた油圧シリンダ180のピスト
ン182に一体的に連結されている一方、油圧シリンダ
180のハウジングはアウタスライド160に一体的に
配設されている。油圧シリンダ180の圧力室内には作
動油が充填されているとともに、その圧力室はシリンダ
184の油室186に連通させられている。シリンダ1
84のエア室188はエアタンク190に連通させられ
ているとともに、そのエアタンク190は、一対の配管
192,194を介してプレス機械150の機枠196
に配設された接続具198,200に連結されている。
これ等の接続具198,200には、それぞれ図14に
示されているコントロールボックス202の接続具20
4a,206aに一端が接続された耐圧連結ホース20
8a,210aの他端が接続され、コントロールボック
ス202内に配設されたエア圧センサ212aによって
エアタンク190内のエア圧Peが検出されるととも
に、電磁式のON,OFF給排気バルブ214aによっ
てそのエア圧Peが調圧される。上記油圧シリンダ18
0,シリンダ184,エアタンク190等を含んでしわ
押え荷重付与手段191が構成されており、シリンダ1
84は流体圧シリンダに相当するとともに、エア圧Pe
は流体圧に相当する。また、かかるしわ押え荷重付与手
段191は、4本のアウタプランジャ166とアウタス
ライド160との連結部にそれぞれ配設されており、上
述したのはそのうちの一つであるが、他の3箇所のエア
タンク190についても、それぞれ一対のずつの配管を
介して機枠196に配設された接続具に接続されている
とともに、耐圧連結ホース208b〜208d,210
b〜210dを介してコントロールボックス202の接
続具204b〜204d,206b〜206dに接続さ
れ、エア圧センサ212b〜212dによってエアタン
ク190内のエア圧Peがそれぞれ検出されるととも
に、電磁式のON,OFF給排気バルブ214b〜21
4dによってそのエア圧Peがそれぞれ調圧されるよう
になっている。かかるエア圧Peはしわ押え荷重Fsに
応じて調整される。なお、接続具198,200,20
4a〜204d,206a〜206dおよび耐圧連結ホ
ース208a〜208d,210a〜210dは、それ
ぞれ色分けされており、予め定められた接続具同士が接
続されるようになっている。
【0040】また、アウタスライド160は、プレス機
械150の機枠196に配設された4本のアウタバラン
サ用エアシリンダ216に連結されている。エアシリン
ダ216の圧力室はエアタンク218に連通させられて
いるとともに、そのエアタンク218は、一対の配管2
20,222を介して機枠196に配設された接続具2
24,226に連結されている。これ等の接続具22
4,226には、それぞれ前記コントロールボックス2
02の接続具228,230に一端が接続された耐圧連
結ホース232,234の他端が接続され、コントロー
ルボックス202内に配設されたエア圧センサ236に
よってエアタンク218内のエア圧Pdが検出されると
ともに、電磁式のON,OFF給排気バルブ238によ
ってそのエア圧Pdが調圧される。このエア圧Pdは、
ブランクホルダプレート158,アウタスライド160
およびしわ押えリング156の重量と釣り合うように調
圧される。なお、4本のエアシリンダ216の圧力室は
共通のエアタンク218に接続されている。
【0041】一方、前記インナプランジャ168は、図
13に示されているように、前記ダイハイト調整機構1
72と同様のダイハイト調整機構240を介してインナ
スライド164に連結されており、サーボモータ242
によって相対距離hbが調整されるようになっている。
この相対距離hbは、サーボモータ242に設けられた
ロータリエンコーダ244(図14参照)によって検出
される。かかる相対距離hbが大きくなる程インナスラ
イド164はインナプランジャ168に対して下降させ
られ、インナプランジャ168が下降端に達した時のプ
レス荷重Fpが変更されるため、相対距離hbは、プレ
ス荷重Fpに応じて調整される。なお、4本のインナプ
ランジャ168は、それぞれ上記ダイハイト調整機構2
40を介してインナスライド164に連結されており、
それぞれ相対距離hbが調整される。また、各インナプ
ランジャ168には、それぞれ歪ゲージ246が取り付
けられ、個々のインナプランジャ168に作用するそれ
ぞれの荷重Fbi(i=1,2,3,4)を検出するよう
になっている。
【0042】上記ダイハイト調整機構240は、オーバ
ロード防止用に設けられた油圧シリンダ248のピスト
ン250に一体的に連結されている一方、油圧シリンダ
248のハウジングはインナスライド164に一体的に
配設されている。油圧シリンダ248の圧力室内には作
動油が充填されているとともに、その圧力室はシリンダ
252の油室254に連通させられている。シリンダ2
52のエア室256はエアタンク258に連通させられ
ているとともに、そのエアタンク258は電磁式のO
N,OFF給排気バルブ260を介して工場内の圧力エ
ア源262に接続されており、ON,OFF給排気バル
ブ260が切換制御されることにより、エア室256や
エアタンク258内のエア圧Pgが調整されるようにな
っている。このエア圧Pgはエア圧センサ264によっ
て検出される。かかるエア圧Pgは、上記油圧シリンダ
248に過大な荷重が作用した場合にピストンがエア室
256側へ後退してダイハイト調整機構240とインナ
スライド164とが接近することを許容し、プレス機械
150や金型等の損傷を防止するように、プレス機械1
50のプレス能力に応じて調圧される。なお、上記油圧
シリンダ248,シリンダ252,エアタンク258等
は、4本のインナプランジャ168とインナスライド1
64との連結部にそれぞれ配設されており、それぞれエ
ア圧Pgが調圧される。
【0043】また、インナスライド164は、プレス機
械150の機枠196に配設された4本のインナバラン
サ用エアシリンダ266に連結されている。エアシリン
ダ266の圧力室はエアタンク268に連通させられて
いるとともに、そのエアタンク268は電磁式のON,
OFF給排気バルブ270を介して前記圧力エア源26
2に接続されており、ON,OFF給排気バルブ270
が切換制御されることにより、圧力室内やエアタンク2
68内のエア圧Pfが調整されるようになっている。こ
のエア圧Pfはエア圧センサ272によって検出される
とともに、インナスライド164およびポンチ型162
の重量と釣り合うように調圧される。なお、4本のエア
シリンダ266の圧力室は共通のエアタンク268に接
続されている。
【0044】前記コントロールボックス202は、図1
7および図18に示されているように、4個の車輪28
0を有するとともに把手282を把持して自在に移動で
きる台車284に配設されており、複数のプレス機械1
50に対して必要に応じて選択的に使用される。このコ
ントロールボックス202には、前記接続具204a〜
204d,206a〜206d,228,230の他、
前記ON,OFF給排気バルブ214a〜214d,2
38に接続された接続具286を備えており、その接続
具286は耐圧連結ホース288(図14参照)を介し
て前記圧力エア源262に接続されるようになってい
る。また、前記エア圧センサ212a〜212d,23
6によって検出したエア圧Pe,Pdをそれぞれアナロ
グ表示する5つの表示メータ290や、それ等のエア圧
Pe,Pdから求めることができる4箇所のしわ押え荷
重Fsi,バランサ荷重等をそれぞれデジタル表示する表
示盤292などを備えているとともに、そのしわ押え荷
重Fsiやバランサ荷重をマニュアル操作で調整する調整
スイッチ293等も設けられている。354は、しわ押
え荷重Fsを変更する設定変更手段としての設定変更器
で、前記実施例の設定変更器340と同様に構成されて
おり、マニュアル操作で設定された変更値ΔFsを出力
するようになっている。上記耐圧連結ホース288や前
記耐圧連結ホース208a〜208d,210a〜21
0d,232,234は、収納ボックス294内に収納
できるようになっている。
【0045】コントロールボックス202はまた、図1
4から明らかなようにコントローラ296を備えてお
り、前記エア圧センサ212a〜212d,236、設
定変更器354から出力されるエア圧Pe,Pd、変更
値ΔFsを表す信号は、それぞれコントローラ296に
供給される。コントローラ296は、CPU,RAM,
ROM,入出力インタフェース回路等を有するマイクロ
コンピュータにて構成されており、RAMの一時記憶機
能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従
って信号処理を行い、前記ON,OFF給排気バルブ2
14a〜214d,238を切換制御する。このコント
ローラ296はプラグ298によって工場内のコンセン
トに接続されるようになっているとともに、コネクタ3
00を介してプレス機械150専用の専用コントローラ
302に接続され、その専用コントローラ302との間
で必要な情報を授受するようになっている。
【0046】上記専用コントローラ302は、CPU,
RAM,ROM,入出力インタフェース回路,A/Dコ
ンバータ等を有するパソコンなどにて構成されており、
RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶さ
れたプログラムに従って信号処理を行う。前記エア圧セ
ンサ264,272,ロータリエンコーダ176,24
4,歪ゲージ178,246から出力されるエア圧P
g,Pf,相対距離ha,hb,荷重Fai,Fbiを表す
信号は、それぞれこの専用コントローラ302に供給さ
れるとともに、前記ON,OFF給排気バルブ260,
270,モータ174,242の作動状態は専用コント
ローラ302によって制御される。図14では、モータ
174,242,歪ゲージ178,246,ON,OF
F給排気バルブ260,エア圧センサ264がそれぞれ
一つずつ示されているだけであるが、プレス機械150
が備えている数、本実施例では4つずつについてそれぞ
れ同様な処理が行われる。
【0047】専用コントローラ302には、予めキー入
力等によってプレス機械150固有のマシン情報が記憶
されているとともに、送受信機304から使用する金型
固有の金型情報が入力されるようになっている。すなわ
ち、前記ダイス型152には、その金型固有の金型情報
を記憶するとともに送信機能および電池を内蔵したID
カード306(図11参照)が取り付けられており、送
受信機304から送信されたデータ取込み信号を受信す
ることにより、IDカード306からは金型情報が送信
され、その金型情報が送受信機304を介して専用コン
トローラ302に取り込まれるのである。
【0048】上記マシン情報および金型情報は、適切な
プレス加工を行うことができる前記エア圧Pd,Pe,
Pf,相対距離ha,hbを決定するために必要な情報
で、例えば以下のようなものである。なお、金型情報に
は、金型の種類すなわち車種や品番、使用プレス機械、
工程等の情報も含まれている。 (マシン情報) ・シリンダ188のピストンの追い込み寸法Y ・油圧シリンダ180の受圧面積Ax ・シリンダ184の油室186の受圧面積Ay ・シリンダ184のエア室188の受圧面積Az ・エアタンク190の容量Ve ・ブランクホルダプレート158を含むアウタスライド
160の重量Wos ・インナスライド164の重量Wis ・エアシリンダ216の受圧面積(4本の合計)Ad ・エアシリンダ266の受圧面積(4本の合計)Af ・ha−Fsi仮特性(Fsi=c・ha+d) ・hb−Fpi仮特性(Fpi=e・hb) (金型情報) ・しわ押えリング156の重量Wr ・ポンチ型162の重量Wq ・しわ押え荷重Fsoi ・プレス荷重Fpoi
【0049】ここで、上記追い込み寸法Y,受圧面積A
x,Ay,Az,容量Veは、アウタスライド160を
4本のアウタプランジャ166に連結する4箇所の連結
部についてそれぞれ独立に定められる。追い込み寸法Y
は、シリンダ184のピストンのエア室188側への移
動ストロークであり、このようにピストンが追い込まれ
てエア圧Peに基づくしわ押えが確実に行われるよう
に、予め実験等によって求められる。受圧面積Ax,A
y,Azは、油圧シリンダ180,シリンダ184の作
動特性に基づいて摺動抵抗やエア漏れ等を含んだ実質的
な受圧面積が定められ、容量Veはエア室188の容積
を含むものでピストンの移動ストロークに対するエア圧
Peの変化などから求められる。
【0050】ブランクホルダプレート158を含むアウ
タスライド160の重量Wosは摺動抵抗を差し引いた値
であり、例えばプレス機械150を作動させてアウタス
ライド160の下降時における荷重Faiを前記歪ゲージ
178によって検出するとともに、前記エアシリンダ2
16のエア圧Pdを変更することにより、4個の歪ゲー
ジ178の合計荷重Fa−エア圧Pd特性を求め、その
合計荷重Fa−エア圧Pd特性から前記実施例における
スライドプレート20の重量Wsを求める場合と同様に
して求められる。摺動抵抗分を別個にマシン情報として
設定することもできる。インナスライド164の重量W
isについても同様に合計荷重Fb−エア圧Pf特性から
求められる。また、エアシリンダ216の受圧面積Ad
は4本のエアシリンダ216の合計で、個々のエアシリ
ンダ216のエア漏れを加味したものであり、前記合計
荷重Fa−エア圧Pd特性の傾きは、この受圧面積Ad
に相当する。エアシリンダ266の受圧面積Afも4本
のエアシリンダ266の合計で、個々のエアシリンダ2
66のエア漏れを加味したものであり、前記合計荷重F
b−エア圧Pf特性の傾きは、この受圧面積Afに相当
する。
【0051】ha−Fsi仮特性(i=1,2,3,4)
は、アウタプランジャ166が下降端に達した時のしわ
押え荷重Fsiと相対距離haとの特性(Fsi=c・ha
+d)であるが、これは、使用する金型の剛性によって
も異なるため、通常の金型よりも剛性が高い部材を介在
させて、相対距離haを種々変更しつつ歪ゲージ178
によりアウタプランジャ166が下降端に達した時のし
わ押え荷重Fsiを測定したものであり、プレス機械15
0の剛性を反映している。このha−Fsi仮特性の測定
に際しては、アウタスライド160およびブランクホル
ダプレート158とエアシリンダ216による持ち上げ
力とが釣り合う状態でアウタスライド160がアウタプ
ランジャ166によって下降させられるようにエア圧P
dを調整して行われるとともに、エア圧Peによってし
わ押え荷重Fsiは変化するため、図19に示すようにエ
ア圧Peをパラメータとして設定される。また、かかる
ha−Fsi仮特性は、しわ押え荷重Fsiが0の場合の相
対距離haの最大値ha0を基準として定められるとと
もに、4箇所のダイハイト調整機構172についてそれ
ぞれ設定され、全体のしわ押え荷重Fsは各しわ押え荷
重Fsiの合計になる。なお、前記荷重測定装置100を
用いてこのha−Fsi仮特性を測定することも可能であ
り、例えば図21に示すように荷重測定台102の支柱
106上にスペーサブロック120を載せて、歪ゲージ
110により各しわ押え荷重Fsiを測定するのである。
【0052】hb−Fpi仮特性(i=1,2,3,4)
は、インナプランジャ168が下降端に達した時のプレ
ス荷重Fpiと相対距離hbとの特性(Fpi=e・hb)
で、前記実施例におけるh−Fpi仮特性(Fpi=a・
h)と同様にして設定される。具体的には、通常の金型
よりも剛性が高い部材を介在させて、相対距離hbを変
更しつつ歪ゲージ246によりインナプランジャ168
が下降端に達した時のプレス荷重Fpiを測定するのであ
り、プレス機械150の剛性を反映している。このhb
−Fpi仮特性の測定に際しても、インナスライド164
とエアシリンダ268による持ち上げ力とが釣り合う状
態でインナスライド164がインナプランジャ168に
よって下降させられるようにエア圧Pfを調整して行わ
れる。また、このhb−Fpi仮特性は4箇所のダイハイ
ト調整機構240についてそれぞれ定められ、全体のプ
レス荷重Fpは個々のプレス荷重Fpiの合計になる。な
お、図21に示されているように、前記荷重測定装置1
00を用いて、各歪ゲージ112の出力からプレス荷重
Fpiを測定することもできる。
【0053】前記金型情報におけるしわ押えリング15
6の重量Wr,ポンチ型162の重量Wqは、それ等の
しわ押えリング156,ポンチ型162を製作した後に
測定した実測値であり、しわ押え荷重Fsoi (i=1,
2,3,4),プレス荷重Fpoi (i=1,2,3,
4)は、しわ押えリング156,ポンチ型162,およ
び前記ダイス型152を試験用のトライプレスに取り付
けて実際にプレス加工を行い、適正なプレス品が得られ
る荷重条件をトライアンドエラーで求めたものである。
上記しわ押え荷重Fsoi およびプレス荷重Fpoi は、金
型の重量やトライプレス各部の摺動抵抗等による影響を
排除したもので、例えば図11のプレス機械150と同
様に構成されたトライプレスを用いた場合には、アウタ
スライド160,ブランクホルダプレート158,およ
びしわ押えリング156とエアシリンダ216による持
ち上げ力とが釣り合う状態でアウタスライド160がア
ウタプランジャ166によって下降させられるようにエ
ア圧Pdを調整し、その状態でプレス加工を行った際に
各歪ゲージ178により検出される荷重Faiに基づいて
しわ押え荷重Fsoi が求められ、インナスライド164
およびポンチ型162とエアシリンダ266による持ち
上げ力とが釣り合う状態でインナスライド164がイン
ナプランジャ168によって下降させられるようにエア
圧Pfを調整し、その状態でプレス加工を行った際に各
歪ゲージ246により検出される荷重Fbiに基づいてプ
レス荷重Fpoi が求められる。これらのしわ押え荷重F
soi ,プレス荷重Fpoi は、それぞれプランジャ16
6,168に連結された4箇所の各々の荷重で、全体の
しわ押え荷重Fsoは4箇所のしわ押え荷重Fsoi の合計
となり、全体のプレス荷重Fpoは4箇所のプレス荷重F
poi の合計になる。
【0054】図14に戻って、前記コントローラ296
は、ROMに予め定められたプログラムに従って信号処
理を行うことにより、図15に示されている機能を実行
するようになっている。かかる図15において、マシン
情報メモリ310は、前記専用コントローラ302に予
め記憶されたマシン情報を読み込んで記憶しておくもの
で、金型情報メモリ312は、プレス機械150に金型
が取り付けられて前記送受信機304によりIDカード
306から読み込んだ金型情報を記憶する。また、エア
圧Pdx算出ブロック314は、上記マシン情報メモリ3
10に記憶されたマシン情報および金型情報メモリ31
2に記憶された金型情報に基づいて、アウタスライド1
60,ブランクホルダプレート158,およびしわ押え
リング156と釣り合う力でそれ等を持ち上げるエア圧
Pdxを次式(6)に従って算出する。エア圧Pd調整ブ
ロック316は、エア圧センサ236によって検出され
るエアタンク218内のエア圧Pdが算出されたエア圧
PdxとなるようにON,OFF給排気バルブ238を切
換制御する。これにより、アウタスライド160,ブラ
ンクホルダプレート158,およびしわ押えリング15
6の重量に影響されることなく、金型情報として設定さ
れた各しわ押え荷重Fsoi でプレス加工を行うことがで
きるようになる。エアタンク218の容量は充分に大き
く、アウタスライド160の下降に伴う4本のエアシリ
ンダ216の容積変化に起因するエア圧Pdの変動は殆
ど無視できる程度であるが、この容積変化を考慮してエ
ア圧Pdxを算出することもできる。
【0055】
【数5】 Pdx=(Wr+Wos)/Ad ・・・(6)
【0056】エア圧Pex算出ブロック318aは、前記
マシン情報および金型情報に基づいて、その金型情報と
して設定されたしわ押え荷重Fsoi を発生するためのエ
ア圧Pexを次式(7)の関係から算出する。エア圧Pe
調整ブロック320aは、エア圧センサ212aによっ
て検出されるエアタンク190内のエア圧Peが算出さ
れたエア圧PexとなるようにON,OFF給排気バルブ
214aを切換制御する。上記エア圧Pexは、他の3箇
所のエアタンク190についてもそれぞれそのマシン情
報,金型情報に基づいて算出され、エア圧センサ212
b〜212dの信号を取り込みつつON,OFF給排気
バルブ214b〜214dを切換制御することにより、
上記と同様に行われる。コントローラ296は、そのた
めのエア圧Pex算出ブロック318b〜318dおよび
エア圧調整ブロック320b〜320dを備えている。
そして、このように4箇所のエアタンク190内のエア
圧Peがそれぞれ制御されることにより、しわ押え荷重
付与手段191の各部の受圧面積の相違等に拘らず金型
情報として設定された各しわ押え荷重Fsoi で良好にし
わ押えが行われ得るようになる。なお、エア圧Pex算出
ブロック318c,318dおよびエア圧調整ブロック
320c,320dは図示を省略してある。また、
(7)式のPtは大気圧である。
【0057】
【数6】 Fsoi =(Ax・Az/Ay){(Pex+Pt)〔Ve/(Ve −Az・Y)〕−Pt} ・・・(7)
【0058】一方、前記専用コントローラ302は、R
OMに予め定められたプログラムに従って信号処理を行
うことにより、図16に示されている機能を実行するよ
うになっている。かかる図16において、マシン情報メ
モリ322は、予めキー入力等により入力されたマシン
情報を記憶しておくもので、金型情報メモリ324は、
プレス機械150に金型が取り付けられて前記送受信機
304によりIDカード306から読み込んだ金型情報
を記憶する。また、エア圧Pfx算出ブロック326は、
これ等のマシン情報および金型情報に基づいて、インナ
スライド164およびポンチ型162と釣り合う力でそ
れ等を持ち上げるエア圧Pfxを次式(8)に従って算出
する。エア圧Pf調整ブロック328は、エア圧センサ
272によって検出されるエアタンク268内のエア圧
Pfが算出されたエア圧PfxとなるようにON,OFF
給排気バルブ270を切換制御する。これにより、イン
ナスライド164およびポンチ型162の重量に影響さ
れることなく、金型情報として設定された各プレス荷重
Fpoi でプレス加工を行うことができるようになる。エ
アタンク268の容量は充分に大きく、インナスライド
164の下降に伴う4本のエアシリンダ266の容積変
化に起因するエア圧Pfの変動は殆ど無視できる程度で
あるが、この容積変化を考慮してエア圧Pfxを算出する
こともできる。
【0059】
【数7】 Pfx=(Wq+Wis)/Af ・・・(8)
【0060】相対距離ha調整ブロック330は、前記
マシン情報および金型情報に基づいて、金型情報として
設定された各しわ押え荷重Fsoi でプレス加工が行われ
るように、4箇所のダイハイト調整機構172の相対距
離haをそれぞれ独立に調整するもので、先ず、歪ゲー
ジ178から供給される荷重Faiに基づいてしわ押え荷
重Fsiが0の場合の相対距離haの最大値である基準値
ha0 を決定するとともに、マシン情報として設定され
た図19に示すha−Fsi仮特性(Fsi=c・ha+
d)の中から、前記エア圧Pex算出ブロック318a〜
318dで求められたエア圧Pexに対応するものを選択
する。そして、その選択したha−Fsi仮特性に基づい
て、図20に示すようにしわ押え荷重Fsoi が得られる
相対距離ha1 を求めるとともに、上記基準値ha0
基準としてサーボモータ174により相対距離haをh
1 に調整し、その状態でテストプレスが行われる際に
歪ゲージ178から供給される信号に基づいてしわ押え
荷重Fs1 を測定する。予め設定されたha−Fsi仮特
性は、通常の金型よりも剛性が高い場合を基準として設
定されているため、一般にしわ押え荷重Fs1 はしわ押
え荷重Fsoi より小さく、その差に基づいてha−Fsi
本特性(Fsi=c・ha+f)を求めるとともに、その
ha−Fsi本特性からしわ押え荷重Fsoi が得られる相
対距離haxを決定し、サーボモータ174により相対距
離haがhaxとなるように制御する。かかる相対距離h
axの決定および調整は、4箇所のダイハイト調整機構1
72についてそれぞれ上記と同様にして独立に行われ
る。これにより、プレス機械150毎の剛性の相違等に
拘らず、金型情報として設定された各しわ押え荷重Fso
i で良好にプレス加工が行われる。
【0061】また、相対距離hb調整ブロック332
は、前記マシン情報および金型情報に基づいて、金型情
報として設定された各プレス荷重Fpoi でプレス加工が
行われるように、4箇所のダイハイト調整機構240の
相対距離hbをそれぞれ独立に調整するもので、前記実
施例における相対距離h調整ブロック146と全く同じ
機能を有する。
【0062】専用コントローラ302はまた、以上の各
制御とは別に、前記歪みゲージ246によって検出され
る4箇所の荷重Fbiがそれぞれ予め定められたオーバロ
ード防止荷重Foli (i=1,2,3,4)を超えない
ように、前記実施例におけるエア圧Pcの制御と同様に
エア圧Pgを制御する。このエア圧Pgについては、使
用する金型とは無関係に設定できるため、手動操作等に
より予め調整しておくようにしても差支えない。
【0063】このように、かかる本実施例のプレス機械
150においても、予めマシン情報メモリ322に記憶
されたプレス機械150固有のマシン情報および送受信
機304を介してIDカード306から読み込んだ金型
固有の金型情報に基づいて、個々のプレス機械の剛性や
各部の摺動抵抗等の相違に拘らず、トライプレスによっ
て求められた適切なプレス加工が行われるプレス条件、
すなわちしわ押え荷重Fsoi やプレス荷重Fpoi が再現
されるように、プレス加工条件であるエア圧Pdx,Pe
x,Pfx,相対距離hax,hbxがそれぞれ求められると
ともに、それ等の値に従ってエア圧Pd,Pe,Pf,
相対距離ha,hbがそれぞれ自動的に初期設定される
ため、トライアンドエラーによる面倒な調整作業が解消
して作業者の負担が大幅に軽減されるとともに、優れた
品質のプレス品が安定して得られるようになる。
【0064】一方、本実施例では上記エア圧Pd,Pe
を自動調整するために必要なエア圧センサ212a〜2
12d,236やON,OFF給排気バルブ214a〜
214d,238がコントロールボックス202に配設
され、自由に移動させて各プレス機械150に接続でき
るようになっているため、それ等のエア圧センサやO
N,OFF給排気バルブを備えていないプレス機械に対
しても、容易に同様の制御を行うことができる。また、
例えばエア圧Pd,Peの自動調圧制御によるプレス品
質の安定化効果等を説明するために、このコントロール
ボックス202を各地の工場へ持って行ってデモンスト
レーションを行う場合や、必要なプレス機械のみを稼働
させてプレス作業を行うプレス加工ライン等において好
適に用いられる。更に、4箇所のしわ押え荷重Fsiやエ
アシリンダ216によるバランサ荷重等をマニュアル操
作で調整できるとともに、それ等の荷重を発生させるエ
ア圧Pe,Pdが表示メータ290に表示されるため、
プレス機械の異常診断等を行う場合にも好適に利用でき
る。
【0065】なお、上記エア圧Pd,Pe,Pf,相対
距離ha,hbは、必ずしも厳密にエア圧Pdx,Pex,
Pfx,相対距離hax,hbxと一致するように制御する必
要はなく、要求されるプレス品質を満たすように予め定
められた所定の許容範囲内に入るように制御すれば良い
ことは前記実施例と同様である。
【0066】一方、かかるエア圧Pd,Pe,Pf,相
対距離ha,hbが、前記金型情報およびマシン情報に
基づいて自動的に初期設定された後、実際にプレス機械
150で絞り加工を行った際にプレス素材の特性のばら
つき等に起因して割れやシワが発生した場合には、前記
設定変更器354により全体のしわ押え荷重Fsを変更
しながら試し打ちを行い、適正なプレス品が得られるよ
うにエア圧Peを調整する。前記エア圧Pex算出ブロッ
ク318a〜318dおよびエア圧Pe調整ブロック3
20a〜320dによるエア圧Peの初期設定は、設定
変更器354から供給される変更値ΔFsと無関係に行
われるが、初期設定が終了した後に図示しないマニュア
ルON,OFFスイッチ等が操作されると、エア圧Pex
算出ブロック318a〜dは変更値ΔFsを考慮した次
式(9)の関係からエア圧Pexを算出する。また、エア
圧Pe調整ブロック320a〜320dは、その新たに
算出されたエア圧Pexに基づいてON,OFF給排気バ
ルブ214a214dをそれぞれ切換制御し、これによ
り、4箇所のしわ押え荷重Fsiがそれぞれ(Fsoi+Δ
Fs/4)となる状態でしわ押えが行われる。すなわ
ち、この場合には相対距離haにより各しわ押え荷重F
siを調整するのでなく、図20において矢印Qで示され
ているようにエア圧Peによってしわ押え荷重Fsiを直
接上下させるのである。したがって、変更値ΔFsを変
化させながら絞り加工を行い、シワや割れ等の無い適切
な絞り加工が行われるように各しわ押え荷重Fsi、言い
換えれば4箇所のエア圧Peを調整すれば良い。上記エ
ア圧Pex算出ブロック318a〜318dは流体圧演算
手段に相当し、(9)式はしわ押え荷重付与手段191
に関して予め定められたしわ押え荷重と流体圧(エア
圧)との関係を表している。また、エア圧調整ブロック
320a〜320dはON,OFF給排気バルブ214
a〜214d,エア圧センサ212a〜212dと共に
調圧制御手段を構成している。
【0067】
【数8】 Fsoi +ΔFs/4=(Ax・Az/Ay){(Pex+Pt) ×〔Ve/(Ve−Az・Y)〕−Pt} ・・・(9)
【0068】このように、本実施例においても設定変更
器354によりしわ押え荷重Fsそのものを変更するこ
とにより、適正なプレス品が得られるようにエア圧Pe
を調整できるため、前記実施例と同様にプレス機械15
0の機差の影響を受けることがなく、プレス品の割れや
シワの発生状況などからしわ押え荷重Fsの変更量ΔF
sを経験的に判断することにより、エア圧Peを比較的
短時間で調整できるようになる。
【0069】また、この実施例では設定変更器354に
より全体のしわ押え荷重Fsの変更値ΔFsを設定する
だけで、4箇所のしわ押え荷重付与手段191のエア圧
Peがその変更値ΔFsに応じてそれぞれ調圧されるた
め、それ等のエア圧Peをそれぞれ作業者が調整してい
た従来の場合に比較して調整時間が大幅に短縮される。
すなわち、エア圧Peを作業者が調整する場合に、その
エア圧Peに対応するしわ押え荷重が表示されるように
すれば、そのしわ押え荷重を確認しつつエア圧Peを変
更することにより、上記のように比較的短時間で調整を
行うことが可能となるが、その場合でも4箇所のエア圧
Peをそれぞれ独立に調整する必要があるため、本実施
例に比較して4倍程度の時間が掛かるのである。
【0070】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもで
きる。
【0071】例えば、前記第1実施例では予め設定され
たしわ押え荷重Fsoに変更値ΔFsを加算してエア圧P
axを算出し直すようになっていたが、例えば変更値ΔF
sだけしわ押え荷重Fsを変化させるための変更エア圧
ΔPaを次式(10)に従って求め、その変更エア圧Δ
Paだけエア圧Paを変化させるようにしても良いな
ど、しわ押え荷重Fsの変更値ΔFsに対するエア圧P
aの調圧態様は適宜変更され得る。第2実施例について
も同様である。
【0072】
【数9】 ΔPa=ΔFs/Aa ・・・(10)
【0073】また、図5に示されている設定変更器34
0の操作パネルはあくまでも一例であり、変更値ΔFs
をテンキー等によって数値設定するようにしても良いな
ど、適宜変更され得る。
【0074】また、前記第2実施例ではエア圧Pd,P
eに関するエア圧センサ236,212a〜212dお
よびON,OFF給排気バルブ238,214a〜21
4dのみがプレス機械150と別体に構成されたコント
ロールボックス202内に配設されているが、エア圧P
fに関するエア圧センサ272およびON,OFF給排
気バルブ270等についても、コントロールボックス2
02内に配設することができる。なお、上記エア圧セン
サ236,212a〜212dおよびON,OFF給排
気バルブ238,214a〜214dをプレス機械15
0に直接配設しても良いことは勿論、第1実施例のエア
圧センサ50,86やON,OFF給排気バルブ46,
84を、プレス機械10とは別体に構成されたコントロ
ールボックス等に配設することもできる。
【0075】また、前記実施例では金型情報がIDカー
ド96,306に記憶され、無線でコントローラ90,
専用コントローラ302に読み込まれるようになってい
たが、バーコードや磁気テープ,フロッピーディスク等
に金型情報を記録しておいて、その内容をコントローラ
90,302に接続された読取り装置等によって読み取
るようにしても良い。キーボード等により手作業で金型
情報を入力することもできる。
【0076】また、前記実施例では上記のようにエア圧
Pa,Pe等の初期値が自動的に設定されるようになっ
ていたが、適正なプレス品が得られるようにトライアン
ドエラーでエア圧Pa,Pe等の初期値を設定するよう
になっていても、本発明は同様に適用され得る。しわ押
え荷重Fs,Fsiの初期設定値は必ずしも判る必要はな
く、上記(10)式等により変更値ΔFsに対応してエ
ア圧Pa,Peが調圧されるようになっておれば良い。
【0077】また、前記実施例ではバランサ用の4本ず
つのエアシリンダ80,216,266がそれぞれ共通
のエアタンク82,218,268に接続されていた
が、それ等がそれぞれ独立のエアタンクを備えていてエ
ア圧が独立に調整されるようになっていても良いなど、
プレス機械10,150の構成は適宜変更され得る。
【0078】また、前記実施例で説明した各演算式
(1)〜(9)はあくまでも一例であり、他の近似式等
を用いたりデータマップ等を利用したりしてエア圧Pa
等のプレス加工条件が求められるようになっていても良
い。
【0079】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明のしわ押え荷重変更装置によってしわ押
え荷重が変更されるシングルアクション型プレス機械の
一例を示す構成図である。
【図3】図2のプレス機械のバランサ用エアシリンダの
近傍部分を示す構成図である。
【図4】図2のプレス機械の制御系統を説明するブロッ
ク線図である。
【図5】図2のプレス機械に備えられている設定変更器
の操作パネルを示す図である。
【図6】図4のコントローラの機能を説明するブロック
線図である。
【図7】図2のプレス機械のマシン情報を求めるための
荷重測定の一態様を説明する図である。
【図8】図7の荷重測定によって得られる荷重波形の一
例を示す図である。
【図9】図7の荷重測定によって得られるしわ押え荷重
Fsiとエア圧Paとの関係を示す図である。
【図10】図2のプレス機械のプレス荷重Fpiと相対距
離hとの関係を示す図である。
【図11】本発明のしわ押え荷重変更装置によってしわ
押え荷重が変更されるダブルアクション型プレス機械の
一例を示す構成図である。
【図12】図11のプレス機械のアウタ側バランサ用エ
アシリンダの近傍部分を示す構成図である。
【図13】図11のプレス機械のインナ側バランサ用エ
アシリンダの近傍部分を示す構成図である。
【図14】図11のプレス機械の制御系統を説明するブ
ロック線図である。
【図15】図14におけるコントローラの機能を説明す
るブロック線図である。
【図16】図14における専用コントローラの機能を説
明するブロック線図である。
【図17】図14のコントロールボックスを示す正面図
である。
【図18】図17のコントロールボックスの左側面図で
ある。
【図19】図11のプレス機械のしわ押え荷重Fsiと相
対距離haとの関係を示す図である。
【図20】図19の荷重特性に基づく相対距離haxの求
め方を説明する図である。
【図21】図11のプレス機械のマシン情報を求めるた
めの荷重測定の一態様を説明する図である。
【符号の説明】
10:プレス機械 42:エアシリンダ(流体圧シリンダ) 46:ON,OFF給排気バルブ(調圧制御手段) 50:エア圧センサ(調圧制御手段) 51:しわ押え荷重付与手段 90:コントローラ 134:エア圧Pax算出ブロック(流体圧演算手段) 136:エア圧Pa調整ブロック(調圧制御手段) 150:プレス機械 184:シリンダ(流体圧シリンダ) 191:しわ押え荷重付与手段 212a〜212d:エア圧センサ(調圧制御手段) 214a〜214d:ON,OFF給排気バルブ(調圧
制御手段) 296:コントローラ 318a,318b:エア圧Pex算出ブロック(流体圧
演算手段) 320a,320b:エア圧Pe調整ブロック(調圧制
御手段) 340,354:設定変更器(設定変更手段) Pa,Pe:エア圧(流体圧) ΔFs:しわ押え荷重の変更値

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絞り加工時に流体圧シリンダのピストン
    が後退させられることにより該流体圧シリンダの流体圧
    に応じたしわ押え荷重を作用させるしわ押え荷重付与手
    段を備えたプレス機械において、該しわ押え荷重を変更
    する装置であって、 前記しわ押え荷重に関して予め定められた設定値を変更
    する設定変更手段と、 前記しわ押え荷重付与手段に関して予め定められたしわ
    押え荷重と流体圧との関係に基づいて、前記設定変更手
    段により変更されたしわ押え荷重を付与する流体圧を演
    算する流体圧演算手段と、 該流体圧演算手段によって求められた流体圧となるよう
    に前記しわ押え荷重付与手段の流体圧を制御する調圧制
    御手段とを有することを特徴とするプレス機械のしわ押
    え荷重変更装置。
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