JPH06190416A - H形鋼の形状制御方法 - Google Patents
H形鋼の形状制御方法Info
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- JPH06190416A JPH06190416A JP4344887A JP34488792A JPH06190416A JP H06190416 A JPH06190416 A JP H06190416A JP 4344887 A JP4344887 A JP 4344887A JP 34488792 A JP34488792 A JP 34488792A JP H06190416 A JPH06190416 A JP H06190416A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Control Of Metal Rolling (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 仕上ユニバーサル圧延機で圧延された直後の
H形鋼のフランジ上下部の温度差によって生じる反りを
防止するH形鋼の形状制御方法を提供する。 【構成】 仕上ユニバーサル圧延機10で圧延された直後
のH形鋼1のフランジ幅方向温度分布を温度センサ14
a,14b,14c,14dを用いてフランジ水冷装置12a,
12bによる水冷開始前,水冷途中さらに空冷ゾーン13の
空冷前の複数位置で測定し、この測定温度値に基づいて
H形鋼1の復熱後のフランジ幅方向温度分布を予測し、
この予測値に基づいて圧延長手方向におけるフランジ上
部およびフランジ下部の残留応力分布を予測し、これら
フランジ上下部の残留応力の予測値の差に応じてフラン
ジ水冷装置12a,12bの冷却水噴射ノズルの高さ位置を
調節することにより、反りの少ないH形鋼を製造可能と
する。
H形鋼のフランジ上下部の温度差によって生じる反りを
防止するH形鋼の形状制御方法を提供する。 【構成】 仕上ユニバーサル圧延機10で圧延された直後
のH形鋼1のフランジ幅方向温度分布を温度センサ14
a,14b,14c,14dを用いてフランジ水冷装置12a,
12bによる水冷開始前,水冷途中さらに空冷ゾーン13の
空冷前の複数位置で測定し、この測定温度値に基づいて
H形鋼1の復熱後のフランジ幅方向温度分布を予測し、
この予測値に基づいて圧延長手方向におけるフランジ上
部およびフランジ下部の残留応力分布を予測し、これら
フランジ上下部の残留応力の予測値の差に応じてフラン
ジ水冷装置12a,12bの冷却水噴射ノズルの高さ位置を
調節することにより、反りの少ないH形鋼を製造可能と
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、H形鋼の形状制御方法
に係り、特にユニバーサル圧延機で圧延された直後のH
形鋼のフランジ上下部の温度差によって生じる反りを防
止する形状制御方法に関する。
に係り、特にユニバーサル圧延機で圧延された直後のH
形鋼のフランジ上下部の温度差によって生じる反りを防
止する形状制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】H形鋼の圧延は、粗ユニバーサル圧延機
やエッジャ、仕上ユニバーサル圧延機などの製造ライン
を用いることによってその断面形状が図2に示すように
一対のフランジ2,2とウエブ3からなるH字状とされ
るのが一般的であるが、仕上ユニバーサル圧延機を出た
H形鋼1は搬送テーブルなどの抜熱・保温効果によりそ
の断面形状の温度分布が図3に示すように不均一とな
り、フランジ2の幅方向に沿ったフランジ上部2aとフ
ランジ下部2bとの間に温度差が発生し、その温度差が
原因となって図4に示すような反りが生じる。
やエッジャ、仕上ユニバーサル圧延機などの製造ライン
を用いることによってその断面形状が図2に示すように
一対のフランジ2,2とウエブ3からなるH字状とされ
るのが一般的であるが、仕上ユニバーサル圧延機を出た
H形鋼1は搬送テーブルなどの抜熱・保温効果によりそ
の断面形状の温度分布が図3に示すように不均一とな
り、フランジ2の幅方向に沿ったフランジ上部2aとフ
ランジ下部2bとの間に温度差が発生し、その温度差が
原因となって図4に示すような反りが生じる。
【0003】従来から、このようなH形鋼の反りを減少
させるため、H形鋼の製造ラインではH形鋼のフランジ
に冷却水を吹き付けて冷却するようにしたフランジ冷却
法が用いられている。このフランジ冷却法では、フラン
ジ幅方向の冷却水密度分布がフランジ幅中央に対して対
称になるようにして実施される場合が多く、まれにフラ
ンジの上部と下部との間の温度差に着目して、温度差を
小さくするような冷却方法が採用されている。
させるため、H形鋼の製造ラインではH形鋼のフランジ
に冷却水を吹き付けて冷却するようにしたフランジ冷却
法が用いられている。このフランジ冷却法では、フラン
ジ幅方向の冷却水密度分布がフランジ幅中央に対して対
称になるようにして実施される場合が多く、まれにフラ
ンジの上部と下部との間の温度差に着目して、温度差を
小さくするような冷却方法が採用されている。
【0004】すなわち、たとえば特開昭52−142613号や
同63−248501号,特開平1−116033号などの公報におい
ては、冷却水量の調整および噴射パターンによって残留
応力を軽減させる方法が開示されており、また特開昭63
−186827号公報には高温で逆反りを与えておいて冷却す
る方法が、さらに特開平1−205033号公報には反りを機
械的に拘束する方法が開示されている。
同63−248501号,特開平1−116033号などの公報におい
ては、冷却水量の調整および噴射パターンによって残留
応力を軽減させる方法が開示されており、また特開昭63
−186827号公報には高温で逆反りを与えておいて冷却す
る方法が、さらに特開平1−205033号公報には反りを機
械的に拘束する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特開昭52−142613号や同63−248501号,特開平1−11
6033号などに開示されたH形鋼の形状制御方法にあって
はいずれも固定された設備による静的な制御であり、圧
延ピッチや加熱炉での在炉姿勢や抽出状態などによって
変動する温度分布に対して動的に対応できるのではな
く、またこれらの理由によりフランジ幅方向の温度分布
の対称性が失われると、冷却過程において反りが発生す
るという問題があった。
た特開昭52−142613号や同63−248501号,特開平1−11
6033号などに開示されたH形鋼の形状制御方法にあって
はいずれも固定された設備による静的な制御であり、圧
延ピッチや加熱炉での在炉姿勢や抽出状態などによって
変動する温度分布に対して動的に対応できるのではな
く、またこれらの理由によりフランジ幅方向の温度分布
の対称性が失われると、冷却過程において反りが発生す
るという問題があった。
【0006】また、特開昭63−186827号や特開平1−20
5033号に開示された方法ではいずれも制御が不安定であ
るという懸念があり、特に機械的に拘束するためにはそ
の設備が必要とされるから、多サイズの形鋼を大量に生
産しようとする工場には適さないという問題があった。
そこで、上記のような問題を解消すべく、本出願人は特
願平3−275532号で既にH形鋼の形状制御方法を提案し
ている。その内容は、図5に示すように、H形鋼1のフ
ランジ温度をフランジ上部2aおよび下部2bの幅方向
に配列された複数の温度センサ4a,4b,4c,4d
を用いて測定し、それらの測定信号をアナログマルチプ
レクサ5,A/D変換器6を介して制御部7に入力し、
この制御部7において測定温度に基づいてH形鋼1の圧
延方向におけるフランジ上部2aおよび下部2bの残留
応力分布を予測し、これらフランジ上下部の残留応力分
布の予測値の差に応じてフランジ水冷装置8によって冷
却水噴射ノズル9の高さ位置を調節することにより、残
留応力分布の変動に対して動的に対応して仕上温度の上
下対称性を確保しようとしたものである。
5033号に開示された方法ではいずれも制御が不安定であ
るという懸念があり、特に機械的に拘束するためにはそ
の設備が必要とされるから、多サイズの形鋼を大量に生
産しようとする工場には適さないという問題があった。
そこで、上記のような問題を解消すべく、本出願人は特
願平3−275532号で既にH形鋼の形状制御方法を提案し
ている。その内容は、図5に示すように、H形鋼1のフ
ランジ温度をフランジ上部2aおよび下部2bの幅方向
に配列された複数の温度センサ4a,4b,4c,4d
を用いて測定し、それらの測定信号をアナログマルチプ
レクサ5,A/D変換器6を介して制御部7に入力し、
この制御部7において測定温度に基づいてH形鋼1の圧
延方向におけるフランジ上部2aおよび下部2bの残留
応力分布を予測し、これらフランジ上下部の残留応力分
布の予測値の差に応じてフランジ水冷装置8によって冷
却水噴射ノズル9の高さ位置を調節することにより、残
留応力分布の変動に対して動的に対応して仕上温度の上
下対称性を確保しようとしたものである。
【0007】さらに、詳しく述べると、上記の発明は温
度モーメントという概念を導入して制御の指標にしてい
る。すなわち、H形鋼の反りはフランジ上下の残留応力
に基づく曲げモーメントの不釣合いにより発生し、残留
応力はフランジ各部の熱収縮量に起因するので、上下フ
ランジの温度差と残留応力差は一定範囲内では比例関係
にあることから、曲げモーメントを温度モーメントなる
概念に置き換えるのである。
度モーメントという概念を導入して制御の指標にしてい
る。すなわち、H形鋼の反りはフランジ上下の残留応力
に基づく曲げモーメントの不釣合いにより発生し、残留
応力はフランジ各部の熱収縮量に起因するので、上下フ
ランジの温度差と残留応力差は一定範囲内では比例関係
にあることから、曲げモーメントを温度モーメントなる
概念に置き換えるのである。
【0008】そして、冷却過程で発生する残留応力がフ
ランジ各部の仕上温度と比例関係にあるとすれば、反り
は(各部分の温度)×(フランジ中央からの距離)をフ
ランジ幅方向に積分した温度モーメントの和の上下差に
よって決定される。すなわち、フランジ幅方向の中央か
ら温度測定点までの距離(アーム長)と計測温度値とを
掛け合わせたものを温度モーメントとし、中央から幅方
向にフランジ端まで上下別々に積分して温度モーメント
和を求める。
ランジ各部の仕上温度と比例関係にあるとすれば、反り
は(各部分の温度)×(フランジ中央からの距離)をフ
ランジ幅方向に積分した温度モーメントの和の上下差に
よって決定される。すなわち、フランジ幅方向の中央か
ら温度測定点までの距離(アーム長)と計測温度値とを
掛け合わせたものを温度モーメントとし、中央から幅方
向にフランジ端まで上下別々に積分して温度モーメント
和を求める。
【0009】いま、H形鋼1のフランジ幅をBとし、フ
ランジ上部2aの温度分布関数をT U (x) ,フランジ下
部2bの温度分布関数をTL (x) とすると、フランジ上
部および下部の温度モーメントの和MU ,ML は下記
(1) ,(2) 式で表される。なお、xはフランジ中央から
の距離である。
ランジ上部2aの温度分布関数をT U (x) ,フランジ下
部2bの温度分布関数をTL (x) とすると、フランジ上
部および下部の温度モーメントの和MU ,ML は下記
(1) ,(2) 式で表される。なお、xはフランジ中央から
の距離である。
【0010】
【数1】
【0011】ついで、フランジ上部2aの温度モーメン
トの和MU とフランジ下部2bの温度モーメントの和M
L を比較し、MU >ML のときは下記(3) 式に従って、
またMU ≦ML のときは下記 (4)式に従ってそれぞれノ
ズル移動量ΔHU を算出して、冷却水噴射ノズルの高さ
制御を行う。 ΔHU =L・(MU −ML ) ……………(3) ΔHU =L・(ML −MU ) ……………(4) ここで、Lは比例係数である。
トの和MU とフランジ下部2bの温度モーメントの和M
L を比較し、MU >ML のときは下記(3) 式に従って、
またMU ≦ML のときは下記 (4)式に従ってそれぞれノ
ズル移動量ΔHU を算出して、冷却水噴射ノズルの高さ
制御を行う。 ΔHU =L・(MU −ML ) ……………(3) ΔHU =L・(ML −MU ) ……………(4) ここで、Lは比例係数である。
【0012】しかしながら、上記した特願平3−275532
号の方法では、本発明者の調査によると、詳細は後述す
るが、フランジ冷却後における復熱前後のフランジ温度
分布が大きく異なり、復熱が十分に達成されていない途
中段階の温度分布からの計算値を用いて、H形鋼の反り
形状に影響を及ぼすフランジ上下の残留応力制御を行う
ものであるから、反りを完全になくするには精度的に十
分でないという問題を潜在しているのである。
号の方法では、本発明者の調査によると、詳細は後述す
るが、フランジ冷却後における復熱前後のフランジ温度
分布が大きく異なり、復熱が十分に達成されていない途
中段階の温度分布からの計算値を用いて、H形鋼の反り
形状に影響を及ぼすフランジ上下の残留応力制御を行う
ものであるから、反りを完全になくするには精度的に十
分でないという問題を潜在しているのである。
【0013】本発明は、上記のような従来技術の有する
課題を解決すべくしてなされたものであって、フランジ
水冷を行った場合の復熱後のフランジ温度分布を予測す
ることにより、フランジ上下の残留応力分布の予測精度
を高め、後段のフランジ水冷でフランジ残留応力分布が
最適になるように制御して反りの発生を防止し得るH形
鋼の形状制御方法を提供するとを目的とする。
課題を解決すべくしてなされたものであって、フランジ
水冷を行った場合の復熱後のフランジ温度分布を予測す
ることにより、フランジ上下の残留応力分布の予測精度
を高め、後段のフランジ水冷でフランジ残留応力分布が
最適になるように制御して反りの発生を防止し得るH形
鋼の形状制御方法を提供するとを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、ユニバーサル
圧延機で圧延された直後のH形鋼のフランジに冷却水を
吹きつけて該H形鋼の反りを制御する形状制御方法にお
いて、前記H形鋼のフランジ幅方向温度分布を水冷開始
前および水冷途中の複数位置で測定し、この測定温度値
に基づいて前記H形鋼の復熱後のフランジ幅方向温度分
布を予測し、この予測値に基づいて圧延長手方向におけ
るフランジ上部およびフランジ下部の残留応力分布を予
測し、これらフランジ上下部の残留応力の予測値の差に
応じて冷却水噴射ノズルの高さ位置を調節することを特
徴とするH形鋼の形状制御方法である。
圧延機で圧延された直後のH形鋼のフランジに冷却水を
吹きつけて該H形鋼の反りを制御する形状制御方法にお
いて、前記H形鋼のフランジ幅方向温度分布を水冷開始
前および水冷途中の複数位置で測定し、この測定温度値
に基づいて前記H形鋼の復熱後のフランジ幅方向温度分
布を予測し、この予測値に基づいて圧延長手方向におけ
るフランジ上部およびフランジ下部の残留応力分布を予
測し、これらフランジ上下部の残留応力の予測値の差に
応じて冷却水噴射ノズルの高さ位置を調節することを特
徴とするH形鋼の形状制御方法である。
【0015】なお、前記冷却水噴射ノズルをフランジ幅
方向に複数段設けて、各段の冷却水の流量または圧力を
調節するようにしてもよい。
方向に複数段設けて、各段の冷却水の流量または圧力を
調節するようにしてもよい。
【0016】
【作 用】本発明者が、前出の特願平3−275532号のH
形鋼の形状制御方法を用いて実験を行い、フランジの上
下等価温度差と反り量との関係を調査した。ここで、フ
ランジの上下等価温度差とは、制御指標である温度モー
メント和の上下差を、フランジ中心から温度測定点まで
の距離をフランジ幅方向に積分した値で割って温度の次
元としたもので、この上下等価温度差をTM とすると、
下記(5) 式で表すことができる。ここで、xはフランジ
上部方向を正とするフランジ中央からの距離である。
形鋼の形状制御方法を用いて実験を行い、フランジの上
下等価温度差と反り量との関係を調査した。ここで、フ
ランジの上下等価温度差とは、制御指標である温度モー
メント和の上下差を、フランジ中心から温度測定点まで
の距離をフランジ幅方向に積分した値で割って温度の次
元としたもので、この上下等価温度差をTM とすると、
下記(5) 式で表すことができる。ここで、xはフランジ
上部方向を正とするフランジ中央からの距離である。
【0017】
【数2】
【0018】このとき、フランジ水冷装置の前後とこの
フランジ水冷装置の下流側の十分離れた位置に配設され
ている空冷ゾーンの入側とにそれぞれ温度センサを取付
け、当該圧延材に対してはフランジ水冷装置の入側の温
度センサでフランジ幅方向の温度を測定し、その結果に
基づいてフランジ水冷装置の冷却水噴射ノズルの高さを
調整した。また、次圧延材に対しては空冷ゾーン入側の
温度センサを用いて復熱後の温度として測定し、その温
度測定結果に基づいてフランジ水冷装置の冷却水噴射ノ
ズルの高さを調整した。そのとき得られた復熱前のフラ
ンジ上下等価温度差と反り量との相関関係を図6に示し
た。
フランジ水冷装置の下流側の十分離れた位置に配設され
ている空冷ゾーンの入側とにそれぞれ温度センサを取付
け、当該圧延材に対してはフランジ水冷装置の入側の温
度センサでフランジ幅方向の温度を測定し、その結果に
基づいてフランジ水冷装置の冷却水噴射ノズルの高さを
調整した。また、次圧延材に対しては空冷ゾーン入側の
温度センサを用いて復熱後の温度として測定し、その温
度測定結果に基づいてフランジ水冷装置の冷却水噴射ノ
ズルの高さを調整した。そのとき得られた復熱前のフラ
ンジ上下等価温度差と反り量との相関関係を図6に示し
た。
【0019】また、同時にH形鋼のフランジ幅方向の各
位置での表面温度分布について測定した結果を図7に示
した。なお、復熱前の表面温度分布はフランジ水冷装置
の出側の温度センサによって、また復熱後の表面温度分
布は空冷ゾーンの入側の温度センサによってそれぞれ測
定したものである。この調査結果から、本形状制御方法
の寄与率はγ2 =0.22と小さく、したがってばらつきが
大きいことがわかる。この理由としては、前出図7から
わかるように、復熱前後のフランジ幅方向の温度分布が
異なるため、図8に示すように、復熱前と復熱後のフラ
ンジの上下等価温度差も異なるためであると考えられ
る。
位置での表面温度分布について測定した結果を図7に示
した。なお、復熱前の表面温度分布はフランジ水冷装置
の出側の温度センサによって、また復熱後の表面温度分
布は空冷ゾーンの入側の温度センサによってそれぞれ測
定したものである。この調査結果から、本形状制御方法
の寄与率はγ2 =0.22と小さく、したがってばらつきが
大きいことがわかる。この理由としては、前出図7から
わかるように、復熱前後のフランジ幅方向の温度分布が
異なるため、図8に示すように、復熱前と復熱後のフラ
ンジの上下等価温度差も異なるためであると考えられ
る。
【0020】一方、空冷ゾーン入側の温度センサで測定
した復熱後の上下等価温度差と反り量の相関関係を調査
した結果を図9に示した。この図から明らかなように、
本形状制御方法の寄与率γ2 が0.55と比較的ばらつきが
小さいことがわかる。なお、この反り量はH形鋼の圧延
長手方向の長さ10 mにおけるものである。上記の結果か
ら、フランジ水冷装置の入側および出側の温度センサの
測定結果から復熱後の温度を予測するようにすれば、反
りの制御を精度よく行うことが可能になる。
した復熱後の上下等価温度差と反り量の相関関係を調査
した結果を図9に示した。この図から明らかなように、
本形状制御方法の寄与率γ2 が0.55と比較的ばらつきが
小さいことがわかる。なお、この反り量はH形鋼の圧延
長手方向の長さ10 mにおけるものである。上記の結果か
ら、フランジ水冷装置の入側および出側の温度センサの
測定結果から復熱後の温度を予測するようにすれば、反
りの制御を精度よく行うことが可能になる。
【0021】したがって、本発明によれば、復熱後のフ
ランジ幅方向の温度分布予測値に基づいて、フランジ水
冷を行った場合のH形鋼の圧延長手方向におけるフラン
ジの残留応力分布を高精度に予測し、この予測値の差に
応じて冷却水噴射ノズルの高さまたは冷却水の流量ある
いは圧力を調整することにより、残留応力分布の変動に
対して動的に対応することができるようにしたので、最
終的な仕上温度の上下対称性を確保することができ、こ
れによって反りのない形状のH形鋼を製造することが可
能となる。
ランジ幅方向の温度分布予測値に基づいて、フランジ水
冷を行った場合のH形鋼の圧延長手方向におけるフラン
ジの残留応力分布を高精度に予測し、この予測値の差に
応じて冷却水噴射ノズルの高さまたは冷却水の流量ある
いは圧力を調整することにより、残留応力分布の変動に
対して動的に対応することができるようにしたので、最
終的な仕上温度の上下対称性を確保することができ、こ
れによって反りのない形状のH形鋼を製造することが可
能となる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の実施例について、図面を参
照して詳しく説明する。図1は、本発明の実施例の主要
部を示す平面図であり、仕上ユニバーサル圧延機10の下
流側の搬送ライン11に複数段のフランジ水冷装置12a,
12bおよび空冷ゾーン13が連設され、これらフランジ水
冷装置12a,12bの前後にH形鋼1のフランジ幅方向の
温度分布を測定する左右一対の温度センサ14a,14b,
14cが取付けられ、空冷ゾーン13の入側に温度センサ14
dが取付けられる。
照して詳しく説明する。図1は、本発明の実施例の主要
部を示す平面図であり、仕上ユニバーサル圧延機10の下
流側の搬送ライン11に複数段のフランジ水冷装置12a,
12bおよび空冷ゾーン13が連設され、これらフランジ水
冷装置12a,12bの前後にH形鋼1のフランジ幅方向の
温度分布を測定する左右一対の温度センサ14a,14b,
14cが取付けられ、空冷ゾーン13の入側に温度センサ14
dが取付けられる。
【0023】ここで、上記した温度センサ14a,14b,
14c,14dは、前出図5に示したように、H形鋼1のフ
ランジ2の幅方向に複数個が配列されてそれぞれ構成さ
れるものとし、それらによって検出された温度の測定信
号はアナログマルチプレクサ5,A/D変換器6を介し
て制御部7に入力されて演算処理され、制御部7からの
制御信号によってフランジ水冷装置8を介して冷却水噴
射ノズル9の高さ位置が調節されるものとする。
14c,14dは、前出図5に示したように、H形鋼1のフ
ランジ2の幅方向に複数個が配列されてそれぞれ構成さ
れるものとし、それらによって検出された温度の測定信
号はアナログマルチプレクサ5,A/D変換器6を介し
て制御部7に入力されて演算処理され、制御部7からの
制御信号によってフランジ水冷装置8を介して冷却水噴
射ノズル9の高さ位置が調節されるものとする。
【0024】つぎに、上記した制御部7における演算処
理手順について説明する。 まず、仕上ユニバーサル圧延機10で圧延されたH形
鋼1は、温度センサ14aによってそのフランジ2の幅方
向の温度を測定し、制御部7においてその温度分布関数
T14a (x) を求める。 ついで、フランジ水冷装置12aでH形鋼1のフラン
ジ部を水冷し、その出側におけるフランジ2の幅方向の
温度を温度センサ14bで測定し、制御部7においてその
温度分布関数T14b (x) を求める。 そして、制御部7において復熱後の温度分布関数T
F (x) を下記(6) 式により求める。
理手順について説明する。 まず、仕上ユニバーサル圧延機10で圧延されたH形
鋼1は、温度センサ14aによってそのフランジ2の幅方
向の温度を測定し、制御部7においてその温度分布関数
T14a (x) を求める。 ついで、フランジ水冷装置12aでH形鋼1のフラン
ジ部を水冷し、その出側におけるフランジ2の幅方向の
温度を温度センサ14bで測定し、制御部7においてその
温度分布関数T14b (x) を求める。 そして、制御部7において復熱後の温度分布関数T
F (x) を下記(6) 式により求める。
【0025】 TF (x) =L1 ・T14a (x) +L2 ・T14b (x) ……………(6) ただし、L1 ,L2 は比例係数である。ここで、この
(6) 式による復熱後の温度分布予測について、簡易なや
り方について例示すると、L1 =1,L2 =−1とした
場合、すなわち、温度センサ14aの測定温度から温度セ
ンサ14bの測定温度を差し引いた温度降下量による上下
等価温度差と反り量との相関関係を求めることができ、
その一例を図10に示した。この図における寄与率γ2 は
0.21であって、このような単純な予測方法であっても前
出図6で示した復熱前の上下等価温度差によるものと精
度的に変わらないレベルであることがわかる。 さらに、上記した復熱後の温度分布関数TF (x) に
よるフランジの上下等価温度差TMFを下記(7) 式を用い
て求める。
(6) 式による復熱後の温度分布予測について、簡易なや
り方について例示すると、L1 =1,L2 =−1とした
場合、すなわち、温度センサ14aの測定温度から温度セ
ンサ14bの測定温度を差し引いた温度降下量による上下
等価温度差と反り量との相関関係を求めることができ、
その一例を図10に示した。この図における寄与率γ2 は
0.21であって、このような単純な予測方法であっても前
出図6で示した復熱前の上下等価温度差によるものと精
度的に変わらないレベルであることがわかる。 さらに、上記した復熱後の温度分布関数TF (x) に
よるフランジの上下等価温度差TMFを下記(7) 式を用い
て求める。
【0026】
【数3】
【0027】 つぎに、この復熱後の温度予測値によ
るフランジの上下等価温度差TMFを用いて、温度センサ
14a,14bの後段にあるフランジ水冷装置12bの冷却噴
射ノズルの移動高さΔHを下記(8) 式で求める。
るフランジの上下等価温度差TMFを用いて、温度センサ
14a,14bの後段にあるフランジ水冷装置12bの冷却噴
射ノズルの移動高さΔHを下記(8) 式で求める。
【0028】
【数4】
【0029】実際的には、前記(8) 式を前出特願平3−
275532号の従来法と組み合わせて、下記のような(9) 式
を用いるようにすれば、より反りの少ないH形鋼を得る
ことが可能になるので好ましい。
275532号の従来法と組み合わせて、下記のような(9) 式
を用いるようにすれば、より反りの少ないH形鋼を得る
ことが可能になるので好ましい。
【0030】
【数5】
【0031】 この移動高さΔHをフランジ水冷装置
12bに出力して冷却噴射ノズル9の位置を制御して、フ
ランジ2の圧延長手方向の残留応力の上下バランスをと
り、反りを制御する。なお、次圧延材を対象にする場合
は、上記(9) 式に空冷ゾーン13入側の温度センサ14dに
よる復熱後の温度分布関数T14d (x) を加味した下記(1
0)式を用いるようにすれば、さらに予測精度を高めるこ
とが可能である。
12bに出力して冷却噴射ノズル9の位置を制御して、フ
ランジ2の圧延長手方向の残留応力の上下バランスをと
り、反りを制御する。なお、次圧延材を対象にする場合
は、上記(9) 式に空冷ゾーン13入側の温度センサ14dに
よる復熱後の温度分布関数T14d (x) を加味した下記(1
0)式を用いるようにすれば、さらに予測精度を高めるこ
とが可能である。
【0032】
【数6】
【0033】また、温度センサ14cの温度分布T
14c (x) および温度センサ14dの温度分布T14d (x) を
それぞれフィードバックすることにより、復熱後温度予
測自体の精度をさらに高めることができる。さらに、上
記した実施例においては1本の冷却水噴射ノズル9の高
さ位置を制御するとして説明したが、本発明はこれに限
るものではなく、冷却水噴射ノズル9をフランジ幅方向
に複数段配設して、その各段の冷却水の流量または圧力
を調節するようにしても同等の作用効果を得ることがで
きるのである。
14c (x) および温度センサ14dの温度分布T14d (x) を
それぞれフィードバックすることにより、復熱後温度予
測自体の精度をさらに高めることができる。さらに、上
記した実施例においては1本の冷却水噴射ノズル9の高
さ位置を制御するとして説明したが、本発明はこれに限
るものではなく、冷却水噴射ノズル9をフランジ幅方向
に複数段配設して、その各段の冷却水の流量または圧力
を調節するようにしても同等の作用効果を得ることがで
きるのである。
【0034】さらにまた、上記実施例は仕上ユニバーサ
ル圧延機の出側の場合について説明したが、本発明は粗
ユニバーサル圧延機から仕上ユニバーサル圧延機までの
間におけるフランジ水冷の場合にも適用し得ることはい
うまでもない。
ル圧延機の出側の場合について説明したが、本発明は粗
ユニバーサル圧延機から仕上ユニバーサル圧延機までの
間におけるフランジ水冷の場合にも適用し得ることはい
うまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るH形
鋼の形状制御方法によれば、復熱後の温度分布を予測し
ながらH形鋼の圧延方向における上下フランジの残留応
力分布を均一にすべく、冷却水噴射ノズルの高さ位置を
調節するようにしたので、最終的な仕上温度の上下対称
性を高精度で確保することができ、H形鋼の反りを大幅
に防止し得るという効果がある。
鋼の形状制御方法によれば、復熱後の温度分布を予測し
ながらH形鋼の圧延方向における上下フランジの残留応
力分布を均一にすべく、冷却水噴射ノズルの高さ位置を
調節するようにしたので、最終的な仕上温度の上下対称
性を高精度で確保することができ、H形鋼の反りを大幅
に防止し得るという効果がある。
【図1】本発明の実施例の主要部を示す平面図である。
【図2】H形鋼の断面図である。
【図3】H形鋼の仕上圧延直後のフランジ幅方向の温度
分布を示す模式図である。
分布を示す模式図である。
【図4】H形鋼の反り形態の一例を示す斜視図である。
【図5】H形鋼の形状制御装置の従来例の説明図であ
る。
る。
【図6】復熱前の上下等価温度差と反り量の相関関係を
示す特性図である。
示す特性図である。
【図7】フランジ幅方向位置における表面温度分布の特
性図である。
性図である。
【図8】復熱前と復熱後の上下等価温度差の相関関係を
示す特性図である。
示す特性図である。
【図9】復熱後の上下等価温度差と反り量の相関関係を
示す特性図である。
示す特性図である。
【図10】温度降下量による上下等価温度差と反り量との
相関関係を示す特性図である。
相関関係を示す特性図である。
1 H形鋼 2 フランジ 3 ウエブ 5 アナログマルチプレクサ 6 A/D変換器 7 制御部 8 フランジ水冷装置 9 冷却水噴射ノズル 10 仕上ユニバーサル圧延機 11 搬送ライン 12 フランジ水冷装置 13 空冷ゾーン 14 温度センサ
Claims (2)
- 【請求項1】 ユニバーサル圧延機で圧延された直後
のH形鋼のフランジに冷却水を吹きつけて該H形鋼の反
りを制御する形状制御方法において、前記H形鋼のフラ
ンジ幅方向温度分布を水冷開始前および水冷途中の複数
位置で測定し、この測定温度値に基づいて前記H形鋼の
復熱後のフランジ幅方向温度分布を予測し、この予測値
に基づいて圧延長手方向におけるフランジ上部およびフ
ランジ下部の残留応力分布を予測し、これらフランジ上
下部の残留応力の予測値の差に応じて冷却水噴射ノズル
の高さ位置を調節することを特徴とするH形鋼の形状制
御方法。 - 【請求項2】 前記冷却水噴射ノズルをフランジ幅方
向に複数段設けて、各段の冷却水の流量または圧力を調
節することを特徴とする請求項1記載のH形鋼の形状制
御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4344887A JP3068353B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | H形鋼の形状制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4344887A JP3068353B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | H形鋼の形状制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06190416A true JPH06190416A (ja) | 1994-07-12 |
JP3068353B2 JP3068353B2 (ja) | 2000-07-24 |
Family
ID=18372768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4344887A Expired - Lifetime JP3068353B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | H形鋼の形状制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3068353B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101140963B1 (ko) * | 2009-02-19 | 2012-05-03 | 현대제철 주식회사 | 부등변 부등후 앵글의 압연 가이드장치 |
CN110695099A (zh) * | 2019-10-18 | 2020-01-17 | 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 | 带面材料冷却的细分控冷装置及控冷方法 |
-
1992
- 1992-12-24 JP JP4344887A patent/JP3068353B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101140963B1 (ko) * | 2009-02-19 | 2012-05-03 | 현대제철 주식회사 | 부등변 부등후 앵글의 압연 가이드장치 |
CN110695099A (zh) * | 2019-10-18 | 2020-01-17 | 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 | 带面材料冷却的细分控冷装置及控冷方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3068353B2 (ja) | 2000-07-24 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |